「…………ふう」  
巫女子ちゃんの告白が酔いに任せたものかどうか、僕には判らない。  
それでも、今するべきことは判る。  
「重いって言ったら失礼だよな」  
居酒屋から巫女子ちゃんの家まで、巫女子ちゃんを背負ってきた。  
荷物の山は、まぁ、ご都合主義。  
部屋に入る鍵は、仕方ないので身体検査させてもらった。  
道義にもとることはしてないですよ、ええ。  
巫女子ちゃんをベッドに寝かせる。何を見るでもなく見る。  
「………帰るか」  
何もしない。何一つ、しようとも思わない。  
全てを放棄しているから、どうすることもない。  
振り返り、立ち去る。立ち去れない。引きずり倒される。  
智恵ちゃんのことを思い出した。殺されたと思った。友が頭に浮かんだ。  
「くっ……………?」  
衝撃に備えていて、伝わってきたのは柔らかいバネの感触。  
目を開くと、巫女子ちゃんがいた。  
「あー………巫女子ちゃん?」  
「誰だって?」  
よくみたら哀川さんだった  
こんなの食べたら絶対お腹壊すってかちょっと哀川さんどこに指つっこんで  
 
 
「…………名字で呼んだ罰だよ、いっくん?」  
アッー  
 

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