東宮天祢は悩んでいた
彼の目の前には一本のベルト
それは祖父の発明品を納めた地下倉庫で発見したものだ
彼の理性はそのベルトを腰に巻くことに警鐘を鳴らしていた
だがバックルの中央に風車型の装飾を施したそのベルトは天祢の心の琴線を鳴らし続けていた
(ちょっとだけなら・・・)
ベルトを装着し部屋の中央に立つ天祢
「へんし・・・」
「天祢様?」
メイド長の山下がドアを開けた
左手を腰に構え右手を天井に掲げたポーズで固まる天祢
そんな天祢を見てこちらも固まる山下
致死量の放射能のような沈黙が部屋を満たした