「あ、あ、もう出そう……忍、くわえて……」
「出る……出すよ……飲んで……飲んでっ!」
「あっ! ああっ! あっ……あ……あっ」
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「ん……そこ、もっと」
「あ、あ、もう、駄目じゃ! いってよいか!?」
「いく、いく、あ、あ…………あああああああああっ!」
僕と忍はベッドの上で互いに慰めあったあと、何をするでもなくぼうっとしていた。
座って投げ出された僕の脚を枕にしている頭を撫でてやると、けだるそうな忍の表情が満足げになる。
「そういえば忍ってさ」
「んー?」
ちょっと前から気になっていることがある。
せっかくだから聞いてみるとしよう。
「今お前って処女なの?」
「………………」
返ってきたのは沈黙だった。
あ、あれ、ひょっとしてデリカシーというのが足りなかったか?
でも今の僕と忍にはすでにそんなものはないと思っていたんだけど。
「…………さあのう? 今この状態はどうなっておるのやら」
沈黙したのは考えていたかららしい。
ごろんと寝返りをうち、にやにやした顔を僕の方に向けてそんな返事を返す。
「試してみるか? これを突っ込んでみればはっきりするじゃろう」
そう言って満足して小さくなっている僕のものを掴む。
やめろ、また発情したらどうすんだ。
それにそんな小さな身体に入れるなんて怖くてできやしない。
「まあ処女膜があったとしてもこの身体なら指を奥まで突っ込むだけでも破れるじゃろう、いつでもよいぞ」
「お前は僕にどうしてほしいんだ!?」
だいたいもし本当に破ったとしても吸血鬼の回復スキルで再生するんじゃないか?
「……お前様は何か勘違いしておるの」
え?
「処女膜があるかないかなんてのは状態変化であって状態異常や体調不良ではない。再生とかは関係ないぞ」
そ、そうなのか?
血が出たりするから怪我みたいなもんだと思っていたが。
「だからこれだけは言っておく」
忍は身体を起こしてやたら真面目な表情で僕に向き合う。
僕は忍の次の言葉を待った。
「どうせ再生すると思って下の妹御の処女を奪おうなどとは考えるなよ、再生せんからな」
「考えるか!」
思わず手が出そうになるが、その前に影の中に引っ込んでしまった。
誤解されそうなことを言い残して。
「今度変なこと言いやがったらマジで突っ込んでやる……」