あたしの懇願に応えて、兄ちゃんの身体が全体重を込めて股間に落とされた。  
 グボッ、ゴボッ…ズボボッ、グボオォォッッ!!  
 「はっ、あっ、ああぁっ、あっ、あっ…あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…」  
 ズンッ!と鈍器で子宮を押し潰されたと思った。  
 ドクンッ…!  
 「――――――――っ!!!!!」   
 言葉もなかった。  
 ドクドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクンッ、ドククンッ!!!  
 熱い塊のような兄ちゃんの精液が子宮や膣壁を激しく叩く。  
 「…あ、ひゃ、ん…はぁ、う…んぐぅ、くうぅっ…」  
 ようやく収まってきた射精に、大きく息を吸った。  
 ズルッ ズズッ ズヌッ グプッ ズボオォォッ!  
 「あああぁぁぁ…ぁ、ひいぃぃ、いいぃぃ…」  
 あたしの中から兄ちゃんの巨根が引き抜かれていく。  
 ドロッ…ドロ…デロデロ……  
 「ふうぅぅ…ふうぅぅぅ…はあぁぁ、はひっ、ひうぅぅぅ………」  
 大きく開いたままの膣口から、精液が垂れ出てくる。  
 (せ、いえ、きぃ…)  
 鼻孔に充満する精臭に、頭の芯が痺れた。もっとよく嗅ごうとして鼻を突きだし息を吸い込む。  
 (いい、におい…)  
 ――チョロ、チョロロ…プシャァァ…!  
 丸まった身体から最後の力が抜け落ちて、クタクタと崩れ落ちたとき、オシッコが漏れ始めた。  
強烈な恍惚の瞬間が過ぎ去り、尿孔が弛緩してしまったのだ。  
 神原先生の声が、遠くから聞こえるが、絶頂の余韻に浸かったあたしにはもう、なにも感じない。  
 「さあキレイキレイしような」  
 神原先生に温かな濡れタオルで顔を拭かれて、前髪を整えられる。  
 
 脚を拘束されていた縄を緩められていたとき。  
 「火憐ちゃんの介抱は私がするから、お兄ちゃんと神原さんは休んでていいよ」  
 青い首輪を巻かれカメラを構えていた月火ちゃんが名乗りをあげた。  
 「うん、そうかではお願いするとしようか、阿良々木先輩、湯殿の用意ができている。背中を流させてくれ」  
 それ以上のことは絶対にするなよあと水着着ろよと、兄ちゃんがつぶやくと、二人は部屋を後にした。  
 部屋の中にはあたしと月火ちゃんの二人きり。  
 「うふふ…火憐ちゃん、あーん」  
 「あーん」  
 ガボッと口に異物が噛まされて首の後ろで留め具をパチンとはめられ、ほどけかかっていた脚の縄目も厳重に  
縛り直される。  
 「…?。うぐぅ…」  
 くぐもったあたしの声が室内に響くと、陶然とした月火ちゃんの声が重なる。  
 「ああ…火憐ちゃん。思った通り紅いボールギャグがよく似合うわ…素敵…」  
 あたしのお尻に馬乗りになって顔を両手で挟んで、じっとりとなめ回すように眺める月火ちゃん。  
 「ふっ、うぐっ…ふぅうぅっぅ…」  
 「なんでって顔だね火憐ちゃん。だってまだ満足してなかったでしょう」  
 胸がドキッとした。  
 「うふふ…私、分かってるんだから…」  
 月火ちゃんがあたしのお尻に腰をかけたまま、浴衣の裾を左右に開く。  
 あたしが混乱していることを敏感に察して、むしろ嗜虐的な月火ちゃんは嬉しそうに、裾を持ち上げて下腹部を  
晒した。ショーツは着けておらず、その細い可愛らしさとはかけ離れた兇悪な物体が反り返っていた。  
 弾けんばかりに怒張した赤黒い男性器。  
 眼前に迫る先走り汁を垂らす亀頭、クッキリと張り出したエラ、緩く捻れて見るからに硬そうな肉茎、張り詰めた  
薄皮に浮かびピクンピクンと脈打っている血管。  
 「ふっふぐっ!!ふぅぐぅ!!んぐぅ!」  
 「喋れないでしょ〜っ、ボールギャグっていうんだよ」  
 笑顔を浮かべ、加虐の感情をまぶした瞳であたしを見下ろしながら、うっとりとあたしに言葉をかける。  
 「火憐ちゃんがあんまり可愛い声で鳴くからさぁ〜っ、勃起ガマンするの超大変だったんだよ。お兄ちゃんも  
神原さんも生温いんだから、火憐ちゃんがあんなんで満足するはずないんだよ、ねえぇ〜っ。まだお尻の穴だって  
あるのに、オモチャ使って乳首やクリを苛めるとか。私は違うよ、火憐ちゃんが満足するまでしてあげるからね。  
ここにあるもの、みんな使ってあげるね」  
 月火ちゃんは兇悪な微笑みを浮かべて、あたしを見下している。  
 
