ダンジョン内に死屍累々と積み重なるとかげナイト達の亡骸、その奥に佇むのは一戦を終え一息をついている勇者『カズヲ』。
その手に持つ黒剣は、切り捨てられた数多の魔物の血や体液でてらてらと鈍光を放っている。
いまだに先が見えぬ暗闇、際限なく襲いかかる魔物たち。
いくら三大賢者と呼ばれた彼も長い戦いを強いられて幾分か疲れが見え始めてきた。
(このダンジョンは魔物が多い。手助けを呼ぶか。)
剣をしまい両手を地面につけ、彼は小声で呪文の詠唱を始めた。
「・・・・・・出でよ・・・」
手をついた地面に突然、光の魔方陣が浮かび上がり、その中から新たな魔物が召喚された。
魔方陣の中から現れたのは、1人の美しい女性だった。
「・・・お呼びでしょうか、カズヲ様。」
透き通るような白い肌に薄桃色の腰まで届く長い髪をなびかせた彼女は、誰が見ても思わず目をやってしまうだろう。
しかし何より特異なのは、彼女は服となるようなものを何も身に付けず、腰から下はダンジョンの地面の中に潜っているということだ。
せいぜい身に付けていると思われるのは、頭に乗せたエメラルド色の冠だけ。
さながら洞窟の闇を背景にした『ミロのビーナス』とでも形容できようか。
しかし、彼女はれっきとした魔物『ステキなレディ』なのだ。
美しい外見によりダンジョン内の勇者たちの集中力を下げるレディ種の魔物であるに関わらず、
彼女は錬金術師たちの手により身も心も浄化されたかたちで召喚され、勇者たちに協力している世にも珍しい魔物なのである。
「今回はどういったご用件ですか?」
レディはエメラルドのように輝く切れ長の瞳を、主であるカズヲに向けた。
思わず溜息をもらしてしまうような、繊細さを兼ね揃えた美しさである。
その芸術品のような姿にカズヲは小さく息をのんだ。
「・・・どうもこのダンジョンの制圧はなかなか長丁場のようなので、私が戻るまでキミにここらのルートの確保を頼みたい。」
「はい、わかりました。では私はカズヲ様が戻られるまで付近の警護に入ります。」
レディが瀟洒にお辞儀をすると、絹糸のような髪が流れ下の美しい体のラインが見え隠れした。
これにはカズヲも思わず劣情をくすぐられたが、
「・・・うん、頼んだ。頼りにしている。」
と落ち着き払って、そして威厳をもって彼女に言った。
彼女を前にしているとそのあまりの完成された美しさに見とれてしまいそうで、
カズヲは直ちに先へ進もうと踵を返した。
「・・・・・・あの、」
不意に背後から呼び止めるような声がかかる。
自分の中の認めたくない感情を見透かされたような気がし、彼は振り返らずに返事をした。
「・・・・・・あの、この任務が終わったら・・・
・・・・・その、・・・」
いつもは冷静なはず彼女の声が、いつになく途切れ途切れだ。
「なんだ・・?」
カズヲが目をやると、彼女は視線を下に向けバツが悪そうにもじもじとしている。
普段は冷静沈着な彼女の奇妙な挙動に、彼は『?』を浮かべた。
「・・・どうした、言ってみろ?」
「あ・・あの、カズヲ様がよろしければ・・・・
・・・・後で、わたしと・・・・・ともに一晩を・・・」
レディの声は恥ずかしさで最後は聞き取れないほどに小さくなっていた。
ただちにその言わんとすることを把握したカズヲは、普段忠実な従者の突然のアプローチに虚を突かれた。
しかし、そこは世に名を馳せた三賢者の一人、この程度で動揺は見せない。
「・・・・・うん、よい。最後まで言わずとも分かった。お前の望むように。」
その一言だけを残し、漆黒のマントを翻しながらダンジョンの暗闇へと同化して消えるカズヲ。
その表情はここからでは読み取ることができなかった。
しかし、その言葉の意味することはくみ取れた。
つまり『イエス』である。
その言葉の意味に、暗闇に一人残ったレディは整った彫像のような横顔をほころばせ、湧き上がる愉悦に酔いしれた。
「あぁ・・これが終わったらカズヲ様と・・・」
全身が甘い蜂蜜にでも浸されたような感覚に包まれて、レディはゆったりと体を壁にもたれ掛けて、この後の出来事を夢想した。
彼の熱い愛撫と耳元で囁きかける優しい言葉、その一つ一つを想像しては彼女はひとり悦楽に耽るのだった。
そして知らず知らずのうちにレディの片手は自身の秘所へと伸び、もう片方の手はその柔らかな乳房を優しく揉んでいた。
「カズヲさま・・カズヲさまぁ・・」
もう体の火照りを抑えることはできない。
細長く繊細な指を小刻みに動かし、一心に快楽を貪る。
そして、自身の乳房を引き寄せては、薄桃色に色づいたその先端を艶やかな舌の先でなぞる。
「んはぁ・・ぁ・・ぁぁ・・・・んぁ・・
