「絶対…やめちゃ…っ、イヤだよ。兄ひゃ、ん――」  
 
 ドクン!  
 火憐の言葉に僕の心臓が締めつけられた。  
 ち、違うんだ。火憐ちゃんそうじゃない、拒絶するんだ。こんなのもうおしまいに…  
 「こんなの兄ちゃん以外だったら恥ずかしくって、嫌なだけだよ。相手が兄ちゃんなら、こんなの平気だよ」  
 火憐は目に涙を溜めながら首を伸ばして、僕にキスをした。唇の触れるだけの幼く柔らかなキス。  
 ふに…ちゅ、ぴ…ちゅ…ふに、ふに…ぷっ、はぁぁ…  
 いい仔にしているのに、どうしてそんな意地悪するのと、身体を頬を擦り寄せ懸命に訴えている。  
 なにしてんだよ火憐ちゃん…、限界なのはこっちだったんだよ、もう、抑えられないんだよ。  
 「神原」  
 「ん?なんだろうか阿良々木先輩」  
 「二時間、いや一時間でいい、…二人に。二人きりにしてくれないか」  
 「それが阿良々木先輩の命令…とあれば是非もない。私は阿良々木先輩のエロ奴隷だからな」  
 「…そこは否定するが。ありがとう」  
 「時間は気にしてくれるな。火憐ちゃんが満足するまで、してくれていてかまわない。が、阿良々木先輩  
にとって後ろの正面が誰か忘れないでいて欲しい。私が言いたいのはそれだけだ」  
 そう言うと神原は僕たち二人を残して部屋を出た。二人。室内には僕たち二人きり。  
 わかっているさ神原。僕にとって後ろの正面が誰かなんて忘れた事はないさ。  
 火憐ちゃんは「兄ひゃん」と、不安げに縋るような表情を浮かべ涙を流した。  
 僕は「大丈夫」と言い、安心させるようにキスをする。  
 くちゅ、ちゅちゅぷ、ちゅうぅ…  
 「んふ…はぁ…はひぃ…っ」  
 舌に舌が絡みつく。同時に火憐の吐息と唾液が、口腔に流れ込んできた。甘い香りを含んだ口臭。  
 唾液が口腔粘膜に染み込み、溶け合う。  
 苦しむ妹の姿は見たくない。いや違う、火憐のせいにするな、僕は僕の意思でこうする。  
 「火憐ちゃん、僕にどうしてほしい。どうすればいい、なんでも言ってみな」  
 絡ませた合った舌を名残惜しげに離したあとに一言を告げると、火憐ちゃんの表情はパアッと明るくなった。  
 「ちょ、ちょうだい、兄ちゃんの熱くって大きいのを、あたしのいやらしいアソコに深く喰い込んだ股縄を  
はずして…、あたしの奥に…一番奥に兄ちゃんのほしいの、兄ちゃんとしたい…、ひとつになりたい…」  
 やっと言えたばかりに満足気に微笑むと火憐ちゃんは、立て膝になり尻を向け、背中の結び目を見せた。  
 火憐の股間には股縄がキツく喰い込んでいる。結び目の瘤も、膣孔と肛門にしっかりと喰い込み、汗や  
愛液を吸って濡れ光っていた。  
 僕は股縄を喰い込ませた火憐の下腹や尻房を撫でまわし。縄にそって指を這わせた。  
 「ひゃ、あぁ…っ、あ、あん…っ」  
 火憐は腰を震わせ、尻をうねらせた。いやがっているような、か弱い抵抗のフリ、雄を誘う動き。  
 「それじゃはずすよ」  
 「うぅ…っ」  
 尻の谷間に喰い込んだ縄をはずし、火憐の肛門になかば埋もれた結び目の縄瘤をゆっくりと引きだす。  
 肛門の粘膜から瘤が引き剥がされる感覚が明らかに火憐の声を上擦らせている。  
 更に紅く腫れた肉の割れ目に喰い込んだ縄をゆっくりとはずしていく 。  
 深く柔肉に喰い込み、襞を巻き込んだ縄瘤を細心の注意をもって剥がしていく。  
「あ、ああん…」  
 股縄と縄瘤がはずれると、真っ赤にただれた肉孔があらわになり、しとどに濡れそぼってジクジクと  
濡れ、愛液が内股を垂れ落ちる。  
 股間縛りされた刺激で、火憐の幼いアソコが肉の華となり生々しく咲き開き、熱く滾っていた。  
 縄瘤に押し潰されていた肉芽も包皮が剥けてツンと紅く充血して尖り、ヒク、ヒク、と蠢いている。  
 そして、愛液に濡れた肛門までが、ふっくらととろけきっていた。  
 
