ぴんぽーん、と軽く鳴るチャイムの音で玄関に出てドアの向こうを確認すれば、見慣れた顔が一人。  
ドアを開けて出迎えつつ、軽く小首を傾げて不思議そうな顔で相手を眺める。何でまた、こんな時間に?  
「こんばんわ、静流さん。えっと・・・・桑原君は?」  
にっこりと笑って、手荷物を軽く掲げて微笑む相手に、とりあえず中に入るように促しつつ再度首を傾げる。  
「いや、うちのバカは雪菜ちゃん連れて、幽助君と螢子ちゃんトコに遊びに行くって言ってたけど・・・・  
蔵馬君は行かなかったのかい?こんな時間に来るなんて珍しいじゃないか」  
静流にそう言われて、あれ?と苦笑しながら頭を軽くかいて微笑む、蔵馬。  
「変だな、俺その話聞いてないんですよね。せっかく良いお酒あるから呑もうと思ったんですけれど」  
これですよ、と再度手に持った土産を軽く持ち上げて残念です、と呟く相手の一言にピクリ、と反応。  
良いお酒、と聞いてはこのまま帰してしまうのも勿体無い、と酒好きな心が疼く。  
「・・・・・・じゃ、あたしとでいいんだったら呑むかい?どうせ親は久々の温泉旅行行っちまってるし」  
”親がいない”と言う単語にピクリ、としっかり狐が反応したのにも気付かず、軽く微笑んで静流は家の中へと  
狐を招き入れてしまう。狐が、そこまでしっかり計算しているなどと、予想もしておらず。  
「いいですね、たまには静流さんと二人で酌み交わすって言うのも乙なモノ、ですね?」  
お邪魔します、と小さく呟いて狐は堂々と相手の陣地へと踏み込む。さて、ここからが本番だな、と。  
 
どうぞ、とリビングに通されて、軽く周りを見渡す。今日は、どうせ弟は幽助の家で徹夜で遊ぶのは知っている。  
と、なれば。親がいない今日をしっかり狙って来たのだし、しっかりとご馳走を頂かねば、とほくそえんで。  
「悪いねぇ、あんまり肴になるモンも無くってさ」  
台所から乾き物となぜか新鮮な鯵のたたきを持って来た静流が机の上にグラスと一緒に置く。その手元を眺めつつ  
蔵馬はさて、どうするかと早速考えを張り巡らせる。相手は、結構勘の良い女性。そう簡単に落とせる筈も無い。  
「ま、とりあえず乾杯でもしましょうか?」  
「あぁ、そうだね。ところで、これはどこの酒だい?ラベルが無いけれど・・・」  
うーん、と大きい一升瓶を持ち上げてクルクルと回してどこにも何も書いていない瓶を不思議そうに見る静流。  
そんな様子を見て、クスリ、と笑って蔵馬は答える。  
「魔界の酒ですよ。味的には・・・そうですね、辛口だけれど甘い感じの・・・・梅錦みたいな感じでしょうか?」  
「あぁ、四国のだね。蔵馬君って日本酒詳しいんだねぇ」  
へぇ、と素直に相槌を打って瓶から直接コップへと注がれる、酒。魔界の酒独特の芳しい香りが周りに広がる。  
魔界の酒、と言うのは本当の事だけれども、そこに蔵馬が色々と漬け込んでいる等とは知らずに、静流はコップを  
掲げて、にっこりと艶やかな頬笑みを浮かべて、一言。  
「じゃ、蔵馬君の粋な計らいに、かんぱい。」  
「いえいえ、こちらこそ急にお邪魔してしまって、どうもすみません。かんぱい。」  
カチン、と合わされるグラス。軽く口を付けて、味を確認してからグビリ、と飲み込む静流の白い喉を見つつ、  
蔵馬も軽く酒に口を運ぶ。自分は相手より酒が強い自信はあるが、先に酔わない程度に、相手を飲ませねばと。  
「ふぅん・・・・魔界の酒ってのも結構イけるじゃないかい、蔵馬君?うん、美味しいよ」  
あっさりと一杯目を飲み干して、乾き物に手を伸ばしてピーナツを口に運びつつ、酒の品評をする静流と、  
その手元をチラ、と見やってから自然な動きで酒を相手のグラスにさっさと注ぐ蔵馬。  
「ま、俺は結構これは呑む機会がありますから、静流さん一杯呑んで下さいよ、どうぞどうぞ」  
「おや、そうかい?悪いねぇ、頂くとしようか。でも、きついから酔わない程度にしなくちゃねぇ」  
ハァ、と漏らす相手の一言に一瞬怯みつつ、そんな事無いですよ、と爽やかな笑顔でちゃっかり一言沿える蔵馬。  
むしろ酔っ払ってくれた方が、どれだけ都合が良い事かと。その方がご馳走を頂きやすいから、と。  
笑顔で相手に酌をしつつ、自分の酒はまだコップ一杯すら空けていない、そんな状態でうまい事呑ませるのは、  
ここ最近義父の会社の手伝いで外で接待をしていたお陰か、それとも元来の陰謀的性格の為せる技か。  
そして、しばし歓談をした後。  
「そう言えばこの鯵、結構新鮮ですよね?静流さんのお手製ですか?美味しいですよ、すっごい。」  
肴をちょんちょん、と箸で突付いて口に運びつつ、向かい側に座る相手の顔をヒョイ、と覗き込む。  
結構酔いが回って来たのか、頬を染め始めた相手が嬉しそうに軽く頷いてその言葉に答える。  
「そうそう、今日の仕事の帰りにさ、魚屋で安く売っててさ。ついつい衝動買いしちまってね?旨いだろ?」  
ふふ、と誉められたのが嬉しいのかニッコリと笑いかけてくる相手にこちらも微笑を返す。  
「それはもう、凄い美味しいですよ。そっかー、静流さんって何でも出来るんですね、凄いなぁ」  
へぇぇ、と感嘆の声を上げて軽く驚いた顔を見せれば、相手は素直に嬉しそうに自分で作った肴をつまむ。  
 
