「おや、阿良々木先輩。奇遇だな」
「…神原。それは人を追い回した後に言う言葉じゃない」
「追い回したとは人聞きの悪い」
「じゃあなんて」
「ストーキングだ」
「人聞き悪い!」
「ふふふ、今日もなかなかツッコミが冴えるな」
「このクソ暑いのに…、ツッコむ方の身にもなってくれ」
「阿良々木先輩、こんな往来の真ん中で下ネタは…」
「冤罪だ!」
「ははは」
「流すな、流すな!」
「まぁ、そんなことはともかく」
「僕の変態疑惑が根付くだろ」
「最初から変態ではないか。
昨晩、私を弄って悦んでいたのは誰だったか」
「僕にはアリバイがあるぞ!?」
「知ってる」
「なんで!?」
「聞きたいか?」
「いいです」
「まぁ、私の夢の中で何が起ころうと不思議じゃあるまい」
「夢オチかよ! ああ良かった!」
「…この場合、夢オチと言う表現は正しいのだろうか?」
「いや知らないよ…」
「ところで阿良々木先輩。これから何か用事でもあるのか?」
「いや、特には」
「いや、分かるぞ阿良々木先輩。
阿良々木先輩は私が追いかけ…もといストーキングしている事に気が付いていた」
「言い直すんだなそこ」
「そしてこの道を少し行った所に、あまり人気の無い空き地がある。
そこから見出される答えは…」
「いやだから、特になにも」
「青姦だな!」
「…神原、選べ。グーとパーとチョキだ」
「全部!!」
「うるせぇよ!」