 こんなにして、本当に感じてる。火憐ちゃん。  
 「…に、いひゃん…、っ」  
 可憐はあわれもない己の痴態をかくす術もなく、その一切を僕の目にさらす羞恥に、身を震わせる。  
 僕は後ろ手に緊縛された火憐ちゃんを仰向けに押し倒しそのまま覆い被さった。  
 縄に絞り出され胸の上で乳首を勃起させた乳房を掴み弾力を楽しむようにぐりぐりと弄び、  
勃起乳首を捏ねまわす。  
 そのまま熱い乳肌に舌を這わせ、じゅ、じゅるっ、と卑猥な水音と響かせ、舌を腹部から下腹へ、  
ぷっくらとした恥丘の淡い茂みへと滑らせていった。  
 恥丘の淡い茂みを舌でかきまぜるようにして、ツンと紅く充血して尖ったクリトリスを体内に押し込んでやる。  
「ひゃん…そっ、そっこっ…っ」   
 甘い媚声を噴き上げて、火憐はその長い脚をうねらせ、腰を跳ね上げた。  
 僕は顔を火憐の股間に埋もれさせたまま、抑え込むようにして勃起した肉芽を舌で絡めとり唇で甘く噛んでやる、  
集中した繊細な神経をねっとりと刺激され。火憐は満足に口もきけなくなったようだ。  
 ただ甘く泣き、小さな媚声が喉を絞るばかりだ。  
 
 兄ちゃんは舌や唇を強く弱く押しつけ、また熟れた肉の割れ目にそって舌を這わせて下から肉芽に戻るというように  
変化とつけて愛撫する。  
 男を、肉棒の刺激の知る膣粘膜がもどかしげに捻じれる。  
 それでなくとも腹底は愛撫と股縄と浣腸に存分に煮え熔かされ、とろ火にかけられたように火照っている。  
 「ちょうだい…ちょうだい……っ!」  
 腹の奥がドロドロに蕩け、更に熱いものが滾りだすのを、あたしにはどうすることできない。  
 緊縛された裸体を揺らし、羞しい痴態を晒して、ただただ懸命に訴える。  
 ジクジクと溢れる愛液の蜜にまみれた膣孔は薫りたつ牝の匂いを放ちながら、更にいやらしい分泌液を滴らせはじめた。  
 溢れ出た愛液はあたしの肛門を濡らして、ツーと尻肌を滑り落ちた。  
 「ほし、い、ほしのぉっ!もう、もう我慢できないよぉ……っ!」  
 半狂乱で求めて叫ぶ。達することのできないもどかしさに焦れて身悶えすると、やさしく抱きしめられた。  
 「いくよ、火憐ちゃん」  
 見つめられ、耳元で甘く囁かれると頭の芯が痺れ、肉欲に押し潰される。自然と両脚を大きく開いていた。  
 ひとりでに腰がせり上がり、期待に震えるのを止められない、股間はもうどこも愛液でびしょ濡れで、内股を  
膝上まで濡らしてる。肉襞は蠢き、割れ目も肉芽も血を噴かんばかりに充血し、ジンジンと脈打つ。  
 「にいひゃ、ん、きてぇ、熱くて。おっきの…で、おくを、思いっきり、いっぱい、かき…回してぇ…っ!」  
 舌がもつれる。半開きの唇からこぼれた涎があごへと流れ、透明な糸を引いて落ちた。  
 揉まれ捏ねられて柔らかくほぐされ、濡れ光るあたしの膣孔に兄ちゃんの亀頭があてがわれた   
「あっ、あっ、あぁあんっ!そ、そこ…そこぉ…そこなの、…ちょうだい…も、もっと、奥まで  
挿れて、いれていれてぇぇ!!に、いちゃんで…いっぱいに、してぇ…っ!」  
 もらえる。兄ちゃんのモノを突っ込んでもらえる。ズンズンと子宮を突き揺すられ、甘えた嬌声を上げることができる。  
 待ち望む充足の与えられる歓喜と、じりじりとしか入ってきてくれない熱い肉棒のうねりへの渇望があたしを  
もみくちゃにする。  
 ぐっ、と兄ちゃんの腰がスライドしてあたしの下腹にドスンと腰を打ちつけた。  
 ぬるっ!ぬるるっ!! ジュブッ!ズブッ!ジュズブッ!  
 「!!!??…は、はひぃっ!…はぁあんんっ…っ!おっおっき、おおっきすぎ、っる!」  
 
