『兄ちゃん! また歯磨き勝負しようぜ!!』
『火憐ちゃんっ! 今日は私の番だよ!!』
『まあ落ち着けよ。二人ともちゃんと相手してやるから』
『兄ちゃんは月火ちゃんを磨いてくれ。あたしは兄ちゃんのを磨くから』
『いいの?』
『ああ、もちろんだ。月火ちゃんはゆっくりと磨いてもらえばいい。
その後に先生直伝の技で兄ちゃんは正気を保てなくなるからな』
『神原に何教えてもらったかは知らないけど、僕はおまえなんかには負けねえよ』
『なんか私だけ除け者にされてる気がする……いいや、じゃあ歯ブラシ持ってくるね!』
『ああ、頼む』
二階から子供たちの元気な声が聞こえてくる。
いつも通り仲がいいようだ。
『歯磨き勝負』という言葉に違和感を覚えるけど…。
「今日もあの子達は仲良いわね」
「ああ、そうだな」