アークシェロブが足を大きく広げながらアルウェンに迫る。じりじりと距離を詰め、慎重に逃げ道を塞ぎなたら攻撃の射程圏内まで詰めようとする。  
 それは、アルウェンにとっても好都合だった。アークシェロブが迫るのが遅くなれば、それだけアルウェンにとっても魔力を練る時間が与えられる。大きく深呼吸をして、杖の先端に意識を集中した。  
 アルウェンは結局、最大威力のフォースアローを撃ち込む事を選択した。落盤の規模など予測できなかったし、なにより運に任せるのはプライドが許さなかった。それに、アークシェロブの速度ではフォースアローの速度に防御はできても回避は不可能だろう。  
 ゆっくりと後退しながら、呼吸を続ける。アークシェロブの防御が間に合わない速度、もしくは防御を貫き致命傷を与えるほどの威力を出すのは、今のアルウェンには難しいものがあった。  
 背中に軽い衝撃と、固い感触を確認する。すでに壁際まで後退し後は無く、もう覚悟を決めるしかない。  
 アルウェンは杖を大きく振り上げた。同時に今までとは比べ物にならないほど大規模な、人間をまるまる飲み込めるほどの光の星が生み出される。  
 今までとは規模が桁違いの魔法に脅威を覚えたアークシェロブは、両腕を振り上げた。魔力が両の前足にあつまり、地に叩きつけようとする。このままやらせてしまえば、今までで最大の壁が現れるだろう。アルウェンにそんな事をさせるつもりは無かった。  
「くらえぇ!」  
 放たれた彗星は、現れた岩の壁に下半分を削られながらも、アークシェロブに直撃した。光に目が眩んだアルウェンは、それでも視界の端から光が対面の壁に激突したのを確認する。  
 アークシェロブの魔法防御を貫いた。その事実に、アルウェンは今度こその勝利を確信した。  
 急激な魔力の消費で倒れそうになるのを杖で支える。反対側の壁がどうなっているかは、正面にアークシェロブが作り出した壁がそびえ立ち見えないが、さぞや酷い事になっているだろう。  
 魔力を回収するのはしばらく休んでからでいい。そう考えるアルウェンの頭に、生暖かい液体が降ってきた。怪訝に思いながらも頭に手を触れ、液体を確認する。緑色の液体だった。  
 どこからそんなものが降ってくるのか、アルウェンは辺りを見回す。答えはすぐに見つかった。アークシェロブが作り出した壁の向こう側から、液体は吹き出るように辺りに飛び散っている。  
「……まさか」  
 アルウェンは戦慄した。だん、と音が響くと、壁は地面に帰っていく。ゆっくりと沈む壁の向こう側から現れたのは、体の上半分を削られたアークシェロブだった。  
 ぶちゅぶちゅと嫌な音が響いているのは、アークシェロブが再生しているからだろう。背中の肉は生々しく盛り上がり、その勢いで液体が飛び出ている。  
 アークシェロブが作り出した壁は、十全とは言えないながらも見事に役割を果たした。放たれたフォースアローは壁に威力を殺がれると同時に、その軌道を僅かに上に変えられる。その結果、アークシェロブは重傷ではあるものの、生き残る事に成功した。  
 まずい、とアルウェンは思わず悲鳴を上げそうになる。肉体的な欠損はどうにでもなるが、魔力の消耗による一時的な貧血状態はどうにもならない。この状態が治らなければ、魔法も使えない。  
 なんとかして逃げようとするが、その前にアークシェロブに捕まった。前足の掻き爪が服を捉え、引き裂きながらアルウェンを地面に引きずり倒した。  
 もう一本の前足で、杖を持っていた右腕を突き刺される。痛みに呻き、反射的に手を離してしまった。杖は弾き飛ばされ、アルウェンはアークシェロブに体を押さえ込まれてしまう。  
 今のアルウェンは杖が無ければ、どんな魔法も使う事が出来ない。杖は手の届く位置になく、体は拘束されている。そして、アークシェロブはさほど間を置かずとも、再生を終えるだろう。  
 アルウェンは今、完全に詰んでいた。  
 問題はこれからの事だ。アークシェロブは自分をどうするつもりなのだろうか、とアルウェンは考える。  
 アルウェンは吸血鬼でも最上位の存在であり、滅多な事では死なない。それこど、体中を引き裂かれても死なないだろう。  
 屈辱ではあるが、自分を殺してアークシェロブが去ってくれればいい、そうアルウェンは考えた。そうすれば、杖とルゥを回収して一時撤退する。その後にアークシェロブの対策を考え、今度こそ倒して魔力を回収すればいい。  
 下手に抵抗をせずに、アークシェロブの動きを待っていた。アークシェロブは足を上げて、地面に叩きつける。アルウェンは来る痛みを予測して、歯を食いしばった。  
 アルウェンが想像した攻撃は、現れなかった。その代わり、うつ伏せの状態のアルウェンの手足を、大の字のように岩で拘束する。  
 
 岩はちょうど手首足首の位置に出現し、動きを封じた。多少の余裕はあるものの、引き抜けるほど隙間があるわけではない。  
