雪菜が桑原家にホームステイして1年が経とうかとしている。  
毎日が平和に穏やかに過ぎていく。  
 
初めて人間界に来た頃の雪菜は、まだまだ幼いあどけなさの残る少女で、  
恋愛感情というものにはまったく縁遠いものだった。  
 
桑原和真にとって、そんな少女はまさに硝子細工で、大事に大事に接してきた。  
 
一目惚れから始まった恋心は雪菜には届いていない。伝えるのはこわい。  
もし、もしも彼女を困らせるようなことになったら…と思うと、  
いかに猪突猛進型の和真といえど思い切ることはできないのだ。  
 
ひとつ屋根の下で暮らせるだけで満足していたのだ。  
 
少なくとも、昨日までは――――  
 
********  
 
「じゃあ和真、あたしもう行くけどあんた雪菜ちゃんに変なこと……まあ、心配いらないか」  
旅行用の鞄を持った静流が弟の部屋のドアを開けて。  
 
「んだよ姉貴、いいかけてやめんなよな!なんだってんだよその哀れむようなカオは!?」  
 
「あんたも可哀想というか、我慢強いというか、  
 
まあ、とにかく明後日まであんたと雪菜ちゃん以外誰もいないんだから、  
戸締まりと火に気を付けんだよ。じゃ、行ってくるから」  
 
「わーってるよぉ、もうガキじゃねえんだから、心配すんなって」  
 
そう言って口を尖らせる弟を一蔑して静流はドアを閉める。  
子供じゃないから一応心配なんだけどねぇ…と思ったが、口には出さず。  
 
階段を降りると、雪菜がちょうど夕飯の買い物から帰ってきたところだった。  
 
「雪菜ちゃん、じゃあ行ってくるから。留守番させちゃって悪いけど、よろしくね。  
明後日にはウチの親が帰るはずだから」  
 
「はい。大丈夫です、それに和真さんがいてくれますし…  
せっかくのご旅行なんですもの、楽しんでらしてください!」  
 
無垢な笑顔の雪菜。  
和馬とふたりきりで夜を過ごすこともまったく意識している様子はない。  
 
雪菜を見ている限り、和真を頼りにしてるのもわかるし、決して嫌ってることはないとわかるが。  
心の中で弟に改めて同情しつつ、静流は家を後にした。  
 
玄関のドアの閉まる音を二階の自室で聞きながら、和真は不機嫌そうに椅子を揺らしていた。  
姉の言いたいことはわかる。わかっていた。  
が、自分に何ができるというのか。  
 
雪菜に対して欲望がないといえば嘘になる。  
深夜、壁一枚隔てた隣の部屋で眠る彼女の姿を想像して自慰にふけることもしばしばだ。  
だが、欲望を吐きだしたあと決まって自己嫌悪し、うしろめたさで頭をかきむしりたくなった。  
汚したくないのに、想像とはいえ大事な少女を犯す―――――  
 
自分の欲の深さにうなだれる。  
 
 
 
それでもこの状況に対する嬉しさがじわじわとわいてきて頭をもたげる。  
雪菜とふたりきりで過ごす。  
外出や旅行の多い親が家にいないことは珍しくないが、静流までいないことは珍しい。  
なにかを期待したくなる。  
しかしすぐに激しくかぶりを振って煩悩を振り払う。  
 
「和真さん…?」  
「うわっ!!!」  
 
突然の声に跳びあがりその方向を見ると、雪菜が申し訳なさそうに  
半分だけ開いたドアから顔を覗かせていた。  
 
「ごめんなさい、ノックしたんですけど返事がなかったので…よかったらお茶にしませんか」  
「は、はいっ」  
 
慌てて散らかったテーブルを片付け、雪菜の持つお盆を受け取った。  
 
見るとカップがふたつある。  
呆気にとられた和馬の表情に気付いた雪菜は少しあわてて、  
勉強の邪魔になりそうだからやっぱり自分は自室に戻る、ということを言い出した。  
が、和真がそれを力いっぱい止めた。  
 
普段、雪菜がひとりで和真の部屋に入ることはない。  
からかい半分の親や静流が「年頃の女の子が、男の部屋に入るのはよくない」と  
彼女に吹き込んだおかげで、自分の部屋で雪菜とふたりきりになることなどなかったのだ。  
加えて彼女は、和真の勉強の邪魔になってはいけないと思っているらしい。  
 
「今日は皆さんおでかけで、ちょっと、寂しいですね」  
カップを両手で包んで、雪菜がかすかに睫毛を伏せて笑う。  
淡い期待にどぎまぎしていた和真だったが、その言葉で正気に戻る。  
(みんないないもんだから、心細くなって俺のところに来ただけか…)  
それでも、頼ってこられたことが嬉しい。  
雪菜は和真の部屋が珍しいらしく、無邪気に周りを見回している。無防備―――だ。  
 