 両腕は後ろ手に縛られ、両脚も膝が頭の方まで持ち上げられて縛られている。  
 両腕や両脚を必死に動かそうとしたが、快楽に蕩けた身体にはどうにも力が入らないし、  
神原先生の縄を引きちぎる訳にはいかない。  
 「うふふふ…」  
 月火ちゃんがあたしのお尻から腰を浮かせて、大きく割り開かれたあたしの股間を睨め付ける。  
 「ふっ、ぐっ!」  
 反射的に声が漏れ。動かない身体を必死に捻る。  
 しかし、縄の拘束は少しも緩まない。  
 荒くなった息遣いに、縄に縊り出された白い乳房が上下に揺れる。  
 その中央で乳輪までぷっくらさせた乳首が汗でツヤツヤ光っている。  
 眼を見開いて、月火ちゃんの男根に眼をやる。  
 月火ちゃんは血潮を溜めた亀頭部分を撫で擦りながら。  
 「あはは、心配しないでよ、レープとか、リョージョクとか、そんなの絶対にしないから、ね。  
ただ火憐ちゃんを満足させたいだけなんだから〜っ」  
 肉茎を振るいながら、カメラを構える月火ちゃん。  
 月火ちゃんは両腕であたしの太腿とお尻を抱え込むようにして座り込んだ。  
 カメラをあたしの顔に向けながら医者が聴診器を当てるような仕草で、ペタペタとおっぱいや腹を愛撫してくる。  
 必死になって暴れるあたしの上半身に触って、月火ちゃんは手触りや肉の付き具合を検診している。  
 「ふっ!ふっごぐうぅぅぅ!」  
 ジタバタともがくと、コポッコポッと口から唾液がこぼれ出て顎を濡らす。  
 「無抵抗に涎を流してる火憐ちゃんの唇。ツヤツヤ光ってすてき」  
 暴れまわるあたしの肌に、ますます紅い縄が喰い込んで身体を拘束していく。  
 そうするうちに、上半身を触り終えたらしい月火ちゃんは、何事もなかったように、大きく開いたままの  
膣口を覗き込む。  
 月火ちゃんはジロジロと凝視して、鼻を鳴らしてその臭いを吸い込む。  
 「お兄ちゃんと火憐ちゃんの臭いがするね」  
 「ふーっ、ふーっ」  
 羞恥に顔が熱くなる。  
 月火ちゃんは太腿を抑え付けると、指を使って肉畝を左右に割り開かれた。  
 そこからは精液と愛液が、かき混ぜられて細かく泡だったモノがコポリコポリと垂れ出てくる。  
 「う゛ーーーーーっ!!!!」  
 死にたいほどの羞恥に悲鳴を上げる。  
 「う゛ーっ、ごーーぅっ!!」  
 薄い恥毛に彩られた割れ目の奥には、白く濁った体液に濡れた紅色の襞が見える。  
 「や゛ぁぁう゛っ!!」  
 視線で犯されて、身体から力が抜けていく。自然に目に涙が溜まっていく。  
 あたしの顔は、涙や脂汗や涎でグチャグチャになっている。  
 「……んんぅ、あはぁ……いい匂いぃ…」  
 思いも寄らない事を口走る月火ちゃんに戸惑う。  
 「あ、あはぁぁ…美味しそう、な……はぁン……い、イイ…匂いぃ…火憐ちゃん…ちょうだい」  
 虚ろな瞳のまま、月火ちゃんの口元は嬉しそうに笑って舌を伸ばしてくる。  
 「うぅ…う゛っごぅうぅ…」  
 「火憐ちゃんの…ちょうだい。はぁ、あぁぁん…お兄ちゃんの…ちょうだぁい……」  
 「ん、あ゛あ゛あ゛、んごっ!あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!!」  
 絶叫が喉を突く。  
 「うふふ…お兄ちゃんと火憐ちゃんの…」  
 グンと尻から腰を捻ると、拍子があったのか細身の月火ちゃんの胸がドンと尻に押されてベッドの反対側まで  
跳ね飛び、ゴンという軽快な金属音が響いた。  
 「ふっ?」  
 「いっ!」  
 という言葉からはじまり。  
 「たあぁぁぁいぃぃぃ!!!」  
 というヒステリックな金切り声が室内に響き渡った。  
 「もう、なにすんのよ〜っ火憐ちゃん!!!」  
 たれ目を見開き頭を抱えて股間越し、あたしを見下ろしてくる。  
 「ひっ!!!」  
 底知れぬ得体のしれない感情の波に脚がブルブルと震える。全身から大量の汗が噴き出す。   
 「なにすんのよ〜っ!なにすんのよ〜っ!!なにすんのよ〜っ!!!!」  
 
 ベッドから跳ね降りて室内を物色する月火ちゃん。  
 「う、うぐぅぅ…」  
 なんとかして月火ちゃんをなだめようとするが、ボールギャグも緊縛の縄はびくともしない。  
 すると顔をいかがわしい蝶のアイマスクで隠した月火ちゃんがベッドに戻ってきた。  
 「もうっ!ちょっとおとなしくしててよ」  
 月火ちゃんは目の前に飾りの付いたクリップを差し出してくる。  
 「うっ?」  
 「これねっ。乳首に着けるんだよ」  
 「?…」  
 考える暇もなく。それを左のおっぱいの乳首にパチッと挟み着けられる。  
 「うっ、うごぉぉっつっ!!!」  
 最初に激痛が、それが徐々に鈍い痛みに変わり身体が緊張する。  
 ドクッドクッと、心臓が高鳴り、ゾクゾクッと背筋が凍り付く。  
 …痛い?痛…い。痛い。痛い…。けど…悲鳴が出るような痛みじゃな…い。  
 もっと…じわじわって…。鈍い…痛み…  
 ちっち…乳首にこんなのって…。何…この変な、痛み…。ジンジンする、胸の奥…  
 ジンジンって。胸の奥が?…変。お…おっお尻のあたりもムズムズす…る。  
 キュウウウウウ キュウウウウウ  
 何?痛いッ 痛い… 痛…い…  
 「右にも着けてあげるねぇ〜っ」  
 「…!?」  
 キュッと右の乳首にもクリップが取り付けられる。  
 ギュウ キュッ キュウウウュッ  
 「…うっ?うぐぅぅっ…!」  
 …重い。胸が…重い。…痛みで、重…い。  
 いままで自覚したことのないような、おっぱいの重みが、胸にくる。  
 「…もっ…もっ…ぐぅっっ…」  
 鈍痛が縄に絞り出されたおっぱい全体に染み広がる。  
 その隙を突いて月火ちゃんが膝を揃えてお尻を抱えて股間に舌を伸ばし始める。  
 「あ、あぁぁ…くちゃ、ぴちゃ。お兄ちゃんと火憐ちゃんの…ンッ、ピチャピチャ、くちゃっ……  
ごくっ、んんぅ……お兄ちゃんと火憐ちゃんの、味がするね」  
 あたしのお尻の真上で、月火ちゃんが大きく口を開いている。  
 「うぅ…っ。うごぉぉぅぅっ…」  
 膣口から染み出る細かく泡だった体液を舌で舐め取り口で受け止め、味わい咀嚼してはゴクンと飲み込む。  
 「お…いしぃ…お兄ちゃんと火憐ちゃんの、おいしぃぃ……」  
 月火ちゃんは舌先を使って左右の太腿の附根あたりを強く愛撫し始め、そのまま、そそけ立った  
淡い繊毛を緩やかに撫で擦り、そこに至って、あたしはついに食いしばった歯の間からむせるような声をあげ、  
火のような疼きに耐えかね、マングリ返しに縛りつけられた伸びのある優美な二肢をのたうたせた。  
 「う、うっ…ぇぇ、ぐぅ」  
 股間に唇を押し当てて、チュッ、チュッと音をさせて吸っていた月火ちゃんは乳首に附けられクリップの  
重しになっている部分に目をやると。  
 手を伸ばし。根元の部分からひねりの動きを加えた。  
 そこにはON・OFFの表示がしてあり。  
 ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛  
 と右側のクリップの重し部分が振動を始めた。  
 右のおっぱいの乳首を支点に乳肉が掻き回されている。  
 「ふっふぐっ!ふぅぐぅ!!んぐぅ!!!」  
 熱く火照った顔を左右にねじらせながら、喘ぎとも嗚咽ともつかぬ声を洩らしつつ、大きく尻から腰、おっぱいを  
波打たせた。  
 縛りつけられた両腿の白い筋肉をピーンと硬直させて、室内にくぐもった声を響かせた。  
 額には汗が滲み、口枷を咥える唇はワナワナ慄え、マングリ返しに緊縛された全身には、時々電流が通じたように  
激しい痙攣が生じた。  
 「こっちも、ね…っ」  
 月火ちゃんの手が左のクリップの振動スイッチもオンにしてうしまった。  
 ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛  
 振動の二重奏があたしのおっぱいに襲いかかった。  
 「う!!!うぐぅぅっっ!!!…むふっ……んっ!んんんっっ!!!!」  
 さらに唇と一緒に舌を使って、舐めるように、くすぐるように愛撫し、次第に奥深くまで舌先で探ってくる。  
 深くえぐり始めた月火ちゃんの舌先を燃える炎のように感じた。  
 