 アルウェンは怪訝に思い、眉を潜めた。アークシェロブが自分を捕らえた理由は、すくなくともアルウェンには思いつかなかった。  
 アークシェロブは巨体に似合わず草食であり、少なくとも本の中には人を喰らったという記録は無い。捕食する以外でアルウェンを捕らえておく理由があるとは、どうしても考えられなかった。  
 アークシェロブの再生が終わり、調子を確かめるように六本の足を動かす。体の具合が良い事に満足したのか、アルウェンに向きかえった。  
 足の一本がアルウェンの首筋に添えられる。その冷たさと硬さに、一瞬形容しがたい嫌悪感を感じる。足は掻き爪を襟の内側にもぐりこませると、一気に縦に引き裂いた。アルウェンの染み一つ無い白い肌が裂かれた服の隙間から大胆に露出する。  
 一瞬硬直したアルウェンは、何が起きたか理解すると顔を真っ赤にして怒声を上げた。  
「き、貴様! 何をする!」  
 アークシェロブは言葉を理解できないのか、それとも無視しているだけなのか、全く反応を示さずに淡々と服を裂いていく。  
 アルウェンはうなじから足首まで完全に服を取り払われ、今は下着がかろうじて視線から守っているだけだ。  
 両手足をばたばたと動かすが、拘束はびくともしない。ただの岩ならなんとでもなっただろうが、今アルウェンを拘束しているのは魔法で出来た枷である。ただの力でなんとかするのは無理があった。  
 アークシェロブの足が、傷つけないように優しく股間を撫でる。足に付く無数の毛が、ショーツの隙間を貫いて直接アルウェンの恥丘をつついた。  
 その鋭くも弱い刺激に、思わず尻が跳ねる。結果的にアルウェンの股間はアークシェロブの足に擦り付けるような形になった。  
 アークシェロブの足は硬かった。恥丘はむにりと押しこまれ、毛櫛はアナルさえも刺激してアルウェンの背筋を刺激した。  
「あ……あん……、なんだ……これ」  
 足はゆっくりと上下に動き、アルウェンはそれにあわせてびくびくと体を震わせる。素直に気持ち悪いと思う。思うが、それ以外の形容しがたい感覚があるのも確かだった。  
 ショーツで固定された毛櫛は、それ故に恥丘と布の間で好き勝手に暴れた。足が動くごとに、尻が踊るごとに毛は縦横無尽に暴れ、毛一つ生えていないつるつるの恥丘をつつく。  
 毛は短く、少しだけ硬かった。恥肉はくりくりと刺激されているのに、一本筋が入っただけのぴっちりと閉じきった部分はそろそろと撫でるだけだった。  
 筋の先端近くにある皮を被った豆は、その芯にまでは刺激は届かず皮の上から小さな疼きを生む。アナルは小さく盛り上がる肉を滑り、まるで皺を丹念にほじられているようだった。  
 アルウェンはその刺激から若干の不安と大きな羞恥を感じ、足から逃れようと前へ逃げようとする。しかし、足首を固定されている状態ではどれほどの逃げ道も無い。すぐに足を股間に押し付けられる。  
 無理な体勢で逃げようとしたつけか、今度はアルウェンが自分から股間を押し付ける事になってしまう。硬かった肉は次第に柔らかく解され、足の形のままにぐにぐにと潰される。  
「なん……なんだ、これは。ひゃぁんっ……き、気持ち……悪いぞ」  
 口では強がって見せるが、その表情には全く説得力がなかった。体は傍目からも分かるほど赤く熱がこもっているし、閉じる事を忘れた口からは常に妖しい吐息が漏れている。  
 足の動きはしだいに大胆になっていった。ただ押し付けて上下するだけだったものが、股の丸い形に添って緩急をつけ滑るように動く。  
 足を引けば毛で優しく撫でられ。差し込めば毛はショーツの中にもぐりこみ、若干赤くなった肌をつつき弾けながら通っていく。  
 強く押されれば引く時でも恥丘の形を変えながらすられるし、弱く差し込めば粗い布で撫でられているような感覚がある。  
 アルウェンは自分の股など殆ど触った事がない。また、自慰の経験も無い。唯一の例外が、あおじぇりーに尿道を開発されてしまった時だ。まだ快楽の感覚を完全に理解しているわけではない。羞恥とむず痒さの入り混じった感覚は、アルウェンの知識にはないものだった。  
 アークシェロブの足が、ショーツの上からでも分かるほど自己主張しているクリトリス付近に添えられる。そこを押し込むようにして、足を突き出した。  
「ひゃああぁぁぁ!」  
 クリトリスを潰されながら毛で突き刺され、絶叫する。充血し膨らんでいたクリトリスは皮から頭を少しだけ覗かせており、そこに毛櫛が突き刺さった。潰されこねられるのとはちがう、繊細な刺激だった。  
 
 手足の枷がぎしりと音がするほど、アルウェンは体を蠢かせる。刺激から逃げるために思い切り尻を上にあげ、体中を緊張させる。  
