私は熊の少女の右足、その脛にそっと触れる。滑らかな装飾が施された  
球体を撫でているが如き手触りだった。片手だけでは飽き足らず私は  
両手で、熊の少女の右脛を両側から掴む様に、裏側を重点的に、擽る様に  
触った。熊の少女は無反応だった。膝の裏の窪みに迄私の指は伸びたが、  
矢張り熊の少女は無反応だった。無表情に近い顔で如何でしょうか私の  
右足はと問うて来る。ちっとも分からないね、舐めてみれば分かるかも  
しれないけれど。ではどうぞお舐め下さいお好きな様に。私は熊の少女の  
右脛に舌を這わした。二十三人の妹の、誰にもしたことの無い行為だった。  
見られる訳にも行くまい。  
 
外側の踝から、つつと脹ら脛まで舐め上げる。熊の少女の肌は私が踏み  
荒らした雪の様に白く滑らかさは、触れてもいない五番目の妹の一張羅を  
思い起こさせた。どうですか何かおかしな所は有りましたか。いいやまだ  
分からないね、もう少しだけ続けさせてくれないか。熊の少女は頷いた。  
私は私の唾液で濡れ光っている右脛の外側を見た。どうやらここはまともな  
様だ、こちら側は分からないね。私は熊の少女に聞かせるでもなく呟いた。  
擽ったくは無いかい。いいえ大丈夫ですからお好きな様に。熊の少女の  
右脛の内側に舌を這わせる。踝から脹ら脛、膝裏までついと舐め上げて  
舌を離した。よく分からない、もう暫く掛かるが堪えて呉れないか。お好きな  
様にと伝えた筈です気の済む迄舐めて下さい。善し判ったもう聞かない。  
私はぐいと足を持ち上げた。物の道理で熊の少女はとてと仰向けになる。  
空いた座布団が有ったのを見ているから殊更声を掛ける必要も或るまい。  
 
熊の少女が仰向けになった御陰で熊の少女の足裏が私の目前にある。此処も  
腐っていやしないか確かめねばならぬ。私は土踏まずに舌を這わせた。私の  
舌は微かな酸味とざらつく感触を感じ取った。如何に熊の少女と言えども体  
凡てを美しく保つ事が出来る訳ではないのだ。そうで無ければ私に体を検分  
して呉れと頼む訳はない。第一この建物に辿り着く迄には長い長い山道を  
歩かねばならぬ。足裏が荒れているのも致し方ない。その足裏を、丁寧に  
念入りに強引に舐める。ささくれた肌と微かな汗と藺草の切れ端を舌先で  
感じ取る。足裏に異様な物は感じられない、しかし指の股はどうだろうか。  
舌を延ばし水掻きを舐める。どうも足りない気がする何か足りない気がする。  
気が済むには何かが足りない。私は何ともなく熊の少女の目を見た。熊の  
少女の目は私を見た。私の目は熊の少女の目を見た。熊の少女は私を見下しても  
蔑んでもいなかった。只々自身の足が腐るかを知ろうとしていた。私が熊の  
少女の足を舐めている事に対して嫌悪も侮蔑もしていない。熊の少女は私の  
二十三人の妹の誰一人として私に向ける事の無い視線を私に向けていた。  
則ち私が今まで向けられた事の無い視線だ。  
 
 
私は射精した。  
 

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