「祐介さん」  
 左智はにっこりと笑う。  
「ああ…」  
 祐介は自分に馬乗りになっている左智を見上げた。寝転がったままでつい、うつらうつらしてしまっていたらしい。  
 そこは人っ子一人いない砂浜だった。田舎の、岩石ばかりの浜。盆を過ぎた海にはクラゲが湧いていて、泳ぐことさえ難儀だった。  
「ひ・と・で」  
 左智は白く乾燥した二つのヒトデで、露な乳房を隠している。もっともそれは祐介の視線をさえぎるだけで、彼女が一糸纏わぬ姿であることにかわりはない。崖と岩に囲まれた、小さな小さな貸切の海。海に半分沈んだ岩の間から外海が見える。  
「ちょっと、泳ぐから」  
 彼女は立ち上がると、その白い裸身を惜しみ気もなくさらして小走りに駆けていく。ほんの三メートル先の海に膝までを浸し、両手に掬った海水を天に振りまいた。いとしげな視線を祐介に送って両手で意味ありげに胸を覆う。  
 条件反射的に口惜しげな表情をする祐介。それを察した左智は悪戯心に膝をついて歩を進め、肩まで浅い海に浸った。  
 さざ波の水面から顔だけ振り返って祐介を見やる左智。人差し指を立てて唇に当てている。それは彼女が得意げな心情を示すジェスチャーだった。  
「クラゲ、大丈夫?」  
 早くあがってきて欲しい、という見え見えの本心が祐介にそんな言葉を口にさせる。  
「平気だよ、こんなの」  
 左智は笑って答えた。  
 
 海中に小さなクラゲが漂っているのが見える。しかし時おり肌に刺激がはしるのを左智は楽しんでいた。ガラス片の混じったベッドでのたうつかのような被虐的な快感。微かな興奮に迫られて彼女は水を掻いた。  
 脇が、ちくりと痛む。ちょうど乳房の付け根辺りの、脆く柔らかい部分にゼリーのような「ガラス片」が触れたのだ。  
「ん!」  
 一瞬、肩を潜めて小さくうめく左智。その声は祐介に届かない。  
 ちら、と祐介を見る。余所見をして気のないフリをしていたが、海パンの下のすっかり固くなった「それ」を持て余しているのは明白だった。  
 胸が切ない。今の自分の感覚を知ったら、祐介はどんな顔をするだろう? そんなことを思うにつけ、左智は背筋がゾクゾクした。  
 そのときだった。  
 背中に、今までとは違う感覚が走る。それは錆びたナイフで切り裂かれたような感覚だった。尾てい骨を撫で切り、左の内股の肉を切り取っていく。  
「u・ga!」  
 左智は獣じみた悲鳴をあげ、身を捻る。  
 それがいけなかった。股の間をすり抜けていくカツオノエボシの尾の先が、左智の急所に触れた。勃起して頭を覗かせていたクリトリスに激痛が走る。  
「!!!!」  
 彼女は背筋を硬直させ、打ち震えた。  
 左智の異変に気がついた祐介が浜の砂を踏みにじり、水音を立てて駆け寄ってきた。  
「どうした!」  
 持たれかかってぐったりとし、くず折れそうになる左智。祐介はお姫様抱っこで抱き上げて、泣いている彼女を浜辺へと引き上げた。  
 
