「そういえば今日は誕生日だな阿良々木先輩」  
「は?」  
恒例の神原の部屋掃除をあらかた終えたところで神原が話し掛けてきた。  
誕生日?  
誰のだ?  
僕は違うし、家族にも知人にも今日が誕生日のやつはいない。  
「何を言ってるんだ阿良々木先輩、今まさに我々を書いているこの作者の誕生日ではないか」  
知るかそんなもん!  
だいたい作品の外のメタな発言をしていいのは八九寺くらいだぞ!  
「そこで記念にお気に入りキャラである私は阿良々木先輩を自由にする権利を得た。ああ心配しなくていい、今回戦場ヶ原先輩が登場することはない」  
神原はそう言って、反論の隙を与えることなく飛びかかってきて僕を組み伏せた。  
綺麗に片付けられた畳の上に仰向けにさせられ、両手をがっちりと押さえつけられる。  
「待て待て待て! お前が好きなのは僕じゃなくてその戦場ヶ原だろうが!」  
力では神原には到底かなわないので説得を試みた。  
神原は少し思案顔になる。  
「まあ確かにそうなんだが……でも阿良々木先輩も同じくらい好きだぞ、にこっ!」  
神原は自分で擬音をつけながら笑顔になる。  
やべぇ! 可愛い!  
惚れてしまいそうだ。  
しかしだからと言って好きにさせるわけにはいかない。  
幸い手は一本づつ捕まえられているので神原も手を使えない。  
ここから何かしようとしてもたかが知れている。  
「そうでもないぞ、阿良々木先輩」  
神原は余裕綽々な表情をする。  
「確かに私は戦場ヶ原先輩は出てこないと言った。が、私しか出ないと言ってはいない」  
え?  
…………そういえば神原はお気に入りキャラだから僕を好きにする権利を得たと言っていた。  
まさか、まさか。  
「ごきげんいかがかな、お前様よ」  
「やっぱりか!」  
いつの間にか傍らに忍が立っていた。  
これ以上ないほどの笑みを浮かべているのが怖い!  
「た、助けては、くれないかな……?」  
僕の言葉にくっくっと無言で笑うと、僕の身体にのしかかって神原の代わりに両手を押さえる。  
手の空いた神原が次々と僕の服を脱がしていった。  
「やめろ! やめてくれぇ!」  
抗議の声はあっさり無視され、僕は二人掛かりで全裸にされてしまった。  
まあ僕の周囲にいる怪力三天王のうちの二人にかかったら僕如きの抵抗なんてあってないようなものだ(ちなみにあと一人は火憐)。  
忍は部屋に転がっていた手拭いで僕の両手を後ろ手に縛り上げてしまった。  
しかも微妙に動きにくい態勢で。  
「おい、何で縛るんだよ」  
 
「お前様はなんだかんだで手癖が悪いからな、保険じゃよ」  
保険って……。  
明らかに今のお前らの方がひどいことをしているぞ。  
「そういえば」  
忍は神原に向き直る。  
「まともに話すのは初めてじゃな、儂はこやつの言うことにはどんなエロいことにも逆らえない可哀相な下僕たる吸血鬼じゃ」  
「忍ちゃん、だったな。年上と聞いているが外見からそう呼ばせていただく。私は神原駿河、阿良々木先輩の性奴隷だ」  
「おいちょっと待て」  
誤解を招く自己紹介を始めた二人に突っ込むが、二人とも無視して何かに共感したようにがっちりと握手を交わす。  
そしてそのまま。  
二人はキスしやがった。  
「何してんだ二人とも!」  
「ん、いや」  
「お前様はしてほしくないんじゃろ?」  
「だから火照った身体は私たち二人で慰めることにしようかと」  
なんでいきなりそんなに息がぴったりなんだよ!  