 アークシェロブは大きな足を器用に動かし、アルウェンの体を支えた。アルウェンは下半身を持ち上げたまま下ろすことができず、アークシェロブに股間を大きくさらしたまま固定される事になる。  
 アルウェンの火照った下腹部のすぐ後ろには、アークシェロブの無機質ないくつもの目があった。  
「やめよ! 見るな、見るなぁ!」  
 腰を振って視線からにげようとするが、足で体を固定され動かす事もできなくなる。  
 アークシェロブの目はじっくりとアルウェンの股を観察していた。ショーツは湿って色と香りを変えており、足からの刺激がなくなった今でもひくひくと求めるように震えている。  
足から抜けてショーツにつきささったままの毛は、震えに呼応してアルウェンの股肉を撫でている。ショーツの隙間から内腿にかけてはりんごのように赤く染まり、アークシェロブが与えた刺激に従順である事を主張している。  
 空いている足の爪を、股間の中心部にある今は少しだけ開いている筋に優しく押し込んだ。アルウェンの体が数回大きく跳ね、やがて爪は柔肉に挟まれる。きゅっ、きゅっ、とねだる様に肉は挟みこみ、ショーツの染みを大きくしていった。  
 アークシェロブの爪が引き抜かれ、アルウェンの背筋にねっとりとした液体を擦り付けながら、徐々に下がっていく。肌の感触と反応を楽しんだ爪は、ショーツと尻の谷間にそっと差し込まれた。  
 ひっ、とアルウェンから小さな悲鳴が漏れた。何をするつもりか分からないはずがない。  
「や、やめるのだ! そこは、そこだけは!」  
 首を限界まで曲げて、アルウェンは背後を見た。アークシェロブの表情など分からないはずなのに、アルウェンには笑っているように見えた。  
 爪が谷間に沿って動かされる。アルウェンの肌を刺激しながら、アナルに触れ、恥部の愛液をまぶし、クリトリスをすりながら、正面へと移動していく。  
 少しずつ破かれながら開かれたショーツは、アルウェンの羞恥心を拡大しながら役割を終えていく。残ったのは、逆に劣情を煽るようなやぶかれ方をした布と、へその下すぐに数ミリだけ残っているショーツだったのもののゴム部分だ。  
 爪はぐりぐりとアルウェンの幼い下腹部を弄ぶと、爪を引っ張り最後のつながりを千切る。まだ布は足に纏わり付いているものの、もう僅かも大事な部分は隠していない。  
 己の体で遊ばれ、辱められたアルウェンは、怒りに声を上げた。  
「この痴れ者め! 必ずだ、必ず殺してやるぞ!」  
 アークシェロブはアルウェンの怒声を無視し、足にまたついているショーツを切り、地面に落とした。  
 アルウェンの恥液で濡れたショーツはぺしゃりと音を立てて、ボロ切れと化したドレスに落ちる。落ちたショーツとアルウェンの間には、キラキラ輝く糸が引いていた。  
 アークシェロブはついに晒されたアルウェンの股間を見る。毛も無く筋一つしかないそこは、本来ならば幼子のような外観をしていただろう。  
しかし今は、赤く熟れた柔肉といい、恥丘に塗りこまれた甘い香りの粘液といい、僅かに開いた秘所から除く桃色の大淫唇といい、しっかりと女になっていた。  
 子供のようで、大人。大人でありながら子供。もし男が今のアルウェンの秘所を見ていたら、その淫猥な誘惑に耐え切れず襲い掛かっていただろう。  
 アークシェロブがアルウェンが"女"である事を確認すると口を開いた。大人の頭でも飲み込めてしまいそうな大きな口を、熟れた肉壷とその周囲に構える。  
 その様子に、アルウェンの危機感が一気に目覚めた。もしかしたら、アークシェロブは肉食なのかもしれない、と。  
 アークシェロブの口が、アルウェンの股間に迫ってくる。アルウェンは今まで以上に暴れだした。  
「い、嫌だっ! 食われてたまるかぁ!」  
 幾ら暴れても、枷も足もびくともしない。口はゆっくりと迫り、アルウェンの恐怖心をいっそう煽った。  
 アークシェロブにアルウェンを食うつもりなど無かった。口は優しく下腹部を丸ごと納め、牙は体に食い込ませずに、腰を両側から固定し動かないようにする。  
 ひゅぅ、とアルウェンの口から息が漏れ、全身が硬直する。自分が生きながら噛み砕かれる姿を想像し、恐怖に耐えようとした。想像した激痛は訪れず、そのかわりに感じたのはねちゃっとした感触と、性的な刺激だった。  
 思わず腰を動かそうとしたが、牙に固定された腰は動かない。牙のとがった部分は肌に触れておらず、いくら体を動かそうとしても傷つかないだろう。  
 
 口の中の舌、というよりももはや触手に近いそれは、ぶよぶよとした感触で、粘液を出している。関節のようなものはなく、恐ろしく柔軟な動きを可能とし、それがアルウェンの秘所の前に大小十数の数が迫っていた。  
「な、なんだ? そなた、何をしようとしている……」  
 口は隙間無く肌を包んでおり、外からでは口の中の様子は見えない。アルウェンから別種の恐怖心がもたげて来た。  
