「左智さァ…左智さんッ…うぅ! んあッ!」  
 未記はそのまま、白いベッド上にくず折れた。  
 土曜日の午後の密事。薄いカーテン越しの光が絡み合う二人の乙女を浮かび上がらせている。  
「どぉ?」  
 左智は屈託のない笑みで未記を眺めている。まるで料理でも教えるかのように。  
 虚ろな表情のまま、未記は左智の膝枕で湿った息を吐く。その目の端には薄い涙が浮かんでいた。  
 スリット上に差し込んだ陽光は、そのなだらかな腰のラインを否応なしに映し出していた。左智の手がそっと伸び、背骨の辺りに線を引く。  
「どうして…」  
 未記は擦れ声に喘いだ。その項はじっとりと汗ばみ、栗色の髪が背中に張り付いている。  
「どうしてこんなに…上手なの?」  
「ひ・み・つ♪」  
 左智はウインクするとゆっくりと身を倒し、未記の隣に寝転んだ。細く、白い指は未記の首筋に絡みつく。  
 そのまま引き寄せて、そっとキスした。鮮やかに赤い、小さな舌が未記の唇を這う。未記は無意識にむしゃぶりついてしまう。  
 細雪のような左智の身体は未記とぴったり密着していた。白い二対の乳房が擦りあわされ、柔らかく潰れ…餅つきの餅のように捏ねあわされている。  
絡み合う足が縺れるようにして、溺れるかのように揺らいでいた。  
 
 
 夢見心地の未記は放心に身を任せ、自分の丘を左智の膝に押し当てるばかり。  
 左智は邪気のない微笑で、未記の固くなった乳首を捏ね上げる。まだ固い乳房に押し込むようにして、くりくりと円を描く。  
「……」  
 未記は忘我の淵に滑り落ちて行く。左智の手がおしりを撫でるのを感じつつ。  
 そのとき、違和感がはしった。何かが進入してくる。それは潤んだ肉桜貝の入り口に滑り込んでくる。  
「こわく、ないよ」  
 左智が耳元で、甘く優しい声。その白い歯が未記の耳を甘噛みした。  
 優しい指が彼女を犯す。恐ろしく速やかに襞を書き分け、進入してくる。  
その指先が子宮口に押し当てられたとき、肉の筒はひくひくと引き締まろうとしていた。  
「はいってる…」  
 未記は訳のわからないままにそう呟いた。  
 未記の中の左智の指。ゆっくりとくねられ、折曲げられる。  
「わかる?」  
 左智はとろりとした目で囁いた。指の腹がGスポットをすりあげ、収縮する肉を押し広げている。  
「どうして…」  
 未記はさっきの問いを反芻する。何を言っていいのか分からなかったからだ。  
 
「私はね…」  
 左智は空いている方の手で自分の肉芽をさする。一息に根元まで差し入れ、荒い息。彼女は一人で二人分の「男」を演じていた。  
 指が俄かに激しくなる。やがて滴るような音が聞こえ始めた。  
「あぁぁぁあぁあばれてぇるよぉぉ…」  
 未記があられもない声をあげた。左智は頬を上気させながら、冷静に攻め続けていた。  
「私ね…祐介さんに…こんなにされちゃったの」  
 未記は左智の指に耐え切れなくなる。繊細な部分が充血し、透き通った蜜がシーツにしみをつけていた。  
「左智さん、わたし、だめ、だめ…」  
 首を振る未記。未知の「何か」が来る。彼女は左智の腕を強く握り締めていた。  
「だぁめ、ダメッ、ヤぁッやぁだぁ…」  
 未記の周りのシーツは汗と愛液にまみれ、すでにクシャクシャになっていた。  
汗ばんだ裸の乙女たちがとめどない蜜を垂れ流して身をあわせている。  
「いっしょにヰこ?」  
 左智は容赦なく、捏ね上げる。自分もヒクヒクと痙攣させながら。そして未記の足の間、左智の掌に暖かい感覚が伝わってきた。  
ベッドに広がって行く黄色いしみ。うずきすぎた肉が失禁を促したのだった。  
 
 
 左智はミダラな表情を浮かべ、襞の中を思い切り優しくかわいがる。  
 未記は急に喘ぐのをやめ、数秒間、全身を硬直させていた。  
 肩で息をする未記。息が止まっていた間の分の空気を貪っている様子だった。  
心ココにあらず。叫ぶこともできないままに、静かに燃え尽きたのだった。嬌声を上げて快楽を貪るには未記はまだ幼すぎたのだ。  
 左智は未記の額に優しく口付けし、自分の蜜つぼから糸を引く指を引き出した。  
「舐めてみる?」  
 差し出された指先。付着した液体は左智のものだけではなかった。何か生臭い。  
「昨日、祐介さんがね…」  
 未記は訳がわからないままに、その指を口に含んでいた。  
 