二人はまた唇を重ねる。  
今度は舌を絡めたり吸い合ったりして、かなり本格的にだった。  
そのまま神原は自分の服をするすると脱いでいく。  
忍も服を消して全裸になる。  
「…………」  
なんというかめちゃくちゃエロい光景が展開されていた。  
自然と僕の下半身が反応する。  
二人とも唇を合わせたままこちらに視線を向け、目だけで笑う。  
僕に見せつけるように少し唇を離して舌を絡め合った。  
唾液が唇の端から零れて顎を伝わっていくが、神原も忍も一向に気にせずに舌を動かしている。  
忍が神原の身体を、神原が忍の身体を弄り始めた。  
声こそ出さないが二人とも相当感じているようで、瞼をぎゅっと閉じて一心不乱に舌と手を動かし続ける。  
やがて二人の手は互いの股間に伸びていく。  
「…………おい」  
「わあっ!」  
「ぬあっ!」  
その時点で僕が声をかけると二人が弾かれたように飛び退く。  
「び、びっくりした」  
「なんか気持ちよくなって」  
「わけわからなくなって」  
「途中から本気になってしまった」  
セリフを交互にはく。  
本当に息がぴったりなやつらだ。  
「ところで阿良々木先輩」  
「随分と下半身を元気にさせておるようじゃが」  
「私たちが処理してやるのも吝かではないが」  
「どうして欲しいかの?」  
もう戦場ヶ原は忘れてお前らでコンビを組んでしまえ。  
そう突っ込みを入れようと口を開く。  
「二人に……してほしい……」  
………………あれ?  
 
神原と忍は僕にゆっくりと近付いてくる。  
究極の肉体美と言ってもいい身体を持っている女子高生と、凹凸こそほとんどないものの綺麗な肌をしている金髪少女。  
僕は思わずごくりと唾を呑んだ。  
「舌を出せ」  
忍に言われるままに突き出すと、二人とも僕の舌を舐め始める。  
くちゅくちゅと三人の唾液が混ざり合い、頭がじんじんと痺れてきた。  
神原は我慢出来なくなったか僕の舌を自分ので絡め取り、口に含んでしゃぶりだす。  
思わず漏れそうな声を抑え、僕は神原の口内を犯す。  
と。  
忍は?、と思った矢先。  
「んふうっ!」  
下半身から快感が伝わって来て、僕の身体がびくんと跳ねた。  
見なくてもわかる。  
そそり立った肉棒に忍の舌が這ったのだ。  
しばらくおあずけ状態だったため、快感が半端じゃなかった。  
「う……あ……あっ」  
思わず神原と唇を離し、呻き声をあげる。  
それを窺っていた神原も身体を沈めて僕の脚の間に割って入った。  
「し、忍ちゃん、私にも、舐めさせて、くれないか?」  
なぜかどもりながら神原が言うと、忍は少し頭をよけて神原を横に並ばせる。  
神原のすぐ目の前に僕の肉棒が晒される格好になり、恥ずかしいけど正直ちょっと興奮してしまった。  
「…………」  
だけど神原はじっと僕のを見ているだけで一向に動かない。  
いや、動こうとはしてるが、何か躊躇ってる感じだ。  
忍が尋ねる。  
「娘、こういうのは初めてか」  
「う、うむ、情けないがどうしてよいかわからなくてな」  
本での知識はあるのだが、と付け加えたがどうせBL本だろう。  
ならば、と忍は僕のものをきゅっと掴む。  
「儂がレクチャーしてやろう」  
「ありがたい、よろしく頼む」  
僕の意志は無視されてどんどん話が進んでいく。  
ちなみに神原の、女の子の身体ならわかるのだがな、という発言はスルーで。  
「とは言ってもそこまで教えることもないがな、我があるじ様は何をされても快感に変えてしまう能力を持っておるからの」  
「そんな能力を披露した覚えはねえよ!」  
「ん、そうじゃったか?」  
思いっきり真顔で返された!  
本当にそんな能力が僕にあるんじゃないかと疑ってしまうじゃないか!  