 「う、す、凄い締めつけだ!」  
 「お…んんぎっ!ぎっぎっ、ぎひぃゅ!」  
 (う、嘘!いれ、挿入れられただけ、なの…にぃ!!…ひゃ、ひゃん!)  
  ――ぶしゅ!ぶしゅしゅ!  
 一瞬で肉体は異常なまでに昂った。チリッチリッと理性が焼かれ、あたしは達した。  
 キュウッと肉壁が収縮し、膣中の堅い肉棒を締め上げる。肉棒の形さえ認識できた。  
 子宮からの快楽の津波が全身に伝播し、さら膣内が縮まっていく。肉棒を捻じ切りそうなほどの締め上げ。  
 腰がほしがるようにガクガクとゆれる。  
 それでも熱い愛液のぬめりに乗り、深く挿れられる肉棒を、こなれた肉襞をわななかせ更に咥え込もうと  
しゃぶるように絡みつく。  
 きつい絞めつけのなかでもジワリジワリと溢れ出る愛液は粘度と量を増して、太い肉棒を深く受け入れ、  
ムンムンと匂いもきつくする。  
 あたしの腰がよじれ、ずり上がろうとする身体を抱きしめられて押さえらた。  
 そして肉棒の先端が深く底まで貫いた。大きな亀頭のソレが子宮口にとどき、ズンと子宮を押し込んだ。  
 「おにゃ、か…っ!お、な、おっなかっが、…っ!」  
 絶息せんばかりに喉が鳴り。腰をブルブルふるわせた。両脚が突っ張り、つま先がよじれそり返った。  
 「火憐ちゃん!嫌だったら辛かったら。すぐに言うんだよ」  
 「だい、じょう、ぶ…だから…っ。もっと。し、て」  
 わかったと兄ちゃんは頷くと、気をそらすように胸の上で縄に絞り出された、おっぱいを揉みはじめた、気持ちいい。  
 おっぱいを揉みながら兄ちゃんは腰をゆっくりと打ち込みはじめた。  
 リズミカルな動きがあたしをゆらし、緊縛の縄がギシギシと鳴る。  
 腹から背筋を抜け脳髄に注ぎ込まれる、淫熱の恍惚感に翻弄される。  
 汗まみれの裸身は匂うようなピンクの光彩にくるまれ、肉棒に操られるままに啼き、よがり、うねった。  
 玉の汗がいくつも肌をすべり落ちる。  
 あたしの腰がひときわ大きくふるえだした。身体の芯が収縮して、衝き上げてくる肉棒をきつく締めつける。  
 「あ、あっ、も、もう…またくる!い、いくぅぅっ!」  
 「火憐ちゃん、何度でイカせてあげるから、我慢しないで」  
 よがり声を昂らせ、恍惚にひたっていた顔は引き攣って、恥じらいの表情を浮かべる。  
 返事をする余裕もなく、あたしは腰をねじり、背筋をプルプルとふるわせ、腰を跳ね上げた。   
 おっぱいが握り潰され、子宮が亀頭により胎内に押し込まれる。  
 「んんく、くふぅぅ…んふぅん!ひ、ひぅうんん…」  
   
 火憐ちゃんは鋭く喉を絞って、両脚を激しく突っ張らせ、緊縛された裸体をキリキリと収縮させた。  
 柔い膣肉が僕の肉棒を捻じ切らんばかりにきつく締めつけてきた。  
 火憐ちゃんに合わせて、僕も射精を試みる。  
 
 「ところで避妊はしているのか?」  
 
 突然に唐突に神原の言葉が突然脳裏をよぎった。  
 僕は粘膜の感触に必死に耐え、射精をこらえた。  
 火憐ちゃんの身体からぐったりと力が抜ける。  
 しかし…  
 「兄ちゃん…、なん、で…」  
 射精を予感していた火憐ちゃんがハァハァと喘ぎながら疑問を投げかけてくる。  
 
 「…あ、あたしが、妹だから、もう、くれないの?」  
 中で出さないから、外で出したからって、避妊にはならない。我慢汁からだって妊娠はする。  
そんなのは知ってる。わかってるんだ。  
 「くっ」  
 火憐ちゃん本当にわかってるのかよ、本当にいいのかよ。  
 