 舌は口の中に入っている腿の端から舐め始める。ぐちゅぐちゅと粘液をかき混ぜながら、少しずつ上へと、恥丘へと迫っていった。  
「ひっ……ぁぁあ、なに……これぇ……ふうぅぅん!」  
 アルウェンが刺激に足の指を握る。ふくらはぎが跳ね、背筋を快楽が通過していく。  
「ば……かなぁっ! だって、これ……ひゃう! まだ太も……あん! いやだぁっ!」  
 先ほどまでの快楽の比ではなかった。舐めあげる舌は、たしかに巧みだ。先ほどの足での刺激など、児戯に等しいだろう。  
 しかし、まだ太腿しか刺激されていないのだ。内股にすら届いていない。それなのに、快感は足をすられた時と同等なのだ。  
 もしこれほどの刺激をする舌が股間に到達したら。クリトリスを摘まれたら、恥丘をたくさん撫でられて解されたら、さらにその奥の穴に入れられてたくさん突かれたら。  
 アルウェンは想像した。想像して、股間の奥深くが疼いた。疼いて、しまった。  
 体が来たる快楽に期待して、自分の奥深くが緩んだのを、絶望しながら自覚した。  
「もうやめろ! やめるのだ! ひゃああぁぁ! 撫でるな、舐めるなぁ! それ以上、のぼってぇぇ、あぁぁぁああ!」  
 内腿の恥部に近い部分を撫でられて、アルウェンの言葉は中断させられた。変わりに出てきたのは悲鳴と艶声。  
 肌を這い回る舌が、アルウェンの体を溶かしていく。太腿は舌でぐるぐる巻きにされ、ずるずると音を立てながら上り下りを繰り返す。尻を太い触手で舐められ、垂れた粘液が秘所を犯しながら伝い流れ落ちる。それでもまだ、秘所部分には僅かも触れていなかった。  
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……ひうっ……ふぅ……」  
 アルウェンは歯を食いしばり必死に耐える。アークシェロブの攻めはそんなアルウェンの様子を楽しんでいるかのように見えた。  
 気持ち良いけど耐えられる。耐えられるけどもどかしい。もっと強い刺激がほしい。けどこんな事は屈辱的だ。早く終わってしまえ。  
 纏まらない思考がぐるぐると頭の中を飛び交う。怖いのは、否定的な考えがどんどん塗りつぶされている事だった。もしかしたら、心から受け入れてしまうかもしれない。  
 決して楽でも単調でもない責め苦だが、徐々に刺激になれてアルウェンは呼吸を落ち着かせていった。強張っていた肩から力が抜け、少しずつ余裕が出てくる。  
 アークシェロブは、それを狙っていた。  
 細い触手の一本を、先端を吸盤状にへこませる。それをアルウェンのクリトリスに近付け、皮を押しのけて吸い付いた。  
「――――――〜〜〜〜っっっ!!」  
 アルウェンが声にならない悲鳴を上げる。全身から冷や汗が噴出し、体の自由になる部分全てが震える。視界がチカチカと点滅しだし、考えは全て吹き飛んだ。  
 アークシェロブはそんなアルウェンの様子にも手心を加える事はせず、ちゅうちゅうとクリトリスを吸い上げた。跳ねようとする尻をあえて押さえず、好き勝手に躍らせる。尻が動けばクリトリスは引っ張られ、また潰されて自分で自分を攻め立てる形になった。  
 アルウェンはどうしていいか分からず、動ける範囲で尻を振り続ける。それでもなお舌はクリトリスを手放さず、アルウェンの尻が止まろうとすると吸い付き、ひっぱり刺激を与え続けた。  
 クリトリスを包んでいる状態は変わらず、舌から繊毛が生えだす。その繊毛はクリトリスを優しく撫で始めた。  
「ひゃああ、ぁぁあ! あぁぁん! これ、いやぁ! やめれぇぇ!」  
 今までの強すぎた刺激は、アルウェンに快楽と理解できなかった。しかしこの攻めは、刺激こそ弱いかわりにしっかりと快楽を自覚させた。  
 そして、またクリトリスを強く吸いだす。  
「あああぁぁぁぁぁぁあ! ふわぁぁぁぁぁ!」  
 これが快楽である、と教え込まされたアルウェンは、強い刺激にも確かに快楽を感じ取った。緊張していた顔は急激に蕩け、自然と口元が笑い出す。  
 全身の力が抜けたアルウェンは、尿を漏らしていた。勢い良く吹き出るのではなく、ちょろちょろと長く少しずつ、本当に漏らした、という表現がしっくりくる。  
 乳首も痛いほど勃起していた。殆ど膨らみのない乳房は赤く、乳首に引っ張られているようにも見える。流れた汗はその膨らみをつたって、胸の先端から流れて落ちた。  
 
 ひゅうひゅうとアルウェンの呼吸が整わないのも気にせず、アークシェロブは舌で股を舐め上げる。粘液を丹念に擦り付けて、恥部をどろどろに溶かしていく。  
 恥丘は既に硬いところは存在せず、極上の肉になっていた。割れ目に肉を挟めば、ぐいぐいと締め付けつつも優しく吸い付く。  
 アークシェロブは、アルウェンが溶けきったと判断した。細めの舌に力を入れてやや硬くし、まだ開かぬ小さな穴、膣にそれを差し込んだ。  