「とりあえず好きなように舐めてみるがよい」  
「よ、よし、わかった」  
神原は忍の言葉に頷いて舌を突き出す。  
れろ、と肉棒の真ん中あたりに柔らかい感触が這い、腰が浮きそうになった。  
忍はしばらく神原の好きなようにさせていたが、途中から指示を出し始める。  
 
「このでっぱりの裏側が感じやすいぞ」  
「亀頭に這わせてみよ」  
「割れ目を舌先でほじるのじゃ」  
「舐める角度や速さも変化させい」  
いちいち忍の指示も的確だったが、神原の動きが上手すぎる。  
声をあげそうになるのを必死に唇を噛んでこらえた。  
だけど。  
「うああっ!」  
ぬるん、と神原の舌とは違う別の刺激に僕は耐えられなかった。  
忍も僕の肉棒を舐めるのに参加しだしたのだ。  
ちょうど左右対称に二人の舌が這い回る。  
いや、神原が忍の動きを真似ていると言うべきか。  
忍がカリの部分に舌を這わすと神原も這わし、茎に甘噛みをするとやはり同じようにする。  
だんだん二人の頭が下がり、大きく僕の脚を広げさせて袋を舌で転がし始めた。  
忍が睾丸を頬張ってしゃぶりだすと、神原も口にくわえて吸う。  
「あ、あっ、うわっ!」  
左右の玉がそれぞれ二人に舐められ、吸われ、しゃぶられ、僕は快感に翻弄され続ける。  
このまま続けられたらヤバい、と思ったところで忍が口を離す。  
続いて神原も離した。  
僕は助かったような残念なような気分で肩で大きく息をする。  
「娘、これをくわえてみよ」  
「あ、ああ」  
神原は微妙に焦点が合わなくてとろんとした目をしながら口を開く。  
そのままゆっくりと僕のに近付け、先っぽを含む。  
「唇で締め付けながら顔を前後に動かすのじゃ。しっかり唾液を絡めながらな。舌を使うのも忘れるなよ」  
神原がそれに従い、じゅぷっじゅぷっと僕のが神原の口内に出入りする。  
暖かい感触に包み込まれて舌が這い、気持ちいい箇所が締め付けられるとぶっ飛んでしまいそうになった。  
慌てて腰を引くと僕の肉棒がちゅぽんと口内から外気に晒される。  
「気持ちよくなかったか、阿良々木先輩?」  
「あ……いや」  
「逆じゃよ、良すぎてたまらなくなったからじゃろう?」  
忍はくすくすと笑って僕を拘束していた手拭いを解く。  
「そうなのか? 阿良々木先輩」  
「あ、うん……まあ……」  
「おい、はっきり言ってやらんか。この娘が不安がっているではないか」  
二人がじーっと僕を見つめてくる。  
言葉責めじゃなくて言葉責められだと?  
どんなプレイだよ。  
「か……」  
「…………」  
「…………」  
「神原の口……気持ちいいよ」  
「そうか! それは何よりだ!」  
本当に心底嬉しそうな笑顔で喜ぶ。  
そして再び僕の股間に顔を寄せる。  
「もっともっと、いっぱい気持ちよくなってくれ!」  
今度は何の躊躇いもなく僕のを口に含む。  
 
僕は思わず身体が仰け反り、後ろに倒れそうになるのを慌てて手をついて支える。  
その起こしてる上半身に今度は忍が抱きついてきた。  
何かを言う間もなく僕の唇を塞ぎ、その柔らかい身体を擦り付けてくる。  
ヤバいヤバい!  
一気に射精感が込み上げてきた!  
忍はそれを察し、唇を離して神原に呼び掛ける。  
「娘、もう出るそうじゃ」  
そう言って忍は手を伸ばし、袋を揉み始める。  
神原は一旦動きを止めた。  
「この中に詰まっておる精子、どこに出して欲しい? このまま出して口の中を飲みきれないほどの精液でいっぱいにしてやろうか、それとももっと深くまで突き立てて喉の奥に直接注ぎ込んでやろうか?」  
忍は完全にSモードになっている。  
ひとつひとつの言葉に神原がびくっびくっと身体を震わせた。  
「その顔を大量の白濁液で汚してやろうか、それとも身体中にかけてほしいか?」  
選べ、と忍が言うと神原は少し逡巡する。  
一旦口を離して答えた。  
「喉の奥に、出してほしい……私の頭を掴んで口を好きなだけ、犯してほしい」  
「よし」  
もはや僕の意向は完全に無視されている。  
忍は神原を膝立ちにさせ、僕を立ち上がらせた。  
僕のそそり立った肉棒が神原の前に晒される。  
神原は頭をもたげ、口を開けてそれを含もうとした。  
が、忍に頭を押さえられて止められる。  
「誰がくわえてよいと言った? 口を開けて待っておれ」  
神原ははっとしてぺたんと腰を下ろし、上目遣いで僕を窺いながら口を開ける。  
わずかに突き出された舌がチロチロと動き、潤んだ瞳とともに僕の情欲を促進させた。  
「ほれお前様よ、その娘の口内をたっぷりと犯してやるがよい」  
是非もない。  
僕は神原の頭を両手で押さえつけ、肉棒を口内に侵入させる。  
絡み付く舌や暖かい粘膜が心地良く、つい腰が出て一気に根元まで突っ込んでしまった。  
「んぐっ!」  
喉の奥を突いてしまい、神原が呻く。  
それでも決して離そうとはせず、むせたりえづいたりもなくふーっふーっと鼻で荒い息をする。  
僕は一旦腰を引いて口から抜き、神原の様子を窺う。  
「だ、大丈夫か、神原」  
「なぜ……なぜそんなことを聞くのだ阿良々木先輩」  
「なんでって……」  
「焦らしプレイなのか!? いいから早く私の口にもう一度突っ込んでくれ!」  
「…………」  
再び大きく口を開ける神原に黙る僕。  
あーまったくこのマゾ後輩が!  