男とふたりきりになることをまったく気にしている様子はない。  
たぶん相手が誰であろうとそうなのかもしれないが、自分を信用してくれているのだと前向きに考える。  
 
しかし、目は正直に彼女を追ってしまう。  
 
 
きれいな髪  
長い睫毛  
柔らかそうな、小さな淡い唇  
細い肩  
―――控え目そうに膨らむ、ふたつの丸み…  
 
 
人形のようだ、と和真は思う。  
 
雪菜はかわいい。それはわかっているが、最近は綺麗になってきたようにも思う。  
着物姿の雪菜も清楚でよいが、洋服姿もよい。  
この家に来たばかりの頃は着せかえ人形状態で、  
静流や母があれこれ雪菜に着せては満足そうに顔を見合わせたりしていた。  
 
今日の雪菜はAラインの薄桃色のワンピースに、白い毛糸で編まれたカーディガンをはおっている。  
和真の学校の同学年の女子と比べたら、雪菜のそれは少し子供っぽい格好なのかもしれない。  
しかし少女らしい、やわらかな雰囲気を持つ彼女にはぴったりだと思う。  
彼女には派手な露出の多い服などは着て欲しくない。  
わりと古風なのかもしれない自分の趣味が、和真は嫌いではなかった。  
 
「さっき買い物に行ったら、お魚がとてもおいしそうだったので、今夜はそれを焼いて…  
あと、肉じゃがを作ろうと思うんです。和真さんお好きでしたよね」  
にこにこと話す雪菜。  
 
(幸せだ…)  
 
好きな彼女とひとつ屋根の下で暮らし、一緒にお茶を楽しみ、  
今日は自分のために食事を作ってくれるという―――  
 
たわいもない会話をしながら、和真は幸せで舞い上がっていた。  
そんな時に事件は起こった。  
 
「あ」  
 
雪菜は何かに気付いたようでベットの下に体をのばす。  
「なにか、本が落ちてますよ」  
 
「え?」  
 
はた、とベットの下を見ると同時に和真は声にならない驚声をあげる。  
そういえば昨夜使ったエロ本をベットの下にかっぽったままだった。  
 
「ゆっ、雪菜さんそれは―――」  
和真があわてて雪菜を止めようとしたが遅かった。  
 
親切心から、ベットの下に落ちていた本を拾いあげた雪菜は、  
それを見た瞬間はキョトンとした顔をしていたが、  
その本の内容を理解すると途端に真っ赤になり泣きそうな表情になった。  
 
時間が止まったような気がした。  
 
和真は、雪菜の取り落としたエロ本を拾うこともできず固まった。  
床に落ちた本は、和真のお気に入りのページに癖がついていたのであろう、  
ばさりとだらしなく広がっていた。  
 
 
そこには、雪菜に似た少女―――の痴態  
 
 
その少女は恥じらいながらも、ピンク色のワレメにしっかりと男のモノをくわえこみ、  
今にも自分から腰を振りだすのではないかと思うほどのいやらしいカオをしている。  
 
和真は、この写真に何度お世話になったかしれなかった。  
想像の中で雪菜の体を自由にして犯す。  
細い腰を何度も突き上げて、何度も何度も彼女の腟内に己の欲望を吐きだす。  
そういった妄想を、この本から膨らませ毎夜のように昇華させていた。  
行為の後でひどい罪悪感を感じながらも、そのオカズは捨てられなかった。  
 
 
「こ……これが…、男女が交わるってこと…なんですか?」  
 
雪菜は、衝撃が薄れてきたのかその少女のページを恐々ながら凝視していた。  
痴態をさらす少女が自分に似ていることには気付いてないようだった。  
 
「え、えーと、その、まあ…」  
和真は雪菜の質問に曖昧に答えながら、ささっと本を取りあげた。  
雪菜の目に入らないように背中に隠す。  
 
「すっすいません、その、へ、ヘンなもん見せちゃって…」  
 
「えっ、いえ、わ、私こそ余計なことしてごめんなさい…あの、男のひとは、  
そういうものがお好きなのは知ってますから…その…」  
 
 
気まずい。  
 
 
しかし雪菜はこういう男の生理のようなものを理解してないんではないかと思っていたが、  
今の話を聞くとそうでもないらしい。ただ、セックスについての具体的な知識はないようだ。  
男女の交わり、ということはなんとなく知っているのだろうが。  
 
「和真さん、は…その、女性と交わったこと、あるんですか?」  
 
思わず咳き込む。  
「そっそんなことは…ッ」  
ありませんよ、というのもなんだか恥ずかしい気がして、和真は言葉を飲み込んだ。  
 
それにしても大胆なことを聞いてくる。  
おそらく純粋な興味からの質問なのだろうが…  
 
「…私たち氷女は、異性と交わるということ自体、  
タブーとされているので…どんな感じなのかなって、少し思ったものですから…  
和真さんならいろんなこと知ってるので、教えていただけるかと思ったんです…、  
へ、ヘンなこと聞いてしまってごめんなさい…」  
 
