「ん……ちゅ……んぅ」
僕のか羽川のかわからない声が二人の繋がってる唇から漏れる。
僕たちは一糸纏わぬ姿で抱き合い、互いの唇を貪っていた。
羽川の身体は弾力に富んで気持ち良く、ついつい身体を揺すって擦り付けてしまう。
むにゅむにゅと二人の間で巨大な双丘が潰れ、先っぽの固くなった突起が僕の胸に当たるのがわかる。
唇を離すと二人とも息が荒く、しばらく呼吸を整えることにした。
「阿良々木くん、本当にいいの?」
「ん、何が?」
「阿良々木くんには戦場ヶ原さんがいるのに突然『僕はお前を抱くことにするよ』なんて」
「え、あれ?」
『羽川さま……じゃなかった羽川さんに脅され……じゃないひとつお願いされたわ』
『たった一文で気になる言い間違いを二回もするな! お願いというのがどうでもよくなってくるだろ!』
『何よ、ちょっと噛んだだけじゃない。それに結構このお願いというのも大切なことよ』
『……何だよ』
『一晩あなたを貸してほしいそうよ』
『………………どういう意味に取ればいいんだ?』
『羽川さんはあなたに抱かれたがっているわ』
『直接的すぎる!』
『特にいつというわけではないから決心がついたら行ってらっしゃい』
『……お前はいいのかよ』
『別に』
『…………』
『もうわかってるもの、阿良々木くんはモテモテだって。そしてどんなことがあっても最後には私を選んでくれるって』
『…………』
『私からもお願いするわ、羽川さんを抱いてあげて頂戴』
「私戦場ヶ原さんにそんなこと言った覚えはないんだけど」
「何考えてんだあいつは……」
「……彼女なりの好意と謝罪のつもりかもね」
「え、何?」
「何でもないわ」
羽川は僕の背中に手を回してしがみつく。
そして僕の耳元で囁いた。
「ここまでして今更止めるなんてなしだよ」
「羽川こそ、もう僕止まれないからな」
僕たちは再び唇を合わせた。