ティオ「…その時、まだ幼かった私は、ガイさんの言葉を思い出して、  
決意を新たにしたのです。『わたしは、幸せになりたい!過去の分を取  
り戻すくらいに幸せになりたい!』…気づいた時には、わたしはいつの  
間にか、夜行特急電車のノビノビ座席に乗って、ZTB時刻表を枕にし  
て横たわっていました。『ガイさんにお願いして、お嫁さんにしてもら  
って、幸せを感じたい!』ただその一心で、他に何ひとつ考えず、クロ  
スベルに向かっていたのです。…しかし、既にその時には、ガイさんは  
…。そして、セシルさんという婚約者さんが居たことも知って…。わた  
しは呆然として、途方に暮れ、昨今に至りました。…考えに考え抜いて  
、今になって、わたしは気づいたのです。ガイさんがセシルさんと結婚  
して既婚者となってしまった後であれば、ガイさんの心に入り込む余地  
は、無きに等しかったです。しかし、惜しくもガイさんは既に亡く、セ  
シルさんは結婚前の婚約者同士であったに過ぎず、まだ籍を入れていま  
せん。そしてわたしも、ガイさんと結婚するつもりでクロスベルに来た  
のに、結婚出来ずにいる。つまり、ロイドさんにとって、セシルさんは  
義姉になりうる人であったとともに、坂本九的な素敵なタイミング如何  
によっては、ロイドさんにとって、わたしも義姉になりうる人であった  
ということです!それも、年下の義姉という、蠱惑的な立ち位置です。  
今となっては、セシルさんとわたしには、義姉としての資格の差は皆無  
に等しいです!さあロイドさん、私に抱きしめられてください!ロイド  
さんの、セシルさんに対する淡い恋心は、わたしが全て受け止めてあげ  
ます!さあ!」  
 
ロイド「…えっと…ティオさん?」  
 
 

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