「あ、静流さんちょっと待って下さい」  
「ん?何だい?」  
ひょい、と相手の口元に手を伸ばす。本当は何も無い、口元にそっと手を当てて、相手の熱を感じ取って。  
手を離してほら、と相手に見せれば指につままれたのは、たたきに混じっている葱。  
「おやま、やだね。あたしってば、変なトコ見せちゃった・・・かな」  
あはは、と笑ってそれを取ろうとする相手の手をスルリ、と抜けてその葱を見せ付けるように自分の口へと。  
「あ」  
思わず、そんな仕草に軽く赤くなる相手の様子を見て、軽く唇の端を上げる狐がここに一匹。  
そうやって、何度か相手の口元やら頬やらをさり気なく触っては、体温の上昇を確認しつつ、その都度付いてない  
葱やら、たたきの破片や乾き物の欠片をわざと見せ付けては、自分の口に運ぶ。  
「蔵馬君って、なーんか意地悪だねぇ、全く、もう・・・・」  
はー、と溜息をついて、何度目か判らない口元に付いたと言う物を口に運ぶ相手に愚痴る静流。  
一升瓶は、既に半分程減っていて、静流の顔は既に真っ赤になっていて。それと反対に、蔵馬はすっきり顔。  
「俺はそんなつもりはありませんよ?静流さんが、ちょっとドジな所を見せてくれるのは嬉しいですけれどね?」  
クスクス、と軽く笑って机に肘をついて、相手の顔を覗く。目線が合えば、そのまま恥ずかしげに逸らす相手。  
そして、なぜか軽く体を小刻みに揺らして、ゆらゆら、ゆらゆらと。フラリ、と倒れそうになるのを咄嗟に  
蔵馬は手を伸ばして支える。まぁ、当然それも先に想定済みの事だったりするわけ、だが。  
「結構酔い、回って来ましたか?大丈夫ですか、静流さん?」  
相手を気遣う台詞を言いつつ、さり気なく相手の隣に座り込んで、顔をまたチラ、と覗き込む。  
「ん〜・・・・いや、まだ平気、へいき。だってこんな上物の酒なんて滅多に出会えないし、ねぇ〜」  
ほわわ、と普段の彼女からは思いもよらない雰囲気を漂わせつつ、ヒラヒラと手を振って否定する静流に、  
軽くほくそえんでから頭を撫でる。優しく、撫でて、それからペロリと頬を舐めてみたりして。  
「っ!!!な、何するんだい、蔵馬君っ!?」  
驚いて逃げようとする相手の肩をしっかり掴んで、舐めたばかりの舌を出して見せる。  
「ほら、また葱がくっついてましたよ、静流さん。これで何回目・・・・・でしょうか、ね?」  
ふふ、と笑って、出した舌を引っ込めて相手に見えるように『ごくり』と喉を鳴らす。  
「そ、そんなに相手をからかうもんじゃない・・・よ、ったく・・・・」  
紅くなって目線を逸らす相手の肩を掴む手に力を込めて、耳元で囁くように、呟いてみる一言。  
「・・・・・・・・・・・俺は、そんなつもりじゃ無いんですけれどね、静流さん?」  
びく、と相手の体が反応するのを手の平伝いに感じて、クスクスと笑う。やっぱり、素直な所は弟と一緒だと。  
「か・・・らかってるんじゃないんだったら・・・・何だってんだい」  
酔ったせいで目元を染めて色っぽくなった相手が軽く自分を睨むように見上げてくる、そんな仕草がまた可愛いと。  
「静流さんの事、結構好きなんですけれどね、俺」  
さらり、と言ってのければ、その単語に素直に反応して目線を泳がせる相手。まさに、予想通りの反応で。  
そのまま、返事を待たずに強引に軽く口付けを一つ。  
 
