「世の男共は夢というか幻想を見過ぎじゃの」  
いつものように我が家で最後の風呂に入ってシャンプーをしてやっていると、忍は突然呟くように言った。  
「何だよいったい。幻想? 何に?」  
「女に対してじゃよ。よくエロ漫画やAV、同人誌などにありがちじゃろ?」  
「いや、だから何の話だってば」  
ざあっとシャワーで泡で洗い流して僕は先を促した。  
が、忍は黙って立ち上がって湯船に向かったので、僕も入って浸かると僕の脚の間に身体を入れて背中を預けてくる。  
腰に腕を巻き付けていつものポジションと体勢になるとふうっと大きく息を吐き出し、さっぱりした顔で忍は続ける。  
「女が感じることに対してじゃ」  
「…………?」  
「よくあるのが胸をいじるだけやキスだけでイったり、ひどいのになると言葉だけで達したりするらしいぞ」  
「ああ、そういうことか」  
「まったく。冬コミでもそんな敏感女が巷に描かれておったがどれだけ淫乱だというのやら」  
メタ発言とかするなよ!  
それをやっていいのは八九寺Pだけだ!  
だけど僕は何の突っ込みも入れず、忍の垂れた髪をひょいと耳にかきあげる。  
「これだから女を知らぬ童貞というのはあんっ」  
忍の語尾が突然変になった。  
ていうか僕のせいだった。  
「みっ、耳っ……耳を、くわえるでない……んっ」  
髪をかきあげて晒された耳を唇で挟み、強弱をつけながら軽く吸う。  
かぷっと歯を立てて甘噛みするとびくんと忍の身体が跳ねる。  
「忍、話の続きは? 胸だけでイくとかキスだけでイくとか有り得ないって?」  
じゃあ忍の弱い耳はどうなんだ?  
僕は舌を突き出し、忍の耳朶をなぞる。  
穴に突っ込み、ぐちゅぐちゅと唾液を絡ませる音をわざと大きく響かせて激しくかき回す。  
「ふあっ、あっ、ああっ!」  
忍はだらしなく口を開き、切なそうな表情をして今にも泣き出しそうだった。  
腰に巻かれている僕の腕をぎゅっと掴み、小さな身体をびくんびくんと震わす。  
僕は舌を離して耳元で囁く。  
「気持ちよくなってるみたいだね忍、別にそのままイっちゃってもいいよ」  
「な、何を! 儂が耳なんかで……ひゃうっ!」  
忍が言い終わる前に僕は反対側の耳を舌で刺激し始める。  
今度は初めから激しくかき回し、容赦なく責め立てた。  
「や、あっ……嫌じゃ、耳なんかで、耳なんかでぇっ」  
こんなにも強い性感帯なのだが忍はそれを認めたくないらしい。  
ちょっと責めてやるだけであっという間にふにゃふにゃになるくせに。  
 
