「とりあえず水でも飲んで酔いを覚ませ」
「んー、水ならここにあるよー」
そう言って月火が取り出したのは明らかにアルコール分の入った、いわゆる『ジュースみたいなお酒』だ。
止める間もなくそれをグイッとあおる。
「あ、こら……んぐっ」
取り上げようと近付く僕の首に手を回し、いきなり月火がキスをしてきた。
そのまま口に含んだのを僕の口内に流し込んでくる。
いきなりのことに混乱して戸惑っていると、さらに舌までが侵入された。
ぐちゅぐちゅと互いの舌が絡まり、頭がぼうっとしてくる。果たしてそれは酒によるものかキスによるものか。
ぷはっと唇を離すと、月火は頬を上気させながらえへへと笑う。
「つ、月火ちゃん」
「お兄ちゃん、女の子はね、お酒を飲むと大胆になっちゃうんだよ」
そう言ってはにかむ月火に僕の心拍数が一気に跳ね上がる。
月火ちゃん、大胆になるのは女の子だけとは限らないんだぜ。
そう心の片隅で突っ込みを入れ、僕は月火の持つ缶を取り上げて中味を自分の口に含む。
そのまま月火に口をつけて今度は僕の方から流し込んだ。
「んむっ」
喉に手を当てて飲み込んだのを確認し、さらに口内を舌でかき回す。
歯茎や頬の内側を這わせ、月火の舌を引っ張り出して思う存分吸い尽くした。
「お、お兄ちゃん……」
膝ががくがくと震えだしたのを見計らい、僕は月火を傍らのベッドに押し倒す。
着物の襟を掴んでその小さな胸をぐいっとはだけさせ、そこに数滴酒を垂らす。
「ひゃんっ、お、お兄ちゃん!?」
小さく悲鳴をあげる月火に構わず、僕はその滴に唇を付けて吸う。
全て吸ったあと再び垂らし、今度は舌で舐め取った。
「や、あっ……やめてお兄ちゃん、着物汚れちゃうよぉ…………」
されること自体は嫌ではないのか、否定も止めようとする手も弱々しい。
僕は身体を起こす。
「じゃあ脱いでよ月火ちゃん」
酒のせいか微妙に理性が働いていない。
有無を言わせぬ口調で僕は言う。
少し潤んだ目を逸らしながら月火は黙ったままそっと自分の着物の帯に手をかけた。