「ひゃぁぁぁ……ああぁぁぁ、ふぅぅぁぁぁああ!」  
 ぷしぃ、と今度は強く尿道から潮が飛び出た。挿入の刺激に耐えられず、アルウェンはイってしまた。  
 クリトリスを左右に振られる事で、アルウェンの尻も左右に揺れる。ただ入っているだけの舌から自ら刺激を作り、腰はアークシェロブに忠実に動かされ続ける。  
 舌が抜き差しを開始するが、刺激は弱かった。元々突起らしいものはなく、太さも細い。体はそれが不満で腰を押し込もうとしたが、固定されている体は望み通りに動かず、待ち望む快楽を得られない。  
 舌は膣の中をどんどん侵入していき、やがて最奥、子宮口まで到達した。舌先のぶにぶにした感触で、アルウェンの子宮口は舐められていく。  
「ひゃあん! ふぅ、ふわぁぁ! あぁ……ぁぁあん!」  
 つつかれ、舐められ、押し込まれ、撫でられ、アルウェンの子宮口はありとあらゆる快楽を教え込まれた。膣の中はアルウェンの愛液と、舌から出る唾液でどろどろになり、断続的に膣の間から飛び出る。  
 舌は力を入れてもさほど硬くはならず、刺激の弱い形状をしている。その代わり、自由自在に動かす事が出来た。  
 子宮口を刺激する先端はそのままに、膣の中の舌が上下左右に暴れまわる。中に空気が進入し、ぶちゅぶちゅと大きく音がなる。それが、体を伝ってアルウェンの耳に届いた。  
 アルウェンの膣はどんどん開発されていった。感度だけではなく、柔らかさや広さ、伸縮性までもをどんどん育てられていった。  
 膣の中の舌が、大きく膨れだす。入り込んだ空気は全て追い出され、膣を舌が限界まで伸ばした。  
「ふぁあ、あぁぁん! あん! あぁん! ……す、ごぉ……いいぃぃ!」  
 ぴったりと膣の中に張り付いた舌は、まるで中を全て引き摺り下ろすような刺激があった。吸盤のように膣壁に吸い付く舌が、アルウェンの心ごと堕とそうと躍起になって挿入される。  
 アルウェンの心は、確かに喜びを感じていた。快楽に否定的な考えは殆ど淘汰され、顔は淫靡に彩られている。敵であるはずのアークシェロブさえ愛しく思えてきてしまう。  
 舌たちは一斉に行動を開始した。緩やかだった攻めは急激になり、尻は舐めて揉み解され、アナルさえもびちゃびちゃにされている。太腿は完全に舌に埋まり、舌の柔らかい感触を楽しんだ。クリトリスはより大きく勃起し、さらに強い刺激を求める。  
 いまや下半身は完全にアークシェロブに隷属していた。彼女の下半身はどんな事を命じられても、素直に従うだろう。  
 引き下げられた子宮口が、くぱぁと口を開く。舌はほくそ笑むように、細くおとなしくなった。これを待っていたのだ。  
 細くなった舌は、アルウェンの子宮口を押し開きながら貫いた。  
「うああぁぁ………………っっ!」  
 びくびくと震えたアルウェンは、再び潮を吹いた。舌はそんな事お構い無しに、再び太くなる。太くなった舌は、子宮口を上下から挟み込み、ぐにぐにと揉み解しだした。  
「あぁぁぁ! うわぁぁぁ! ひゃぁ、んわぁぁぁああ!」  
 アルウェンの脳がスパークし、意思とは無関係に体が暴れだす。ぷしぷしと連続して潮が吹き出て、思考を底から真っ白に染め上げる。  
 アークシェロブは足を叩き、アルウェンの拘束を解いた。口だけでアルウェンを持ち上げると、口の中に飲み込んでいく。アルウェンの足は折りたたまれ、子供がおしっこをする体制で固定された。  
 固定が完全である事を確認すると、アークシェロブは歩き出した。一歩進むたびにアルウェンの体が跳ね上がり、喘ぎ声を上げる。  
 移動中も子宮口はぐにぐにと刺激され続け、振動もあいまってアルウェンを屈服させつづける。  
 アルウェンには、もう拘束から逃れるほどの力は残されていなかった。それどころか、体はアークシェロブに殆ど従順になっている。  
 どれほど歩いたのか、アルウェンには理解できなかったが、アークシェロブの足が止まった場所は巣らしき場所だった。  
 アルウェンの膣から、中を十分に溶かした舌が引き抜かれる。僅かに名残惜しさを感じた。  
 体こそ言う事を聞かなかったが、アルウェンの心はまだ屈服しきっていなかった。離された事で正常な判断力も僅かばかり復活する。  
 とりあえず、どうにかして逃げなければならない。杖を回収して、体勢を立て直す。それだけを考えた。  
 
 体に力の入らないアルウェンは、そのまま地面に転がされた。仰向けに倒され、座るような体勢になると、手を上げさせられ糸で固定される。  
アークシェロブは顔をアルウェンに向けたまま、器用に尻を前にもってきた。僅かに震えると、その先端から舌よりももっと太い、反しが多く付いたものがあわられる。僅かに白く、肉感的でグロテスクだった。  
 アルウェンの肉壷はぱくぱくと喜び泣いたが、アルウェン自身はまったく逆に青ざめた。  
