「美味しそうですね、これ」
ふふ、と笑って雪菜が果実を取り上げる。
静流が買い与えたワンピースは彼女の胸のふくらみを強調するようなデザインで、
ただでさえいつも和真が悶々としていると言うのに。
何で、よりによって胸のサイズと同じ位の大きい蜜柑を買って来るのだ、あの姉は!!
「どうかしましたか、和真さん?」
にっこり、と微笑む少女に桑原は耐え切れず、目を抑えて自室に走った。
その後、部屋の鍵をしっかりとかかった彼の部屋から、妙な呻き声が聞こえたとか何か。