その夜更け、パパの部屋に軽いノックの音がした。  
ドアを開けるとママが微笑んで立っている。  
ママは、静かに、と言うように人差し指を唇に当てた。  
「…ママ、子供たち、もう寝たのか」  
パパの問いかけにはにかんだ表情で頷くママ。  
その表情は、まるで新婚の頃のようで…  
パパはママをベッドまで運ぼうとお姫様抱っこをすると  
「よーしパパ、今夜は頑張るぞ」と、誰にともなく呟くのだった。  
 
「………」  
「…ガーゴイル…君?」  
パパの部屋の窓辺に佇む黒い石像。  
「パパ殿とママ殿がまぐわいを始めるのが分かった。最中は極めて無防備だ。  
故に我は終わるまでここで番をしよう。気にせずに続けるがよい」  
 

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