 突起も何も無い舌でさえあれほどの刺激だったのだ。こんなものを入れられたら、自分はどうなってしまうのか。想像するだけで恐ろしかった。  
「入れるな! そ、そんなもの入らぬ! 早く収めよ!」  
 股を閉じて抵抗しようとしたが、刺激され続けてまったく力の入らぬ足など、無理矢理開かせるまでもなかった。  
 突起をひざに触れて少し力を入れれば、自然と足が開いていく。その様子をアルウェンは絶望的な気持ちで見ているしかなかった。  
 突起が恥丘に押し付けられる。ぐにりと押しつぶされた恥丘は、突起に沿って道を開き受け入れを歓迎した。そして、一気に挿入される。  
「うわああぁぁぁぁ! ああぁぁぁぁぁあん!」  
 舌とは比べ物にならない快楽だった。あれだけ刺激され続けたが故の絶頂が嘘のように、イかされてしまう。引き抜いた時は、大量のカリ首が愛液を引きずり出し、びちゃびちゃと床に跳ねる。  
「うわああ! おあああぁぁぁぁ!」  
 脳を貫く快楽に耐える事などできなかった。アルウェンは無様に喘ぎ声を上げ、口からよだれが零れ落ちる。その大きな陰茎に、されるがままに翻弄された。  
 陰茎の先端が、アルウェンの揉み解し開かれた子宮口を通過する。息を全部吐き出して、刺激を全部受け入れた。  
 アークシェロブはカリ首に固定された陰茎を引き抜こうとする。陰茎は反しに固定され、子宮が内側から引っ張り出される。  
「ひゃ、ひゃめてぇ……、それ……いやだぁ……。つよすぎるのぉ……」  
 アルウェンが弱弱しく懇願する。アークシェロブはそれを無視して、具合を確かめ続けた。  
 しばらくして動きが止まり、アルウェンは安堵した。あんなのを耐え続ける自信はない。しかし、アークシェロブが自分の言う事を聞き入れる事など無い事も理解している。何をするつもりだ、と思った先に、自分の中が小さく振動しているのが分かった。  
 アークシェロブの陰茎は、ぼこぼこと膨れ上がっていた。陰茎は今アルウェンの子宮内部まで進入しており、その膨れの中身は、自分に埋められる事になる。  
「い、いやぁぁぁぁ! やめよ、そんなのやめるのだぁぁぁーー!!」  
 アルウェンは自分の快楽も無視して、必死に暴れた。こいつは、自分に産卵する気なのだと悟った。  
 今のアルウェンが暴れたところで大した抵抗にはならない。アークシェロブは陰茎を一度引っ張り、アルウェンをイかせて黙らせた。  
 ぼこぼこと進んでくる卵は、アルウェンの膣内まで進入した。  
「おおおぉぉぉ! おおあああぁぁぁぁ!」  
 卵はぐりぐりとアルウェンを刺激しながら、進入してくる。快楽は想像を絶するものだった。  
 卵の突起は、アルウェンのGスポットと言わず性感帯の全てを強力に刺激した。卵に押し広げられた子宮口は歓喜の泣き声を上げて、愛液で愛し子を生めることを祝福した。  
 アルウェンの腹がどんどん膨らみ、その膨らみに比例して快楽がましていく。絶頂は限界まで引き上げられ、この上ないほど頭の中をかき回した。  
 飛び散る潮が、アークシェロブの陰茎を濡らす。潮は卵の突起を避けて流れ、地面に愛液と潮の泉を作る。  
 もう入らない。それほど卵を入れられたにも関わらず、アークシェロブはまだ入れようとする。卵は意外に硬く、互いにぶつかり合い刺激を子宮内で反響させる。反響は脊髄まで届き、全身が快感を覚える。  
 こんどは快楽だけではない。本当に体の内側から支配され始めている。こんな事を続けたら頭まで支配されてしまう。それでも、逃げ道など一つもない。アルウェンはただ与えられるままに翻弄され犯され続けるしかなかった。  
 卵を全て入れ終えたのか、膣と子宮の振動だけは収まった。陰茎の先端が小さくしぼんでいき、ちゅるんと音を立てて引き抜かれる。  
 卵が子宮口から飛び出ようとアルウェンを刺激した。入れられるのとは全く別の快楽に、アルウェンの体が跳ね上がる。  
 アークシェロブは卵が出てくるのをよしとせずに、陰茎の先端で卵を抑えた。そして押し込み、再び離す。また卵が落ちてくれば押し込む。  
 子宮口が卵を落とさないほど閉じるまで、これは繰り返されるのだ。アルウェンは理解それをしても、どうする事もできなかった。子宮口の閉じ方など分からないし、わかってもそれほどの力が残ってるとは思えない。  
 
 出ては戻され、戻っては出ての刺激に、アルウェンは人形のように振り回された。その機械的な作業は、イきたくてもイかせてもらえなかったり、唐突に絶頂させられたり。意思を保つ事すら難しくなっていった。  
 どれほど繰り返したか、卵の落下がなくなるとみると、アークシェロブはゆっくりと陰茎を引き抜きだす。それに安心したアルウェンの前で、思い切り挿入を開始した。  
「ぉああああぁぁぁ! なんりぇえぇぇ!」  
