森居左智。彼女は確かにそこにいた。  
 柔らかなショートヘアーは白濁の液に汚れ、桜色の恥部を爛れさせて。彼女はゴミ  
捨て場に横たわっていた。絹のような肌には幾筋もの赤い跡が刻まれ、その瞳は暗闇  
を映している。時おりその腰が悩ましく震えることで辛うじて生きていることは確認  
できた。肉穴からは当然のごとく、内容物が流れ出している。  
 ふいに舞い降りた鴉がその乳首を突付く。その白い乳房からは季節外れの乳汁が浮  
き出していたからだ。左智の身体はすでに限界を超える状況にあった。彼女は時おり  
何か呟く。  
「イかせてください」  
 それはゴミ捨て場に全裸で転がった、すでに壊れた女の独り言だ。  
 
 
 ビィィィィ―ン…  
 低いローターの囀りがマンションの一室に響いている。  
 左智は両手を手錠で繋がれてベッド上に寝かされている。その口には猿轡、手錠は  
ベッドの柵を通して固定されている。ちょうど万歳の格好だ。その股間にはビニール  
テープでローターが貼り付けられ、彼女の最も繊細な部分を責めさいなんでいた。  
 そしてソファには一人の幼女が腰掛けている。その肉の薄い胴体には荒縄が亀甲に  
掛けられている。頭の大きなリボンの他に身を覆うものはなく、けなげにも勃起した  
小さな乳首が露わになっていた。  
 床には二人の服。しかしその有様は対照的だった。大人用のワンピースは引き裂か  
れ、フローリングに投げ打たれている。逆に子供用の服はきちんと畳まれてクッショ  
ンの上に置かれていた。幼女はどうやら、自分から服を脱いだようだ。  
「いいながめだな」  
「だろ?」  
 二人の男が女たちを前に、やや上ずった声で会話している。  
「しかし意外だな。池田は女房いるんだろ? わざわざよその女拉致ってくるなんて  
よく冒険したな」  
「よせよ。あんなくたびれた女なんて、面白くも何ともないぜ」  
 池田は吐き捨てた。二人もガキを生んで体型の崩れた女などもはや女ではない、と  
でも言いたげだった。そして彼は幼女にちらと視線を向ける。  
「…にしてもお前のは上玉だな、将来美人になるぜ。すみかちゃんっていったけか?」  
「自慢の姪だよ」  
 加賀見はにやりと笑った。  
 池田と加賀見。二匹の鬼畜による凶宴が完全防音の密室で幕を開ける。  
 
「猿轡、もういいんじゃないか?」  
 加賀見が池田にそう言った。完全防音のこの部屋ならば、喚きたてたとて外に音が  
漏れはすまい。池田は頷くと、左智の猿轡を取る。彼はそれを投げ捨てると、左智の  
腹にかすかに浮かび上がった妊娠線を掌で撫でた。  
 左智は膝を振り上げ、その手を振り払おうとする。しかしまだ身体が痺れていてうまく  
いかない。紅茶に盛られた薬はまだ効力を失ってはいないようだった。  
「最低」  
 左智は池田を睨み、そんな言葉を投げかける。彼女は池田の娘・未記と仲良しだったが、  
未記が父親を嫌っていた理由がよくわかった。  
「ああ、そうだとも」  
 池田は左智の乳房を鷲掴みにし、握り締める。  
「痛い!」  
 左智は身を捻ったが、池田は手にさらに力をこめる。  
「止めてよ!」  
 その訴えは無力だった。食い込む指に乳房は押しつぶれ、指の間から乳肉が限界まで  
張った肌を押し上げている。  
「俺は最低なんだぜ」  
 笑う池田。加賀見もまた、嗜虐的な表情を浮かべていたが、すみかが怯えていること  
に気がつく。  
「池田、すみかが怖がってる」  
 
「じゃあ」  
 池田は手を離し、加賀見に向き直った。荒い息を吐く左智の乳房には赤い手の跡が残っている。  
「すみかちゃんからかわいがるか?」  
 ローターのコードを引っ張り、左智の股間から無理に引き離す。ベリッと音がして、ビニール  
テープが剥がれ、左智は小さな悲鳴をあげた。しかしすぐに幼女の危機を察して抗議の声を上げる。  
「子供に手を掛ける気? このロリコン!」  
 左智には同じ年頃の娘がいる。たとえ他人の子であれ、すみかのことが気がかりでならなかった。  
「いや」  
 池田が何か言い出したが、その前に加賀見が言葉を発した。  
「すみかにはひどいことはしないよ。僕のかわいい姪だからね…」  
 落ち着き払った加賀見の宣言に池田は眉をひそめる。それを無視して加賀見は続けた。  
「かわりに、左智サンにやってもらうことにするよ…すみか、おいで」  
 加賀見はソファから立ち上がりかけたすみかに歩み寄ると、彼女を抱き上げる。  
「怖い?」  
 加賀見は上半身を縄に縛られた姪ににっこりと笑いかける。すみかは大きく目を  
見開いたまま、ふるふると首を横に振った。動作にあわせて、ピンクのリボンが揺れる。  
「気持ちよくなろうね」  
 他の三人が意図を察しかねる中、加賀見はすみかを抱いてベッドに近づいて行く。  
 彼はすみかを左智の上に置いた。ちょうど顔を跨がせるように、だ。すみかは状況  
が分からず、不安そうな顔で叔父の顔をじっと見ていた。  
「左智さん、すみかにしてあげてよ」  
 加賀見は淡々と告げる。左智の目の前には小さな肉の亀裂があった。  
「何を馬鹿なこと…」  
 左智は当然ながら、怒気をこめて呟く。しかしその息がすみかの秘所を撫でた。  
 すみかは「違和感」にびくりと身を震わせる。子供というものは感覚に正直だ。  
 
