幽助と螢子はぼんやりとテレビを眺めていた。
つまらない、と言って幽助はテレビのチャンネルをまわす。
「あ、ねぇ見てみて!あの赤ちゃん可愛い。」
「ばーか、子供なんて皆可愛いもんだろ。」
幽助は笑いながらテレビから目を離した。
「幽助って案外子供好きよね。」
「なんなら俺たちも作るか?」
ニヤニヤと笑う幽助にむかってすぐ、螢子の強力な平手打ちが飛ぶ。
「痛ってーな!」
「馬鹿ね、下心が見え見えなのよ。」
もしかして俺は一生指一本触れさせてもらえないのだろうか、
一瞬そんな考えが幽助の頭をよぎった。
「それに今できても困るでしょ!アンタは社会人でもアタシはまだ学生なんだからね。」
「ちぇっ、どうせ俺は煩悩の塊ださ。」
そういうと幽助は隅っこで拗ねてしまった。
螢子は一つ溜息をつくと拗ねている幽助の方へ向かって歩き出す。
そして耳元で幽助にしか聞こえないくらい小さな声で呟いた。
「ゴムつけてくれるなら、ちょっとくらい良いわよ。」