 なんの前触れもなく、唐突に絶頂させられたアルウェンは絶叫した。  
 アークシェロブの行為は、今までと違ってとても乱暴なものだった。今までの行為はアルウェンを刺激し解きほぐすものだったのに対し、今度のはアークシェロブ自身が快楽を得るための行為だった。  
 それ故に、もうアルウェンの調子などみない。ひたすら挿入を繰り返し、快楽を得ようとする。  
「だめ……こわれっ! そんっ、なっ、こわれ……ひゃうぅぅぅ!」  
 気が狂いそうになったアルウェンは、必死に許しを請うた。少しでも快楽を抑えるために、全身脱力して嵐が過ぎ去るのを待ちたかった。  
 しかし、体は反逆した。アルウェンの下半身は、既にアークシェロブの奴隷だ。アークシェロブが快楽を求めるならば、残った力の全てを使い膣を締め上げる。全体を蠢かせて、少しでも陰茎に奉仕しようとした。  
 ぶちゅぶちゅという音を聞きながら、アルウェンはまるで他人事のように自分の体を見た。  
 裸に剥かれて、性感帯を開発され、恥部を淫らに花開かされ、体の支配権を奪われ、その上孕まされている。今は種付けの最中だ。  
 まるで奴隷だ。完全に変態の体にされて、蜘蛛に必死に媚を売り快楽をねだるこの体はもう奴隷のそれだ。  
「あん! あぁぁん! んぁぁ! ひゃああん!」  
 全く抑えられる事がない喘ぎ声は、口からよだれを流れさせ、胸を伝って流れていく。それすら心地よかった。  
 アークシェロブの陰茎がぶるりと震え、閉じかけた子宮口にその先端を差し込む。飛び出た精液は子宮内を占拠し、卵に接触する。  
 陰茎内に残る精液を、膣は健気に搾り出そうと蠢く。根元から搾り出すように奉仕し、やっと射精が止まった。射精の終了と同時に、少しだけ奴隷となりかけたアルウェンの思考が回復した。  
 やっと抜かれる、と思った陰茎は、再び挿入を開始した。またアルウェンの思考を従順な奴隷へと構築しだす。  
 媚びた目で誘う。喘ぎ声を我慢しない。膣を動かして奉仕する。子供を生ませていただく。いつでも股を差し出す。絶対に逆らわない。  
 いくつもの奴隷の心得が、アルウェンを変えていく。変わるアルウェンを、心は受け入れ始めていた。  
 ごちゃごちゃに乱れ壊されるアルウェンがやっと気絶する事が出来たのは、次の射精が来た時だった。  
 
 
 
 
 
 あれからどれほど時間がたっただろう。常に薄暗いこの場所は、月の上り下りなど知ることができず、過ぎた日数も分からなかった。  
 アルウェンは奴隷を続けている。好んでそうしているわけではなく、逃げられないのだ。手枷がアルウェンの行動を妨害していた。  
 アークシェロブはアルウェンを犯すと、どこかに消えていった。アルウェンは体力の回復を待ち、逃げようとしたが必ず体力が回復する前にアークシェロブは戻ってくる。  
 そして、アークシェロブが目の前に立った時のアルウェンはただの奴隷だ。そうやって体ごと心を調教されていった。  
 嫌だと思っても、体は勝手に股を開く。恥丘までぐしゃぐしゃに濡らし、おねだりを始める。顔に突き出されれば必死で舐めたし、出された精液も全部飲み込んだ。  
 そうするべきだ、と心が言うのだ。ご主人様の前では恥も何も存在しない、全て受け入れろと。  
 実際、自分の調教は完璧だっただろう、とアルウェンは考える。たとえ逃げるだけの体力が回復しても、アークシェロブと遭遇すればすぐに跪いて股を開く核心があった。たとえ魔力が完璧でも、頭を垂れると言えるほど屈服してしまった。  
 まだアルウェンと奴隷のアルウェン、この二つを分けられている。だから未だにアークシェロブが居なければ逆らおうとも思えるし、殺してやるとも考えられる。  
 それでも、リミットは近いだろうと思った。憂鬱な気分のまま、自分の腹を見る。妊婦のように膨らんだ腹は、今少しだけうごいていた。  
 もうすぐ、アークシェロブの子供が生まれる。これはその前準備みたいなものだと分かった。  
 いよいよ戻れない場所まで行きそうなのだから、すぐにでも逃げなければいけない。それでも、アルウェンにはできなかった。  
 今なら体力的に手枷を引きちぎるのは不可能ではなかったが、そこまで考えが回らなかった。  
 
 腹の中で動き回る子蜘蛛は、常にアルウェンを刺激し続けここしばらく恥部が濡れていない時はない。しかも、胸が僅かに膨らみ母乳が出始めた。母乳が吹くたびにアルウェンは軽くイってしまう。この二つが、アルウェンから正常な思考を奪い続けた。  
 ぷしゅり、と音がして、子宮から液体があふれ出す。出産が始まってしまった。  
「おおああぁぁぁ! んあああぁぁぉあ!」  
 刺激は予想を遥かに超えるものだった。痛みなどはまったくなく、快楽が多くを支配した。破れた卵から蜘蛛がでて、その蜘蛛が別の卵を破り連鎖的に大量に出てくる。  
