「ん……くっ」
戦場ヶ原が顔をしかめた。
そういえば達した直後は感じすぎるとか以前言ってたっけ。
一回出して少し余裕ができたし、動きをやめて少し待つことにした。
「……ちょっといいかしら?」
「え……うわっ!?」
突然戦場ヶ原が片足を立ててごろんと横に転がった。
つながってる僕も当然それに巻き込まれる。
布団ぎりぎりの位置で僕が下に、戦場ヶ原が上になった。
「私が上で動いてもいい?」
「あ、うん」
珍しい。
僕にああしなさいこうしなさいと言うことはよくあっても、自分から動くことはほとんどなかったのだが。
戦場ヶ原は身体を起こし、僕の方に両手を広げて突き出す。
すぐに理解して僕はその手に両の指を絡めて握り合う。
「動くわよ」
戦場ヶ原は繋がった両手を支えに身体を動かし始めた。
「ん……ん……っ」
口を真一文字に結んで切なそうにしている表情にものすごい興奮する。
奥深くには埋めず、カリ首で入口辺りをこするように小刻みに腰を上下させた。
「あ……っ……あっ……あっ、あっ」
戦場ヶ原の口から嬌声が洩れ始める。
動きが大胆になっていき、両手が強く握られた。
「あ……ららぎくんっ……あららぎ……くんっ……!」
髪を振り乱し、身体を揺らしながら僕の名前を呼ぶ。
きつく締め付けられる感触に加え、扇情的な姿と声に僕はもう我慢ができなかった。
いや、もともといっぱいいっぱいで今にもイキそうだったんだけど、ギリギリのラインで堪えていたのだが。
「ご、ごめん……また……出そう」
「いいわ、中にちょうだい」
「うん……出すよ……っ」
僕は戦場ヶ原に合わせて腰を動かす。
二人の動きが一致すると二倍どころか二乗の快感が襲ってきた。
僕は戦場ヶ原の中を幾度もかき回し、戦場ヶ原は僕のをぎゅうぎゅうと締め付ける。
「あっ、あっ、あ、あ、あ、あああああっ!」
「ん……く……ふ……うっ!」
僕たちは一心不乱に身体を動かし続け、ほぼ同時に達した。
今まで我慢していたものが一気に爆発し、射精するごとに脳髄に快感の電流がほとばしる。
中で放たれるたびに戦場ヶ原はびくんびくんと身体を震わせ、仰け反らせる。
長い射精が終わり、二人ともイき終わると戦場ヶ原はぱったりと僕に倒れ込んできた。
「ん……はぁ」
僕たちは頬をすり寄せながら余韻に浸る。
握り合っていた手を離し、互いの背中や首に腕を回して抱き合う。
「何度も訊くようだけど今日はどうしたのよ?」
少しして落ち着いたところで戦場ヶ原が訊いてきた。
「どうしたのって……何が?」
「いつもより激しくて量が多いのにまだ大きいままじゃない」
そうなのだ。僕のは戦場ヶ原の中で衰える様子を見せないし劣情もおさまる気配がなく、まだまだ出し足りないくらいだ。
魅了の効果もあるだろうが、やはり久しぶりの戦場ヶ原が相手なのが一番の原因か。
「ん……っ」
戦場ヶ原がまたゆっくりと身体を動かし始めた。
「せ、戦場ヶ原、まだ休んでていいってば」
「大丈夫よ、大丈夫だから」
いや、そんな切なそうに言われても困る。
ていうか僕が大丈夫じゃない。
本当のところは戦場ヶ原を押さえつけて思うがままに犯したいくらいなのだ。
それを理性で無理やり堪えているのにそんなに気持ちよくされたらぶっ飛んでしまう。
「阿良々木くん、奥に入れるの好きだったわよね」
「え、うん、まあ……」
一番奥を突くと全体がきつく締め付けられてすごく気持ちがいいのだ。
ただ戦場ヶ原はあまり好きではないようなので、やりすぎないように注意してはいるのだが。
「いいわよ、しても」
耳元でそっと囁いてくる。
「阿良々木くんのを、私の一番深いところにちょうだい」
その言葉で僕の中の何かがはじけた。
戦場ヶ原のお尻を鷲掴みにして押さえつけ、思いっきり腰を突き上げる。
「あっ!」
最奥に届くと戦場ヶ原は感極まった声を上げた。
その嬌声をもっと聞きたくて、僕は幾度も子宮口を突く。