頬を赤く染めながらうつむく雪菜。  
なんだか妙なことになってしまったと思いつつ、  
彼女のことを知るいい機会だと考え直し和真は顔をあげた。  
 
「あのっ…前から聞きたかったんスけど…氷女は、その、異性と交わるだけでも死んでしまうって…?」  
 
「いえ、あの、100年に一度訪れる分裂期に合わせて異性と交わって男子を生むと命を落とすんです。  
…私の母がそうでした。でも、その分裂期に重ならなければ、異性と交わっても大丈夫なようです。  
タブーとはいえ、氷女の中にも分裂期を避けながら密かに、外界の異性と付き合っている者もいましたから…」  
 
「そ、それじゃその、分裂期に重ならなきゃ大丈夫なんスね!?」  
 
「ええ、でも…分裂期以外に子供が生まれることはないので、  
人間のように…好きなひとの子供を生むことはできません。  
生むとしたら、私の母のように命と引き替えに生むしかないんです」  
 
雪菜の頬はもう赤くはなかった。  
反対に寂しそうな自重気味の笑顔を浮かべていた。  
 
和真はずっと気になっていたことを雪菜の口から聞けてホッと息をつく。  
体の関係がすべてとは思わない。  
が、やはり氷女にとって性行為=死ではないと知れたことは嬉しかった。  
 
「ゆ、雪菜さん……っ」  
 
「はい?」  
 
少し小首をかしげ、顔をあげた雪菜が一瞬ドキリとするほど可愛くて、  
和真はとっさに言葉を失った。  
 
(俺は…)  
 
雪菜さんが好きだ。  
 
今なら、この妙なテンションなら、告白できそうな気がした。  
雪菜の瞳が和馬の言葉を促すように「?」と優しく瞬いた。  
 
 
「雪菜さん、お、お、俺はっ…ずっと、ゆ、雪菜さんのことを…」  
心臓が爆発しそうだった。  
それでも今を逃してはいけないような気がした。  
 
「すっ…好きなんです!」  
 
 
言った。  
ついに伝えてしまった。  
今自分の顔は真っ赤だろうが、それでもグッと顔をあげ真剣に雪菜の目を見る。  
 
雪菜はびっくりしたような、とまどったようなカオをしていたが、  
言葉の意味を飲み込んだのか再び頬を染めた。  
 
そして、はにかむように微笑んで  
「ありがとう、ございます…私も、和馬さんのこと、好きです」  
と、嬉しそうに答えた。  
 
和真はポカンと口をあけて、そんな雪菜を眺めている。  
 
「和真さん…??」  
 
信じられない。  
雪菜はありがとうと言った。  
自分のことを好きだとも言ってくれた。  
それでも和真は信じられなかった。  
こんなにあっさり受け入れてもらえるなんて。  
 
「そ、それはその、loveで…?それともlike…?」  
 
「らぶ…?らいく…って…?ごめんなさい、言葉の意味が私よくわからなくて…」  
 
雪菜は申し訳なさそうに言う。  
 
なんと説明すればよいのかわからず、和真は頭をかく。  
そして、思い切ったように雪菜の小さな手を握った。  
 
「ど、どうスか…?こうされて、嫌な気持ちですか?」  
 
雪菜はふるふるとかぶりを振って笑う。  
「いやだなんて、そんなことないですよ」  
 
和真はだんだん自分が大胆になっていくのを感じていた。  
さっき雪菜が自分を好きだと言ってくれた事実が、少しずつ染み渡り気が高ぶる。  
 
「じゃ、じゃあ…」  
 
今度は、雪菜の体をそっと引き寄せて抱きしめた。  
小さな雪菜の肩は、和真の胸のなかにすっぽり収まってしまう。  
 
突然の密着に一瞬とまどった雪菜だったが、やはり「いやではない」と答えた。  
 
ここまでしても拒否しようとしない雪菜に、  
和真はさっきまでの不安が消えていくのを感じていた。  
 
 
 
どれくらいの間、そうしていただろうか。  
最初は戸惑いの色を見せた雪菜も、和真の胸の中で安心したように小さくなっている。  
自分の心臓の音が耳に響く。きっと雪菜にも聞こえてるだろう。  
 
(やわらけー…)  
 
初めて異性を抱きしめる和真にとって、雪菜のやわらかさは驚きだった。  
男とは根本的にちがう。肩も背中も腕も、全部がやわらかくて温かい。  
雪菜の髪が頬に触れて、そのふわりとした香りにくらくらする。  
自分だって同じシャンプーを使ってるはずなのに、この違いはなんなのか。  
思わず、和真は雪菜の髪を撫でてしまう。撫でたあとで、急に照れて慌てて手を離したが。  
 
