「・・・なあ、神原。バニーガールの衣装、持ってるか?」
「もちろんだ阿良々木先輩―――と言ってホイホイと取り出したいところだが、いったい誰に着せるつもりなのだ?」
「いや、それは・・・」
言えない。
口が裂けても言えない。
千石がささいな事から「バニーはお色気キャラの変装の定番なんだよ!」と激昂してしまい、
「暦お兄ちゃんのためなら・・・着替えて街を歩いてくるよ?」と言ってあやうく女子中学生をバニー姿で公衆の面前を歩かす鬼畜にされそうだったなんて。
墓まで持ってっても言えない。
「そうかわかったぞ阿良々木先輩!先週サ○クスで立ち読みしていた本の内容を実施しようというのだな!私にも見せてくれ!」
「なんで僕が立ち読みした本まで把握してる!」
「ちなみに、装着対象はだれなのだ?」
「それは黙秘権を行使させて戴くぞ神原!」
神原が僕の顔を覗き込む。
「そうかわかったぞ!二人の妹さんだな!それなら大きいのをもう一着」
「僕を家族にまでコスプレを強要するような変態に貶めるつもりか!」
「なら・・・戦場ヶ原先輩!」
「一度見てみたいけど違う!」
「なら千石ちゃん!」
「先に同じ!」
「続いて私!」
「ならもう着せてるよ!」
「最後に忍野さん!」
「色々アブナイ!?」
想像出来ない。
ていうか、したくもない。
「――ふーん、千石ちゃんか、中学生にコスプレを強要するとは大した変態根性だお見逸れするぞ阿良々木先輩」
「なぜわかった!?」
そんな筈はない。
これでもかつては「鉄仮面の阿良々木」でならした男なのに。
「その・・・頭部と股間のアンテナが」