ギシッと火憐ちゃんが眠っているベットがきしんだ。  
 はあっはあっ、と息が荒い。夢遊病者のようにフラフラしている。  
 向かう先はお兄ちゃんの部屋。  
 
 
 草木も眠る丑三つ時。魔物が跳梁跋扈するいわゆる午前二時ごろ、  
勉強に疲れた僕は背もたれに体重をあずけて背伸びをした。  
 今日は千石とプールで遊んでいたためこんな時間になってしまったのだ。  
 もちろん千石のせいにするつもりはない。しかし千石もビキニとはやりすぎだろ。  
 オイル入りの水着のブラにもパットを入れて無理矢理谷間を作って、  
全く可愛いらしい奴だ。  
 下の方もパレオをって言うのか、腰布に隠されていたが、ティーバッグとは…  
 歩く度にチラチラと真っ白なお尻が見え隠れてして、目のやり場に困ってしまった。  
 
って言うか。水の中に入った時にチラッと見えてしまったが、前の方も  
ティーフロントっていうのか、ちょっと大胆すぎないか。  
 プールも流れるプールみたいなところかと思ってたけど、  
まわりはおじいちゃんやおばあちゃんしかいない、超穴場だったし。  
 水の中では「きゃーっ、こわいあなた♪」とか言って、僕に抱きついて  
細い脚をニシキヘビみたいに僕の足に絡ませてくるものだから、ティーフロントの  
アソコが僕の腿に当たって、千石に興奮しないようにするのが大変だった。  
 妹みたいな千石を、性の対象になんてできないしね。  
 それに今度は劇の練習にも付き合って欲しいって言われてるし。  
 演目は『ロミオとジュリエット』だそうだ。千石はジュリエットではないそうだが、  
脚本・演出のためジュリエットの気持ちが知りたいらしい、今度千石の家に行って  
あのシーンをやってほしいとの事だ。  
 でも、あのシーンってなんだろう?今度千石に教えてもらわなきゃ――  
 
 「鬼よりも鬼畜な我があるじ様よ。血の繋がった妹御の肉の味はどうじゃった」  
 金髪金眼の――幼き風貌の少女が僕の頭の上に現れた。  
 忍はニヤニヤ笑って僕を見下ろしている。  
 うぜえ。人の頭の上に立つんじゃねえ。この無能吸血鬼!もう血ィやんねえぞ。  
 「キスした時と一緒だよ!べっつに何にも感じてねえよ!」  
 「ほうほう、ペットのように首輪を巻いて、息も出来ぬほどにギチギチに  
縛り上げて、穴という肉孔を犯しつくしたあげく、抜かずの中出し三連発でも  
満足できぬと!?いやはや我があるじ様よ。どうやったらお前様を  
満足されられるのかのう?鬼畜と言うより外道じゃわい」  
 忍は僕に肩車の体勢になり、耳元で囁いている。  
 って言うかこいつ、パンツ履いてないのか?ツルツルのアソコが  
首筋に当たって生々しいつうの。  
 「お前様も気づいおろう。あのでっかい妹御、夜な夜なお前様の名を呼びながら  
自分で自分を慰めておるわ、兄ちゃん兄ちゃんと悩ましげに喘いでおる。  
今日はお前様のベッドに忍び込んでまでしておったみたいじゃぞ」  
 うるせえ!人の妹の自慰行為に聞き耳立ててんじゃねえ。  
 知ってるよ。帰ってきてすぐ気づいてたよ。  
 
