『いい、受験勉強で徹夜はなるべく避けること。生活サイクルが崩れる上に【自分は頑張った】と思い込みがちになるから』  
以前羽川にそう注意されたことがある。  
確かにそれはそうだと思ったものだが、過ぎていく時間に気づかずに徹夜してしまった場合はどうなのだろう?  
「ていうかあまり眠くならないんだよな……」  
かつてであり出来損ないとは言え、さすがは吸血鬼の肉体だ。  
とは言えそろそろ休んだ方がいいかもしれないな。  
僕はそう思ってベッドに潜り込んだ。  
 
 
 
……寝苦しい。  
寝ている間に何か違和感を感じたのは気のせいではなかったのか。  
だんだん意識がはっきりしてきた。  
「…………?」  
身体が妙に重い。  
まるで重し蟹が取り付いたかのごとく。  
「……忍、重いからどいて」  
僕は布団をめくりながら叫ぶ。  
案の定ワンピース姿の忍が僕の上にのしかかって眠っていた。  
「ん……」  
もぞもぞと身体を動かし、顔を上げる。  
「おはようじゃ、お前様よ」  
「おはよう、とりあえず状況説明よろしく」  
「説明と言われてもな」  
忍が頭を掻きながら上半身を起こし、僕はようやく息苦しさから解放された。  
いや、別にそこまで忍は重くないんだけど気分の問題で。  
「特に話すことなどないぞ、ただ儂も寝ていただけじゃし」  
「なんで僕の上で寝るのかって聞いてるんだが」  
「まあよいではないか、減るものでもなかろう」  
そりゃ減るものはないけどさ。  
「それにお前様も悪い気はしてないはずじゃ。ここがこんなになっておるしの」  
そう言って忍はぐりぐりと股間を僕の下腹部に押し付けてくる。  
その感覚で気付いたが、いつの間にか僕は下着を脱がされていた。  
「大きくなってるのはただの寝起きの生理現象だよ、それより早くどいて欲しいんだが」  
僕がそう言うと忍がちょっとむくれた顔をする。  
そのまま腰をくいくいと振って僕のモノを股で擦った。  
まるで騎乗位のようだ。  
「んっ……な、何を?」  
「聞き捨てならんな、まるで儂の身体が気持ちよくないみたいなことを言いおって」  
「そんな凹凸のない体型で何を言ってるんだか」  
「ふん、やせ我慢してもますます大きくなってるのはごまかせんぞ」  
忍はひょいとワンピースの裾を持ち上げて下半身を見せつけた。  
飾り気のない真っ白な下着が僕の肉棒に押し当てられている。  
その光景に興奮してしまった僕は危機感を覚えた。  
このままだと忍のペースにのせられる!  
僕は忍の動きを抑えようと手を伸ばす。  
 
が、両腕とも忍に手首を掴まれて阻まれる。  
ワンピースは裾を口にくわえ、お腹や胸元まで晒していた。  
服は自分の意志で消せるのにわざわざそんなポーズをしているのが凄くエロチックだ。  
くすくすと忍は声を出さずに笑い、腰をぐりぐりと動かす。  
「ん……くっ」  
布地の擦れる感触が気持ちいい。  
と、突然ヌルッとした感覚が走った。  
確認すると下着だけ消したらしく、忍の小さい性器が変わりに押し当てられている。  
そこから溢れ出る愛液が二人の性器を濡らしていた。  
ぐちゅぐちゅと音を立てながら擦られ、僕は思わず歯を食いしばる。  
忍も心なしか息が荒くなっているようだ。  
身体の角度を変え、敏感な陰核を擦り付けてきた。  
それが僕の気持ちいいところを刺激し、射精感が高まっていく。  
…………ひょっとしてこのまま出したら僕の顔とかにかかってしまうのではないだろうか?  
「忍、あのさ……」  
そこで僕は見た。  
忍が邪悪そうに楽しそうに笑っているのを。  
明らかに忍はわかってやっているのだ。  
「くっ……」  
なんとかはねのけようと身体を揺らすが、びくともしない。  
軽い身体のはずなのに万力で押さえられているかのようだ。  
相変わらず両腕もがっちりと固定されている。  
それでいながら性器の箇所だけは擦り続けていた。  
「ぐ……う」  
迫り来る射精を堪えようと僕は唇を噛む。  
だけど柔肉の感触にいつまでも抵抗できるものでもなく、僕の感覚はどんどん高まっていった。  
それを察したのか忍は腰の動きを速める。  
「ん……く……う……あっ!」  
もう限界だ、と思ったとき、忍はくわえていたワンピースの裾を離した。  
二人の下半身が覆われた瞬間。  
びゅるっ! びゅっびゅっ!  
「あっ! ああっ! うあっ!」  
僕は射精した。  
どくんどくんと噴射される精液がワンピースの裏地を汚す。  
「あっ……あ……あ……っ」  
僕は腰を揺すって溜まっていたものをすべて吐き出した。  
やがて全身の力が抜けると、両腕を解放した忍がにやにやしながら訊いてくる。  
「どうじゃ、上に乗られるのも悪い気はしなかろう?」  
僕は何も答えない。  
だけど忍はにやにや笑いを崩さず、ワンピースの裏地や僕の腹に飛び散った精液を指で掬い取り始める。  
それらを全部口に含んで飲み干すと、再び僕の身体に倒れ込んでのしかかった。  
何かと思ったらすぐに寝息が聞こえてくる。  
…………まあ、たまにはこういうのもいいか。  
僕は忍を起こさぬようそっと抱きしめた。  
 

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