「やらないなら、池田がやるさ」  
 加賀見はニヤリと笑って答える。  
 左智はすみかの顔に視線を向ける。不安そうな、どこか虚ろな目。こんないたいけも  
ない子供を鬼畜どもの好きにさせるわけにはいかない。左智は観念したかのように、  
一瞬目を閉じた。そして薄目を開けて尋ねる。  
「すみかちゃん、大丈夫?」  
 すみかは小さく、こくりと頷いた。  
「ごめんね…私を信じて」  
 左智は舌を伸ばし、すみかの肉襞をこじ開ける。すみかはびくりとして跨いでいる  
左智の顔を覗き込む。  
「大丈夫…力を抜いて…」  
 左智の舌先は包皮の隙間からクリトリスに触れる。平たい部分で押し付けるようにして  
皮を捲り、優しく優しく愛撫する。何度も舌をスライドさせ、摩り下ろすようにして、  
時おりそっと吸う。秘核というよりは裂け出した肉全体をだ。すみかの性器は幼すぎた。  
「ゥー――ぅぅぅ」  
 すみかは頬を上気させ、かすかに上ずったうめき声をあげていた。  
「ちゃんとイかせろよ。でないと…」  
 脅すかのように池田が言う。  
 (この人でなし!)  
 左智は全裸でベッドに括り付けられているという羞恥も忘れ、怒りに柳眉を逆立てた。  
しかしそれさえも、荒縄に縛された幼女の股間の下の出来事なのだ。  
「どうだい、すみかちゃん」  
 加賀見が猫なで声で尋ねる。  
「ん、な、んか…ふわふ…わする」  
 すみかは目を細め、天井を見たまま答えた。自分が何をされていて、自分の身体に  
何が起こっているのかさえ知らないその瞳。大きく潤んだ瞳孔が震えるように揺れている。  
 
 
 池田がニヤニヤしながらバイブをもてあそんでいる。  
「あんまり遅いと、俺がこいつでやっちゃうよ?」  
 (こいつら、狂ってる…)  
 左智は戦慄さえ覚える。自分の身以上にすみかのことが心配だった。  
 薄い腿に顔を挟まれながら、疲れた舌で弄い続ける。肝心のすみかの反応はいまいち  
である。このままでは獣どもは満足しないだろう。せめてもう少し目に見える反応があれば  
「すみかちゃんに関しては」納得して解放してくれるかもしれないのに。  
「ぅ、ぅー」  
 すみかの肩がふらふら揺れている。彼女はまだ、腰を振ることを知らない。ただ、  
奇妙な感覚に戸惑っているようだった。細い両腕で自分自身を抱きしめ、ひたすらに  
天井を仰いでいる。その華奢な肘が悩ましく蠢いている。半開きになった口からは、  
まだ「濡れる」ことができない秘部のかわりに湿った息を漏らしていた。  
 (お願い! イって!)  
 左智は痺れかけた舌で陰核を容赦なく弄り、さらには肛門の淵さえなぞる。陰皮の  
付け根を丁寧に舐めとり、ついにはさくらんぼの種のようになったクリトリスを思い  
切り吸い上げた。  
 小さな身体がびくんとはねる。  
「ぅぐ」  
 すみかは小さくうめくと、左智の腹の上にパタンと仰向けに倒れた。  
 溜息を吐く左智。その口から顎は唾液に塗れている。彼女は二人の男に首を向けた。  
「すみかちゃんはもう、十分でしょ? これ以上やりたいなら、私を好きにしたら?」  
 
