・するがローズC
・前巻までのあらすじ
突然叔父の残した443万の借金を三日以内に返さなければ阿藤海に求肥詰めにして
沈めると謎のなんちゃって世界征服を目論む組織からタスキを渡された暦。
「そのような邪知暴虐なる王宮の勅命(禁止カード)になど従えるわけがない」と
必死の弁解を試みるも、そこは陪審員。
「裁判長、ここは懲役二年でどうすか」
等、もうすでに自分そっちのけでシュレディンガーの猫が犬にすり替えられてい
る世の中に絶望し、
「思えば恥の多い生涯を送ってきました」
と言って一人ポロロッカ語の解読にうち込む暦。
そんな時、その後ろから聞こえたエスペラント語の調べは、
「先生、いままで連載ありがとうございました―」
ただ、いっさいは過ぎてゆきます―
「いきなり何を喋ってるんだ戦場ヶ原!アニメが違うしネタがギリギリすぎる!第
一何なんだよポロロッカ語って!」
「あら、アニメは違えど声優と製作所は共通よ。ただ私は初見の方々に今までの
あらすじとこのアニメの面白さを伝えようと」
「全然伝わってない!むしろ混乱する!」
「絶望した」
「何に!?」
「この程度のジョークを笑って許すことも出来ない阿良々木くんの小さい心とア
レに」
「アレって何だよ!第一それと小さい心が関係あるのかよ!」
「あら、昔からよく言うじゃない。『肝っ玉が小さい』って」
「うまいこと言った!?」
「ちなみに阿良々木くんのは小指サイズよ」
「勝手に決めるな!あとそんなに僕のモノは小さくない!」
「あら、じゃあ阿良々木くんはその自慢のアレで私を満足させることができるの
かしら」
「…すみません僕が間違ってました」
「あらそう、ならいいわ。続けましょう―」
そして、今に至る。
「―つまり、阿良々木くんの性で欲求不満に陥った神原を悦ばせてあげるのが私
たちの役目なのね」
「僕が物足りないみたいに言うな!」
「あら、それなら見せてもらおうかしら―その自慢のモノと超絶技巧を―」
と言って、戦場ヶ原は僕の足に手を這わせその先のモノに―
「…うにゅ…おはようございました…ご主人様…」
「あらありゃりゃぎ…阿良々木くん、神原が起きてしまったわ、それにしても神
原をもうこんなに隷属させてしまうなんて、私でなくても嫉妬しちゃうわ」
「お前まで僕の名前を噛むなっ!あと僕は神原を隷属的地位に置いたことは今まで
一度もない!」
そう、噛むのは八九寺だけで十分―あれ?いつの間にか小学生に名前や手を噛ま
れる事をよしとしている高校生がいた。
ていうか、僕だった。
「あら、じゃあ今から隷属させようと言うのね、いいわ、私の目の前で神原をど
こまで調教できるか見せてご覧なさいベーションマスター阿良々木くん」
「そんなつもりは毛頭ない!そして勝手にポケ○ンマスターみたいな商号をつける
な!」
「じゃあベーションマイスター」
「ドイツ語が混ざっただけかよ!」
「むにゃ…私に躾を施してくれるのか、阿良々木先輩、なら早く首輪を…」
「神原も寝ぼけたまま色々マズいことを言うなっ!」
「あら、神原が寝ぼけているわ」
「さっきからだよ!ていうか今気付いたのか戦場ヶ原!」
「ええ、モロチン」
「さらりと誤字脱字のつもりで危ない単語を吐くな!」
「あらいけない、私ともあろう者が人類最低辺の阿良々木くんに誤字脱字を指摘
されるなんて何たる失態、万死に値するわ」
「僕を勝手に人類の最低辺に分類するな!」
「あら失礼、人間『未満』の最低辺だったわね」
「…もう人間失格でいいよ…」
もうモルヒネを断る必要も無いや…