「くすぐったいです…」  
 
そう言って首をすくめながらも、雪菜は気持ちよさそうに、和真の胸の中で仔猫のように小さく身じろいだ。  
 
ふと、和真は特にやわらかいものが自分の体にあたってることに気付いた。  
雪菜の胸が、ぴったりと押し付けられてその形を変えていた。  
カーッと、体が熱くなる。  
思いが通じたことに感動して、この夢のような状況にぼぉっとなっていたが、途端に意識が下半身に集中した。  
 
 
―――雪菜を自分のものにしたい  
 
 
下世話な欲望が頭をもたげる。  
さっきまでは思いが通じたそれだけで満足していたのに、もう彼女のすべてを欲する自分の欲深さに自己嫌悪する。  
しかし、この状況で彼女を開放できるほど和真は大人ではなかった。  
その時、ふと雪菜が和真を見上げて笑った。  
 
「…和真さんの心臓、すごくドキドキいってます」  
 
 
今までピンと張りつめていた和真の理性が切れた。  
雪菜のやわらかな唇に自分のそれを重ね、押し付ける。  
 
「ん…っ?!」  
 
瞬間、雪菜の体がこわばり和真の腕から逃れようとするが、  
男の力には敵うはずもなくされるがままに唇を奪われる。  
 
何度も角度を変えて、和真は夢中で雪菜の唇を吸う。  
やわらかくて少し冷たい雪菜のぷっくりした唇。  
夢にまで焦がれた、雪菜とのキス。  
そう思うと、和真の雄はもう止められず興奮が高まる。  
 
 
ちからが抜けて、息ができず苦しくなった頃ようやく和真の唇が離れた。  
雪菜は荒く息をしながら、くったりと小さくなった。  
何が起こったのか、まだ理解できていないのかもしれない。  
 
「雪菜さん…」  
 
彼女をゆっくりベットに横たえて、雪菜の目を見る。  
 
「嫌ですか…?」  
 
たとえ雪菜がいやだと言っても、自分はもう止まれないかもしれない。  
それでも、やはり彼女を大事に思う気持ちが和真にブレーキをかけた。  
 
雪菜はうるんだ瞳で、少し不安そうに和真を見つめた。  
少し間をおいて、小さくかぶりを振る。  
 
「いやじゃ、ないです…でも、なんだか和真さんが、知らない男のひとみたいで…少し、こわい…です」  
 
雪菜の素直な言葉が嬉しくて可愛くて、たまらず彼女の首筋に顔をうずめた。  
 
「ひぁっ」  
 
突然の刺激に、雪菜の肩がピクンと跳ねた。  
白い首筋についばむようなキスを繰り返し、少し紅潮した形のよい耳をちろちろと舐めあげる。  
雪菜は未知の刺激にただ震えて、されるがままになっている。  
 
「…ぁ…あ、や、くすぐった…で……んぅっ」  
 
和真はキスをやめずに、震える手で雪菜の服を少しずつ脱がせていく。  
もどかしくて、ひと思いに破きたくなるが、衝動を抑え硝子細工を扱うようにできる限り優しく雪菜に触れる。  
 
しかし、和真がしようとしていることに気付いた雪菜はあわてて彼の手をおさえた。  
 
「ま、待って!待ってください…っ」  
 
切羽詰ったような雪菜の声音に、和真はビクリと体を離した。  
やはり嫌だったのか、調子に乗りすぎたかと途端に不安になる。  
 
「雪菜さ…」  
 
「和真さんは、私が妖怪でも、いいんですか…?」  
 
思いもよらない雪菜の言葉に、和真は一瞬動きが止まる。  
 
考えたこともなかった。  
下から見上げてくる雪菜の瞳は、せつなそうに揺れている。  
 
「私は、和真さんよりもずっと長く生きる妖怪です…  
そのうち、和真さんはどんどん年を重ねて…大人になって…」  
 
「でも私は、きっと今の姿のまま、変わらないでしょう…  
和真さんに、あとで後悔されるようなことになったら…  
ご迷惑、になるようなことがあったら私…」  
 
雪菜の泣きそうな表情がつらい。  
いつも穏やかな彼女が、内でこんなことを考えていたなんて気付かなかった。  
雪菜は妖怪で、自分は人間だ。  
そうだ。彼女の寿命は人間のそれとは比にならないくらい長い。  
いつか自分は老いて、彼女を置いてゆく。その時、彼女の姿は今とほとんど変わりない…  
 