 満遍なく愛撫されるうち、五体はすっかり痺れきり、それを防ぎ、拒否する力は完全に失われて、唇を大きく開き、  
口枷の隙間から荒々しい喘ぎがこぼれた。  
 月火ちゃんの舌先はクチュクチュと柔らかい粘膜をかき混ぜて、熱い襞を一枚一枚丁寧にめくり上げてくる。  
 「うぅっ…ふうぅ、んっ、くぅううぅん…」  
 感じちゃ駄目って思っているのに、身体は舌先の蠢きに反応している。  
 「あっ…あぁぁぁ、あぅっ……ひぃンッ!」  
 敏感な突起を舌先で弄ばれ、薄皮から剥き出しにされる。  
 「あ゛っ!う゛あぁ、ぁああん、ず、ずっ…ぅうて゛…」  
 快感で声が震える。  
 「なーにぃ。もっと吸っててーっ」  
 「アッ、クウゥゥゥ!ゾッ…ゴッゥ…っ」  
 「ここだね」  
 一番敏感な所を責めらるたびに、子宮がズクンズクンと熱く疼く。  
 情けないほど強く身体が反応する。  
 緊縛された全身の中で、快感だけが異常なまでに研ぎ澄まされていく。  
 チュッ チュルルッ  
 「ひいぃ…いぃぃい…んっ!!??」  
 散々弄ばれて膨らんだ敏感な突起の根元が指先でしごかれて、唇の甘噛みで引っ張り出されてしまう。  
 腰や尻がビクンビクンと大きく跳ねる。  
 「い、グゥ…い…グウうぅぅ…アハッ、うッ…イゥウゥゥッ…!!」  
 硬く尖った敏感な突起を、月火ちゃんの唇で千切れそうなほど強く引っ張りあげられて……。  
 「はうぅうぅうぅうぅ………」  
 クッと唇が離れた瞬間に……あたしは、達し、てしまった。  
 「は、あっ…はあっ…はあんっ…」  
 膝や腰が、ガクガクと震える。  
 もぎ取られそうになった敏感なクリトリスが、快感にヒクヒクと小さく蠢いている。  
 大きく瞳を見開いて、ギャグボールの隙間から大きく喘いで息を吸う。  
 あんなに激しくイッてしまった。羞恥のあまりに死にたくなった。  
 「うっ…うぅうぅぅ…ぐぅぅううぅぅっ…」  
 悲痛な叫びをあげるあたしの恥孔から、イヤらしい匂いを放つドロドロした愛液が流れ出る。  
 その愛液を狙って月火ちゃんの舌が粘膜の中に潜り込んでくる。  
 「ふうっ!うっ…んっ、んんっ!アッ!あぁぁんっ!!」  
 粘膜を舌先でかき混ぜらるたびに、ちいさな絶頂が何度も何度も訪れる。  
 頭の中でフラッシュをたかれ続けているようだ。  
 絶頂を味わうたびに緊縛された全身がイヤらしく痙攣して、ボールギャグの隙間から唾液が垂れて顎を  
濡らしていく。  
 「うふふふ…火憐ちゃん…。可愛い…っ」  
 月火ちゃんは優しい瞳で、あたしの絶頂を見つめている。  
 絶頂のたびにビチャビチャと愛液が飛び散って月火ちゃんの顔を濡らしていく。  
 あたしを見下しながら、月火ちゃんは恍惚の表情を浮かべて微笑んでいる。  
 
 イかされ続けて、意識が混濁している。  
 月火ちゃんがあたしのお尻の穴にペロペロと舌を這わせている。  
 「お尻のなかも…綺麗にしないとね」  
 蝶のアイマスクを着けた月火ちゃんがあたしに話しかけてくる。  
 「…ぅお゛、ぐぅ、りぅ…」  
 汗の浮いたあたしの尻肌をねっちこく撫でまわす。  
 月火ちゃんの手は、尻の形を確かめるように這いまわり、ところどころ指先をくい込ませて肉づきを味わう。  
 「火憐ちゃん、お尻の力を抜くんだよ」  
 月火ちゃんの指をさけることも、振り払うこともあたしにはできなかった。  
 「ふ、ぁはひぃ…ふいお…おおぉぉ…」  
 喉の奥で狂おしいまでに叫びながら、腰をよじる事しかできなかった。  
 月火ちゃんの指先と舌先が肛門をゆるゆると揉み込んできた。  
 お尻の穴が怯えきってキュウ、キュウとすぼまる感触を楽しむように、揉みほぐしにかかる。  
 「ちゃんとほぐさないと痔になっちゃうもんね〜っ」  
 お尻の穴がゆるゆる揉みほぐされていく感覚がたまらない。  
 あたしの肛門は愛撫に揉みほぐされて、緩みはじめた。  
 「指、入れるよ…」  
 月火ちゃんはゆっくりと指先をあたしの肛門に押し入れていく。  
 指で粘膜を縫っていくようだ。  
 