このままイかせる勢いで僕は舌を激しく動かす。  
どうにかこうにか声を噛み殺した忍は僕の手を掴み、自らの脚を広げて股間に持っていかせる。  
どうやら耳ではなく性器をいじられたからイくのだと自分に言い聞かせたいらしい。  
まああまり意地悪するのも何だしな、素直にイかせてあげるとしよう。  
中指を小さな割れ目に押し当てると、キツいはずの入り口からあっさりと奥まで飲み込まれてしまった。  
そのままくいくいとかき回して膣内を擦り上げ、お湯とは違う温かい粘液に絡まれながら出し入れする。  
親指で女性特有の性感帯である豆を探り当てて指の腹で刺激すると、忍は声が漏れそうになった口を慌てて自分の手で押さえた。  
別にうちの風呂場は防音仕様だから声を出したって構わないのだけれども。  
僕はもう片方の手で自分の口を覆う忍の手をどかし、口内に指を二本突っ込む。  
「んぐっ、ちゅ、んむうっ」  
忍は喘ぐ声を漏らしながらもその指にしゃぶりつき、舌を絡める。  
鼻息が浅く荒くなり、絶頂がもうそこまできているのがわかった。  
僕が指や舌の動きを早めて忍を導いていくと、上下の口にくわえられている指がきゅううっと締め付けられる。  
「んっ、んふうっ、んんっ! んんんっ! ん……んんんんんううううううっ!」  
ひときわ大きいくぐもった悲鳴をあげながら忍は達した。  
ぐううっと身体がのけぞり、掴まっている両腕がぐっと痛いほどに握られる。  
びくっびくっと身体を震わせて虚ろなその目を潤ませ、僕に全身を預けていた。  
しばらくして痙攣も収まり、落ち着いてきたころに僕は責めていた穴を解放してやる。  
口と下の秘口、そして耳。  
「ふぁ……んっ」  
微かな悲鳴を漏らす忍。  
その表情を見ようと顔を覗き込もうとすると、忍は身体を反転させて僕の首に手を回し、抱き付いてくる。  
これでは表情が見えないが、まあいいかと思い直して僕も忍の背中に手を回した。  
忍の身体の柔らかさを堪能しながら、慈しむように背中を撫でる。  
「…………何だかその余裕がムカつくのぅ」  
え?  
「立て」  
「何だ突然?」  
「いいから立て! 今度は儂がしてやる!」  
「え、あ、うん」  
正直先ほどまでの忍の痴態に興奮していたところだ、ここは素直にやってもらおう。  
忍が耳だけでイきそうになるってわかったことだしな。  
「ち、違う! あれは…………ええい、もう黙っておれ!」  
湯船の縁に座りながらくすくすと笑う僕に忍は激昂しながらしゃがみ込む。  
 
開いた足の間に身体を入れ、そそり立った僕の肉棒にゆっくりと顔を近付けてきた。  
「ふん、相変わらず似合わない立派なモノじゃの」  
忍はそう言うなり、あーと口を開けていきなり喉の奥まで一気に僕のをくわえ込む。  
そのままぎゅううっと口をすぼめて唇を締め付け、舌を絡めて強く吸いながらずるるっと引き抜かれる。  
「くぅっ!」  
突然の強い快感に思わず声が出た。  
ちゅぽんと口内から解放されると、より固くより大きくなったモノが唾液の雫を撒き散らしながらびぃんと勢いよく反り返る。  
「くくっ、まだ大きくなるとはな。小さななりをしてるくせに本当に似合わぬことじゃ」  
「うるさい、背のことは言うな。自分だって小さいくせに」  
「異なことを。儂は元々身長は高かったがお前様に小さくされたんじゃぞ、だから」  
大きくなったお前様のも儂が小さくしてやる。  
忍がそう言って肉棒の先端にちゅ、と唇を付けると、ピリッと快感の電流が僕の身体を走った。  
そのままわずかに開かれた口に先っぽだけ含まれ、舌先でぐりぐりと尿道をほじられる。  
「う、わ、あっ、あうっ」  
忍の容赦ない責めに身体が震え、あっという間に射精感が押し寄せてきた。  
だけど忍はすっと口を離してしまい、僕はイきそこねてしまう。  
「あ…………」  
思わず残念そうに漏れ出た声を聞いてにやにやと笑った忍は、そのまま幹の方に唇を這わせていく。  
根元の方から袋に辿り着き、舌で転がされるともどかしい快感が全身を駆け巡った。  
僕は忍に懇願する。  
「し、忍っ……僕、もう……出したい……っ」  
「駄目じゃ」  
あっさりと忍は否定した。  
口を離し、袋をやわやわと手で揉みながら意地悪く笑う。  
「もっと我慢してからたっぷりと濃くなったのを出せ。なに、ちゃんと全部受け止めてやるから安心するがよい」  
あー、と口を開けてチロチロと舌を淫らに動かす。  
その卑猥な動きに僕はもう興奮を抑えきれない!  
もともと我慢し続けていたのでもう堪えられなかった。  
忍の後頭部に手を回して押さえ、柔らかな頬に肉棒の先端を押し付けながら自分でしごく。  
「お、お前様!? ちょ、ちょっと待っ……ひゃっ!」  
びゅるっ!と押し付けられた忍の顔で爆発し、我先にと飛び出る精液がびしゃびしゃと降り注いだ。  
「うっ……う……っ」  
「ん……あ……」  
忍は首の角度を変えて、目を閉じながらこぼさないように顔で受け止める。  
僕は懸命に伸ばされる舌と開かれた口を目掛けて幾度となく射精した。  
 
