「♪〜♪〜」  
目の前で忍が気持ちよさそうに鼻歌を奏でた。  
本来吸血鬼にはシャンプーなど必要ないのだが、お気に入りになったらしく僕が入浴すると時々現れては髪を洗うよう要求してくる。  
僕はまだ高校生なのになんだか娘を持った気分だ。  
「じゃあ流すぞ」  
「ん」  
シャワーでシャンプーを流し、リンスに取りかかる。  
汚れなんかないのだから見た目は変わらないが、気分的にさっぱりした感じになったようだ。  
すべて終えると僕らは二人で湯船に浸かった。  
当初は向かい合って入っていたがやはり狭い。  
だから最近は僕の脚の間に身体を入れて背中を預けてくる。  
なんとなく手持ち無沙汰なので手を回して軽く抱き締めるが、特に忍は抵抗の意志を見せずに受け入れた。  
「んー、それにしても……」  
「どうした?」  
「いや、前は見下ろして自分の腹が見えることなぞなかったのにと思うてな」  
そう言って忍は自分の胸をぺたぺたと触る。  
まあ確かにあれだけ大きかったら下など見えないだろうけど。  
「お前様のせいじゃぞ」  
「……ごめん」  
口調は冗談めかしていたが、こっちを見る目がちょっと本気だった。  
思わず謝ってしまう。  
「じゃあちゃんと責任を取ってもらわんとな」  
にいっと忍が笑った。  
「責任って……」  
「儂の胸を揉んで大きくするのじゃ。異性に揉まれれば大きくなると言うしの」  
「いや、それは……」  
実際のところどうなんだろう?  
果たして大きくなるものなんだろうか。  
「というか揉むほどすらないじゃん」  
「だから大きくせいと言っておるのじゃ、早くせんと大声で家族を呼ぶぞ」  
くそう、脅迫とは卑劣な!  
まあ手間がかかることでもないので手っ取り早くすませることにしよう。  
僕は忍の脇の下に手を通し、胸に触れる。  
揉む、というよりは掴む、といった感じだ。  
「本当にこんなので大きくなるのかな」  
「なるじゃろ、だって」  
忍は僕の股間に手を伸ばしてぎゅっと握る。  
「うっ……」  
そのままいじられるとあっという間にそそり立った。  
「ほれ、異性に揉まれて大きくなったではないか」  
「いや、明らかに意味合いが違うだろ……」  
「ん、そうなのか? ところで……」  
忍はにやにやと笑う。  
「この大きくなったものはどうするのじゃ? 儂の胸を大きくするのにいつでも協力するというなら処理してやってもよいが?」  
くっ、大きくしたのはそっちのくせに!  
さて、どうするか………  
 
 
いつもいいようにやられてたまるか!  
僕は指の腹で忍のピンク色の乳首をこすった。  
「んうっ」  
忍の身体がびくんと震える。  
勃ってきた突起をくりくりと指に挟んでいじりながら、僕は忍の耳に舌を這わす。  
これは滅多に使わない僕の奥の手である。  
「あっ……や、やめい」  
自分で気付いているかは知らないが、忍の耳はすごく敏感な性感帯なのだ。  
すぐに息が荒くなり、力が抜けるのがわかる。  
「く……う」  
お腹や腰も撫でていると忍は潤んだ瞳でこちらを見てきた。  
「し、下も……」  
「ん?」  
「下も……して、ほしい……っ」  
僕は黙って忍の右手をとり、それをそのまま下半身に持っていく。  
僕のじゃなく忍自身のに。  
「え……?」  
「僕は忍の胸を大きくしなきゃいけないからね、自分でしなよ」  
「な……ひうっ!」  
指を添えて陰核を刺激させる。  
僕は再び耳の穴に舌を突っ込み、わざとぐちゅぐちゅと音を立てながらかき回す。  
「んっ! むうっ!」  
忍は声を上げそうになり、慌てて左手で自分の口を塞ぐ。  
だけど僕が手を離しても右手は自分の股間に伸ばされたままだ。  
時折声にならない悲鳴が嗚咽のようになって吐き出される。  
僕は舌の動きをいったん止めて、耳元で囁く。  
「忍のオナニーしてる姿、可愛いよ」  
ぶるっと忍の身体が震えた。  
顔が真っ赤なのは風呂のせいだけではないだろう。  
何かを言おうとしたようだが喘ぎ声しか出てこないらしく、結局手で口を塞ぐのはやめない。  
ちょっと意地悪な言葉だったかもしれないが僕も忍にさんざん言われたり見られたりしている身だし、これくらいはいいだろう。  
僕はむにむにと忍の胸を揉み続ける。  
「ん……んっ……んっ、んっ」  
漏れ出る声に変化が出てきた。  
どうやら絶頂が近いらしい。  
右手を再び忍の下半身に伸ばし、今度は秘口に触れる。  
明らかにお湯とは違う粘り気のある感触がした。  
「忍、指入れてあげようか?」  
その言葉に忍はこくこくと頷く。  
中指を押し当てると、大して力も入れてないのにぬるっと奥まで引き込まれた。  
が、包まれた直後からぎゅううっと痛いほどに締め付けられる。  
「んっ! んっ!」  
ぐうっと忍の身体が仰け反った。  
僕は自分の口を押さえている忍の手を掴んでどかし、その唇に吸い付く。  
舌を口内に侵入させると、忍はそれにむしゃぶりついてきた。  
空いた手で耳を弄ってやると忍の右手の動きが早くなる。  
 