置いてゆくのと、置いていかれるのとはどちらが辛いだろう。  
本当に考えたこともなかった。  
雪菜はずっとこんな寂しい不安を抱えていくのか―――  
 
和真は、不安そうな雪菜を強く抱きしめた。  
 
「後悔なんかしません、俺は、雪菜さんが妖怪だろうが人間だろうが…そんなの俺は…」  
 
答えになっていないのはわかっているが、他にこの思いをどう彼女に伝えればいいのかわからない。  
思わず涙声になってしまい、和真は言葉を繋げるかわりにキスをした。  
さっきのような欲にまかせた荒々しいキスではない、今和真にできうる限りのやさしいキス。  
 
ふ、と唇を離すと、今度は雪菜のほうからキスをしてきた。  
おずおずとではあるが、和真のキスを真似るように唇を寄せてくる。  
 
はにかむような、愛しさの溢れるような可愛らしい雪菜のキスに、和真の雄が思わず反応してしまう。  
 
「んぅ…っ」  
 
もう止められなかった。  
舌で、雪菜の小さな歯列を割り彼女の口内を蹂躙する。  
突然再開された刺激に雪菜は体をこわばらせるが、今度は震える手で和真の胸にしがみつき、  
いっしょうけんめい彼の愛撫についていこうとしていた。  
 
「ふぁ…はぁ…あっ」  
 
ワンピースのボタンがはずされ、白い胸元が露になる。  
可愛らしい下着が雪菜の胸を包んでいる。  
 
「や…やっぱり恥ずかし…っあ、や、やあっ」  
 
小さな手で胸元を隠そうとする雪菜の仕草が、余計に和真の雄を刺激する。  
ぐいと下着をずらすとやわらかな胸が空気にふれてフル、と震えた。  
着やせするタイプなのだろうか?  
雪菜の胸は服を着ている時よりもしっかり質量があり、和真の掌にきもちよくおさまった。  
 
「あ…あ…あ…」  
 
白桃のようなふたつの胸を、大きな掌でもまれ、小さなピンクを和真の指がかするたび  
泣きそうな雪菜の小さなあえぎ声が部屋に響く。  
可愛くてたまらない。その声が和真の加虐心をあおる。―――もっと聞きたい。  
 
「きゃうっ」  
 
雪菜の胸の、小さなピンクの実を口に含んで転がす。  
 
「いやあ…あっ…あ…かずまさ…ん」  
 
「雪菜さん、すごい、かわいい…かわいいッスよ…っ」  
 
刺激を与えられて、小さな実がぷっくり膨らんで硬くなる。  
感じているのか、雪菜の嬌声が次第に艶を増し、高くなっていく。  
 
ふと、雪菜は自分の太ももにあたる硬いものの気がついた。  
それは、自分の大事な部分にこすりつけられるようにゆるゆるとグラインドしている。  
 
瞬間、さっき見た本の、恥ずかしい写真を思い出す。  
 
(和真さん…)  
 
雪菜は男の裸を見たことがない。しかし、さっきの写真で男性と女性の体のはっきりとした違いはわかっていた。  
 
(あの、棒のようなものが…私のなかに…?)  
 
とたんに雪菜の体がカアッと熱くなった。  
和真の骨ばった指が、雪菜の秘所に触れたのはその時だった。  
 
「や…っ」  
 
びくんと全身が震えて、雪菜は恥ずかしさと未知の刺激とのこわさに、思わず逃げようとする。  
しかし、ただうつぶせになっただけで和真の腕の中から逃れることはできず、目の前の枕にしがみついた。  
 
和真は震えそうになる指で、雪菜の少女の部分を下着越しに、ワレメに沿って指を往復させる。  
はじめて触るそこは、くにゅくにゅとやわらかくて、熱くて、  
乱暴にしたら壊れてしまうんではないかと不安にさせられるほど頼りない。  
 
「いやあ…かずまさん…あっ…あ…っ…だ…めえぇ…ぇ」  
 
うつぶせになり、真っ赤な顔を枕にうずめながらも感じているのか、雪菜の腰はかすかにだが揺れている。  
そのさまがいやらしい雌を感じさせて、普段の雪菜とのギャップにますます和馬は興奮する。  
 
ふと、和馬の指が止まる。  
 
(雪菜さん…濡れて…)  
 
見ると、下着にしっとりと小さなシミができている。  
そこがうっすらと透けて、雪菜のピンク色の秘所の陰がかすかに浮き上がっている。  
 
「………ッ」  
 
「きゃ?!」  
 
ぐい、と雪菜の細い腰を持ち上げ、一気に下着をずりおろす。一瞬はずかしい蜜が糸をひいた気がした。  
 
「いやあっかずまさん…っ?!」  
 
突然の荒々しい和馬の行動に、雪菜はとまどう間もなく押し流される。  
まだ何者も受け入れたことのない少女のそこは、ひくひくと小さく震えて蜜に濡れてはいるもののピッタリと閉じている。  
和馬はそこを乱暴に舌でこじあけ、雪菜のワレメを蹂躙した。  
 
