やあ!僕の名前はアドル・クリスティン!
赤毛の勇者って呼ばれているけど自分ではあんまり自覚できないな、僕はタダ冒険が楽しいだけだしねっ!
そんな冒険一筋な僕なんだけど、このごろ妙な感覚にとらわれている。
大渦におちてしまい、奇跡的に流れ着いた島にあった漂流者たちの作った町、その一角でまだちっちゃい一人の女の子に会ったんだ。
その女の子は僕に「はじめまして、だよね?」話しかけてきてくれた。
するとなんだか僕はその子の目を見れなくなってしまったんだ。
…なんか、こう、自分の顔が赤くなっていることに気づいたし、その子の顔を見ていると…ドキドキした。
こんな感覚は初めてだ、その、どぎまぎするっていうのとは違って、そうだキュンとしたんだ!そして、胸は高鳴っていた。
レダの集落でも小さな女の子はいたのに、この子、シアちゃんという名前らしい…だけにはそんな感覚を持った。
今まで会った女の子とは違う印象、もしかしてこれが…恋、なのだろうか……
いや、恋だとしても、彼女と会ってから、時折感じる、この先走りたくなるような感覚はなんなのだろう。
たとえば…ほっぺをつんつんいじってみたり…一緒におしゃべりをしてにっこりした顔をもっと見たくなったり……ドギが時折読んでいた…あの…えっちな本のようなことを、シアちゃんと……
…ぼ、僕はな、なんてことを考えているんだ!?うぁ…僕の股間まで反応してきてしまっている…ほかの女のこのことを考えたって…こんなことは…
…これは、やっぱり、恋なんだ……!
とりあえず、今日はもう寝よう!…はぁ、こういうときにドギが近くにいてくれれば、相談に乗ってくれるんだけどなぁ……
「…そりゃあ、ロリコンって奴だぜ?アドル」
ぐぁーん
僕の情けない顔を見てドギはふぃっとため息をついた。
あの後てんやわんやでいろいろあって、ドギと再開することができた。海賊のみんなもみんな無事だった。
でもなんかやっぱりテラは僕になんかやけに突っかかってきてた。
…昔はもうちょっとおとなしかった気もする、あんなには突っかかってこなかったし…月日ってのは怖いと思った。
話は戻って、僕は自分の、シアちゃんに対する心境と、衝動をドギに打ち明けた。少しはすっきりするかと思ったんだけど…
ショックだった…僕は…世間一般で言う…幼女趣味だったらしい…僕の初恋は……
「まぁ、そう落ち込むなって、愛に歳の差なんて関係ねぇっていうじゃねぇか?あきらめらんねぇんだろ?」
「ドギ!わかってくれるんだね!うん!こんな気持ちは本当に初めてなんだっ!」
「あぁ、わかったわかった!(リリアが不憫でしょうがねぇぜこりゃ……)」
ドギはくいっと手に持った飲み物を口に運んで、一気に飲み干すと、再び僕に向き直った。
「で、話だけか?俺に聞きたいこと…あるんだよな?」
「うんうん!」
「よーしわかった、このドギ様が女についていろいろと教え込んでやるぜ!(コイツ目が輝いてやがる……)」
「ああっ!頼むよドギ!」
「ぐがーっ、んごぉっ…むぅ〜…そういやぁアドルの奴何度も初恋だとか初めてなんだとか…いってたな…
アイツ、思ったことにまっすぐだからな…ん、がぁあーっ…何か最後にアドルの奴に言ってやった気がするんだが…っつ…あたまいてぇ…二日酔いかよ…ん…覚えてねぇや……」
ドギがアドルに最後に言った言葉…『漢だったら直球勝負!人気のないところにでも連れていっちまえ!』…と酒気もあったせいか豪語してしまったことを、二度寝しようとしていたドギが思い出して大慌てで飛び起きるのはものの数秒後だった……