 
「はあっ……はあっ……」  
しごいて全て忍の顔に射精し終え、僕は脱力して手を湯船の縁につく。  
忍は終わったのを確認して目を開いた。  
「何じゃ、いつの間にかこんなに溜めておったのか。それにすごく熱くて濃くて噛み切れないほどとはな。勢いも……って髪の毛にまで飛んでしまっているではないか」  
顔中に飛び散った粘液を指で掬い取り、次々に口に含んでいく。  
そして自分の髪を手に取って口元にあてがい、こびり付いたのをすする。  
忍が。  
金髪の美少女が。  
大量に顔射されたのを喜んで。  
その放たれた精液を美味しそうに口に含んで飲み下していく。  
その様子を見ていて、気が付くと僕の肉棒は射精前と同じ大きさと固さを取り戻していた。  
「ん? おお、こっちも綺麗にしてやらねばな」  
そう言って舌を伸ばして開かれた口に、僕は忍の側頭部を両手で掴んで引き寄せて触れられようとしていた肉棒を突っ込ませた。  
「んぐっ!?」  
反射的に忍は僕の腕を掴んで押し退けようとしたが、それより早く僕の指が忍の両耳に差し込まれる。  
「んっ、んふぅ……っ」  
腕を掴んでいた両手の力が抜け、つり上がっていた目をとろんとさせながら甘い吐息を漏らす。  
本当に感じやすい耳だなぁ。  
抵抗の意志がなくなったのを確認して僕はゆっくりと忍の頭を前後に振る。  
唇の輪っかが肉茎を這い、先端から半ばまでを行き来すると、全身を快楽の波が襲う。  
少し動きを早めようかと思った時、忍が態勢を変え始めた。半立ちになって下半身を浮かせ、四つん這いに近い型になる。  
くわえている僕の肉棒と身体を平行になるようにした。  
そのまま前に身体を進めてくると、ずるるっと喉の奥に当たるまで僕のが忍の口内に埋まっていく。  
だけど忍はそこで止まらなかった。  
さらに奥まで飲み込もうとぐっ、ぐっ、と咽喉を押し付けてくる。  
「お、おい、忍、もう無理だって……うああっ」  
ぐぷっと空気が漏れるような音がし、忍の唇の輪っかが僕の肉棒の根元まで届いてきた。  
亀頭がこれまで感じたことのない感触で締め付けられる。  
もともと僕のをくわえるのが精一杯なくらい小さな口と身体の忍に、小さい方ではない僕のモノ。  
下手をしたらこれは食道にまで届いてしまっているのではないだろうか?  
止めさせようとしたが、やはり今まで感じたことのない顫動で刺激を受け、僕は思わず呻く。  
「く……は……あっ!」  
茎を舌が這い回り、根元を唇がぎゅっぎゅっと締め付ける。  
 