「アーっあっ…アッ…やあ…ァ、そ…なとこ…っ」  
 
雪菜は恥ずかしさと気持ちよさに、頭が真っ白になるような気がした。  
こんな、腰を突き出したみだら格好で、和真に恥ずかしい箇所を全部見られて、舐められて…  
膝がガクガク震えて、今にも崩れ落ちそうになる雪菜は、自分のあえぎ声を他人のもののように感じていた。  
 
(こんな恥ずかしい声…でちゃうなんて…私…)  
 
「きゃうんッ」  
 
一段強い刺激に、雪菜の腰がビクンと跳ね上がった。  
 
和真が、雪菜のワレメにある小さな突起を見つけ、そこを吸い上げたのだ。  
 
「やあああああ、あっ…アッ…アッ…アーッだめ…ッだめ…ですっ…いやあああ…」  
 
強すぎる刺激に、雪菜の嬌声が跳ね上がる。  
その声にあおられた和真は、その小さな部分をクリクリと舌でねぶり、さらに指でワレメの薄いひだをこねる。  
 
くちゅ…くちゅっ…くぷっ  
 
「あああぁ…ア…あア…」  
 
恥ずかしい水音が耳をつき、今まで感じたことのない快楽が雪菜の全身をしびれさせる。  
もう言葉は言葉にならず、ただ和真の愛撫に流され感じるだけだった。  
 
「あっ…ア、いや…ヘン…なにか、きちゃう…ッ…かずまさん…わたし…アッ…あ、あ、ア―――――…ッ」  
 
きゅうう…っと雪菜の秘所が痙攣し、全身を震えさせて、腰から崩れ落ちた。  
 
和真が、ひくひくと震える雪菜のワレメから指を抜くとトロ…と蜜が溢れて太ももを伝い、シーツにしみを作った。  
 
放心したような雪菜はベットに沈み込み、瞳をとろんとさせて未だ全身を細かく震わせている。  
 
「雪菜さん…?」  
 
「……」  
 
(…イッた…のか…?)  
 
和真は荒い息と興奮を抑えるように深呼吸すると、改めて雪菜を見る。  
うつぶせになった雪菜のカーディガンとワンピースは大きくはだけて白い背中を露にしている。  
丸いおしりと、かすかに見え隠れするピンク色のワレメ、そこから一筋たれた蜜…  
乱暴に脱がせた下着は、膝のところでひっかかって丸まっていた。  
 
(これじゃまるで、レイプされたみてーじゃねえか…)  
 
自分がしたことなのに、まるで他人事のように感じる。  
彼女の感じるさまがもっと見たくて、夢中で愛撫してしまった。  
雪菜のそうした痴態は、再び和真の雄の本能を刺激する。が、深呼吸したことで少し落ち着いた。  
 
とろんとした雪菜をやさしく仰向けにして、互いの顔が見えるように向き合うかたちにする。  
やさしくキスをして、内心雪菜に乱暴なことをしてしまったことを詫びる。  
 
彼女は初めてなのだ。  
自分だってこういうことは初めてだが、自分は男だし、彼女のそれとは意味の深さが違う気がした。  
それに自分は一応こういうことに対する知識だってある。  
雪菜はそれすら未知のことで、不安だろうに自分を信頼して体を預けてくれてるのだ。  
そう思うといっそう腕の中の彼女が愛しくなる。  
 
「和真さん…」  
 
雪菜が息を整えたのか、恥ずかしそうに小さく身じろいだ。  
 
「私…ごめんなさい、なんだかすごくて…わけがわからなくなって…はしたないですよね…」  
 
「そんなことないです、雪菜さんは、その、気持ちよくなってくれたんでしょ…?」  
 
和真のストレートな言葉に赤面しながら、雪菜は小さく頷いた。  
 
「きもち、よかったです…すごく、きもちよくて…私…」  
 
素直な雪菜の反応に和真は嬉しくなって、彼女の紅潮した頬にキスをした。  
そして、中途半端に脱がせたままの雪菜の服をすべて脱がせ、自分も裸になる。  
陽はもう傾いて部屋のなかは薄暗くなっていたが、  
雪菜の白い肌はその中に浮き上がって本当に雪のように白く感じられた。  
 
雪菜は初めて見る異性の体を目の前にして、  
恥ずかしいのかこわいのか、真っ赤になってうつむいてしまう。  
女性ばかりの氷河の国で生まれ育った彼女にとって、異性の体は本当に未知のものだ。  
 
胸板の厚さとか筋ばった腕といった、普段意識せずにいた自分の体との違いがはっきりとわかる。  
なによりの違いは、和真の中心で反り返るもの―――  
 
「は、恥ずかしいッスね…」  
 
お互いに裸になって改めて向き合うと、さすがに照れるものがある。  
 
「恥ずかしい、ですね…」  
 
普段と変わらない和真の、少しおどけたような照れ隠しの言葉にほっとして、雪菜はくすっと笑った。  
そして、さっき服越しに自分の太ももにこすりつけられていたモノに、そっと触ってみる。  
 