 「ふっ!!??」  
 月火ちゃんの指先があたしの肛門を深く縫って、淫らに動いた。  
 今にも漏れ出そうな嬌声を、あたしは喉の奥で懸命に押さえた。  
 肛門で月火ちゃんの指が動くたびに、爪先や指先がピクピクと空を掻く。  
 「うふふふ…、クイクイ締めつけてくるね、火憐ちゃん。そんなにいいの」  
 指を回転させて、抽送させ、あたしの肛門を捏ねるようにして嬲ってくる。  
 いくら平静を装っても、顔が熱を持ち赤らんで頬がピク、ピクと引き攣り、次には唇で  
ボールギャグを噛みしめる。  
 マングリ返しされ天井を向いた尻肌をねっちこく撫でまわす月火ちゃん。  
 「お尻の力を抜いて火憐ちゃん」  
 腰をよじって指を避けることも、振り払うこともあたしには許されない。  
 胸の内で狂おしいまでに叫びながら、されるがままにされる。  
 「火憐ちゃんのお尻の穴、いい手触り。可愛い」  
 加虐の微笑みでまた囁きながら、あたしの肛門が怯えてキュウ、キュウとすぼまる感触を  
楽しむように、月火ちゃんは揉みほぐしにかかる。  
 「ん゛〜〜、んっ〜〜」  
 あたしは必死にお尻を引き締めて耐えた。  
 必死にひきすぼめているのを、ゆるゆる揉みほぐされていく感覚がたまらない。  
 肛門は次第に揉みほぐされて、緩みはじめた。  
 「それじゃ浣腸するから。しばらく待っててね」  
 月火ちゃんの囁きに、ハッと身体を硬くして、すがるような眼で月火ちゃんを見た。  
何か言いたげに、ギャグを噛む唇がわなないた。  
 肛門から指が抜けて、変わって硬質な感覚が尖ったクリトリスを襲い。  
 同時に鈍痛と振動が炸裂した。  
 乳首に付けられているクリップと同じモノが勃起した肉芽を挟んだのだ。  
 「ふっ!!ぐぶっ!!うっ!?ふう、ぎつっっ!ぶっふぅうぅ!!!」  
 乳首と肉芽に鈍痛と振動の快楽が響き渡る。  
 鈍痛と振動の三重奏が身体の中でシェイク状態になり。  
 力の抜けきった身体がビクビクと跳ねて、腰や尻が痙攣した。  
 「ーーーーーーーーあ゛あ゛あ゛あ゛、ぶっぁぶっ!?」  
 後ろ手に緊縛され、マングリ返しにされた裸体があたしの意思を無視して悶え狂う。  
 
 そして硬質な感覚があたしの肛門を貫いてきた。  
 「あ゛……ぶゃ、っん゛」  
 硬質な感覚がエネマシリンジのノズルであることは、見なくてもわかった。  
 そのノズルはあたしの肛門に深く埋め込まれ、そこから伸びたゴム管は浣腸液の満ちた洗面器に  
浸かっていた。  
 気丈にもこれまで耐えていた強気の顔が緩み、ベソをかきそうになった。  
 そんなあたしの顔を月火ちゃんはたまらないモノを見るような眼で見下しながら、自身の股間に隆起した  
肉棒を上下に擦っている。  
 月火ちゃんはあたしの顔を覗き込んで微笑むと、ゴム管についているゴムの球をゆっくりと握りつぶした。  
 手をはなすと、プラスチック容器の中の浣腸液が、ズズッと球に吸い上げられた。もう一度握り潰すと、  
今度はドクドクとあたしの肛門に流れ込み始める。  
 「う、うぐぅぅぅぅ、ふぅぅっ」  
 腰がビクッとふるえたかと思うと、見る見る首筋まで熱を持ち始めた。  
 まるでヒルがお尻の中に入り込んでくるようなおぞましさに、肛門に力を込めるが、注入を押しとどめる  
はすもなく、ドクッ、ドクッと入ってくる感覚に熱を帯びた身体が総毛立った。  
 「ひ、ひぅぃうぅぅ…」  
 ボールギャグを噛みながら、口の中で呻いた。  
 「まだまだたっぷりと入れてあげるから、じっくりと味わってね」  
 月火ちゃんは愉悦の色を隠すこともなく囁いて、ゆっくりとゴム球を握りつぶしていく。  
 ゴム球を握りつぶされるたび、薬液はゆっくりとあたしの直腸を満たし、腸襞を刺激して、重苦しい圧迫感を  
生みはじめた。  
 目の前の股間がふるえだして、尻がモジモジする。  
 そんなあたしを見下しながら、月火ちゃんはさらに強くゴム球を握りつぶした。  
 強く握りつぶせば、それだけ薬液も強くあたしに注入される。  
 「ひっ!ひぃぃぃぃっ」  
 あたしは月火ちゃんを見て、眼で必死に哀願した。  
 だけど、月火ちゃんは加虐と愉悦を浮かべた微笑みを返すだけで、ゆっくりとゴム球を握りつぶす手を止めない。   
 浣腸液はあざ笑うように、ドクッ、ドクッと入ってくる。  
 
 腹部の重苦し圧迫感は次第に便意に変わり始めた。  
 「ん、んごぉぉ、っ!!」  
 顔を左右に振って。爪先をグッパッと反り返して足首に絡まる縄をギシギシと軋ませてもがく。  
 乳首も割れ目もお尻までも、グチャグチャに捏ね回される。  
 「お゛な゛が…あぁぁ…」  
 恥ずかしさのあまりわめき散らしたいが、そんな気力は残ってはいない。  
 一度便意を意識すると、それは急速に膨れあがった。腹部がグルルと鳴り始めた。  
 あたしの顔が蒼ざめてくるのを月火ちゃんはじっくりと観察している。  
 力なくイヤイヤと顔を横に振る。  
 尻肌に汗を浮かべて、腰が小刻みにふるえ出す。  
 が、更に入ってくる浣腸液に、便意がギリギリと膨れあがった。  
 あたしは唇でボールギャグをキリキリと噛みしめて、今にもほとばしらせてしまいそうな肛門を  
必死に引き締めているのがやっとだった。  
 エネマシリンジの管が刺さった股間がひとりでに蠢き、ボールギャグの孔から漏れ出る唾液が  
顎から喉を濡らして、息さえまともにつく余裕も失っている。  
 「…だ、う゛え゛え゛え゛…」  
 声にならない声をあげて、目尻に涙を溜めて必死に月火ちゃんに哀願の視線を送る。  
 脂汗が吹き出て、玉の汗が幾筋も裸体を滑り落ちる。  
 「まだまだ、半分も入ってないんだよ」  
 「ぞ…!?、ぞ、う゛…だ…」  
 きちゃう…また…波がぁぁ…  
 「ん゛っん゛っん゛っ〜〜〜〜ぅっ!!!」  
 「…?。潤ってる…物欲しげにパクパクしてる?」  
 「ひ、ぐうっ…」  
 月火ちゃんの指先があたしの股間をまさぐりはじめる。  
 愛液を滲ませた肉の合わせ目に分け入ろうとする。  
 その間も月火ちゃんはゴム球を握りつぶし、ゆっくりと薬液を注入していく。  
 「う、うぐぅぅぅっ」   
 羞恥に耐えきれず。くぐもった声をあげ、弱々しくかぶりを振った。  
 ついに粘膜に指を分け入れられて、あたしは腰をブルルッとふるわせた。  
 あたしの膣粘膜の襞を撫でつつ、勃起した乳首をじっと見ている。  
 「濡れてる…っ。火憐ちゃん。もしかして浣腸気に入った…」  
 月火ちゃんはまたゴム球を握りつぶした。  
 ドクドクと薬液が流れ込み、あたしはヒッと喉を絞った。  
 もう限界に達した便意が荒れ狂い、汗まみれの肌は総毛立っている。  
 「もうすぐ全部入るよ」  
 そうして、何の抵抗もできないまま最後のひと握りを与えられる。  
 「ちゃんと肛門締めててね」  
 と月火ちゃんはノズルが肛門から引き抜いた。  
 「ひ、ぐうぅぅぅぅっっっ…!!!で、でう゛…で、うぅぅぅ…あっ…うあああぁぁ!!ばぁ、ぶぅぅぅ…  
う゛、う゛、う゛、う゛、い゛…う゛ぇぇぇ…」  
 紅い縄に彩られた裸体を悶えさせて、必死に便意を押さえ込もうとする。  
 冷静な事を考えて気を逸らそうとしてもとても無理だった。  
 緊縛の縄は少しも緩んではくれないし、排泄したくて、お腹に溜まったモノを出したくて、思考の全てがそちらに  
向かってしまう。  
 必死で踏ん張ろうとするが、無理な姿勢がたたり身体は疲労しすぎていた。  
 「あぁぁぁ……はぁあぁあぁン…」  
 艶めかしい声に合わせて、ドロドロに溶け出した内容物が直腸にまで迫って来ている。  
 「う゛、うええぇぇんん…」  
 まるで鳴き声のような、だらしない悲鳴が涙とともに溢れてくる。  
 月火ちゃんはベッドの上で仁王立ちになり浴衣の裾を開き、便意に身悶えるあたしを見下しながら赤黒い肉竿を擦り  
はじめている。  
 「はあっはあっ…火憐ちゃんの…その格好…その顔…たまんない…」  
 その細身に不釣り合いなほどに隆起した男性器を上下に擦りあげて。加虐に満ちた笑みを浮かべて  
あたしを見下している。  
 「…火憐ちゃんに突っ込みたくて…たまんない…でも、駄目…無理矢理は…駄目…火憐ちゃんから…求められるまでは…  
駄目…」  
 肥大した亀頭の鈴口から白濁の粘液を二度三度吐き出して、あたしのお尻にふりかけると、そのまま真後ろにぶっ倒れて、  
ぴくりとも動かなくなった。  
 「!!!???…。うっうごうっっぅぅ…」  
 