 加賀見がすみかを抱き上げ…ベッドに手をついてよつんばいにさせる。  
 その手には柄のついた、細いビニル製のバイブが握られている。それを目にした左智の顔色が変わる。  
「何を…!」  
 加賀見はそれを無視し、バイブをすみかの直腸に押し込む。  
「はぁぁあああぁぁぁあ…」  
 その瞬間、すみかの表情が変わった。恍惚としたその顔は子供のものではなかった。  
 左智はそれを、呆然として見ている。  
 加賀見の手がせわしなく動き、バイブがピストンする。  
「はあ! はあ! はああああ!」  
 すみかはあられもない声をあげ、シーツを握り済める。その瞳は妖しげに輝き、口の端  
からは涎が滴っている。  
 加賀見はリズミカルに手を動かしながら、誇らしげに語った。  
「後ろ、調教済みなんだ。今はまだ無理だけど、三年もしたら僕が開通してあげる。  
前はしないけどね…処女でいて欲しいから…」  
 驚愕のあまり言葉を失った左智のすぐ隣で、すみかはもだえ続ける。  
「ぅあ、あぁあぅん、あきゃぁぁ…くぅぁはぁあ」  
 その背中はこの三分でじっとりと汗ばみ、その雫が縄目に沿って伝っていく。  
「あ、ダメェ! う、おじさんぅ、あ、くるぅ! はぁぁくぅるぅう」  
 黒い柔らかな髪を乱れさせ、口をパクパクさせるすみか。その姿はぞっとするほどに  
艶かしく、池田は思わず息を飲んだ。  
 たまらなくなった池田が、素早く服を脱いで左智に覆い被さる。  
「あ、この…」  
 左智が抵抗しようとしたとき、秘部にぬるりとした感覚が走る。  
「いッ!」  
 彼女は思わず悲鳴を上げた。が、それは違法の媚薬。秘唇の中に塗りこまれた薬は  
膣を這い上がって問答無用に浸透してくる。  
 
「やめて! おねがい! やめて!」  
 三分後には左智は哀願していた。  
 祐介しか触れてはいけないはずの繊細な場所が池田の手に鷲掴みにされ、揉み解されている。  
 左智はもう、すみかのことどころではなかった。媚薬が全身にまわり、肌が狂ったように  
ざわめいている。実際、かなり感じていた。祐介の顔が脳裏に浮かぶのに、身体が言うこと  
をきかない。  
「オラ、もういくぞ」  
 池田は左智の恥裂に陰茎をあてがい、一気に貫いた。  
「やぁ!」  
 その一撃で、左智の心と身体が乖離する。気追い立ったピストンに煽り立てられた  
ように、肉の感覚が胸の悲しみを覆っていく。  
「はぁ、はぁ、はぁ」  
 池田が討ちいれる度、左智はそれに応じるかのように荒い息を吐く。  
 その傍らではすみかが眉間に皺を寄せ、喘いでいる。  
「くるぅ、くるぅぅ!」  
 その幼い声が左智の肉音と重なる。左智のたわわな乳房は突き入れられるたびに  
たぷたぷと乱れ揺れる。  
「嫌! 止めて! 嫌!」  
 気が触れそうになりながらも左智は叫ぶ。その喉の響きはあまりに切なく、涙で  
目元が赤くなっている。しかし肉の響きはあまりに淫らで白く柔らかな乳房はゼリー  
の様の踊っている。  
「ア、クるぅ!」  
 すみかの叫びが遠く聞こえる。左智の意識は朦朧としていた。  
 そのとき加賀見が左智の乳首に噛み付くようにしてむしゃぶりついた。そして興奮  
のあまり、すみかのバイブを深く突き入れてしまう。  
 直腸壁に食い込んだバイブ。小さな腹の中がひっくり返ったようになった。  
「はひゃあぁ!」  
 すみかが身体を引き攣らせ、その肩甲骨の間が急に狭まる。その頬には幾筋物涎が流れ、  
ものすごく幸せそうな顔をしていた。その瞳は一気に暗くなり、上体をぐったりとベッドに沈め  
て動かなくなる。  
「はああ! やゃはゥアアああ…」  
 もはや痴呆状態の左智は叫ぶのみだ。陵辱者に力いっぱいしがみつき、左右に腰を振っている。  
 池田の陰茎が震え、肉の筒から左智の全身に快感を送る。ペニスが暴れている。  
 射精したのだ。  
 左智は池田の首にすがりついたまま、わけもわからず体内に迸りを受け止めていた。  
 
「さーちーさーん」  
 加賀見が、死んだように横たわる左智の頬を軽く叩く。部屋の中にはすでにすみかはいない。  
 目の前には大きなビン。何か液体が詰まっている。  
「これは何でしょう?」  
 質問の意図がわからない左智はきょとんとする。意識もまだ、はっきりとはしていなかった。  
「さっきの媚薬だよ」  
 池田が左智の耳元で囁いた。加賀見はビンを持ち上げ、左智の身体に滴らせた。  
「やめて!」  
 このときばかりは左智も正気を取り戻した。  
「そんなんされたら変に…いいッ!」  
 全身媚薬塗れ。二人の鬼畜が左智の上に白いシーツをかけ、パンでもこねるかのように  
首からつま先まで揉み尽くす。  
「はやぁ…うん、くん、ひゃわあぁっぁぁぁ…アぁタんマおかしなっちゃうぅあああ」  
 もはや嬌声を上げる美肉の塊だった。  
「死ヌ! しぬよぉぉぉぉぉ!」  
 それから挿入はせずに愛撫した。休みもせずに。その間中、左智は訳のわからない言葉を  
吐きながら蠢いていた。時おり痙攣し、身をくねらせて。  
 
『入れてェ! イカセて、イカセテくださいイィィィイ!』  
 半ば気の触れた左智が狂ったように泣き叫び出したのは約一時間後のことだった。  
 

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