早くも次の射精感が込み上げてき、気を抜いたら一瞬で終わりそうになるのをこらえて忍に訴える。  
「し、忍っ……もう……出そう……っ」  
僕が言うと忍はずるっと口内から肉棒を引き抜き、無言で身体を起こして口を開きっぱなしにした。  
僕は湯船の縁から立ち上がってその口に射精寸前で膨らみきった肉棒を再びねじ込み、両手で忍の頭を固定して腰を前後に振って出し入れし始める。  
忍は何も言わずとも僕に次々と口内で刺激を与えてきた。  
舌を裏スジに押し当てて僕が腰を振るたびに強く擦らせ、唇をぎゅむぎゅむと不規則に締め付ける。  
様子を窺うかのように僕の顔を上目遣いで見上げるその表情は一気に僕の情欲を促進させた。  
思わず忍の頭を掴む力が強くなり、腰の動きが速くなる。  
じゅぷじゅぷと激しく口内を出入りし、もう限界だった。  
「出る……出るよ……忍の口に、出すよっ」  
射精に向けて動きにスパートをかけ、歯を食いしばる。  
忍が舌を亀頭の先の割れ目に押し付けて受け止める準備をし、それに伴い僕は忍の口内でついに情欲を爆発させた。  
「う、うあ、あ、う…………うあああっ! あっ! あっ!」  
びくんっと僕の腰が震え、押し留めていた精液が尿道を駆け抜けていく。  
びゅるっ、びゅっ、びゅっ、と放たれた大量の粘液を咽せることなく忍は受け止め、搾り尽くすように刺激を与え続ける。  
「あ、ああっ……し、忍、まだ……飲まないで! 口の中に溜めて!」  
忍は少し訝しげな表情をしたがとりあえず僕の言葉に従い、射精し終わったあとも尿道に残ったものも吸い出して口内に溜めていた。  
全身がうち震えるほどの快楽の波が引き、僕はようやく落ち着く。  
まだ飲んではいけないのか、と問いたげな忍に僕はその疑問に答える。  
「忍、そのまま自分でしてイく時に飲むんだ」  
びくり、と肩を震わせて驚きの表情を浮かべた。  
バレてないとでも思ったのだろうが、最初から僕は気付いている。  
くわえさせて耳をいじった時から忍の両手は自分の下半身にあてがわれたままなことに。  
「ほら、早く」  
くいくいと耳の穴を指でいじくるとすぐにとろけるような表情に変わり、もそもそと両手を動かし始める。  
お湯の中なので見えづらいが、右手の指で秘口を、左手の指で陰核をいじっているようだ。  
もともとだいぶ高ぶっていたようで荒い鼻息が僕の下腹部に吹きかけられ、未だ肉棒を包み込む唇がぎゅっと締め付けられる。  
「忍、もうイくの?」  
忍はこくこくと頷いた。  
 
「いいよイって。僕のを飲みながらイくんだ」  
僕は左手を指でそのまま耳内を引っ掻くように擦り続け、右手を忍の喉に当てる。  
目蓋がぎゅっと閉じられ、こくんと口内の精液が嚥下された時。  
「ん、ん……んふうううぅぅぅぅぅっ!」  
忍は絶頂に達した。  
小さな身体をびくっびくっと震わせながら次々と喉を鳴らして溜められた精液を飲み下していく。  
茎にこびり付いたものを舐め取り、尿道に残ったものを吸い出し、それら全てを飲み干して忍は口を離した。  
僕は改めて湯船に入り、余韻に浸る忍を引き寄せて抱き締める。  
忍も肩で息をしながら僕の首に腕を回して抱き付いてきた。  
「…………腹が減った」  
背中を撫でていると突然呟くように忍が言う。  
「ん?」  
「最近はお前様の体液をよく飲んではいるが、やはり固形物が無いと物足りんの」  
「あー……じゃああとでミスドでも行くか」  
どうせ固形物といっても欲しがるのはドーナツだろう。  
こういうとき深夜までやってるミスドがあるのはありがたい。  
「で、何が食べたい?」  
「それはもちろん」  
『ゴールデンチョコレート!』  
声が揃った僕達は二人してくすくすと笑い合ったのだった。  
 
 
 

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