「……阿良々木先輩……その、本当に……するのか?」
「ん? どうした、神原。お前がそんなに緊張してるなんて、何かいい事でもあったのか?」
「いや、その……いい事はこれからあるのだが……その、な? 実はだ、阿良々木先輩。
私はエロ魔神の名を欲しいままにし、古今東西ありとあらゆるエロを網羅し、そしてそれらを
全て実践してきたと豪語できる程度には嗜んできたつもりだが」
「嗜みの範疇に無いのは最早ツッコミ所ではないんだろうな……」
「えーっと……その、な……あの、えっと……だから、その、なんだ……これから、そんな私
としては屈辱ですらある一つの事実を阿良々木先輩にお伝え申し上げなければならない
という、まあM属性もある私としてはそれすらも快感なので特に問題は無いと言えば無い
と言えなくも無いが、やはり阿良々木先輩がそれでがっかりしてしまうような気もするし、
そうなっては私としては少しばかり気を落とさずにはいられないわけで……」
「落ち着け神原。要点を整理してしゃべってくれ」
「……要点を、整理、か。ならば、一言で言おう」
「ああ、一言で頼む」
「実は、私は処女なのだ」
「……は?」
「ああ、違うな、それでは正確ではない。正確に言うと、だ」
「……正確に言うと?」
「実は、私はペニス処女なのだ」
「それは僕にツッコめという意味のダブルミーニングかっ!?」
「おお! そこまで深く考えての発言ではなかったのだが、それでもすかさずそのような
発想が出てくる辺り、流石阿良々木先輩としか言いようが無い。言葉遊びにかけては
西尾維新も真っ青だな!」
「……戯言だな」