 「しかし本当に生えているんだな。阿良々木先輩は知っていたのか」  
 「いや。しかし心当たりはある」  
 「ほうそれは」  
 「あまり語りたくもない話さ、オオカミ男ときてフランケンシュタインの怪物の話なんてしたら狙ってると  
しか言われかねないからな」  
 「しかしこういったモノは私にこそ生えていて然るべきなのに、どうやったら生えてくるのだろうな」  
 「知らねえよ!それよりも月火ちゃんは本当に大丈夫なのか」  
 「ああただの貧血だろう」  
 「貧血」  
 「ああ、こんな細身の身体に、こんなごついモノを生やして勃起させたら頭に血が回らなくなるだろうさ  
 つまり…」  
 「やめろ!それ以上話すな」  
 「んっんん!んぶぅ」  
 けたたましい声に意識が揺さ振られて、ゆっくりと意識が戻る。  
 ん?  
 腕が動かせない。  
 ベッドに寝かされてるっぽいけど。  
 身を捻ると縄がギシと軋んだ。後ろ手に緊縛されてる?  
 まあしょうがないか。火憐ちゃんにあんな事しちゃったし。  
 「んっ!う〜うぶぅぅ〜っ」  
 首を動かし火憐ちゃんのくぐもった声のする方に視線を泳がせる。  
 火憐ちゃんはポータブル便器に座らせているが、ボールギャグを噛まされて後ろ手に亀甲縛りに  
されたまま視線を逸らされないように顎を持たれて、お兄ちゃんと見つめ合っている。  
 「おっと。火憐ちゃんは出したろうか?」  
 「いや。まだ」  
 「お兄ちゃんの前だから我慢しているのか、可愛いな火憐ちゃんは、まあもう持つまい、お腹が  
ひとまわりも膨れるほどの浣腸だったようだからな。ひり出す瞬間はしっかりと火憐ちゃんの瞳を  
見つめていてくれ」  
 カメラを構えながら汗の浮く火憐ちゃんの腹部を神原さんがスリスリと撫でまわす。  
 「ふ、うぶぅぅぅぅ」  
 「まったく火憐ちゃんも人が悪いな。まだ足りないのなら遠慮せずに言えばいいのに。すっかり騙されて  
しまったぞ」  
 便器の上で大きく割り開かれた脚から尻をビクビクと震えさせて。緊縛された全身を小刻みに震えさせる。  
 「お、最後の波が来たかな。火憐ちゃんもしっかりとお兄ちゃんの目を見つめるのだ!ひり出す瞬間を  
しっかりと見てもらえ」  
 「あっ、うあぁぁぁっぅ!!!」  
 
 ジャー ゴボゴボゴボゴボッ  
 
 阿良々木火憐は色々な意味の汗と緊張にまみれながら、品定めをしていた。  
 場所はとある仕立て式の衣料店だ。オーダーを行い、奥座敷でそれを仕立て上げる方式。  
 神原駿河が持ってきてくれた首輪の列を掲げて、  
 「え、ええと、これとか……」  
 「この、鎖が装飾としてついたのとか、火憐ちゃんの芸風に合致してんじゃね?」  
 と横から兄ちゃんが言ってくる。  
 「そ、それもいいかな」  
 「火憐ちゃん、喉上げて」  
 ときたま、無造作に、兄ちゃんが喉に手指を回して首輪をつけてくる。掠って喉に  
触れる手がくすぐったくて、声が出そうになって、  
 ……く!が、我慢我慢―――!!  
 その手指が、いきなり喉元にまで差し込まれてきた。その感触と驚きに、  
 ……ひん!!  
 何か、確実に身体の中、臍の奥下あたりで分泌した。蒸し暑い汗が一気に出て、身が  
一度震え、喉から口から舌からが緩みそうになり、  
 ……ひあ―――!!!  
 悶絶しかけた。ぐったりして床に伏すか、そのまま倒れ込んで喉を擦り付けるか、必死に  
耐えて、床に爪を喰い込ませるかの三択だ。  
 だが、未だに続くくすぐり痒い喉責めの中、  
 「ほんと火憐ちゃんて喉弱いね、ここらへんに振りまくってる尻尾ないかな」  
 あきれ顔の月火ちゃんが、こちらの崩した正座の後ろ、尻の間を下がるラインに沿うように、  
いきなりその手を差し込んできた。  
 ……ッ!  
 