・・ぁん・・・はぁ・・はぁ・・」
静かな迷宮の中に、熱い吐息と淫らな水音が聞こえ始めた。
くちゅくちゅ・・
「もっと・・もっとぉ・・・お願いですぅ・・・」
頭の中に憧れの彼を思い浮かべ、彼との虚構の情事に没頭する。
やがて、彼女の快感はだんだんと快楽の頂点へと登り詰めてきた。
熱い吐息はさらに乱れ、愛撫する指の動きもますます激しくなる。
「あっあっ、あっああっ!! カズヲさまああぁぁ・・!!」
「・・・・ねーねー、おねーさんそんなとこでなにやってるのー???」
「・・・・!!!!!」
突如かけられた声によって、レディは飛び上るように身構えた。
「だっ・・だれっ!!?」
突然のことに動揺したレディはあわてて胸と秘部を隠した。
暗闇の向こうに声をかけた張本人がいる。
レディはその方向に身構えた。
暗闇の遥か向こう側、ゆらりと漆黒のカーテンをくぐるようにして1匹の魔物が姿を現した。
それは暗闇をそのまま纏ったかのような漆黒のローブに身を包み、その陰からのぞくのは月明かりの如き白い肌。
それは蠱惑的な眼をした闇の乙女、『はらぐろおとめ』である。
愛らしい外見とは裏腹に、その内側はどこまでも腹黒く陰湿な、ねむリリス達の中で最も質の悪い存在である。
「ねー、きれーなおねーさん。さっきここで何してたの? クスクス・・」
表面上はあくまで愛くるしい子供のように、しかしどこか小馬鹿にしたような笑みを浮かべて、
腹黒い乙女はふわりと近づいてきた。
「あー!もしかしておねーさん、ここでオナニーしてたのー?いやらしー」
「あ・・あなたには関係ないですっ!! 」
敵であり、嫌悪の対象である魔物に自分の痴態を見られ、あまつさえそれを馬鹿にされ、
レディは恥辱と怒りで顔をファイアエレメントよりも真っ赤にした。
「こんなとこでもオナニーしちゃうんだから、おねーさん相当欲求不満なんだね」
小さな唇に手を当てて、おとめは挑発的な笑みを浮かべている。
「だ、黙ってください!」
「おねーさん『ああーん、カズヲさまー』とか叫んじゃって、ばっかみたい! クスクス・・」
・・・・その時レディの中の何かがぷつっと切れた。
「このぉ!!黙れっていってるでしょっ!!」
突然レディが地面に潜ったかと思うと、はらぐろおとめの真下の地面から手が出てきて彼女の足をつかんだ。
「えっ?きゃあっ!!?」
突然の不意打ちにおとめは完全に虚を突かれ、レディによって地面に引きずり降ろされた。
「さっきから聞いていれば、人のことを馬鹿にして・・・許さない!!」
「ちょ、ちょっと放してよ!」
「うるさいわよ!」
捕らえられたおとめは抵抗しようとするが、すぐさまレディが馬乗りの形になり、どうすることもできなくなった。
捕らえられたおとめは抵抗しようとするが、すぐさまレディが馬乗りの形になり、どうすることもできなくなった。
「私を怒らせたらどうなるか、教えてあげるわ・・」
レディは傍から見てもゾッとするような冷たい笑みを浮かべた。
さすがは元とはいえ魔物、いざとなればそのダークさは健在である。
「ひっ・・!」
大変なのは相対するおとめ。
相手が元とはいえ自分たちを捕食する天敵『レディ種』であることも手伝ってか、すっかり怯えきってしまった。
自分の下で小さく震える哀れな獲物を、レディはまるでガジガジムシを追い詰めたとかげおとこのような眼で見つめた。
「じゃあ、これからお仕置きしてア・ゲ・ル!」
「や・・やめてぇ・・」
僅かな抵抗をするおとめをよそに、レディは手慣れた手つきで彼女の黒いローブを脱がせてその中の白い肌を露わにさせる。
実にあっけなくはらぐろおとめは生まれたばかりの姿にされてしまった。
まだレディのように成長しきってはいない、少しだけ幼さが残る体がそこにあった。
ちなみに胸はまだまだ発育途中のようだ。
「ふふ・・、ちっちゃくてかわいいわねえ。」
「いやあ、見ないでぇ・・」
おとめは真っ赤になった顔を両手で覆って必死に嫌がっている。
「ふーん、それに結構綺麗な肌ねえ。私のスチールの肌とは大違い。うらやましい・・・!」
(ギュッ)
「・・・・ひいっ!!! いたいぃ!!?」
純白のおとめの柔肌をうっとり見つめていたレディは、突然それをつねりだした。
突然の肌を刺す痛みにおとめは体をびくっとさせて悲鳴を上げた。
「うふふ、あなたを見てると思わず苛めたくなっちゃうわ。痛い思いさせてあげちゃおっかなあ?」
「やめてぇ、お願いだから・・・やだぁ・・・やだよぉ・・」
おとめの顔を覆う手の隙間からいくつもの滴がこぼれてきた。
どうやら恐怖と羞恥のあまり、ついに泣き出してしまったようだ。
