「おとうさんとおかあさんってどうやってしりあったの?」  
 
娘が小学校に進学して少し経ったある日のこと。  
学校でそういう話になったんだとか。  
娘は随分マセているようでたまにこういう話を振ってくる。  
教育のためにもここは正直に言わなきゃいけないな。  
 
「僕とひたぎは高校の時の同級生でさ、高三の時に脅されたんだよ。  
 『私に関わるな』ってな。それが出会いだったと思うけど」  
「それでどうしてけっこんするの?」  
「何日か後に突然『I love you』って言われたんだ。それまでの行動は好意の裏返しだったんだろうな」  
 
 * * *  
 
「おとうさんとおかあさんってどうやってしりあったの?」  
 
娘が小学校に進学して少し経ったある日のこと。  
学校でそういう話になったんだとか。  
娘は随分マセているようでたまにこういう話を振ってくる。  
教育のためにもここは正直に言わなきゃいけないわね。  
 
「私とお父さんはね、高校の時に出会ったのよ。階段でね、突然私のことを抱き締めたの」  
「それでけっこんしたの?」  
「お父さんは焦らし上手でね、私はお父さんの方から告白させようとしたんだけど知らないフリするの。  
 だから結局私から告白したのよ。結婚しようって言うのも私からだったわね」  
 
 * * *  
 
きょう、おとうさんとおかあさんにしつもんした。  
よくわからなかったから、おねえちゃんにもきいてみた。  
 
「二人は私の憧れの人たちだからな。何でも知ってるぞ!  
 阿良々木先輩も戦場ヶ原先輩の出会いか……。  
 ああ、そういえば……、私が阿良々木先輩を知ったのは付き合いだしてからだったか。  
 当時人を避けていた戦場ヶ原先輩が初めて心を開いたのが阿良々木先輩だったんだ。  
 付き合い始めて三ヶ月も経たないうちに二人ともデレデレになって目だけで会話出来てたな。  
 あれは誰が見ても引く光景だった。  
 ストーキングしていたから阿良々木先輩のエロの好みは知っているが……。  
 すまない。力になれないな。  
 だがそれ意外なら何でも知っているぞ。  
 どんなプレイが好きで、日々どんな要求をしているのかぐらいはお見通しだ。まかせてくれ」  
 
するがちゃんのいうことは、『話半分に聞くように』っていわれてるけど、  
はなしのはんぶんもわからなかった。  
おとうさんとおかあさんは、なかがいいっていうのだけはわかった。  
 
 
きょう、みちにまよったときに、へんなおじちゃんたちにあった。  
あとでおとうさんにきいたら、三人でほーむれすをしてるみたい。  
 
「やあ、キミは阿良々木っていうのかい?  
 珍しい苗字だね。嬉しそうだけど、何かいいことでもあったのかい?」  
「おどれは子供捕まえて何聞いとんねん。道に迷った言うてんのやからちゃんと教えたりいや」  
「この道を向こうに行ってあの大きな建物に向かえば目的地に着ける――僕はキメ顔でそう言った」  
 
みちをあるかないひとに、みちをおしえてもらった。  
だいじょうぶかな? きめがおってなんだろう。  
 
 * * *  
 
おこられた。  
ちょっとうちにかえりづらい。  
 
「あっ、はっちゃん」  
「あら、××ちゃんじゃないですか。どうしたんですか? こんなところで」  
「はっちゃんをさがしてたの」  
「また何かあったんですか? はあ、阿良々木さんはいくつになっても成長しませんね」  
「ううん。わたしがわるいの」  
「そういうのも受け入れるのが父親というものですよ」  
「そうなの?」  
「そうですよ。お父さんたちの話をしましょうか?」  
「うん」  
「××ちゃんのご両親は私の前で告白して、付き合い始めたんです」  
「へ〜」  
「私が帰れなくて迷っている時にお二人が助けてくれてですね、  
 家を探す前にひたぎさんが英語で告白していました。変わった方ですよね」  
「おかあさん、かわってるの」  
「ええ、かわっているっていうか極度のテレ屋さんですね。テンパって英語で告白なんて普通はないと思います」  
「そうだったんだ。おかあさんかわいいね」  
「外見は綺麗ですけど、意外と子供なんですよ。お二人とも。  
 だから子供を見る目でそっと見てあげると可愛く思えてきますよ」  
「うん。じゃあこれからそうおもってみるね」  
 
うちにかえったら、おとうさんもおかあさんもかわいくみえた。  
 
 * * *  
 
「せんちゃんっ」  
「××ちゃん、久しぶりだね。元気だった?」  
「うん、げんきだよ。せんちゃんはおとうさんとなかいいよね?」  
「うん、仲良いよ」  
「どうして?」  
「う〜ん、前から大好きだったし、恩人だし……」  
「おんじん?」  
「うん、撫子が困ってたときに神原さんと××ちゃんのお父さんが助けてくれたの」  
「こまってたの?」  
「そうだよ。撫子一人だとどうしようもなかったんだけど、二人が助けてくれたからなんとかなったんだ」  
「だいじょうぶ?」  
「うん、大丈夫……じゃなかったかな。あの時は××ちゃんのお父さんに裸見られちゃったし」  
「おとうさんがわるいの?」  
「ううん、撫子が油断しちゃって。つい……ね。お父さんは悪いことしてないよ」  
「よかった」  
 
せんちゃんはよくうちにあそびにくる。  
おとうさんとなかいいけど、おかあさんとはどうなのかな。  
たまにわらいながら、みつめあってるけど。  
 

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