 反射的に尻を跳ね上げて逃げると、身体が前に倒れた。  
 正面、兄ちゃんが支えようとしてくれるが、間に合わないし、届かない。だから、  
 「ぐ……」  
 あたしは床に伏して、喉から腹下あたりまで届く震えを隠し堪えた。立てた膝、掲げた形になる  
尻は恥ずかしいが、今、変に動けば、自分の中で何かおかしくなってしまいそうな気もする。  
だから、膝を揃え、内腿に力を入れて堪えていると。  
 「よしよしよし」  
 神原先輩の手が頭を撫でに来た。  
 だが、月火ちゃんまでもが、頭を撫でてきて、  
 「どうどうどう」  
 ……それは馬用―――!!  
 あたしはとりあえず、不機嫌という顔で身を起こす。  
 ……おおっ?  
 兄ちゃんがつけてくれた首輪が、横の姿見の中、自分の首に見えている。  
 
 銀細工の華美な装飾ついた深紅の首輪。付属の装飾として鎖をつける金具もついたものだ。  
指で伝うと、鏡の中の自分は、打ち込まれた銀の装飾に触れ、  
 ……ちょ、ちょっと派手すぎ。  
 どうしようかと、そんなことを迷っていると、みんなが鏡を覗き込んで来た。  
 「とても良く似合っているぞ」  
 「いい感じだね」  
 「もっと派手なのとか、ゴツいのとかが良かったか?」  
 皆の微笑みがこちらに向いていることに気付きながら、首輪を両手で軽く持ち上げた。  
 三人に首輪を掲げた自分を見せるようにして、笑みになることが出来て良かったと、  
そんなことを思いながら。  
 「では、これにするか、しっかり作るから、注文しても、出来上がるのは当分先になると思うが」  
 
 あたしの両腕は神原先輩と月火ちゃんで塞がっているので、  
 「ほら火憐ちゃん!あ―――ん!して!するの!ほら!」  
 「……あ」  
 周囲の視線がこちらに来ていないだろうか、と、そんな事をおもいつつ、  
 兄ちゃんとデートしたい。  
 そんなささやか望みは叶えられたが、クレープ屋で両腕に絡まれているのが神原先輩と  
月火ちゃんなのはどういう訳なのか、それに、あたしが完全に男役?しかし口にクレープを  
運んでもらっているしと悩む間もなく、対面に座る兄ちゃんも女の子同士の絡みを笑みを浮かべて  
眺めている。  
 まいっかと、みんな笑ってるし。  
 差し出されたクレープの焼かれた皮先に舌から触れ、中を?くようにして口に含んで軽く吸い潰せば、  
 ……・あ。  
 クリームの口残りや、鼻に上がってくるバターの香味は、脂を用いた洋菓子ならではのもで、甘い中に  
塩の味を感じる。口溶けは早いが、練ったような感触を得るのは、糖分と脂のおかげだろう。水飴に似ている、  
と思う一方で、甘味と餡や、焼き菓子のバリエーションで作られる、和菓子とは別の感覚が刺激されて、  
 ……おおう。  
 もう一口に歯を合わせる。  
 二度目には、慣れがある。卵の風味のある皮もだが、中のクリームが、  
 …たまらん……これ確実に太るー……  
 でもこれは好きの部類だ。  
 舌と上顎の粘膜で潰し、絡めていると、味は段々と頬に逃げていく。泡立つような粘りの感触が子供の  
泥遊びのようで、舌で拭うようにして口の形に合わせていく。  
 口の中に、皮からバターの味が染み出す頃には、  
 「ん、んんぅ」  
 口の中にあるものを、舌に乗せた皮で改めて拭い取り、淡く噛んでからぬるりと呑み込んでいった。  
 塊のような、粘るものを、噛んでちょっとずつ喉に通した方が長く味わえたとも思うが、舌のざらつきに  
残った味で口の中を拭えば残り香は充分に来る。これは、今のように、一息に呑み込むのが贅沢なのだと、そう思う。  
 そして、口で息を吐けば精液の匂いが出そうで、鼻を通してザーメンの香りを吐息すると、  
 「……月火ちゃん?」  
 月火ちゃんが、口を両横に伸ばすようにして、ことらの口元を見ている。  
 「本当に美味しそうに呑むのよね、そんなに好き兄ちゃんの?」  
 「兄ちゃんの……」  
 「そう、ドロドロの生臭いの」  
 なま、ぐさい……  
 「火憐ちゃん夢でも見てるの」  
 ゆ、め…  
 「ちんぽしゃぶってる時に別の事考えてた」  
 笑顔を浮かべ、加虐の感情をまぶした瞳であたしを見据えている。  
 
 こ、ここは……  
 薄い蝋燭の灯火に照らし出された室内には、檻や三角木馬に拘束具の着いたベッド。床には餌皿やオマル。  
壁一面に鞭や、ガラス製の器具、男根を模した張り型、革製の拘束具が並べられ、天井の太い梁には滑車や  
吊り具、縄にチェーン等がぶら下がり、部屋の隅やベッドのそばにはカメラが据え付けてある。  
 中世の拷問部屋をおもわせるような…。女を…そうするような室内のベット上、  
 「どうだ、阿良々木先輩、着衣緊縛もなかなかそそるものだろう。赤襦袢に白い蝶群と裾に粉雪の舞い絵柄、  
肩にはおらせただけの後手緊縛でおっぱいを根元から縊り上げて、白足袋の純和風」  
 あたしはベットの上で膝立ちの体勢で神原先生にお尻の穴を双頭の張り型で挿し貫かれておっぱいをぐにぐにと  
揉まれている格好だ。  
 「うふふ、…穴の周りの皺が全部、これ以上ないくらい引き延ばされて。最高の眺めだ」  
 「いちいち言い方がねちっこいんだよ神原」  
 神原先生に後から犯されているあたしの前には兄ちゃんが仁王立ちになり、その下腹部の肉棒をあたしは夢中に  
なってしゃぶりついている。  
 「もうお兄ちゃんばっかりずるい、私も火憐ちゃんのお口に突っ込みたいのに」  
 月火ちゃんも蒼い首輪以外はほとんど丸裸のすっぽんぽんでショーツすら着けておらず、下腹部にはその細身の  
可愛らしさとはかけ離れた兇悪な物体が臍まで反り返っていた。  
 弾けんばかりに怒張した赤黒い男性器。  
 眼前に迫る先走り汁を垂らす亀頭、クッキリと張り出したエラ、緩く捻れて見るからに硬そうな肉茎、張り詰めた  
薄皮に浮かびピクンピクンと脈打っている血管。  
 