 だからってどうしろって言うんだよ。実の妹なんだぞ!  
 「だから血を吸ってやればよかろう」  
 「なっ……っ」  
 「旅は道連れ世は情け。百年も生きればお前様等を知る者などおらんようになる。  
あの妹御なら真実を話せば喜んであの細首をお前様に差し出すわ」  
 「忍!」  
 僕が怒鳴ると同時に扉が勢いよく開かれた。部屋の前には火憐が立っていた。  
 上半身はティーシャツを着ているが、下半身は丸裸だ。  
 顔は火照り吊り目が潤んで、内股を膝まで濡らしている。  
 「か、火憐ちゃん…、なんて格好…」  
 「…兄ちゃん、また別の、女と、話して、た…」  
 忍はさっさと僕の影に隠れたようだが、話し声が聞かれていたのか。  
 って言うか。忍のヤツ火憐ちゃんがこっち向かってたの黙ってやがったな。あの野郎!  
 「火憐ちゃん。なんて真似を…、パパママに見つかったら…」  
 「…に、兄ちゃんが悪い、んだ…。なんで、あれから、し、してくれないの…」  
 女顔でマジ泣きするな!本当に僕が悪いみたいじゃないか。  
 火憐ちゃんは僕に向かって赤らんだお尻を向けて、尻房を左右に割り開いた。  
 「…ちゃ、ちゃんと、中まで、キレイにしたから、お尻でも…」  
 「か、火憐ちゃん!?」  
 僕はタオルケットを火憐ちゃんの腰に巻きつけベットに座らせた。  
 「火憐ちゃん。一体どうしたんだよ!?」  
 「…だって、兄ちゃん、あ、あれからしてくれないし…わたし、どう、  
していいか、わかん、なくって…」  
 その結果がこの行動か、まったく馬鹿にもほどがあるぞ。  
 僕はギュッと火憐を抱き締めていた。  
 「火憐ちゃん。僕にどうして欲しいんだ?なんでも言ってみな」  
 「兄ちゃんと結婚する!兄ちゃんのお嫁さんになる!!兄ちゃんの子供を産む!!!」  
 即答。いろいろぶっ飛ばしてる。  
 コンマも考えてない愛の告白(?)ちょっとは考えろよ、でっかいの。頭がクラクラするわ。  
 子どもの頃ならともかく、中学三年生の妹からの結婚の申し込みか。素で引くわ。  
 何度も言うけど僕はお前のことなんて大嫌いなんだぜ。  
 だいたい瑞鳥くんはどうすんだよ!!  
 「…は、初恋は、叶わない、って言うし…。…に、兄ちゃんの恋だって、  
どうせ、叶わない、よ…」  
 さらっととんでもないこと言いやがった!  
 火憐ちゃん言っておくぞ誰からも祝福されないぞ。それどころか変態扱いだ。  
パパママに知られたら二度と会わしてもらえないように遠くに引き離されるぞ。  
法的根拠等何もない。  
 互いを結ぶモノは不安定で偽物な仮初めの気持ちひとつだけ。  
 火憐ちゃん、それでもそんなか細い不確かなモノにすがるのか!?  
 火憐はコクリとうなずいた。  
 よくわかったよ火憐ちゃん。オーケーオーケー付き合いましょう。  
 結婚は人生の墓場って言うけど、墓場に吸血鬼なんてピッタリじゃないか。  
 人間モドキの僕には相応しい。  
 「火憐ちゃん勝負だ」  
 「…し、勝負…!?」  
 勝負という言葉に反応して、少しいつもの火憐の顔つきに戻った。  
 まったく単純な奴だ。  
 
 「火憐ちゃんが勝ったら結婚する。法的には無理だから事実婚だね。  
兄ちゃんが勝ったらこの話しは無しだ。いいな」  
 「本当に、結婚して、くれる…」  
 「ああ火憐ちゃんが勝ったらな」  
 
 
 勝負か。私たち兄妹の間では揉めたら勝負といういうのが通例だ。  
 頑張って火憐ちゃん!  
 部屋の中から二人の声が聞こえてくる。  
 勝負の内容は前回のルールも適用しつつ、お兄ちゃんと火憐ちゃん、  
どちらか一方が先にイッた方の負けらしい。  
 すなわち。  
 一つ目は、火憐ちゃんがお兄ちゃんの言うことに、少しでも逆らったら  
そこで勝負終了。  
 二つ目は、火憐ちゃんが『ゲームオーバー』て言えばこれも勝負終了。  
 三つ目は、先にイッた方の負け。ただし、同時にイッた場合は勝負続行。  
 以上三つだ。  
 火憐ちゃんが勝つにはお兄ちゃんを先にイかせるしかない。  
 親のお兄ちゃんに有利なルールだ。でも火憐ちゃんあなたの想いはそれほど  
無理な願いなんだよ。それこそ世界を滅ぼしてお兄ちゃんと二人っきりに  
ならなければ叶わないほどの願いなんだよ。  
 
 火憐ちゃんは服を脱ぐと、迷うことなく首に真っ赤な首輪を巻きつけ  
背中に両腕を回した。  
 兄ちゃんは火憐ちゃんの手首に縄を巻きつけると、手首をさらに高く捻り上げた。  
 縄が火憐ちゃんの胸の上下に回され、乳房が絞り出れて、とてもイヤらしい。  
 もうお兄ちゃん、妹を縛り過ぎ!  
 でも縛られた羞恥と期待に悶える火憐ちゃんの顔。火憐ちゃんは超本気だ。  
 