「ゆっ、雪菜さ…!」  
 
突然の思いもよらない刺激に、和真は肩を震わせる。  
 
「!ご、ごめんなさい、痛かったですか?」  
 
「い、いや、痛いんじゃなくて…っ」  
 
気持ちいい。  
あの雪菜が、触ってくれたと考えるだけでさらに膨張してしまう。  
 
「え…っ、なんだか、また大きく…?」  
 
雪菜は、初めて見る雄の変化を目の当たりにして戸惑う。  
自分が触ったことで、腫れてしまったのだろうか…?と不安になる。  
それに―――  
 
「こんなに、大きいのが本当に、私のなかに入るでしょうか…」  
 
思わず、不安に感じていることを口にしてしまった。  
 
和真は、そんな雪菜の素直な言葉にも感じてしまう。  
たまらず彼女に覆い被さって、一度落ち着いた体に再び刺激を与えていく。  
さっき達したばかりの雪菜の体はまだ熱く、感じやすくなっていた。  
 
 
「んむ…っん…!!」  
 
キスしながら、和真は再び雪菜の秘所に指を這わす。  
そこはまだ潤って、くちゅ、と小さな音をたてて和真の指をやわらかく包み込む。  
 
(ここに、挿れる…)  
 
想像しただけでたまらなくなる。  
ずっと妄想の中だけで犯してきた、大事な少女のはじめてを自分がもらえるのかと思うと、  
幸せで胸がいっぱいになる気がした。  
 
「あっ…や…あ、あ…ッ」  
 
くちゅ、くちゅ、と骨ばった指に蹂躙されて、雪菜のそこは紅く充血してヒクヒクとひきつった。  
 
「雪菜さん…っ」  
 
「あっ」  
 
雪菜の膝裏に手を滑り込ませて一気に持ち上げる。  
震えるそこはくぱりと割れて、透き通りそうなひだが蜜に濡れて光っている。  
あまりに恥ずかしい格好に、雪菜は真っ赤になって言葉も出せず、思わず両手で顔を覆う。  
和真は、自分の雄を雪菜の濡れたそこにあてて、やわらかなひだに割り込ませるようにゆっくりと前後させた。  
 
「ひ、や、やあああ…アッ、アッ…いやあ…」  
 
いきなり挿れるのはさすがにしのびなくて、  
少しでもこの大きさに慣れさせるように彼女のワレメに竿の部分をこすりつける。  
裏筋にぴたりとまとわりつく肉の感触に、和真は震えるような快感を感じた。  
 
「雪菜さん、雪菜さ…っ」  
 
「ンッ、んぅっ…ア」  
 
(和真さん、の…すごく熱くて、固くておっきい…こんなのが、ほんとに…)  
 
ごつごつしたそれは、少々グロテスクな感もあり少女を怯えさせる。  
熱い肉棒が自分の大事な部分にこすりつけられるのを指の間から見ながら、雪菜は不安になる。  
それでも、やはり与えられる刺激はきもちよくて、不安と裏腹に恥ずかしい声が漏れてしまう。  
自分の動きに合わせてかすかに雪菜の腰が揺らめいている。  
恥じらいながらも感じている彼女が、可愛くていやらしくて。  
腰がとまらない。  
もう我慢の限界だった。  
 
ぬぷ…と、己の先端を少女のなかに埋め込む。  
雪菜はあまりの衝撃に息をのんだ。  
和真はゆっくりと腰をすすめるが、なにかに引っかかるのを感じた。  
処女膜だ、と本能的に直感する。  
 
「……ッ」  
 
雪菜が、破瓜の痛みに耐えるように唇をかんで、和真の腕にすがりついてきた。  
涙をうかべて耐えている雪菜を見るのがつらくて、  
一瞬やめようか、とも思ったが、もう今更止められない。  
少しでも痛みを紛らわせてやろうと、きつく噛み締めた雪菜の唇をほどいてキスをする。  
ふ、と雪菜の体から力が抜けたのを感じて、和真はひと息に腰をすすめた。  
 