 「月火ちゃん、そんなに興奮したらまた貧血で倒れてしまうぞ。ほら、まだこちらのイヤらしい  
肉孔も物欲しそうにヒクヒクしているぞ」  
 神原先輩はあたしのオマンコの肉襞を月火ちゃんに向けてクッと割り開かせて見せる。  
 「そっちもいいけど、今は火憐ちゃんを見下しながらお口に突っ込みたい気分なんだもん、  
いいもんこのまま突っ込んじゃうから」  
 あたしには月火ちゃんの言っている意味が分からなかったが、嗜虐的な月火ちゃんは嬉しそうに、  
兄ちゃんの巨根を咥え込んでいるあたしの頬に自らの肉楔を寄せてくる。  
 「んぐぅ…」  
 グイ…  
 「ちょっと月火ちゃん」  
 兄ちゃんも困惑しているが月火ちゃんはお構いなしだ。  
 怒張した筒先は兄ちゃんの巨根を咥えている唇の端を抉りだしてくる。  
 じゅぐぐぐ ぐちゅ ぐぐぐうぅぅ  
 「もぐぁっっ」  
 頭を持たれて月火ちゃんはさらに腰に力を込めて突きだしてくる。  
 「ほらあっ、ちんぽ好きでしょう。もう少し気合い入れて…お口開いて。みんなで楽しもう  
ほらぁ、なにそんなの無理、入らないって顔してんの」  
 ボフォッ  
 「おぶぉぉっ!?」  
 極限に割り開かれた唇の端から月火ちゃんの巨根が文字通り捻り込まれた。  
 目の奥に火花が走って、眼前が真っ白に染まってしまった。  
 「月火ちゃん!何考えてんだ。火憐ちゃんの顎が外れたらどうするんだ」  
 「うるさいなあ。だったらお兄ちゃんがその無駄にデカイの抜けばいいでしょう、私はいま  
火憐ちゃんのお口に入れたの!!」  
 「まあ、なんと言おうか、阿良々木先輩。火憐ちゃんは大丈夫そうだぞ」  
 「そんな訳あるか、目を見開いて身体が痙攣してるじゃないか」  
 「いや、なんと言おうか、火憐ちゃん。いまのでイったらしい」  
 火憐ちゃんの股下には仄に香る染みが拡がっていた。  
 「じゃあ、しょうがないかこのまま」  
 「このまま、楽しもうね火憐ちゃん」  
 月火ちゃんが腰を動かすのと兄ちゃんが動き出したのはほとんど同時だった。  
 「をぶっ ぬごっ」  
 二本の巨根が、あたしの口腔内をピタリと密着した状態で前後に抽送される。  
 同時にお尻の穴にも男根の張り型が出し入れされて。  
 身体の中で快感と息苦しさで混じり合って、  
 ゴブァ ずぼっ ゴブァ ずぼっ ゴブァ ずぼっ ゴブァ ごぼぉ ゴブァ ずぼぉ ゴブァ   
 ふげっ えげっ んごっ げおっ うおっ をろぉぉ〜っ  
 「いっぱい出してあげるね火憐ちゃん。お兄ちゃんもなるべく一緒にイってね火憐ちゃんのお口に  
二人分一緒に」  
 「う゛っ お゛えっ ウ゛オ゛ッ」  
 どく どく どくんっ  
 最初に来たのは月火ちゃんの迸りだった。その兇悪な粘液の濁流のすぐあとに兄ちゃんの熱い渦が喉奥に  
吐き出された。  
 どくっ どくっ どどくん どくん どくっ  
 射精を終えた肉棒がようやく口腔から引き抜かれると、呑み切れなかった熱い白濁液がプルプルと震える  
上唇や舌先から糸を引いて顎から喉を垂れて落ちた。  
 「え…ぷっぉ……」  
 前に崩れ落ちそうになった所を、神原先輩に止められ真後ろに引き倒された。  
 「ひひひっ、いらっしゃい」  
 そう言うと、神原先生は下からお尻を突き上げておっぱいを揉み始める。  
 神原先生の上であたしは「ハッ」とか「はへっ」とか息も絶え絶えに喘いでいた。  
 「もうなによ火憐ちゃん!せっかくたっぷり出したのにほとんど呑んでないじゃん」  
 「いや出し過ぎだと思うぞ」  
 「うるさいなぁ!まだ二発目なんだからしょうがないでしょ、それに火憐ちゃんがちんぽ以外の事を考えて  
惚けてるのがいけないの!それに」  
 月火ちゃんはあたしの頭に跨がり首輪に繋がった鎖を引っ張り上げて仰け反った喉奥に再び硬度を増した。  
巨根を再び喉奥にねじ込んできた。  
 「射精したらすぐにちんぽ掃除でしょ」  
 ガボッ グボッ ドスッ  
 首輪の締められた首に、内側から亀頭の圧力が来て、内外から喉が圧迫される。  
 
 「オ゛ッ… オ゛ウ゛うっ…ゲ゛ボッ…」  
 ギュチュィと首輪が軋みの音を上げ、革が悲鳴をあげる。  
 「火憐ちゃんに突っ込む大切なちんぽなんだよ。舌でキレイキレイしないと、そんなの常識でしょ、  
お兄ちゃんも惚けてないで火憐ちゃんのオマンコに突っ込んであげてよ」  
 「いや、しかしなこの体勢だと神原が潰れてしまわないか」  
 「心配無用だ阿良々木先輩、むしろ体重を掛けてくれないと圧迫されないではないか、三人分の体重の掛かった  
火憐ちゃんの肢体に圧迫されて、ベットに埋まって圧迫祭りだ」  
 
 「お前に聞いた僕が馬鹿だった」 平野○太 ヘルシ○グ調 ギャグ 暦画  
 
 「それじゃ僕も参加させてもらうとするかな」  
 「くふふ、火憐ちゃんも幸せものだな、女体に備わった最大の肉孔を三本差しにされて、思う存分おんなの  
性分を味わい尽くせるのだからな」  
 両脚が割り開かれて、一度二度とあたしの肉襞の広がりに沿って肉棒の先端が這ってくる。肉襞がうれしさに  
わななき蠢いて、男根の表皮に絡みつくのがわかる。そんな柔肉を、引き摺り込むようにしてゆっくりと挿入  
されてくる。  
 「あ゛、い゛いぃぃ…あぁぁ…っ」  
 あたしの腰がよじれ、ずり上がろうとする刺激を喉奥への刺激がそれを押さえつける、身体が二つに折れそうだ。  
 膣内を深く底まで貫かれて、先端が子宮口にとどき、ズンと衝き上がる。  
 「ぴぃぃい…」  
 割開かれた両脚が突っ張り、つま先が白足袋ごとよじれて反り返った。  
 「うわっ!つま先エロぉぉぃ…」  
 と月火ちゃんが驚嘆の声を上げた。  
 「ひひ、もう気をやったのか火憐ちゃん、やけにはやいな。いいぞ何度でもイっていいぞ」  
 あたしのおっぱいを揉みながら神原先生が何か言ってるけど意味が読み取れない。  
 みんなが喜んでくれているのはわかるので、別に構わなかった。  
 兄ちゃんもゆっくりとあたしに腰を打ち込みはじめた。  
 リズミカルな動きがあたしをゆらして緊縛の縄がギシギシ鳴った。  
 「あ、ああ……あああん…ん゛おぉぉん…」  
 グッタリとする余裕もなく、あたしは喉と尻孔とオマンコから送り込まれる恍惚感に翻弄されるがままだった。  
 「うふふ、わけもわからくなったように、あわれもない泣き声をあげて」  
 月火ちゃんが、口腔を犯しながらあたしの臍あたりにキスをしてくる。  
 「あ゛、あおうぅぅっぅ…い、いい…おぼぅぅ…いぐぅぅぅ…」  
 喉奥を犯されながら自分が聞いても恥ずかしくなるようなよがり声が唇の端から染み出でしまう。  
 「ひひひ、いい声だ。火憐ちゃん遠慮するなどんどん鳴け」  
 「これがあの美しく勇ましい火憐ちゃんの声かと疑いたくなるような、蕩けるよがり泣きだね」  
 あたしは首輪と縄と絹の赤い長襦袢に彩られた裸身を激しく波打たせて嬌声をあげた。  
 