「さて、なら寝ぼけている神原を―起こしてあげましょう―」
と言って、戦場ヶ原は神原の頬に手をかけ顔を引き寄せる―
「―おい戦場ヶ原!お前何を―」
「茨の中の眠り姫は、勇敢な王子様のキスで目覚めるのよ―」
神原の口は、戦場ヶ原の唇で塞がれた―
「もぎゅっ!?」
突然の出来事に、思わず声をあげる神原。
「こう…かしら…んんっ」
戦場ヶ原は、神原の口腔へと舌先を進める―
「あうっ…んあっ…んあんっ…」
―自分からも絡ませてくるなんて、積極的ね、神原―
―戦場ヶ原先輩こそ、お目覚めのキッスにしてはハードだと思うぞ―
―でも、悪くは思わない―
―ああ、むしろ気持ちいいくらいだ―
そんな会話をアイコンタクトで成立させながら、お互いの先を複雑に絡ませる。
唾液や舌同士が交ざり合わさり、まさにそこは複雑怪奇な茨の園―
「これは…何なんだ…」
いざ目にしてみると、自分の目の前で彼女と後輩が超大人なキスをしているのを
見るとショックを受けてしまう。
それと何なんだ、この沸々と心の底から沸き上がるドス黒い感情は―
「んんっ…うんっ…ぷはぁ」
「ぷはっ…はぁ、はぁ…」
流石に息が辛かったのか、絡ませていた舌を解き、お互いの唇を離す。
「もうこれくらいにしましょう、神原。阿良々木くんが嫉妬の炎で自然発火して
しまう前に」
「僕を危険物みたいに言うな!第一嫉妬なんて―」
「 し て な い の ? 」
戦場ヶ原の目線が神原から僕に向けられる。
その目は今にも自然発火しそうな勢いで―
「すみません少しは嫉妬しました」
「 少 し ? 」
「大いに嫉妬しました!身が焦げる思いでしたので嫉妬させて下さいどうか見逃し
て下さい!」
「あら、私のことを思いここまで嫉妬してくれるなんて金属釘バットで撲殺した
くなる程嬉しいわ阿良々木くん」
「殺す気か!あと僕は『ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜』と何回唱えても復活しないか
らな!」
一応復活自体はするが、そんなカオスな呪文のお世話にはなりたくない。
というか、どうやって金属バットに釘を打ち込むんだ戦場ヶ原。
「で、私と神原との愛のランデブーを阻害した阿良々木くんに対する処罰だけど
、一体どうしたらいいかしら神原」
「ふむ、まずはこの蔓で縛り上げて精を搾りとり」
「断固断るっ!第一僕はそんな大罪をいつの間に犯してしまったのか!?」
「「ええ、きっちりと」」
「またアニメが違う!」
見事なシンクロ、流石ヴァルハラコンビと言うだけのことはある。
「じゃあ、必殺技の『ヴァルハラ3P輪姦拳』をお見舞いします
「なんだか格好悪そうな必殺技がきちゃった!」
「何を言う阿良々木先輩。コンパクトかつ非常にセンシティブ、これぞ正に先進
的前衛芸術の極みと言えるではないか」
「人類には早過ぎる芸術だー!」
「…いや、違うわね…、お見舞い…されて下さい、お見舞い…して…あげてもい
い…のよ…、お見舞い…されて…くれません…か、お見舞い…」
「語尾で悩んでる!?」
この場合、語尾が変わったからといってさして影響がないのが悲しい。
なぜ技名の方は悩まない…。
「もういいわ、悩んでるくらいならちゃっちゃと犯っちゃいましょう。神原、準
備はいい?」
「もちろんだ戦場ヶ原先輩。この日の為に毎晩一人でどれだけ特訓してきたこと
か」
「それはただの自慰にふける変態だ!」
「覚えた限りは死ぬまで続けるつもりだ」
「上手いこと言った!?」
だから猿の手なのかよ!
