朝、近所を散歩していたら、八九寺と出くわした。  
とりあえず挨拶ついでに胸を揉む。  
「久しぶりだな、八九寺」  
胸を揉んでいるという事実も、この爽やかな挨拶の前では形なしだろう。  
八九寺も子供らしいキョトンとした表情で僕を見つめている。  
「ラギさん」  
「結構バッサリ略しちゃったな」  
「さん」  
「敬称のみ!?」  
「さん氏」  
「敬称に敬称を!?」  
僕と新婚さんになりたいというアピールである可能性も考慮しとくか。  
ちなみに言うと、この間も胸は揉みっぱなしである。  
八九寺の胸が前世で、僕の親のカタキだったのかも知れない。  
「阿良々木さん、いつまで揉み続けるつもりですか?」  
「さぁな。お前が全力で嫌がって、僕に危害を加えるまで……かな」  
「朝っぱらから倒錯した性的趣向をオープンにするのはやめてください。不快です」  
「なんだよ!僕がドMだとでも言うつもりか!」  
「頭には『ロリコン』と付きます」  
あえて否定はしないが、僕は八九寺の、胸を揉まれた時のリアクションが見たいだけなんだ。  
そこを勘違いされてはたまらない。だから、更に強く揉みしだいてやった。  
……朝っぱらから小学五年生のキレる顔を見て満足するロリコンとは友達になりたくないな。  
今日に限って、それは僕だった。  
 

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