 
 兄ちゃんは全裸になると、緊縛したわたしに覆い被さってきた。  
 「火憐ちゃんいくよ。手加減はしないからな」  
 「…うん、兄ちゃん、きて…」  
 目尻から涙が落ちて、頬を伝い流れた。  
 「…火憐、ちゃん…」  
 囁かれると、わたしの全身にうっとりするような幸福が広がってくる。  
 たったそれだけのことが、こんなにも嬉しい。  
 兄ちゃんの指先が頬に触れる。涙がやさしく拭われた。  
 近づいてきた唇を、目を閉じて待った。  
 そっと唇を触れ合わせるだけの、ほんの短い、幼いキス。  
 だが胸はドキドキと破裂してしまいそうに高鳴った。  
 「火憐ちゃん火憐ちゃん火憐ちゃん」  
 「兄ちゃん兄ちゃん兄ちゃん」  
 再び、兄ちゃんの唇が触れてくる。今度はわたしの唇に舌先が触れてきた。  
唇を開くとちろりと舌が潜り込んでくる。  
 「ぅんっ……」  
 口腔内がごく軽くなぞられただけで、全身が甘く痺れるように震え、  
腰の奥が熱く疼き出した。  
 兄ちゃんの手が短い髪をといて、頬をなぞる。  
 唇に首筋をチュッチュッと吸われ、いっそう全身の力が抜けていく。  
 縄に絞り出されたおっぱいがわしづかみにされて、赤らんだ乳肌にキスの嵐が降り注ぐ。  
愛撫を受けて、乳首がいじってほしくて上を向いてしまう。  
 でも兄ちゃんはわたしの右足首を掴むとグイと引っ張って、うちくるぶしに  
舌を這わせて柔らかな土踏まずから足の爪先を、丹念に舐めはじめた。  
 
 チュッ れろりぃ くちゅっ ちゅぱっ  
 「…ふぁあぁ…、んっ、んむ…」  
 
 
 爪先からくる刺激に身悶える火憐ちゃん、僕に最新のトラウマを刻み込んだ生足も  
こうなれば可愛いモノだ。  
 しかしよくもこんな柔らかな脚で、空中を飛ぶ石を蹴り砕くなんて真似が出来たんだ。  
僕にはとても信じられないよ。  
 僕は足首に唇をつけたまま一気に身体を滑らせて、割り開かれた  
下腹に顔を埋めた。  
 「え……!?ひゃ…っ、そんな…いきなり…はぅっ!」  
 
 
 わたしは緊縛の縄をギシギシと軋ませ、悶えた。  
 「…火憐ちゃん…濡れて、キラキラ光ってるよ」  
 すでにあふれそうなほど熱い愛液をたたえたわたしのアソコが躊躇い  
もなく吸われて、腰がビクッと浮き上がる。  
 すかさず兄ちゃんはさらに大きく脚を開かせた。  
 「あっ…そん、な…開い、たら…ぁふぁっ!中まで…あぁんっ…」  
 恥ずかしいと思っても、身体は悦びわなないていた。  
 自ら腰をくねらせ下腹を兄ちゃんに押しつけてしまう。  
 兄ちゃんの唇が微笑みの形に動いたのがわかる。  
 「可愛いよ、火憐ちゃん」  
 「くぅ、くひぃん…にい、ひゃん…にい、ひゃん…」  
 クチュックチュッと、兄ちゃんの舌が動いて割れ目からわたしの愛液を舐め取っていく。  
 かと思うと冷たい指先が充血した肉縁を形を確かめるように大きくなぞり、  
唇をつけて吸い上げ、そして大きな音を立ててすすられる。  
 アソコからくる刺激が子宮で快感に変換されて、腰を震わせ背筋を駆け抜け  
脳天を直撃する。  
 「…にい、ひゃん、お願い、…お願い、します…い、れ、て、…」  
 「そうだね、兄ちゃんも入れたいし勃たせてよ」  
 兄ちゃんは割れ目を愛撫する動きはとめないまま、身体の向きを変えて  
わたしの顔をまたぐようにした。  
 「は、ぁ…ふぁあぁ…にい、ひゃん…の、ぅむっ…くっ、ちゅぷっ…」  
 顔の前に突き出された、亀頭と肉茎に唇を寄せる。  
 亀頭ににじんでいた粘液をちゅるっとすすると、兄ちゃんはくぐもった声をもらした。  
 舌先を伸ばして唇で亀頭をくわえ引き寄せ、唇で肉茎をしごきあげる。  
舌を出してちろりちろりと舐め、口いっぱいに頬張りカリの裏側を舌でしゃぶる。  
 「はむ…ぅんっ…んっん、ぐぁぅっ、はぅっ、ぁっ、ぁん!」  
 兄ちゃんの愛撫が激しさを増す。唇で肉芽を挟んで転がし、さらに舌でつついて捏ねる。  
真っ赤に充血した割れ目を指でつまんでこすり、押し広げてくすぐられ、  
肛門にまで愛液が垂れて撫でられる。  
 「はひゃっん…蕩け、ちゃう…お腹、の、そこ…と、蕩けちゃう…よう…」  
 「いいよ、火憐ちゃん…すごく濡れてる。でも勝負は勝負だよ」  
 「ひあぁぁんっ!」  
 膣内に舌がぐねりと潜り込んできた。ざらりとした粘膜が内側の粘膜にこすれて、  
ズクンと腹底に響く。夢中で、わたしも兄ちゃんのモノにしゃぶりついた。  
 
