凍えた体を風呂で暖めながら思う。先程の・・・・家庭的な香りを漂わせた少女の白い、細いうなじを。
「雪菜さん・・・・」
相手の名前を呟くだけで、湯の中で自然にそそり立つ自分の分身。
彼女を思ってこんな事をしてはいけない、と考えつつも痛い位に頭をもたげたソレを湯の中で忙しなく擦る。
「雪菜さん、雪菜さん、雪菜さん・・・・っ!」
湯の中で勢い良く何度も手を上下させれば、自然に湯船には波が立ち、暴れる水音は浴室の中に響き渡る。
―そのせいか。浴室の扉が開いたのに気付くのが遅れたのは。
「あ、あの・・・・和真さん、呼びましたか?」
かちゃ、と開いて当の本人が顔を覗かせた瞬間、桑原は湯船の中に白い欲望を吐き出して。
それから、我に帰って視線を上げれば、たった今まで名前を呼んでいた少女が顔を染めてこちらを見ていたりして。
「あ・・・・・っ!ゆ、雪菜さ・・・・っ」
ひぃ、と軽く呻くように相手の名前を呟いた瞬間に、雪菜は軽い悲鳴と同時に浴室内の水分を無意識に凍らせた。
「ま、また・・・・さ、さぶ・・・・・・い・・・・・っす・・・」
桑原は遠のく意識の中、慌てて腕を伸ばして来る少女の手の温もりを感じていたとか、いないとか。