「黄泉様。こちらが我々の検討の結果、より一層強い御子を作るに相応しい相手かと」  
妖駄の示した相手に黄泉は頭部に付けた装置で相手の姿を確認する。そして、絶句。  
「・・・・あの、黄泉様?」  
心配そうな妖駄の声にハッと我に返る。  
額からつつ、と滴り落ちる冷や汗を感じながら、黄泉は重い口を開いた。  
 
「妖駄・・・・・・・・俺は、こんな甲殻類と交配しなくてはならんのか?」  
 
目の前にいる、巨大なカニを前に黄泉は愕然と項垂れていた。  
 
 
それからしばらくして、生まれて来た修羅の母親がそのカニだったかどうかは、さてはて。  
 

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