「おい阿良々木、これをくれてやろう」
「…………正直予想していた。が、やっぱりねえなと思っていたのに! 間違いなくお前とは友達でも何でもねぇぞ貝木!」
「何を言っている? 俺が一銭にもならないのにお前にチョコレートを渡すと思うのか?」
「逆に訊きたいが、お前が僕にチョコレートを渡すことによって何かが発生するのか? 二度と会わないとか言ってたくせに」
「発生するもの? それは決まっているだろう、愛だ」
「え、あ、ああ?」
「何度も言わすな。俺はできればお前と仲良くしたいと思ってだな」
「お、おい、何故にじり寄る? 息を荒げるな!」
「あ、阿良々木、俺はもう…………」
「アッー!」
「なんてことにならないよう私が今からあなたを保護します。あの男に会わせるわけにはいかないからね」
「ないから! 絶対ないから! だからこの手錠を外せ!」
「今日明日の辛抱よ。そうそう、私のチョコももちろん用意してあるから楽しみにしててね♪」
「♪をつけられてもちっとも喜べないよガハラさん……」