 
 家に帰り着いたときにはもう、辺りは薄暗かった。  
 未記は自宅の玄関前に立ち、その黒い影を見上げる。そして溜息を吐いた。  
 帰りたくなかった。  
 父親はまた新しい浮気相手を作り、めったと家に帰ってこない。母はいつも悲しそうで  
しそうな顔。息苦しくてどうしようもない我が家。父親は美男子だったが、情の浅い  
人間の屑だと、未記はいつも思っていた。母親も嫌いだった。いつも泣いているばかりで  
ヒステリックになることもできないほど弱い、都合のいい女。あんなふうにだけはなりた  
くなかった。  
 玄関の扉を開け、灯りのついていない廊下に上がる。  
 静かな空間。階段の軋む音はことさらによく聞こえる。  
 部屋に入ると、由紀がぬいぐるみを抱いて蹲っていた。食事はまだとっていないらしい。  
母はまた鬱になり、食事の支度さえできない状態のようだ。そんなとき父親の投げ与えた  
小遣いが二人の姉弟の命をつなぐ糧となるのだ。  
「ごはん、まだなの?」  
 由紀は黙って、小さく頷いた。  
 未記は由紀の前に膝をついた。そしてその髪をなでる。  
 緊張の糸が切れたように泣き出す由紀。未記は弟をぎゅっと抱きしめた。  
 
 
「お姉ちゃん…」  
 すすり泣く由紀に、未記はシャツをまくって自分の乳房を差し出した。  
「吸って」  
 由紀はほとんど、母の乳房を知らない。ノイローゼの母は乳が出ず、哺乳瓶を齧って育ったのだから。  
「いいのよ?」  
 未記が促すと由紀は、姉の乳房に吸い付く。  
 ふいに、左智さんの言葉が頭をよぎる。  
(祐介さん、私のおっぱい吸うんだよ。幸せそうな顔で)  
 未記は囁くように尋ねてみた。  
「由紀…今、幸せ?」  
 由紀は涙目に微笑み、未記の胸に頬を摺り寄せる。未記は弟を本気で愛しいと感じた。  
 しかし、脳裏に蘇ったのは左智の言葉は未記の意表を突いていた。  
(「しゃぶらせて」っておねだりするの)  
 のどの奥、蘇る生臭い風味。未記は自分が幼い弟に欲情していることに気がついた。  
 
「どうしたの?」  
 未記の変化を感じ取ったか、由紀が不思議そうに尋ねた。その目はまだ、少しだけ赤く  
声も少し鼻にかかるような響きを帯びている。それが未記の疼きを掻き立てる。  
「何でも…ないの…」  
 由紀の小さな掌を薄い乳房に感じつつ、未記は衝動を押し殺して答える。弟の細い指が  
未記の弱い場所を揉むかのように蠢いている。そして時おり、淡い赤の乳輪にかかる。  
彼女は自分の下着が湿っていることを自覚していた。  
「お姉ちゃん…大丈夫?」  
 由紀が心配そうに未記の顔を見上げている。  
「ちょうだい」  
 無意識の告白だった。未記の心は「由紀が欲しい」と叫んでいる。  
 
 言ってしまって、我に返る。一瞬、視界が揺れるような錯覚に襲われた。  
 未記は弟から視線を逸らし、思わず唇を噛む。  
「なんでも、ないの…」  
 呟くように言い訳した。しかし取り消したとて、言葉自体をなかったこと  
にはできない。後悔が胸に渦巻く。  
 そのとき由紀がそっと姉の頭を抱いた。  
「いいよ」  
 未記の目の前に由紀の裸の胸がある。彼女は驚いた表情で弟の顔を覗いた。  
 普段頼りない由紀は、慈母のようにやさしい顔をしている。  
(祐介さん、優しいんだ…嫌なこととかあっても、あの人の顔見てると…)  
 あの父親の血を引いているとは思えない。未記は生まれて初めて優しい男性に触れた気がした。  
「うん」  
 涙が溢れる。  
 未記は静かに泣きながら由紀の乳首を吸う。その頬を一筋の雫が流れ落ちていた。  
 
「由紀、大きくなったら私と結婚して…」  
「うん、僕、お姉ちゃんのお嫁さんになる…」  
 それは姉弟の古い古い記憶。  
 
 

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