まさか和己くんがこんなに大胆な子だったとは。男の子らしいところもあるということか。
それにしても、いつかは盗みたいと思っていたが、向こうから来てくれるとはね・・・。
「さっきは大丈夫だったかい。手加減したとはいえ、鳩尾に当ててしまった。
吐いてしまっただろう。お腹はまだ痛むかい。」
「は、はい・・・」
「しかし和己くんも大胆だな。梨々ちゃんには徹底的に体術の訓練をさせてるから
和己くんなんてただでは済まかったんだよ」
「百色さん、あの――」
「梨々ちゃんがいる手前、彼女を安心させたからったからやむ終えなかった。すまない」
「あ、謝らないでください。悪いのは僕です」
「そうだな。ボクの愛娘に手を出した代償は大きいよ」
「うっ、ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「冗談だよ。泣いてる和己くんもいいけど、もう泣かないで」
「・・・はい」
「しかし、梨々ちゃんに手を出そうとした罪がいかに重いか、勉強して帰ってもらうよ」
「へっ?」
「君の一晩の自由を盗ませてもらう。今夜はボクのベッドで一緒に泊まってもらおうかな」
「えっ?!」
「君のことはずっと好きだった。ずっと前から盗みたいと思っていたんだよ。その受けっぽいところ、たまらないんだ」
「受けっぽいって・・・」
「悲観することではないよ。その総受け体質は天性の才能だ。コンプレックスではない。長所なんだ」
「た、助けてガーくん・・・!食われる!」
「無理はしないで。まだ動けないだろう」
「待って!百色さん・・・!待っ」
「あはは、君はだいぶ軽いんだね。さぁ、いこうか」
「いやぁっ、やめむ・・・ふぐ・・んむ・・・」
『フム、和己よ。相手は違ったが結果的には新たな愛に目覚めることができたようだな』