「んっ! んっ! んんっ!」  
忍と舌を絡ませながら秘口に埋まった指をかき回す。  
「んっ! ん…………んんんんんっ!」  
忍は右手の指で陰核を忙しなくいじり、ひときわ大きく身体を震わせて達した。  
びくんびくんと身体が痙攣し、あらぬ方向に揺れる。  
やがてそれも収まり、身体の力が抜けていく。  
僕は唇を離して指を抜き、その小さな肢体をきゅっと抱きしめた。  
その腕に忍はそっと手を添える。  
「まったく……お前様というやつは……」  
何やらぶつぶつと文句を言っているが、よく聞こえない。  
頬にキスすると何も言わずに黙ってしまった。  
「そろそろ出ようか」  
最近長風呂なので(主に忍のせいだが)家族で一番最後に入ることになっているが、怪しまれないにこしたことはない。  
「ん? お前様は……その、よいのか?」  
「ああ、別にいいよ」  
僕は忍を抱えながら立ち上がる。  
「忍の可愛いところが見れたしね」  
「……っ!」  
忍は僕の腕を振り払い、影の中に消えてしまった。  
「ちょっとからかい過ぎたかな……?」  
まあ忍が可愛すぎるからいけないんだ、うん。  
決して僕の中に戦場ヶ原気質があるわけじゃない。  
僕は納得して部屋に戻り、就寝の準備を始めた。  
 
 
僕は照明を消してベッドに潜り込んだ。  
が、ちょっと寝付けそうにない。  
理由は簡単、先ほどの風呂場での行為で身体が興奮状態にあるからだ。  
「……仕方ない、一発抜いとくか」  
僕は布団の中でもそもそとズボンを下ろす。  
と、その時突然掛け布団が引っ剥がされた。  
「いきなり何をするんだよ忍!」  
脇を見ると案の定忍がそこにいる。  
月明かりでかろうじて表情も見えるが、少しむくれているようだ。  
とりあえずズボンを履き直す。  
「履くな、脱げ」  
「……は?」  
「わ、儂のも見たんじゃからお前様も自分でするところを見せい!」  
……えっと。  
「なんで?」  
「不公平じゃろうが!」  
「ていうかちょっと前までは影の中で見てたんじゃないのか? まあ最近は忍がしてくれてたりしたから必要なかったけど」  
「お前様は目の前でさせられる恥ずかしさをわかっておらん!」  
「…………」  
実は正直わからないこともない。  
伊達にあの戦場ヶ原を彼女にしているわけではないのだ。  
……自慢することでもないな。むしろ自虐。  
「はやくせい!」  
忍は少し苛ついたように叫ぶ。  
仕方ない、するか。  
一応二人とも声は潜めているが、いつ忍が我を忘れて怒って家族にばれないとも限らない。  
僕は脇に立つ忍の正面でベッドの淵に座り、ズボンとトランクスを脱ぐ。  
びぃん、とガチガチに固く反り返ったモノがそそり立った。  
「……っ!」  
それが目に入った忍は目を見開き、ゴクリと固唾を飲む。  
その場にしゃがみ込んで僕の足を割って入り、顔を寄せる。  
しばらく間近で見ていたかと思うと、ゆっくりその小さな口が開き、近付いてきた。  
「……忍、口でしてくれるの?」  
僕の言葉で忍ははっと我に返り、弾かれたように顔を離す。  
「そ、そうじゃ、早く自分でするところを見せるのじゃ!」  
「…………」  
何か色々言いたいけど今は何を言っても激昂されるだけだろうな。  
「……じゃあ、するよ」  
僕は自分の肉棒に手を添えた。  
そのままゆっくりしごき始めると、どくんどくんと脈打つのが自分の手の平からも伝わる。  
「……ん」  
手を動かし続けて自慰の快楽を味わっていると忍が声をかけてきた。  
「て、手伝ってやろうか? わ、儂もお前様にしてもらったし」  
そこまで言うなら普通に口とかでしてもらった方がいいんだけど……。  
 