「ひどいな…言わんこっちゃない」  
 祐介は赤く蚯蚓腫れになった左智の背中を見てそう言った。白い肌に、太ももまで続く傷痕が刻まれている。  
 左智は祐介の、伸ばした腿上にうつ伏せになっている。ちょうど下腹で祐介と交差し、おしりを突き上げている情けない格好だ。  
「キンカン塗ってやるから」  
 祐介は微妙に責任を感じてキンカンの蓋をとる。万一のことを考えて出掛けにポケットに突っ込んできたのだったが、本当に使うことになるとは。  
左智は情けない涙顔ですすり上げている。子供が尻を叩かれるときのように、身を強張らせていた。もう二十も過ぎているというのに。  
 キンカンの先っぽが背中に触れた。  
「祐…さん、しみるぅ…」  
「我慢しろ」  
 祐介は呆れた顔でそう言った。そしてキンカンをなるべく優しく塗りつけていく。微かに身を震わせ、時おり身をくねらせた。その様はまるで、まな板の上のアユのようだった。  
「うっ、くぅっ」  
 切なく鳴く、左智。彼女は下腹部に、怒張した祐介の「それ」を感じていた。異様なものが全身を駆け回る。クラゲの海で泳いでいたときの数倍以上もの…  
 キンカンの先が太ももを撫で終えたとき、祐介が聞いた。  
「ココ、どうする?」  
 遠慮がちに尋ねる祐介。ここ、とは言わずと知れた秘裂である。それはぱっくりと口を開け、陰肉を日の下と祐介の視線にさらしていた。桜色のそれの一部が微かに爛れているのが祐介には見て取れたのだ。  
「やダァ…」  
 左智は赤面し、白い背中までが微かに紅潮していく。  
「止めとく?」  
 その言葉に左智は、条件反射的に首を振った。潰れそうな乳房がぐりぐりと砂を掻いた。  
 冷ややかな感触が、肉を掻き分ける。遠慮がちに塗りつけられる薬。痛みと快感の入り混じった、スゥーとしたものが股間から下腹に染み渡ってくる。  
「ゆ…ん」  
 振り返った左智の表情はいつもの端正さを失い、涙と涎でくしゃくしゃに崩れていた。  
 
「無茶言うなよ」  
 祐介は左智に言った。この状態で交わるのは無理だと思ったからだ。左智の秘部は爛れているし、この状態で何度も摩擦すれば一生傷になりかねない。  
「おねがいだから…」  
 左智は熱に浮かされたように哀願する。ぞっとするほどの「艶」が彼女の全身から滲み出していた。当然、祐介もまた耐え切れない思いだった。破裂しそうになって、痛いほどだ。  
 祐介は荒い息をつきながら砂の上に横になり、腹の上に左智を乗せた。  
目の前に左智のものが露わに迫り、男を狂わせるにおいが祐介の頭を痺れさせる。強引にずり下げた海パン。限界まで膨らんだ棹が左智の乳房にめり込み、袋は彼女の顎に触れていた。  
 彼はキンカンの先を口に含んでから、左智の裂け目にむしゃぶりついた。夫の舌遣いとキンカンのダブルパンチにすすり泣く新妻。彼女が身をくねる度、柔らかい肉が祐介のモノに押し付けられる。  
 耐え切れなかった。それは律動し、左智のつややかな乳房の間に何度も何度も精液を噴出した。  
 左智はまだ痙攣しているそれを手にとり、口に含んだ。溢れてくる残滓を舐めとるかのようにしきりに舌を動かし、何度もコクンと小さく喉を鳴らす。  
聡明そうな普段の彼女からは想像だにできはしない表情。虚ろな目で、呆けたような口元は精液に汚れている。完全に痴女と化していた。  
「やめないでぇやめないでぇ…」  
 うわ言のように呟く左智。祐介は縮みかけた自分のモノに伝わってくる感覚が、下腹にまで進入してくるのがはっきりと分かった。そしてそれに促されるかのように、貪り続ける。  
 
 もう止まらなかった。  
「ひゃ、う、ん、ぅ…」  
 若い嬌声を上げて身をくねらせる左智の腰を手で押さえつけ、逃れることを許さない。  
「あ、う! う!う!ぅん!!……ひゃんぅ!」  
 幼さの残る声をあげ、左智は何度も何度も痙攣する。  
 そのときの彼女に思考力はなく、頭では逃げようという意識さえなかったに違いない。ほとんど動物的な反射だったのだろうが、腰を振るようにして舌先から逃れようとする。  
祐介はそれを押さえ込み、狂ったように攻め立てた。彼もまた、普段の神経質そうな様子から完全に隔たってしまっていた。  
「きゃう!きゃ!きゃう!ひゃあぁ…ぁ…」  
 左智は祐介に暴れる腰を抱かれたまま、断続的な意識に悲鳴をあげ続けた。  
 彼女は数え切れない絶頂と留めようもなく続く痙攣の果て、完全に気を失った。  
 
「ゆうすけ…さん…」  
 左智は祐介の腕の中で目を覚ました。そして微笑む。おびただしい量の精液が肩や頬を汚していたが、祐介には汚らしい感じはしなかった。  
「だいすき、だよ」  
 もう、空が微かに朱みがかっている。  
 祐介は黙って左智を抱きしめ、そっとキスをする。  
 それは左の生まれる一年前の話。  
   
 
 
 

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