 「ちょ、うだい…にいひゃ、んの熱いの、濃いの、あたしの一番、奥にちょうだい…」  
 肉棒を膣内に咥えたまま、狂おしく叫んだ。汗にまみれた裸体をプルプルとふるわせ懇願した。  
 ズジュッ!ズチュッ!メチュウ!  
 柔肉の最奥が疼く。粘膜が発情し、昂っていく。濡れっ放しの肉襞がさらに湿り、肉棒に愛液を  
塗りつけしゃぶる。男を知った自分の肉体がいかに淫らなものかを物語る。  
 ギュッと膣孔が肉棒の根元を締め上げ、牡汁を求める牝の本能に語りかけるように、  
子宮が収縮しているのが分かる。乾く喉。思わずゴクリと唾を飲む。  
 欲しい。兄ちゃんのが。その硬い肉の棒で膣洞を割り開き、子宮を掻き混ぜて欲しい。  
 肉エラで肉襞を引っ掻いて、全身を痺れさせて。考えるだけでピンクのビラビラが蠢きだす。  
 牡を求める牝の本能は膣唇をを淫らにひくつかせる。  
 自ら腰を突き出し、肉棒を挿入しやすい位置にぬめる肉孔を調整した。  
 同時に男の本能を煽るために、腰を振り、ペニスを肉襞で刺激する。  
 「にい、ひゃ、ん…。気持ちいい。んっんっんっ」  
 肉棒を根元から亀頭まで包み込むように愛液で濡らし、兄ちゃんにも甘い愉悦を与えるように、  
自分自身でも感じながらひたすらグラインドを続けた。  
 ちょうだい、お願いだから早くちょうだい。肉体の懇願を兄ちゃんに続けた。  
 「火憐ちゃん…兄ちゃんも我慢できないよ…っ。い、いくよ」  
 ジュプッ!ズブジュブブゥッ!  
 「あっ!き、っく、くるうぅ!あっ、あんっ!あくぅううっ!」  
 肉襞を巻き込み磨り潰しながら、膣中の肉棒が突き込みを再開。ゆっくりとした動きで、  
肉壺を拡張しながら熱い肉棒が身体を貫いていく。  
 これまで肉体に足りなかった何かを与えてもらったような、充足感にも近い快楽を覚えた。  
 唇をいくら噛んでもよがり声が出てしまう。快楽にのめり込むように兄妹は腰を合わせ、  
互いに腰が捻じれあう。  
 腹と腰がおそろしいばかりに収縮し、両脚に痙攣が走りはじめた。  
 今度は兄ちゃんも覚悟を決めたらしい。きつい収縮を感じとり。  
 「か、火憐ちゃん、火憐ちゃん、火憐ちゃん!」  
 そう叫んで、最後のひと突きを深く押し込み、熱く濃い白濁の精を子宮口に押し当て、  
空の子宮を満たすようにドッと放たれた。  
 ドビュッ!ドブシャッ!ビチャッ!ビチャチャッ!!  
 「にいちゃん!にいひゃん!にいひゃん!」  
 押し潰されていた子宮が満たされて、ピチィ、メキ、と膨れ上がるのを感じた。  
 下腹が膨れ上がる。腹の内側が火傷しそうだ。子宮から全身にへとスパークが走る。  
 「溜まる、熱いのが、しきゅ、うに――ったま…って。イ、イグゥ…っ!いっ、ちゃ、う」  
 大量の白濁汁は子宮に留まらずに膣洞を逆流、密着した肉棒と粘膜壁を掻き分けて膣唇から噴射。  
 身体がガクガクとはね、もう一度きつい収縮と痙攣が激しく走った。  
 「おあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああぁ。ん゛ん゛ん゛ん゛!」  
 プシャッ!びくん!プシャッ!びくん!プシャッ!びくん!  
 「い゛!いぐぅ゛いぐぅ゛!いぐぅ゛い゛ぐぅ゛い゛ぐぅ゛!?」  
 ジョオオオオオ!プシュ!プシュ!プシュ!  
 