「んっ、んっ、あっ、あっ!」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
僕が出した精液と戦場ヶ原の愛液が卑猥な水音をたてる。
中が気持ちよすぎてそろそろまた我慢がきかなくなってきた。
「あ、阿良々木くん、私、また、いっていいかしら?」
「うん、僕も、もう、出したいよ」
僕たちは息も絶え絶えに会話する。
「来て! 中に! 奥に!」
「うん! 行くよ! 出すよ!」
僕は両手で戦場ヶ原の柔らかいお尻をぎゅっぎゅっと揉みしだきながら最奥まで埋めた。
僕たちの一番気持ちいいところ同士がキスをしている状態で腰をゆすると、ごりごりとこすれて気を失いそうなほどの快感が走る。
唇を重ねて激しく吸い合う。
『ん、んっ、んっ、んんんんんんっー!』
どちらともわからない声があげられ、僕たちはまた同時にいく。
びくんびくんと二人の身体は痙攣し、悦楽の波に翻弄された。
その波が収まると四肢を投げ出して大きく肩で息をする。
しばらくして戦場ヶ原が身体を起こし、自分のお腹をさすった。
「もうお腹の中いっぱいよ、これ以上入らないわ」
結合部から僕の出した精液が漏れ出している。
「抜くわね」
戦場ヶ原は腰を浮かして僕のを中から引き抜こうとした。
僕はその腰を押さえつける。
「え?」
そのまま身体を起こし、戦場ヶ原を抱きしめて再び密着した。
「あ、阿良々木く……んっ!?」
座位のまま身体を動かし、戦場ヶ原の中をかき回す。
「あっ! や、やめなさい、んっ!」
僕はその抗議に聞く耳を持たず、戦場ヶ原の足を片方ずつ掴んで腰に巻き付けさせた。
より深く埋まる体位になって、僕は首筋に吸い付きながらゆっさゆっさと戦場ヶ原の身体を揺する。
「あ、んっ! や、やめ」
「戦場ヶ原言ったよね、好きなだけ出していいって。いくらでも受け止めてくれるって」
「い、言ったけど、こんなに、んっ」
「僕まだ出したいよ」
僕は左手を背中にまわして戦場ヶ原を支えながら右手で身体中をまさぐる。
胸を揉んで乳首を摘み、お尻や太ももを撫で回す。
「戦場ヶ原、戦場ヶ原、戦場ヶ原」
僕は耳元で戦場ヶ原を呼び続けた。
「……ん」
戦場ヶ原は僕の首に手を回してくる。
それを確認して僕は腰の動きを再開した。
「んっ、んっ、んっ」
「戦場ヶ原、気持ちいい?」
「え、ええ」
返答はあまり期待していなかったけどちゃんと返ってきた。
普段ほとんどそんなことはないので何だか嬉しい。
僕は戦場ヶ原のお尻の穴に中指を押し当てる。
「もっと……気持ちよくなって」
「ちょ、ちょっと! 何をしてるの!? やめ……ああああああっ!!」
つぷっと穴に第一関節くらい埋めると戦場ヶ原の身体が大きく仰け反り、脚がつま先までぴんと伸びる。
ぎゅうぎゅうと膣がきつく締まり、奥へ奥へと引き込もうとする動きをしてすごく気持ちいい。
僕はまた一番奥まで突き入れ、高みを目指して腰を動かす。
お尻に入れた指も動きに合わせて軽く出し入れした。
「僕もういくよ。またいっぱい中に出すからね」
「だ、駄目っ! 今出されたら私、私……」
珍しく戦場ヶ原が取り乱す。
いやいやするように首を振ってこちらを見つめてくる。
が、その表情は僕の情欲を促進させるだけに過ぎなかった。
一旦動きを止めて、空いた左手で抱き寄せて離れないようにする。
「いくよ、ひたぎ」
「あっ……」
名前を呼ぶと、戦場ヶ原はぶるっと身体を震わせた。
「……もっと」
「もっと?」
「もっと名前を呼びなさい」
「うん」
しがみついてくる戦場ヶ原の耳元で僕は囁き続ける。
「ひたぎ、ひたぎ、ひたぎ、ひたぎ」
「んっ、あっ、あっ、あっ」
二人で身体を揺すり、擦り付け合う。
千切れそうなほど締まる膣に僕は限界を迎える。
「出る……ひたぎ、出すよ」
「ええ、来て……」
「ん……く……うっ!」