まあ忍はそれじゃ納得しないんだろうな。  
「うん、じゃあ……袋、いじってくれる?」  
「うむ」  
忍はすっと手を伸ばし、僕の肉棒の付け根に持っていって陰嚢に触れる。  
そのままやわやわと揉みだした。  
「う……っ」  
しなやかな五本の指が様々な形で絡み付き、僕の身体が無意識に仰け反る。  
まずい、すごく気持ちいい。  
自然と僕の手の動きが早くなっていく。  
「し、忍……もう、イキそう」  
「よいぞ、出しても」  
え?  
僕は思わず手の動きを止めた。  
「いや、できればくわえたりとかして欲しいんだけど……」  
「何を言う、お前様が自分でして出すのを見てこそ対等じゃろうが」  
それだと僕はどこに出せばいいんだよ。  
ティッシュかぶせたりとかするのも見えないから駄目だろうし。  
「むう、仕方ないの」  
忍は手を離して立ち上がった。  
僕の脇を通り、ベッドに上って横になる。  
「ほれ、こっちに来い」  
ふっと自分の服を消し、僕を誘う。  
「足をここに……そうそう」  
横になった忍をまたぐ体勢になる。  
ちょうど腰の位置をまたいでいるので、僕の性器は忍のへそのあたりになった。  
「このまま儂の身体に出すがよい」  
いいアイデアであろう、と自慢気な表情をする。  
……なんだかAVみたいだ。  
だけど何も言わなかったのは射精への欲求が堪えきれなくなってきたからである。  
僕はちょっと前傾姿勢になり、忍の柔らかいお腹に先っぽを擦り付けながら再びしごき始めた。  
忍もまた手を伸ばして袋を揉んでくれる。  
すぐに射精感が込み上げてきた。  
「忍……いくよ」  
「ん、よいぞ、心行くまで儂の身体に出せ」  
眼下にある透き通るような忍の白い肌。  
それを今から僕ので汚すのだと思うと奇妙な背徳感と興奮が襲ってきた。  
僕は変なところに飛び散らないようにまっすぐ狙いを定めてしごいていると、忍が頭を起こしてじっとその光景を見つめてくる。  
忍に見られるのだと思った瞬間、僕は堪えられなくなった。  
手の動きがフィニッシュに向かう。  
「出る……出るよ………………あっ!」  
びゅるっ!と先端から精液がほとばしった。  
「んっ!」  
勢い良く出たものが顔にまで届き、忍は思わず声をあげる。  
だけどそれを避けようとはせず、二波、三波と飛んできたものもそのまま顔で受け止めた。  
僕はそれを気遣う余裕もなく、すべてを出し切ろうとしごき続ける。  
「うっ……うっ……」  
これでもかという程にあとからあとから出てくる精液が忍の身体に降り注いだ。  
 
顔に、顎に、首に、胸に、腹に。  
やがてようやく長い射精が終わり、僕は肩で息をしながらベッドに座り込んだ。  
忍は自分の身体にかけられた僕の精液を指で掬い取り、次々と口に含む。  
それらをいっとき口の中で味わい、飲み干していく。  
その光景をみてまたちょっと大きくなった僕のものをくわえ、尿道に残ったものをちゅううっと吸い出された。  
「あ、あっ……いいっ」  
そこから口を離して僕の指にちょっとついた精液まで舐めとり、ようやく忍は満足げな顔を向けた。  
「よいか、今後自分でするのはよいが、その時は必ず儂を呼ぶのじゃ」  
おや? 以前自分でするくらいなら忍がしてくれるって言っていたのに。  
「そ、そのかわり」  
ん? 心なしか忍の顔が赤くなった気がする。  
「儂がするときも……お前様に、いてもらうからな」  
え?  
「忍、それって」  
「で、ではお休みじゃ!」  
「あ、おい」  
忍は姿を消してしまった。  
僕の影に入ったのだろう。  
「お休みって、あいつ今からが起きてる時間じゃん」  
まあいいや。  
身体もすっきりしたし僕も寝るとしよう。  
僕は影に声をかける。  
「お休み忍……」  
 
 

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