「そうね、そこまで特訓したなら期待できそうね。」
「普通にスルーされた!」
「よし、ではそろそろ始めよう、阿良々木先輩に戦場ヶ原先輩。私はもう待ちき
れないぞ」
「確かに。私も待ちくたびれてスーパー濡れ濡れ状態よ」
「なんかお惣菜とか売ってそう!」
あったら逆に見てみたい、スーパー濡れ濡れ。
「あ、間違えたわ、『スーパー蕩れ蕩れ』に差し替えといて。」
「もう書かれちゃったよ!ていうかまだ流行らせようとしてたのかよソレ!」
「あら知らないの阿良々木くん、今『蕩れ』は湾岸署で大ブームよ?」
「事件は現場で起きちゃってる!?」
彼女の暴言毒舌封鎖できません。
「そう―これから事件を―起こすのよ」
そう言った戦場ヶ原の瞳には、今までとは違う、何か熱いモノで満ちているよう
な気がした。
「じゃあ神原、まずは縛りプレイで」
「承知した」
「縛りプレイの意味が違う!てか実際に縛るのかよ!」
とか言ってる間に、僕の身体の自由は奪われていた。
「そういえば阿良々木先輩、何かお好みの縛り方があれば何でも言っていいぞ。
大体は体験済だから勝手知ったりなのだ」
「誰とやってたんだよそんな事!」
「もちろん私一人でだ」
「病院が来て下さい!」
一人で縛って一人で悦ぶ、傍目から見たら只の変態―いや、元から変態だった。
「神原、少しお願いしてもいいかしら」
「どうしたのだ戦場ヶ原先輩、私にできることなら何だって」
「あのね、手は背中よりも頭上で結んでほしいわね。そうすれば阿良々木くんが
よりいっそう性奴隷に見えてくるから」
「僕のことだったのかよ!」
何だか僕は相当ひどい扱いをこの後受けることになりそうだ。
「承知した戦場ヶ原先輩。ついでに頭に茨の冠も被せていいか?」
「なんか宗教画みたいになってる!」
「その発想はなかったわ。神原、すぐに取り掛かって」
「承知なのだ!」
「ついでに、阿良々木くんが悪い子になったら冠を締め付けていいわ」
「僕と花果山の岩猿を一緒にするな!あと僕は髪の毛を飛ばして分身したりしない!
」
「そんなこと重々承知しているわ、そのアンテナは実はミサイル針なんでしょう
」
「そういう意味じゃないから何か期待した目で僕を見るな!」
まあ確かに僕のモデルはゲゲゲの鬼○郎なのだけど。
「そろそろ用意が整ったようね、じゃあ始めましょう」
「何を!?」
「そうだわ神原、服は私が脱がすから、神原は阿良々木くんを少しずつ締め上げ
ていって」
「了解したぞ戦場ヶ原先輩、焦らしプレイを選択するとは阿良々木先輩に対しと
ても煽情的ではないか」
「戦場ヶ原なだけに!?」
「さすが神原よく気付いたわね。明日から私のことを煽情ヶ原と読んでくれてか
まわないわ」
「誰も変化に気付けない!」
「いやいや阿良々木先輩、先輩が今まさに気付いて嬲るように指摘しているでは
ないか」
「僕の言葉はそんな高等なテクニックをマスターしていない!」
「でも、ちゃっかり自慰はしてたりして」
「マスター繋がりかよ!」
厳密には綴りが違うが。
「ふむ、つまり阿良々木先輩は私たちヴァルハラコンビによる超絶技巧テクニッ
クの洗礼を早く浴びたいと」
「どうしたらそんな解釈ができる!」
またいつかのようにテレパシーを受信されているのだろうか、だとしたらこれは
由々しき―
「「 ソ レ を 見 て 」」
と言って、彼女らは僕の股間のモノを指差した。
「あ…」
直立不動、仁王勃ち。
僕の股間は見事な三角錐を作り出していた。
「さてここで問題です阿良々木くん。この三角錐の体積を求めなさい」
「知らねぇよ!」
「あら残念、優勝賞品の『ヴァルハラコンビ一日貸出し券』獲得はなりませんで
したー」
「やっぱり解答権下さい!」
いや、これはマジで欲しい。
一日中戦場ヶ原&神原とイチャイチャ出来ると考えたらもう―
「それでは答えを―あれ?神原、さっきよりコレ、大きくなってない?」
「確かに、賞品獲得失敗あたりからぐんぐんと大きく…」
「これは再計測の必要があるわね…神原!」
「承知!」
と言い終わらぬ内に、神原の蔓が僕のズボンの中に―
「やめろ神原!そんなこと―ううっ!?」
ズボンの中を蔓が舐め回す。
それは僕に言い知れぬ快感の扉を叩かせる。
何だかとても―気持ちいい―
「おや阿良々木先輩、もうダウンか?意外に早漏なのだな」
「別にそういう訳じゃっ―ぐあっ!」
ズボン中の蔓がモノを握る。
刺さった棘が痛いはずなのだが、何故かそれを求める自分が―
「神原!そこまでにしなさい」
助かった戦場ヶ原!危うくこのままでは僕は―
「 独 り 占 め は 許 さ な い わ よ 」
ヴァルハラ3P輪姦拳、発動。