「あっ! あっ! ああああっ!」
僕はまた戦場ヶ原の中にたっぷりと精液を注ぐ。
泣いているのか笑っているのかわからない表情をしてイきながら戦場ヶ原はそれを受け止めた。
やがて僕の射精が終わったが、戦場ヶ原の痙攣が収まらない。
だらしなく開かれた口から垂れてくる唾液をぺろぺろと舐めとる。
「ぬ……抜いて」
「あ、うん」
僕はお尻から指を抜き、戦場ヶ原を横たわらせて腰を引く。
ずるるっと体液にまみれた肉棒が引き抜かれ、その穴からどろっと僕の出した精液が溢れ出てきた。
「あ……」
さすがに布団に染み着いたらまずいと思ったか、戦場ヶ原は枕元のティッシュを取って自分の股間に押し当てる。
ある程度拭き、もっと沢山取ろうとして戦場ヶ原は身体を起こして四つん這いになった。
それがちょうど性器をこちらに向ける形になる。
僕はその突き出されたお尻を掴み、自分のものを戦場ヶ原の穴に狙いを定めた。
「あ、阿良々木くん!?」
戦場ヶ原がこちらを振り向き、信じられないものを見るような目で僕と下半身を交互に視線を向ける。
「う、嘘っ!?」
慌てて身体をひねって避けようとしたが、それより早く僕は腰を突き出して戦場ヶ原とひとつになった。
「ひ、いっ!」
びくんと戦場ヶ原の身体が跳ねる。
今まで後背位ですることはほとんどなかった。
顔があまり見えないし、抱き合うこともできないからだ。
それだけにバックからするのは新鮮な感覚だった。
「お、お願いよ」
その感覚を味わっていると、普段はまず聞けないであろう戦場ヶ原の弱々しい声がする。
崩れ落ちそうな上半身を肘で支えながら顔をこちらに向けた。
「……もう許して」
ああ。
そんな目で。
そんな表情で。
そんなか細い声で。
愛しい僕の戦場ヶ原。
「わかった」
ほっとした戦場ヶ原の表情が次の僕の言葉で強張る。
「あと一回だけ」
僕はそう言うなり腰を振り始め、後ろから戦場ヶ原を突きまくる。
腰がお尻の肉に当たる音が響く。
「ひっ、あっ、あっ!」
肘で支えきれなくなったのか、戦場ヶ原は布団に突っ伏す。
僕は背中に覆い被さり、布団と胸の間に手を差し込んで揉みしだく。
耳に舌を這わせて乳首を指の間でくりくりとつまむと、膣内がぎゅっぎゅっと締まる。
片手を結合部に伸ばし、今日はほとんど触れてない陰核を指の腹で擦るとびくびくっと電気が走ったように震えた。
もう戦場ヶ原の口はぱくぱくとしているだけで、声も出ていない。
僕は手を離して身体を起こし、腰の動きに集中する。
「いくよ、出すよ」
返事はなかったが、構わず僕は一番奥まで突き立てて戦場ヶ原にたっぷりと中出しした。
腰を揺すって全部出し切り、身体を放すと戦場ヶ原がとさっと横に倒れる。
慌てて様子を窺うと、虚ろな目でぼーっとしていた。
気を失っているわけではないが、心ここにあらずといった感じだ。
僕は戦場ヶ原の横に寝転がり、自分の腕を頭の下に通して腕枕をしてやる。
空いた方の手で頭や顔を撫でた。
「ごめん、ちょっと無理をさせちゃったかな」
だけどようやく僕は落ち着いた。
魅了の効果はもうないようだ。
「…………まったくだわ」
戦場ヶ原は突然返事をして身体を寄せてくる。
「阿良々木くんのせいで足腰は痛いし、なんかやたらエロくなっちゃったし」
僕の所為かは知らないが後半は同意。
まさか魅了が感染したわけでもあるまいし。
「仕返しを覚悟しておくことね」
怖っ!
マジで怖い!
「許して欲しかったら……そうね」
少し考え込む仕草をする。
「私を抱き締めて、そのまま眠らせなさい」
それでいいなら全然構わない。
「わかったよ、戦場ヶ原……いてっ!」
つねられた!
文句を言おうとしたら戦場ヶ原はちょっとむくれた顔でこちらわ見る。
僕はすぐにピンときた。
「わかったよ、ひたぎ」
その言葉を聞いて胸に飛び込んできた戦場ヶ原を僕は強く、だけど優しく抱き締めた。