「・・・・・・・・ん。」  
一瞬だけの口付けを離せば、名残惜しそうな小さな声が静流の唇から漏れ出て、ニッコリと蔵馬は笑う。  
「嫌、じゃないんですか?」  
「え、い、いや、その・・・・何だろ、あたしゃ酔ったのかね、何だかもう・・・・その・・・・」  
おろおろと彷徨う視線を自分に固定させるように、しっかりと頭を支えて、もう一度目を合わせる。  
「嫌、ですか?だったら止めますけれど」  
「・・・・・・・・・・・今日の蔵馬君ってば、意地悪だね、ほんと。女からさせるもんじゃないよ?」  
今度は、静流から素直に口付けをしてくる。おや、意外だなと思いつつ、素直にそれを受け入れる蔵馬。  
リビングの中に、二人が交わす口付けの音だけが響いて、何やらそれだけで部屋の空気が変わった様な、感じで。  
長い口付けを終えて、唇を離せば二人の間に透明な糸が一瞬だけ繋がって、すぐに切れる。  
「まぁ、そういう所が好きなんですけれどね、静流さんの、そういう所」  
今までキスをしていた事などサラリと忘れたかのように、アッサリと笑顔で言う相手に、静流は頭を抱える。  
まさか、自分がこんな事をするとは、予想もしていなかったから。しかも、弟の友人相手に。何だと言うんだ。  
「嫌だったら止めますけれど」  
頭を抱える相手にクスクスと笑って髪の毛をさらり、と梳く。相手の感度が上がるように、独特の手付きで。  
「・・・ん・・・・・っ・・・・・」  
ぴく、とそんな手付きに素直に反応するのは、そろそろ蔵馬が酒に仕込んだ薬の効果が出て来た証拠、か。  
「どうなんですか?答えないと、俺襲っちゃいますよ?でも、流石にそれは悪いですしー」  
今までの自分の前置きなど棚に上げて、狐はニッコリと微笑んで紅く染まった静流の顔を覗き込む。  
「・・・・・・・・・・もう、女にそういう事言わせるんじゃないよ、ばか!」  
ぽこ、と軽く頭を叩かれて痛い痛い、と笑いながら『はい』と軽く頷いて相手の首筋に軽く舌を這わせる。  
「や、ちょ、ちょっと待って蔵・・・まく・・・・っ」  
んぁ、と小さく声を上げつつ慌てて制止する相手に不思議そうに顔を上げて相手を見る。  
そして、相手の目線が周りをオロオロと見回すのを見て、軽く手を打って納得。  
「あぁ、そうですね。流石にこんな所でって言うのもちょっとアレ・・・ですよね?部屋、お邪魔していいですか?」  
さらりと言われる言葉に真っ赤になりつつ、小さく頷いて、立ち上がろうとしてよろめく静流。  
そんな相手を支えて、ひょいと軽く持ち上げれば、慌てて首にしがみつく姿が、また可愛らしくて。  
「上ですよね、桑原君の部屋の隣の隣・・・でしたっけ?」  
軽々と女性を持ち上げたまま、来慣れている、勝手知ったる他人の家の中。相手に問いかけつつ、さっさと静流を  
本人の部屋まで運んで行く間、首にしっかりと腕を巻き付けて真っ赤になって何も言わない、静流。  
優しく、そっとベッドの上に相手を下ろして、自分はベッドの脇に跪いて、さてもう一度確認しましょうか、と。  
「えーと、いいんですよね?」  
「・・・・っ!!も、もうくどいんだよ、蔵馬君っ!!」  
ぼふ、と今度は枕元にある彼女らしくないぬいぐるみを相手に投げて、ぷい、と顔を背ける姿に微笑んで。  
そして、心の中では両手を合わせて『では、本日のメインディッシュ、頂きます』と呟く狐。  
部屋の電気は一番小さくして、薄明りの中、そっと静流の首に舌を這わせる。それだけで軽く震える細い体。  
空いている手は、彼女の薄い上着を器用に脱がして、下のシャツをめくって、そのままブラへと到達。  
「ふ・・・・・っ・・・・」  
唇から漏れ出す甘い声に導かれるように、相手の弱いツボを探してはペロリ、と味わいつつ下着の上からその  
噂の豊満な胸の感触を味わって、あぁ、確かに大きいなとか変な感動をしつつ、もう片方の手は背中の下へ。  
「ちょっと背中上げて貰えますか、静流さん」  
「んぁ・・・・・・・?んっ・・・・」  
はぁ、と甘い吐息と一緒に、一瞬だけ背中を持ち上げた瞬間に素早く背中のホックを外そうとして。  
 