 最も敏感な場所から媚肉を伝い、全身をまさぐられているような感覚がした。子宮内の子供はまだ出きっていないのに、生まれた子達がアルウェンの体を上る。  
 手のひらほどもありそうなアークシェロブの子供たちは、我先にとアルウェンの乳首へと吸い付いた。  
「ああぁぁーーーー! あっ、あっ、あっ、うぅぅああぁぁぁ!」  
 胸を刺激されるのも始めてのアルウェンは、母乳を搾り出される感覚に耐えられなかった。乳首に噛みつかれ、はやくだせと乳房を刺激される。ただそれだけでどうにかなりそうだ。  
 強烈な快楽に、アルウェンの脳はブレーカーを落とした。あとはアルウェンの体は人形となり、されるがままにアークシェロブの子ども達に遊ばれ続けた。  
 ……アルウェンは快楽で目を覚ました。それほど時間は経っていないようだが、とりあえず出産は終わったらしい。腹の膨らみと刺激からそう判断した。  
 それでも、胸を弄られていまだイき続けている。潮がぴゅるぴゅると吹き出ていた。  
 いつの間にか、目の前にはアークシェロブが佇んでいた。それを見ただけで、アルウェンの膣は濡れだす。また犯されることを心と体が喜びだした。  
 しかし、アークシェロブの行動は違った。爪でアルウェンの手枷を壊し、子ども達をアルウェンの上からどかす。  
 唐突に自由になった手の感触を、アルウェンは不思議に思った。目の前のアークシェロブは道を空ける。もう、帰っていいと言う事なのか。  
 震える足に活を入れて、アルウェンは立ち上がった。アークシェロブの脇を通り過ぎようとして、急に足が止まる。まだ歩く事はできるのに、足は言う事を聞かなかった。  
 横のアークシェロブを見た。アークシェロブはアルウェンに何もしようとしない。アルウェンは定まらない思考でずっとアークシェロブを見つめ続けた。  
 アークシェロブが唐突に動き出す。器用に尻を前に出し、陰茎を露出させた。  
 アルウェンの心が、喜びを訴えだした。これは、選べと言う事なのだと。まだチャンスはあるのだと。  
 チャンスとはなんだ。逃げるチャンスではないのか。なぜチャンスでまた奴隷に戻る事を考えた。  
 アルウェンは、アークシェロブの陰茎から目が離せなくなった。どうしよう、と具体的なことなど何も考えず、思考はぐるぐると回り続ける。  
「し…………しかたない、んだ」  
 小さく、独り言をつぶやいた。その目はとろんと潤みだし、淫らに染まっていく。  
「だって、すごく……気持ちよいのだから……な」  
 ぺたり、とその場に座り込む。座ったまま、手の力でアークシェロブの陰茎に近付いていく。鼻先に漂う匂いは嗅ぎなれたもので、すぐにこれが主だと確認した。  
 陰茎を愛しむように撫でると、陰茎を突き出される。アルウェンは迷わずそれに口づけをし、舌を這わせながら飲み込む。  
「んちゅ……、あと……くちゅ……んちゅ……いっかい……。そう、あといっかいだけ……くちゅ、ん……んちゅ……ちゅう」  
 
 アルウェンはまだ気づいていなかった。とっくに手遅れだったのに。奴隷かそうでないかという話など、自分を満足させる為だけの言い訳だったのに。  
 とっくにアルウェンは快楽に飲まれていたし、アークシェロブをご主人様だと認めていた。もう離れることなどできなかったし、隷属させられる事は喜びになっていた。  
 既に支配されているアルウェンは、逃げるつもりなど無かった。今のアルウェンにとって、奉仕こそが使命なのだから。  
「くだ……さい。たくさん、たまご……ください。また、せいえき……たくさん、いれて……ください……。はらんで……こどもうんで……ぼにゅうだして…………また……したいです…………ご主人様」  
 アルウェンは自分から股を開き、恥部を指で広げ晒した。そこは既に前戯など必要ないほど濡れていた。媚びた視線でアークシェロブを見上げる。アークシェロブの視線と交わるだけで、アルウェンは軽くイった。同時に母乳が吹き出る。  
 もう一回孕んで、生んで、気持ちよくなって、全部それからでいい。アルウェンはそう言い訳をした。  
 ぶちゅっ、と音を立てながら、陰茎が差し込まれ愛液が飛び散る。アルウェンは喘ぎ声も、快楽に彩られた顔も、奴隷の歓喜も隠さなかった。  
 子ども達がアルウェンに群がり、母乳を搾り出す。それをアルウェンは愛しそうに撫でた。  
 いつかのように、子宮に陰茎が進入する。卵の刺激を思い出すだけで、アルウェンはまたイってしまった。  
 アルウェンは考えるのをやめて、奴隷の自分に全てを任せる。そこにはめくるめく世界があり、アルウェンは心から祝福された気がした。  
 アルウェンが言い訳を必要としない日が来るのも、そう遠くはないだろう。  
 

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