 兄ちゃんの亀頭に熱い血液が満ちて、わたしの口腔内でミチミチと大きくなる。  
 肉茎が巨大化してわたしの口を縦に押し広げる。  
 「ふぁむっ…ちゅぷっ…はぁうんっ!んっ、んむ…しゃぶっ、ちゅぷっ…ぁ、はむ…」  
 兄ちゃんの唇が、舌が、動くたびに快楽のうねりがわたしを押し上げ、  
その波がおさまるより先に次の波がやってくる。全身がどこもかしこも  
快楽で埋めつくされていく。  
 睦み合うということを身体が理解していく。幸福な快楽というものが確かにある。  
 「くぅんっ…ぁむ…んんんぐっ!」  
 兄ちゃんの肉茎の根元を唇で強く締め上げ、鈴口から流れ出てくる先走りを  
強く吸い上げる。まだ溢れていない分まで、全て吸い尽くしてしまいたい。  
 兄ちゃんが呻いている。チャンスだ。  
 瞬間。わたしの肉豆が強くつねられ、恥骨を伝い下腹全体が痺れ。  
 バチン、と目の前が真っ白に点滅した。  
 「んんっ!んぐっ、…んんんぐっ!んんんんーーーっっ!?」  
 すがりつくように兄ちゃんのモノを喉奥までくわえこみ、  
頬をすぼめてきつく吸った。  
 「グウッ…!」  
 「ぅむっ…、んんっんんんぐっ!」  
 ドクンッ!ビュッビュッ!ドプン!ビチャッ!  
 プシィ プシャアッ! シャァァアァ  
 わたしが緊縛の縄を軋ませ達した瞬間、わたしの口腔内で兄ちゃんのモノも弾けた。  
 濃くて生臭い粘液が勢いよく吐き出されてくる。夢中で吸い、  
一滴もこぼすまいと喉を鳴らして飲み下した。  
 「こくっ…んむぅ…んっ、んぐっんん……」  
 むさぼるように吸った。二度、三度と生臭い粘液を吐き出して、  
徐々に兄ちゃんのモノは硬度を失っていく。  
 それでもわたしは吸うのをやめない。萎えていくモノを唇と頬と舌とで  
やさしく転がして、最後の一滴まですべて吸い取った。  
 
 「…はあはあ、兄ちゃん、これは同時、だろ…」  
 ぜえぜえ、と喘ぐ火憐ちゃんが確認してくる。  
 「うん、そうだね本番はこれからだよ火憐ちゃん」  
 と僕は頷く。それよりこっちがすごく気になるんだよね。  
 僕が扉を開けると月火ちゃんが股間に手を入れて、うずくまっていた。  
 ひくひくと肩と腰を震わせて悶絶している。火憐ちゃんと一緒に耐えてたのか。  
 
 ふみ。僕は思わず月火ちゃんの頭を踏んでしまった。  
 火憐ちゃんのために健気に祈っていた妹の頭を踏みにじる兄の姿そこにはあった。  
 「…プラチナむかつく…」  
 「月火ちゃんさあ、そんなに気になるなら中に入ったら」  
 月火ちゃんはゆっくり顔を上げて一言。  
 「…お兄ちゃん、私、にも、首輪、頂戴…、火憐ちゃんと、同じ気持ちになりたい…」  
 お兄ちゃんは、少し迷って、私に真っ青な首輪を差し出した。  
 私は迷うことなく首に首輪を巻いて、着物を脱ぎ、お兄ちゃんの部屋に入った。  
 
 

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