無い。  
 
あれ?と小首を傾げて、さわさわと胸の真ん中を触れば、フロントホックがそちらにあったりして軽く苦笑。  
少し焦り過ぎたな、俺。と思いつつも器用な手先を駆使してさっさと外して、冷たい空気に晒される豊満な白い胸。  
 
薄明りの中、それ程広くもない静流の部屋の中に響く、甘い、甘い女性の声。  
「は・・・・っ・・・・ぁ・・・・・」  
体の芯は既に蕩けているのに、そこを触れて欲しいのに、相手は焦らして焦らして、でも的確に自分の弱い所を  
ピンポイントでついてきて、またそれで体の芯が更に蕩けて、脳髄まで侵されて行くような感覚。  
「やっ・・・・・あ、ん・・・・・・・っ」  
シャツをめくられ両胸は空気に晒されつつ相手の口に食まれて、下に履いていたスカートは下ろされて、  
既に下着だけの下半身。布越しにやっと触れられて今まで以上の甘い吐息を唇から漏らす静流。  
「や、って言われてももう止められませんよ?静流さん、こんなに可愛いんですから」  
クスクス、と耳元で囁かれて、体の芯がカァァッと熱く火照る。こんな言葉、自分が言われるだなんて。  
いやいや、とかぶりを振って違うんだ、と言いたいけれど口から出るのは甘い吐息だけ。  
「はぁ・・・・んっ・・・・・・・!」  
コリ、と布越しに既に尖った一番敏感な場所を突付かれて、ビクリ、と反射的に仰け反る背中。  
「ココがやっぱりいいんですか?」  
「うぁ・・・・・ぁ・・・・・・・・んっ・・・」  
ふるふる、と首を振っても、それはしっかりと肯定していると言うようなものであって、蔵馬はニッコリと笑う。  
「下着、汚しちゃいましたね・・・・あー、びっしょりだ。悪い事しちゃいましたね・・・」  
わざと聞こえるように言われれば、更に下着に染みが広がる感覚が、己ながら悔しい限り。  
するり、と下着を脱がされて、深夜の冷えた空気に晒された秘所がピクリ、と反応する。  
薄明りに照らされても判る位、ぬめりが見てとれて、蔵馬は相手に分からないように小さく、薄く笑う。  
鼻を近付けて、軽く匂いを嗅げば、女性特有の香りが鼻腔を満たして、それがまた蔵馬をそそる。  
舌の先で彼女の一番弱い、敏感な尖りを突付いて反応を楽しむ。  
「んぁ!・・・・ひ、ぁ・・・・・っ」  
突付かれる度に背中を軽く仰け反らし、甘い蜜を秘所からたらりと垂らして、嬌声を上げる静流。  
もっと、もっと深い所を。もっと深い場所を刺激して欲しい、と蜜が無言で語る。もっと、蕩けた場所を、と。  
蔵馬が軽く自分の指を舐めてから、静流の秘所に指を挿れる。最初は入り口の辺りをこするように、何度か往復。  
「はぁぁっ・・・・!あ、も・・・・・っと・・・・っ!」  
ダメ、と言いつつ長い髪を振り乱して静流が首を振る。そんな姿を見て、指をもう一本増やす。  
二本入った指を交互に蠢かして胎内を思う存分、蹂躪する。柔らかく、もっと柔らかくほぐすように何度も何度も。  
「やっ・・・・あ、ぁ・・・・・っ・・・・んぁっ・・・・・・・ひぁっ!」  
空いている手で軽く尖った所を爪弾けば、軽い悲鳴を上げて、静流が軽い絶頂を迎えて体をそのままぐったりと  
ベッドに沈み込ませて、そのまましばらく動かないまま、荒い息を吐く。  
 