ちょっとキレた。  
ヤケ気味になったといった方がいいかもしれない。  
今度は遠慮も躊躇いもなく根元まで突っ込む。  
すぐさま半分くらい引き抜き、また突く。  
神原の頭をしっかりと固定して腰を振り、何度も喉の奥を突いてやった。  
 
「んっ、んぐっ、ぐっ、んぐうっ」  
奥まで届くたび神原は呻くが、僕は構わずに腰を動かし続ける。  
射精感がどんどん迫ってきた。  
もう神原に気を配る余裕もない。  
歯を食いしばって声が洩れるのを堪える。  
じゅぷじゅぷと激しく神原の口内を肉棒が出入りした。  
「かっ、神原っ、口窄めてっ、唇締めてっ」  
「唾液を絡めて吸うんじゃ、舌も使え。出してもこぼすでないぞ」  
僕と忍の指示に神原は粛々と従い、僕に刺激を与えてくる。  
忍は僕に後ろから抱きついて身体を擦り付けてき、腰辺りに固くなった小さな乳首を感じた。  
左手が僕の陰嚢を揉みしだき、右手が腹や太ももといった身体中を弄ってくる。  
背中に感じる濡れた感触は忍の舌が這っているのだろうか?  
いろんなところにいろんな手段で快感を受け、とうとう僕は耐えきれなくなった。  
腰の動きにラストスパートをかけ、僕は達する。  
「う、うあっ! あっ! あっ! ああっ!」  
びゅるびゅるびゅるびゅるっ!  
神原の口内の奥で小刻みに肉棒が震え、ぐりぐりと亀頭を喉に押し付けて鈴口から大量の精液を注ぎ込む。  
「んぐううぅっ! ごふっ!」  
さすがに神原は呻き、むせる。  
僕が頭をしっかり押さえているので離れはしなかったが、唇の端から白濁液がこぼれてきていた。  
やがて長い射精が終わり、腰が抜けるほどの快感に僕の身体からふっと力が抜ける。  
後ろから忍が支えてくれてなかったらだらしなく倒れていただろう、僕は神原の口から肉棒を抜くとその場に座り込んだ。  
忍は今度は神原に近付く。  
「娘よ、こぼしたな」  
「……すまない」  
険しい表情で注意する忍に謝る神原。  
「まあよい、初めてで不慣れなこともあろう。で、どうじゃった、初めてのその味や感想は」  
「ん……うむ、なんかこう……美味しいわけではないが、変な気分になる、いやらしい味だな」  
神原は口内に残った精液をむぐむぐと味わう。  
こくんと飲み込むと神原の身体がぶるぶるっと震えた。  
「それにすごく濃くて噛み切れないほどだ。口から飲んでも妊娠してしまうかもしれない」  
さすがにそんなことはないだろうが、相当濃いのが出たらしい。  
まあ僕もすごく気持ちよかったし。  
「満足げな顔をするでない、お前様よ」  
「阿良々木先輩、私たちはまだしてもらってないぞ」  
……………。  
え、えーと。  
 

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