「お〜い、八九寺」
「おや、こんにちはマハラ木さん」
「火炎系!?」
「失礼、噛みました。では改めて、こんにちはドゥナ・ロリヤッカ木さん」
「もう僕の名前知らないだろお前!」
「おやおや、『ロリ』と『ヤッカ』に食いつくとは、蘭さんも本物ですね」
「そこには反応してねぇよ! あとなんか名前の漢字が違う気がする!」
「蘭って書いてアララギって読むんですね、知りませんでした」
「いや、そんな感想はいいから」
「ところで質問なんですが、ドララ木さん」
「キタローっぽくはあってもサザエさんみたいな髪型じゃないよ!」
「ドゥナ・ロリヤッカってなんですか?」
「…いや、僕に訊くなよ」
「一瞬でも考えてくれる阿良々木さんの優しさに、私は失笑を禁じえません」
「馬鹿にされてるのか僕は」
「ええ」
「そうか」
「阿良々木さん次に『ちょっと人気のない所へ行こうか』と言います」
「ちょっと人気のない所へ行こうか…ハッ!? なんで分かった!?」
「阿良々木さんにだけは言っていませんでしたが、実は私、未来人なのですよ」
「なんで僕だけ仲間はずれにした」
「八九寺真宵と言えば『21世紀のジョン・タイター』として、ご近所では有名だったのですよ」
「ジョン・タイターも21世紀の人だけどな」
「じゃあ雷電でいいですよ」
「急に投げやりになりすぎだろ」
「だってマンダムじゃ分からない人が多そうですし」
「戻せる時間も6秒だしな」
「まぁ、その話は置いといて」
「置いといて?」
「阿良々木さんにいい事を教えてあげましょう」
「ほう」
「あと十秒以内に私にやらしいことをしないと、大変なことになります」
「なんだそれ!?」
「ツッコミが平凡ですね。…じゅ〜う」
「いやそうもなるだろ普通!」
「阿良々木さんに失笑を禁じえません。…きゅ〜う」
「またかよ!?」
「は〜ち…」
「いや、ちょっとまて八九寺…」
「ななろくご〜よんさんに〜いち」
「ブラックバラエティ!?」
「ぜろ。……」
「……」
「………」
「………」
「ふん!」
「グハァ!?」
「チキンだチキンだとは思ってましたけど、そこまでチキンだとは思ってませんでした!」
「だからってお前、男の勲章をなんだと…」
「そんな所に弱点ぶら下げてるのが悪いんですよ! 据え膳食わない阿良々木!」
「ちょ、据え膳がどこに…」
「バーカ!!」