飲酒によって脳細胞が破壊されるのはもちろん周知の事実なのだけれど、残念なことに日本からはその悪習がなくならない。
突然こんなことを言うのには当然のことながら理由があって、それと言うのも僕自身、最近その悪癖に悩まされているからだ。
と言っても、僕なんかは小学生のころに親戚の小父さんに飲まされた結果吐いてしまった苦い(むしろ酸っぱい)経験があるから、あんまり自分からは飲まない。
問題なのは僕の小っこい方の妹であって。
「ただいま〜」
「月火ちゃんおかえり……っておおぅ!?どうした月火ちゃん、顔が真っ赤だぞ!?」
「うん、ちょっと飲んできちゃたv」
飲んできちゃったじゃねえよ、中学生だろうが。
「飲んできちゃったじゃねえよ、中学生だろうが」
「なによ〜。お兄ちゃんのくせにお説教する気!?」
「むしろお兄ちゃんだからだ!お酒はハタチになってから!正義の味方のファイヤーシスターズが真っ向から法を破ってどうすんだ!?」
「あ〜、いいのいいの。むしろ国家権力は敵だし。人権どーの言いながら取調室の中ではひどいもんだよ?机蹴られるよ?灰皿投げられるよ?それも微妙にギリギリで当たらないように。ヤだよね陰湿だよねぇ〜?」
「そんな実感のこもった批判は聞きたくねえよ!つーかもうなにやっちゃってんだよ僕の妹ズは!?」
「正義を行使してます」
「言い切ったー!!無茶苦茶いい笑顔で言い切ったー!!」
「ちなみに警官の支給品であるニューナンブは五連装、けど一発しか弾が入ってないんだよ?」
「いらねぇよそんなトリビア!!全然ちっともきれいさっぱり知りたかねぇよ!!」