「あら?泣いちゃったの? でも泣いても許さないわよ。お仕置きはこれからなんだから・・」
「・・・!! やだぁ・・やだぁ!!・・・やめてよぉ・・・」
駄々をこねる子供のように必死に暴れるおとめと、その様子を冷やかな笑みを浮かべて楽しむレディ。
滑らかなおとめの肌の上をレディの細い手が滑る。びくっとおとめの体が強張る。
白い手はそのまま体の線をなぞるようにして体の上へと登っていく。
胸のあたりにまで来ると、おとめのまだ小さな乳房の周りをゆっくりと撫で始めた。
「・・・・んんっ!!」
おとめは目を強くつぶりながら体の上を這いまわる手の感触に耐えている。
レディの舌が閉じた上唇をゆっくりと舐めて、官能的な笑みを作った。
するとおとめの胸の周りをぐるぐると撫で回っていた手が胸板の小高い丘の上を登り出し、その頂上の突起をきゅっとつねった。
「ひゃうぅっ!!!」
思わず嬌声を上げるおとめの顔を、もう片方の手が自らの飼い猫をいとおしむように撫でる。
おとめのサファイア色のショートヘアーがさらりと崩れ、うっすらと汗ばんできた顔にわずかに張り付いた。
「こんなかわいい声を上げちゃって、気持ちいいのかしら?」
「あうぅ・・」
もはやレディの愛撫の前にされるがままのおとめは、ほほ笑むレディの顔を涙ぐんだ瞳で見上げることしかできなかった。
「さて、そろそろ『こっち』のほうもかわいがってあげようかしら」
おとめの桜色の乳首をいじっていた左腕が、するすると体の下の方へ滑っていく。
その先には・・
「・・・! や、やぁ・・」
弱々しく抵抗らしき声を上げるおとめをよそに、
その左手は脚と脚の間に滑り込み、そこにある割れ目をすりすりとなぞり出した。
「ひうぅっ!! あ、あぁ・・」
おとめの脳内にはじんわりとえも言われぬ感覚がしみ出し、ゆっくりと中を満たしてゆく。
そして今度は左手がいなくなった胸の上に右手が移り、先ほどより強い愛撫を始める。
同時に敏感な2点を責められて呼吸が荒くなっているおとめにレディが顔を近づけて囁く。
「ねぇ・・このあとどうしてほしい?」
甘い疼きに悩まされ始めたところに、更なる快感への誘い。
少しでも声を上げようものなら思わずその言葉に縋りついてしまうだろう。
おとめは体を責め悩ます甘い疼きにもぞもぞと腰をうごめかせることしかできない。
「ほら、じぶんの口で言ってごらんなさい?」
強まっていく愛撫と耳元の甘い囁き。おとめの中の理性の砦は確実に崩れ始めていた。
レディが耳元で囁くと、その度にその言葉はおとめの理性に薄いもやをかけていく。
「もっと欲しいんでしょ? ほら、ここをこんなにも濡らしちゃって・・」
「あ・・ぁ・・」
おとめがもうほとんど堕ちかけているのを確認したレディは、その愛撫の手を突然止めた。
「・・・・!?」
突然止んだ愛撫におとめはどうしてよいか分からなくなった。
しかし、愛撫の手を止めたからといって、おとめの体の甘い疼きは止まるわけはない。
快楽の波に押し流されないように必死に耐えていたと思ったら、
今度は突然の枯渇した快楽の渇きに苦しまなければならなくなったのだ。
「あ・・ああぁ・・・」
急に止まった愛撫を今度は体中の感覚が渇望する苦しみ。
いよいよ耐えきれなくなっておとめの腰が切なげに動き出した。
もじもじと太ももをすり合わせてはみるが全く足りない。
「うふふ、こんなにもじもじして何が欲しいのかしら?」
意地悪そうな笑みを浮かべたレディに対し、おとめは必死に訴えかけるような、縋りつくような視線を送る。
「じぶんの口で言えたら、してあげてもいいわよ?」
その言葉に遂におとめの中の理性の最後の一角が崩れ落ちた。
「・・・・ください」
「あら、なにが欲しいの?」
「・・・・お、お姉さまの・・愛撫が・・・欲しい・・です」
「ふうん、どこをしてほしいの?」
「わ、わたしの・・・アソコで・・す」
「じゃあ、どんなふうにして欲しいの?」
「お姉さまの手で・・・激しく、ぐちゃぐちゃにしてくださいぃ・・」
「ふふ、かわいい子。よくできました」
くちゅ・・
「ふああああっ!?」
くちゃ、ぐちゅ、ぐちゅ・・
「は・・はあああ!! んあっ!んあっ」
「ねえ、もっと聴かせて。あなたのこえ」
「あ、あああああ!! イキますぅ!!お姉さまぁ、イっちゃいますうぅぅ!!」
ビクッ、ビク・・ビク・・
「あらあら、イっちゃったのね。カワイイ声あげちゃって」
(チュッ)
「ハァ・・ハァハァ・・」
「さあ、今度はあなたが私が楽しませる番ですよ」
「ふえ? ふえええええええっ!?」
魔王様のダンジョンは今日もにぎやかだ。