束の間の、戦士の休息。  
大事な相手と一緒に過ごす、束の間の安堵。  
白く柔らかく強く優して脆く、自分の前でだけ見せる素顔にそっと触れる。  
「・・・んっ」  
つい、と指を動かせば細い喉はしなり、その奥から艶やかな声音を響かせて。  
「焦らすな、阿呆が」  
「お互い様だろう」  
文句と一緒にこちらを軽く睨む視線には、そう返してやる。  
指を下ろしてその柔らかい胸をなぞる。甘い吐息と艶やかな声を聞きながら、指でなぞった跡をぺろりと舐め上げる。  
「・・・っ」  
「我慢しないで声を出したらどうだ?」  
胸元に顔を埋めながら、チラリと顔を見上げれば、悔しそうな表情の気高い女が、そこにいて。  
「因果なものだな、気が強いと言うのも」  
「う・・・る、さ・・・っ」  
文句を紡ぐ唇を、素早く塞いで笑って見せる。  
「お前が、こういう風に俺を躾たんだろうが、躯。今日は時間があるから覚悟しておけ」  
そう呟いて、飛影は躯の身体にまた触れ直す。  
 
月はまだ、空から落ちようとはしていない。  
 

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