僕は眼下に横たわる女の子を見つめる。
整った顔立ちに金色の髪、わずかに開かれた唇からかすかに見える牙。
ちら、と僕を窺うようにこちらを見る瞳は早くしろと言わんばかりの色を湛えていた。
僕は固い棒を手に掴み、ゆっくりと忍の穴に近付けていく。
あせるな僕。
僕自身はするのは初めてではないが、忍相手は初体験なのだ。
忍は小さいうえにちょっと感じやすい。
慎重に、慎重に。
棒の先っぽだけ入ると忍の身体がぴくんと動く。
「大丈夫だから……動かないで」
僕は忍を落ち着かせる。
動きが止まったのを確認して僕はそのまま入り口を軽くかき回す。
「ん……はぁ」
今度は動きはしなかったものの、気持ちよさそうな声を上げる。
「もうちょっと奥まで入れるよ」
「ん、よいぞ……」
僕は円を描くようにしながら少しずつ棒を奥まで埋めていく。
「ん……あ……そこ、もっとぉ」
初めて感じる気持ちよさのせいか、いつもなら全く見せない忍の可愛いおねだりが目の前で展開されていた。
僕はそのリクエストに応えてやることにする。
「ここがいいの?」
先端の膨らんだ部分で上の方を擦ってやると、忍はほう、とため息のような吐息をもらす。
穴の中を優しくかき回し、忍が喜ぶ箇所を探り当てて重点的に刺激してやる。
もちろん強くならないよう優しく、気を使って。
気持ちよさそうな表情でうっとりとしている忍を見て何となく愛おしさが湧き、一旦動きを止めて空いた手で頭を撫でる。
忍はしばらくされるがままになっていたが、僕が再び動かすと声が漏れそうになるのをぎゅっと唇を噛んで堪えた。
僕はなんとか声を出させてやろうと様々な動きで忍の気持ちいいところを刺激する。
「ん……はぁ……あ」
堪えきれずに漏れた声を聞いて僕は満足し、ゆっくりと棒を穴から引き抜く。
確認するが、特に出血とかはない。
まあ吸血鬼の再生能力を持ってすればちょっとくらいの傷はすぐ治るんだろうけど。
忍はくったりとその場に横たわっている。
「気持ち……良かったぞ」
回想。
僕の部屋にいる僕と忍。
「最近お前様はよく妹御に関わるの」
「色々あったからな、何やかんやで仲良くなってる気もするし」
「まさにそれよ」
僕をぴっと指差す。
「おかげで最近儂の出番が少ない、謝罪と誠意を要求する」
謝罪はともかく誠意ってなんだよ?
ミスドか?
「そうではない」
忍は首を振り、ベッドに横たわる。
「耳掻きというのを儂にしてみよ」
「さ、次はこっちもじゃ」
忍は僕の脚に乗せていた頭をごろんと半回転させ、反対側の耳を向ける。
僕はやれやれ、とため息をつきながら耳掻き棒を忍の耳に差し込む。
「ん……んぁ……あ」
くすぐるように刺激し、こりこりと擦ると忍はまたもや気持ちよさそうな声をあげる。
ひとしきりかき回して棒を抜くが、やはり綺麗なものだった。
ていうか。
「お前老廃物とか出ないんだから耳掻きなんて必要ないだろ?」
「んー……まあそうなんじゃが」
いまだにぽや〜っとした表情で答える。
よっぽど気持ちよかったらしい。
「シャンプーと同じじゃよ、気分の問題じゃ」
「ま、いいけどな」
僕は耳掻き棒を仕舞い、膝枕状態の忍の頭を撫でてやった。
もう片手で顎や首をくすぐるように撫でると、んふーと猫みたいな表情になる。
なんというか本当に娘ができたみたいだ。
と思ったけど。
「…………」
前言撤回。
娘は膝枕してもらってる男の股間を撫でたりはしない。
「何をしてる?」
「ん、見てわかるじゃろう」
「何でそんなことをしてるかって聞いてるんだよ」
かかかっと忍は快活に笑う。
先ほどまでの恍惚の表情はどこへ行ったのやら。
「ギブアンドテイクじゃよ、儂が気持ちよくしてもらったのならお前様にも気持ちよくなってもらおうと思うてな」
僕はもぞもぞと這い回る手の動きを止めさせることができなかった。
いや、物理的にという意味ではなく、ただ単に僕の意志が弱すぎるだけの話なのだが。
結局。
なし崩し的に忍の手と口でしてもらうことになり、たっぷりと忍の口内に射精して飲んでもらった。
僕はこの先。
どれだけこの美しくも小さな吸血鬼に搾り取られるのだろう?
先々が不安でしょうがない。
でも問題を後回しにできるのは若者の特権。
今日の分の勉強は終わってるし、とっとと寝るとしよう。
僕はちょいちょいと忍を誘って一緒のベッドに入り、抱き枕のように忍を抱きしめながら眠りについた。