 ガポッ ガポッ グボッ グブッ グボッ  
 「お゛っ、ごぼっ、…あ゛、ぉおあ゛…っ!」  
 なんだこれ?なんだこの状況、後ろ手に緊縛した妹をぺたん座りにして、仁王立ちになり、  
いきり立つ肉棒をしゃぶらせる兄の姿がそこにはあった。  
 てっ、言うか。僕だった。  
 ちょっとまて、おかしいぞ実際、前といわず後ろといわず、何発出したと思ってるんだ。  
しかも全部中出しで。  
 僕の中の吸血鬼の部分が精液を出した先から補充してるんじゃあるまいな。  
 しかし、僕を罵倒しまくっていた火憐ちゃんの口を、勃起した肉棒で黙らせるなんて堪らない感覚だな  
実際、眼に涙を溜めた媚売りの上目遣いで懸命に舌を絡ませるさまは背筋がぞくぞくする。  
「だ、出すよ。か、火憐ちゃん。の、飲むんだ…」  
 火憐ちゃんスッと眼を閉じて野苺のような唇をキュッと閉じて射精にそなえた。  
 
 ゴリッ、グリィ、と喉奥に巨大な亀頭が押し込まれる。  
 「ごっ…、ごぶっぶっ…っ」  
 肉茎が震えてる。く、くる。  
 ドプゥ!ドクゥ!ドクッドクン!  
 喉奥に放たれた生臭い精液を懸命に飲み干す。  
 「んげっ!げふぅ……ん、あ、…ふぁああ…んぐぅ」  
 プシャ!プシュュゥ!プシィ!  
 生臭い白濁液を飲み込むだけで達してしまった。精液の生臭さ、苦味、粘り、何もかもが狂おしい  
愛おしさに変換された。  
 歯に絡み、喉に詰まる粘液の不快さを、何故か心地よく感じる。  
 グチュグチュと唾液と混ぜ、流し込むと、胸元に精液の熱気が広がっていく。  
 その熱が心を満たす。もっと飲みたいと本能が叫ぶ。  
 (あちゅいっ!やけろしちゃうっ!やけろしちゃうよぉっ!)  
 
 
 行間リセット。っていうか今回のオチ。  
 
 僕と火憐ちゃんは夜具の上で恋人同士がするように寝ころび、たわいもない話をする。  
 「ちょっと、縄の跡がついちゃたかな」  
 「これぐらなら平気だぜ、兄ちゃん。明日には消えてる」  
 「そっか」  
 「ところで兄ちゃん気持ちよかったか?」  
 「ああ」  
 「そっか。兄ちゃんが気持ちよかったなら、あたしはうれしい」  
 「兄ちゃんも火憐ちゃんが悦んでくれるなら、うれしいよ」  
 僕たちは互いに笑いあった。  
 だめだ。耐えられん。  
 僕は火憐ちゃんに土下座をしていた。  
 嘘をついたっていい。騙してもいい。迷惑だってかけもいい。借りも作るし、恩だって返せない事もあるだろう  
実際。家族だからな。でもこれは甘えだ  
 
 実の妹に甘えてるってどんな状況だよ実際。  
 「に、兄ちゃんなんだよ!?」  
 「火憐ちゃん!ゴメン。兄ちゃんには彼女がいるんだ」  
 「はっ!?はあっ?」  
 途端、火憐ちゃんは僕に馬乗りになった。  
 「じゃ、じゃあ兄ちゃんとあたしは初めて同士じゃなかったのか?」  
 「う、うん」  
 「なんてこった」  
  頭を抱える火憐ちゃん。おやおやなにか、おかしいよ。  
 「っていうか。あたし達の許可を得ずに、兄ちゃんと交際してる女は一体だれだ」  
 なんだこの馬鹿は、思考が明後日の方向を向いてるぞ。  
 僕ではなく戦場ヶ原の方に敵意を向けてる。  
 僕は火憐ちゃんに殺される覚悟で告白したというのに。  
 「兄ちゃんと交際したいなら、あたしに勝ってからにしてもらおうか!」  
 馬鹿だあぁぁぁ!とんでもない馬鹿だ!!  
 
 
 かぁごめ♪かぁごめ♪。籠のなかの鳥は。何時何時、出遣る?  
 夜明けの晩に。鶴と亀が滑った。  
 後ろの正面、だぁれ?  
 後ろの正面、だぁれ?  
 
 籠のなかに鬼を追いこみ、逃げないように取囲み、鶴と亀を滑らせる。  
 縁起の良い長命といわれている動物が滑る、つまりそれは『殺す』の隠喩、  
 最後は首を切られた鬼の生首がグルリと反転して後ろの正面を見る  
 
 
 メール 一件 受信しました。  
   
 暦へ。羽川さまに許可をいただきました。  
 縁日の日に帰ります。  
 とても図々しいかもしれませんが、  
 駅まで迎えに来てくれたら  
 私、とてもうれしです。  
 
 後ろの正面、だぁれ?  
 後ろの正面、だぁれ?  
 
 
 おわり  
 
 

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