「…ン・んん―――ッ…ッ」  
 
 
一瞬ひっかかった部分を抜けると、なんの抵抗もなく、にゅるりと根元まで入った。  
雪菜の膣内はやわらかく和真自身を包み込んで、不規則に小さく震えている。  
 
「は、はいっ…た…?ほ…んと、に??私…っ」  
 
雪菜が、初めて感じる圧迫感に震え、細かく息をはきながら今にも泣きそうな声で、  
不安そうに和真を見上げた。  
 
「雪菜さん…っ」  
 
和真は、できるだけ腰をそのまま動かさないように、感極まって雪菜を抱きしめた。  
 
「雪菜さん、雪菜さん…雪菜さん」  
 
嬉しくて、涙がでた。  
ずっと思いを寄せてきた少女の、はじめての男が自分なのだ。  
 
「和真さん…」  
 
少女に気付かれないように、枕に顔をこすりつけて涙を拭いた和真は、  
ゆっくりと体を離して彼女と向き合う。  
雪菜は、嬉しそうに微笑んでいた。  
 
「うれしい、です…和真さん……」  
 
コロリと、小さな氷泪石がこぼれた。  
 
「よかった…和真さんと、ちゃんとひとつになれて―――…」  
 
雪菜の言葉に、和真はまた泣きそうになるが、グッとこらえた。  
 
「少し痛いかもしれないけど…」  
 
そう言いながら、和真はゆっくりと腰を動かし始めた。  
まだ痛いのであろう雪菜は、きゅっと目をつむり、与えられる刺激に背を仰け反らせた。  
 
 
(すっげぇ、きもち、いい…っ)  
 
吸い付くように自分を包み込んでくる雪菜の膣内があまりに気持ちよくて、  
正直、和真は衝動にまかせて腰を突き振りたくなるのを抑えるのに必死だった。  
まだ行為に慣れない雪菜にそんなことをしたら、こわれてしまう気がした。  
 
「はっ…あ、アッ、アッ…」  
 
それでも、腰を前後させるうちに雪菜の声音が変わってきたことに気付く。  
最初は苦痛の色が濃かったあえぎに、次第に艶のある嬌声が混じるようになってきた。  
自分の下で、少女だった雪菜が女になっていくような感覚を覚えて、和真は興奮する。  
 
「アッアッアッアッ、やあ、ア、アッ」  
 
腰を打ち付けるリズムにあわせて、雪菜の泣きそうなあえぎ声が零れる。  
気持ちよさそうに、淫らに腰を振る自分の痴態に彼女は気付いているだろうか。  
和真は、深く、浅く、雪菜を蹂躙する。  
 
「アッ、か、かずま、さんッ…かずまさん…ッ」  
 
和真のものをくわえこんで乱れる雪菜の姿は、あの本の写真なんかよりずっと刺激的だった。  
きゅうう、と雪菜の最奥が締まり、和真はその刺激に危うくいきそうになる。  
小さく痙攣をはじめた雪菜のそこから、絶頂が近いことを感じ取る。  
和真自身も、もう限界が近かった。  
 
「ひあっ!?アッいや、かずまさ…っアッそんな、そんな…っだめえっ」  
 
急に、激しく腰を打ち付けてくる和真を受け止めかねて、雪菜はこわくなる。  
 
(こわれちゃう…っ!)  
 
「いやあ、あ、あ、アっ、アッアッアッアッ…だめ…だめ…ア、あ、ア」  
 
がくがくと、雪菜の足が跳ねる。  
恥ずかしい水音はどんどん小刻みに響き、ふたりの頭は真っ白になっていく。  
和真は、もっと深く突くようにと雪菜の細腰をつかむ。  
 
「雪菜さんっ、雪菜…ッ」  
 
「あ…ア……ふ、あああぁああぁぁ…―――っ」  
 
雪菜の膣壁がキュウっと締まり、びくびくと痙攣する。  
和真はとっさに、かろうじて己のそれを引き抜き、雪菜の白い腹に大量の精を吐き出した。  
 
 
*********  
 
 
「いーから雪菜さんは休んでてくださいっ」  
 
エプロンをつけた和真が、起き上がろうとする雪菜をベットに押し戻す。  
あれから、初めての異性を受け入れた衝撃からか雪菜は腰が抜けてしまい、  
ひとりでお風呂に入ることもできず、結局和真と一緒に入ることになってしまった。  
 
和真は丁寧に雪菜の体を清めてあたたかいパジャマを着せると、大事そうにベットまで運んだ。  
しかし雪菜は、情けなさと申し訳なさと恥ずかしさで寝ることもできず、  
起き上がろうとするたびに和真に押し戻される、のを繰り返すことになった。  
 
「ほんとにごめんなさい、私が、夕飯の支度するはずだったのに…」  
 
「そーんなの俺がしますから、雪菜さんはゆっくりしててください!」  
 
和真は上機嫌で、彼女のそばでジャガイモの皮を剥いている。  
その手付きはなかなか手馴れたもので、雪菜は感嘆した。自分よりも上手かもしれない…。  
 
(明日こそは、ちゃんと私がご飯作らなきゃ…!)  
 
しかし、そんな雪菜の思いは結局遂げられることはなかった。  
なぜなら次の日も、今日のように腰が抜けてしまうからであった。  
 
 
終  
 

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