「気持ちよかったですか?」  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか。」  
かろうじて動く手で、相手の頭を軽く叩いて、重い脚を軽く開く。  
「?」  
「・・・蔵馬君、まだ・・・でしょ?」  
クス、と艶のある笑みを湛えて誘う、年上の女性の姿。  
「大丈夫なんですか?」  
「何度も言わせるんじゃないよ、バカ。」  
ぷい、と薄明りにも判る程に頬を染めた相手が顔を背けるのを見て、蔵馬は背中を向けて服を脱ぐ。  
コソコソとしっかりゴムを着けているのはご愛嬌、と言う事で。  
体中に薄く傷跡が残る肌を見て、静流が一瞬息を飲む気配に蔵馬は微笑む。  
そして、何も言わずに自分を秘所にあてがって、そのまま一気に。  
「ひぁ・・・・・!」  
ずん、と指よりも更に深い所を一気に貫かれて、一度絶頂を迎えて、蕩けていた体が一気に登りつめる快感。  
蔵馬はと言えば、思った以上に締まりのキツイ相手の胎内で、しばしその収縮を楽しんでいて。  
しばらく静流の息が整うのを待ってから、軽く腰を揺らす。無意識なのか、意識的になのか、彼女の両脚が  
自分の体をしっかりと挟み込むのに気付いてクス、と笑って更に激しく胎内を揺らす。  
「あっ・・・・・ん、あ、あっ・・・・・ふぁっ・・・・」  
既に一度イかされた体。蕩けた一番奥を突かれれば、それだけで意識が飛びそうな中、手が無意識に空中をかいて。  
ぎゅ、とその手をしっかり握って、蔵馬は体を軽く前に倒す。  
そのまま、激しく体を揺り動かして、彼女をより一層高みに昇らせようとして、そして自分も一緒に、と。  
「あ、だ、だ・・・っめ・・・・・っあ・・・・・・・・あぁ!!」  
ガクガク、と静流の体が一層激しく痙攣したかと思うと、そのままぐったりするのと同時に、蔵馬も静流の中で  
自分の想いを吐き出して、そのまま彼女の上にどさり、と体を乗せる。  
 
しばらくしてから。そっと自分を抜き出して、後始末をしてから静流の様子を確認。  
二回も達せられてそのまますやすや、と寝入る相手を見てクスクス、と笑う。  
「ご馳走様でした、静流さん。美味でしたよ?」  
両手を合わせて、コッソリ呟き、まるで何事も無かったかの様に彼女の衣服を整え、枕元には粉末にした夢見草を。  
階下に降りて、呑んだままの机の上を片付けて、誰が見ても何も無かったかのように始末を付けて、再度部屋へ。  
グッスリと寝入る姿をしばらく枕元で眺めて、その頬に軽く口付けを一つ。  
それから各部屋の鍵を確認して、玄関の戸締りまでしっかり確認してから、静流の部屋の窓から外へ。  
「さて、このまますっかり忘れてくれていると便利なんですが・・・・彼女、夢見草効きますかねぇ?」  
はてさて、と片手に始末したゴミ袋を持ったまま闇夜を走り抜けつつ思案。  
ま、忘れてくれていなかったら、その時はその時でまたご馳走になれば良いか、と小さく笑って、近所のゴミ箱へ  
袋をポイと投げ捨てて、その袋に軽く両手を合わせてから、窓から自分の部屋へ。  
 
「・・・・・・って、何でココにいるんですか、あなたは。」  
「たまたま来たらお前の面白い姿が見えたからな、ここで待っていただけだ」  
ふん、と笑う飛影の姿に一瞬硬直して、それから大きく笑う。  
そう、どうせこの事はこの相手にはどうせ知られる事なのだから。なら、こうやって待っていられるのも  
承知の上だ、と言う事で。まぁ、それはそれで楽しいじゃないかと。  
「で、今日は躯のお相手はして来たんですか?」  
さっさと着替えつつ相手に聞けば、決まりの悪そうな顔で飛影が頬を膨らませる。  
「よくわからんが、”お前は早すぎる”と言われた。何の事だかさっぱり理解が出来ん・・・・・・」  
ぷ、と吹き出してから、その後蔵馬は飛影にその意味を教えて夜を明かしたと言う事だとか。  
 
飛影が、それを応用出来たか、否かはさて、どうでしょう。  
 

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