「ん……っと」  
今日の勉強のノルマを終え、僕は参考書を閉じて大きく伸びをする。  
視界の端で、ベッドの上で昨日僕が買ってきたミスタードーナツの残りを頬張りながら雑誌を読んでいる金髪少女が映った。  
忍野忍。  
僕の元主人であり、現在僕のしもべである吸血鬼である。  
だけどその姿からは以前のような気高さや高貴さは微塵も感じられない。  
すっかり人間界に溶け込んでしまっているようだ。  
もちろんそれが悪いこととは思わない。  
この環境を悪くないと考えているからであり、この環境で生きていく意志があるということなのだから。  
「ん、なんじゃ?」  
しばらくの間見つめていたらしい、視線を感じたか忍が身体を起こしてこちらを向く。  
「いや、なんでもないよ」  
「ははーん」  
何を思ったか突如にやにやし始める忍。  
「さては儂のないすばでぃに見とれておったな」  
そう言ってグラビアみたいなポーズを取る。  
そのフラットな身体のくせして勘違いも甚だしい。  
ていうかなんで微妙な日本語の発音なんだよそのないすばでぃ。  
お前英語ペラペラだろ。  
「そんな台詞は口の周りのポンデリングを拭いてから言え」  
僕は忍に近寄って食べかすをつまみとってやる。  
忍はそんな僕の腕を掴み、ベッドに引きずり倒した。  
「今まで何度もこの肉体に欲情しておるくせによく言うわ」  
「な、何を……んむっ」  
唇を僕に押し付けてくる忍。  
舌が絡み合い、身体が押さえつけられて色んなところを撫で回される。  
唇を離すとつうっと唾液の糸が引いた。  
「ほれ、こんなに大きくしておるのも儂がいい身体をしておるからじゃろう?」  
そう言って大きくなった僕の股間を撫でる。  
まあ確かに忍はいい身体をしている。  
肉付きがあるわけでなく、なんていうか肌が綺麗で美しいのだ。  
僕は何も言わず、服の隙間から手を入れて忍の柔らかい肌を撫で始めた。  
 
忍は服を消して全裸になり、馬乗りのまま僕にされるがままになる。  
すうっと背中や腹を撫でるとぴくんと身体が反応した。  
きめ細やかな肌が心地よい。  
僕は夢中になって忍の全身を撫で回した。  
腕や太もも、ふくらはぎまで丹念に。  
掴んだり揉んだりはせず、あくまでも撫でるだけ。  
「ん……ふ、う……っ」  
それでも充分感じるのか吐息が艶っぽくなってきた。  
僕のシャツの裾を掴んでぐいっと捲り上げ、ベルトに手をかけてズボンを脱がす。  
びぃん、と大きく反り返った肉棒が露わになり、ちょうど僕の腹の上に乗ってる忍のお尻に当たる。  
忍が小刻みに身体を揺らすと肉棒が柔らかいお尻に刺激されて僕も声が出そうになった。  
それをなんとか堪え、僕は両手で忍の両の内腿を撫でる。  
「あ……ん……もっと」  
忍はもどかしそうに下半身を揺らした。  
僕はリクエストに応え、小さくて柔らかいお尻をぎゅっと鷲掴みにする。  
「んっ」  
身体が仰け反り、濡れてきたらしい下半身が押し付けられて僕の腹が湿り気を帯びてくる。  
その源泉に僕は手を伸ばす。  
忍は少し腰を浮かし、毛も生えてない小さな性器が僕の指をぬるんとあっさり受け入れた。  
「あっ、ああっ!」  
忍の身体がびくんと跳ねる。  
中指一本だけなのにその小さな性器は千切れそうなほどぎゅぎゅっと締め付けてきた。  
親指で包皮の上から陰核を刺激し、空いた方の手でほとんど膨らみのない胸を揉む。  
「ひ、いっ! ああっ!」  
しばらく忍は僕から与えられる快楽を貪っていたが、やがて自分からも動き始めた。  
後ろ手に僕のそそり立った肉棒を掴み、自分のお尻の間に挟ませて押さえつける。  
そのまま腰を振り、僕に快感の波が襲った。  
「くうっ!」  
思わず声が漏れる。  
柔らかいお尻と小さな手の間にすっぽりと収まり、様々な方向から刺激された。  
僕の指で与えられる快感による忍の恍惚の表情の視覚情報も手伝って、僕は一気に高みへと駆け上がる。  
 
「し、忍っ……もう……出るっ」  
僕が搾り出すように叫ぶともう片方の手も後ろ手に回す。  
器用にも忍はその手で僕の陰嚢を揉みしだいた。  
「うぁっ! いい、いいよ、忍! もう、もう!」  
僕は指を性器に挿入してるがわの手はそのままに、もう片手を忍の腰に添えて腰を突き上げる。  
「出る……いくよ、いく…………っ! うぁっ! あっ! あぁっ!」  
びゅるびゅるっ、と精液が飛び出していく。  
快感の花火が頭の中ではじけ、次々と精を放つ。  
先端から出たモノが忍の背中や髪に飛び散るたび、忍も声をあげる。  
「ん、あ……熱っ……熱い……背中が……焼けるようじゃ」  
忍がしごいてくれて最後まで出し切り、僕は大きくため息をついた。  
忍はそんな僕を見てにやにやと笑いながら指に付着した精液を舐めとる。  
こくん、とそれを飲んだ瞬間、僕の指を未だ締め付けている秘口が生き物みたいに蠢いた。  
「ん……はぁ……」  
忍の表情もとろんとしたものに変化する。  
これはひょっとして……。  
「忍、僕のを飲んで感じてるの?」  
「…………」  
忍は特に返事を返さず背中に着いている精液を次々と掬い取り、口に含んでいく。  
僕ももう何も言わず、忍に刺激を与える手や指の動きを再開した。  
くいくいと蜜壷の中を指でかき回し、強くなりすぎないように適度な力で陰核をこする。  
薄い胸をむにむにと揉みながら突起を指でいじってやった。  
「んっ、んふっ、ふうっ!」  
両手で精液を交互に掬い取っては口に含んでいるのでまともな喘ぎ声は聞こえない。  
けれどもどんどん高ぶっていってるのはわかる。  
「忍、イっていいよ。僕の精液飲みながらイって」  
その言葉を聞くや否や忍の身体がぐうっと反り返る。  
僕の触れていない方の乳首を自分で摘み、口内をぐちゅぐちゅと自らの指でかき回した。  
そして。  
「んっ、んっ、んふっ、んふうっ、んん…………んんんんんんうううぅぅぅぅぅぅっ!」  
忍は身体を激しく痙攣させながら達した。  
僕は忍がイき終わるまで適度に刺激を与え続け、力尽きて倒れ込んできた忍を受け止める。  
しばらく荒い息を整え、やがて僕に聞いてきた。  
「どうじゃ……儂の身体はないすばでぃじゃろう?」  
いや、それは否定したいが……欲情して射精までした以上何を言っても説得力の欠片もない。  
僕は黙って忍を抱き寄せ、頭を撫でる。  
忍もそれ以上何も言わず、僕の胸に頬を擦り付けながらされるがままになっていた。  
 
 
 
 

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