「阿良々木先輩、私の処女を確認していただけないだろうか?」
神原 駿河、僕は未だにこいつのことを侮ってたらしい。
深刻な顔して、「相談したいことがある」と言われれば聞かざるおえないが、もっと
警戒すべきだったのだ。
「たのむからそんな真剣な顔で、そんな卑猥な発言をしないでくれ」
「私は十分真剣だぞ、今このスカートの中には下着を着用してなほど」
ぐはっ!
僕の理性は20のダメージを負った。
「履いてないのならそんな危うい座り方をするなッ!」
怒鳴りながら、目線は神原の下半身にくぎ付けだった。
僕の目の前にいる女は胡座をかいても別段おかしくない雑な人物だが、これはまずい。
健康な男子学生には破壊力が高すぎる。
パンチラの三段階ぐらい上の威力だ。
「さすがの私もこれは結構恥ずかしいんだぞ」
「僕は死ぬほど気まずいがな」
神原は頬を染めて言うが、それ以上に顔が恍惚ろしているのが怖い。
普段部屋では裸で生活していると聞いてはいたが、どうやら知らず知らずのうちに
新しい性癖を習得していた可能性があるな。
「一応そんなことを言い出すことになった経緯は聞いておこう、まずそれからだ」
神原は顎に手を当て、静かに目を閉じた。
「確かに理由も言わずにこのようなことを頼むのは無遠慮だったな。
私と阿良々木先輩の仲なら言葉など無くてもお互いの考えが分かるのではないの
期待していたもので」
「そんな能力が開花したら、僕はロボトミー手術を受けてでも元に戻す覚悟があるよ」
どうやら話を聞くと、ある医学書物読んで・・・男と女の性に関する本らしいが、何の目的でその本を
読んでたかはあえて探りたくなかった。
とにかくその本に女性の処女膜についての記述があったらしく、それによると激しい運動を行うことで処女膜が
本人の気づかない内に破れてしまってることがあり、特にアスリート選手などにはよくあることらしい。
そして、それを知った神原はある事件のため小さい頃からがむしゃらに体を鍛えていた自分を思いだし、不安になって
しまったらしい。
「こんなことを頼めるのは阿良々木先輩しかいない、自分では怖くて確かめれないのだ」
「いや、僕でなくても同姓の友達か家族にでも見てもらえば・・・」
「そんなことしたら恥辱死してしまうではないか!」
「―――な、なんで僕ならいいんでしょうか?」
「わ、私にも少女的な願望はある。女の一番大事なとこを見てもらうんだ。
その、できれば初めて見せるのは私が好きな人に・・・」
神原が僕に少なからず好意を抱いているのは知ってはいたが、あくまで神原にとって
一番大切な人は戦場ヶ原とゆう方式が崩れることはないと思っていた。
駄目だ。
まずい。
非常にままずい。
今ごろになって心拍数が上昇してきた。日頃、神原が迫ってくることはあったが、本気かそうか
分からない曖昧な態度だった。
だからこそ、優柔不断で流されやすい(自分でゆうのもなんだが)僕でも受け流すことはできたが、
今の神原の表情と言葉は明らかに以前のとは違う。
真剣と書いてマジだ。
「私には戦場ヶ原先輩ほどの魅力が無いのは重々承知だ。そして、阿良々木先輩に釣り合えるほどの
うつわでないことも。」
「そ、そんなことはないと思うが、むしろ逆な気もするし」
「だが、これだけは引けない。
初めては、最初の人は、貴方でなければ嫌だ」
僕の理性は100のダメージを負った。
ゲームオーバー。
僕は彼女に負けてしまった。