 僕のでっかい方の妹である阿良々木火憐が神原邸の前で「んッ…んっんんっ!」と声を洩らしながら  
背伸びをしている。  
 「いや〜っ!すっきりした。お肌スベスベ!すげーっ美容効果」  
 馬鹿は手鏡を見つめて頬に手を当てながらにんまりと笑っている。  
 対する僕たち三人は死屍累々のありさまで、神原ですら目の下にクマを作って栄養ドリンクをストローで飲んでいる。  
 「では阿良々木先輩、私はここで失礼させてもらう、今日以外ならいつでも声をかけてくれ」  
 「ああ、今日はありがとうな」  
 「神原先生ありがとうございました」  
 あの神原ですらこのざま。月火ちゃんに至っては僕の背中でスヤスヤと寝息を立てている。  
 一方この馬鹿はなんでこんなに元気なんだ。  
 「じゃ兄ちゃん。あたし水鳥くんに会ってから帰るから、お先に失礼するぜ」  
 「ああっ、もう帰ってこなくていいぞ」  
 あっという間に姿を消した馬鹿を尻目に僕は一考した。  
 僕は火憐ちゃんを存分に攻めていたはずなのになんなんだこの敗北感は、もう寝よう考えるのめんどくさい  
寝よう。  
 そんな僕の考えとは裏腹にひたぎから勉強お誘いメールが届いたのはその直後だった。  
 
 
 というわけ今回のオチ。  
 
 僕は思った。自分は、もっと女らしく、美しく、穏やかで優しい人と恋に落ち、結婚して、残りの人生を  
歩んでいくつもりではなかったか、と。  
 少なくとも、空手で戦うような人とは噛み合わない筈ではなかったか。  
 …だ、駄目です!これは、お、おかしい……!  
 意識してからもう止まらなかった。  
 このままでは駄目だ。と。  
 このままでは、僕はおかしくなってしまう。  
 …僕は―――。  
 間違っていた、と僕は思った。自分の人生設計、そこに描いていた女性像は、女らしく、美しく、穏やかで優しい  
かもしれないが、自分が考えもしなかった女性像があった。それはしかも、  
 …綺麗だ…。  
 『だ、駄目っ。そんな、そんな事を、火憐先輩を僕の触手で…』  
 ひとしきり想像して悶えつつ、火憐先輩のジャージの裾あたりをお臍がみえないかちらァしながら、僕は思った。  
 僕は考えていた。自分は触手だ。正真正銘の純血種である。することは大体決まっている。だから相手の心を  
ほぐして安心させる意味と、後の人生の事を考慮して、火憐先輩にこう言った。  
 『すいません!手始めに揉ませて下さい!』  
 僕は地面に叩きつけられた。  
 『……!?』  
 僕の人生にして、初の衝撃が全身を襲った。  
 体中の血が、表面側に集まるような高速スピン。そして天地が逆になる旋回と、全身が潰れて弾けるような。  
 …叩きつけ…!?  
 食らった。体が弾力でバウンドする事すらない。完全なまでの叩き込みだ。  
 吐き気と言うよりも、全身が外にぶちまけられたような衝撃が僕の体に来た。  
 息どころか、鼓動すら揺れた気がする。    
 這いつくばり煽りで見る胸も、臍に下る締まったラインも、こちらを見下し見るために半身に捻ったウエスト  
からこちらに軽く突き出された尻が、  
 …だ、駄目です!み、見るなんて淫らな!…ちらっ。ああいやらしい!  
 だが、風に、彼女のポニーテールが靡き、ほぐれた。  
 ……わ。  
 鼓動が跳ね上がった。人間形態を維持できずそそり立ちそうだった。  
 ああっまた火憐先輩で淫らな想像を僕の馬鹿馬鹿、触手の恥だ。  
 塩だ塩をスピンするヘッドから被って落ち着くんだ。  
 やはりあのあとすぐに  
 『こ、今度、また僕と会ってくれますか!?』  
 と告白してよかった。  
 すぐに「再戦希望か。やるね」って、言ってくれたし。  
 ああ、しかしこの写メールは誰が僕に送ってきたんだけしからん。  
 僕の火憐先輩をこんな無粋な縄で縛り上げて。  
 写メールの中の火憐先輩は浴衣の前をはだけさせて縄に絞り込まれたおっぱいをさらすどころか、その肩までも  
剥き上げられて、裾を大きく割り開き生足をさらしていた。  
 縄に絞り込まれたおっぱいや縦に縄の食い込んだ下腹が完全に露出している。  
 誰の手か知らんが臍下の股縄を引っ張り上げられてグィと引き起こされている。  
 膝から踵が伸びるどころではない、腰を前に突きだして、背筋までがシャンと伸びてしまった   
 縄に絞り込まれた小ぶりなおっぱい、背中に高くたくしあげられて縛られた手首、細くくびれた腰に  
巻きついている縄、そしてきつく縄目を食い込ませる下腹と美尻。すべてがまばゆいばかりの美しさ  
だった。  
 僕に僕に言ってくれれば、こんな無機質な縄でなんて火憐先輩の柔肌にかすり傷でもついたらどうするんだ。  
滑りを帯びた僕の触手ならスベスベで緩急も自由自在!先端のバイブ機能で乳首もクリも刺激する触手緊縛を…  
て、僕のバカバカ。  
 こんなのフォトショップだ他人のそら似だ。ねつ造メールだ!でも一応保存しておこう。  
 ああでも今から会えるんだ、火憐先輩の声を聞いていれば僕は触手にならなくてすむんだ。  
 
 おわり  
 

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