「神原が自転車に乗れないという設定が問題?」  
「ああ、まあ、そういう話が出てるんだが……」  
「それなら、解決するのは簡単ね。阿良々木君が大学に受からないのより簡単だわ」  
「なんだ? 自転車に乗れるようになる秘策とかあるのか? あいつは二輪特有のあの  
 バランス取り自体が恐ろしいと言うレベルで自転車に乗れないんだが……って、  
 僕が大学に受からない確率はそんなに高いのかよ!?」  
「あら、これはなんというのかしら……ワカメツッコミ?」  
「ノリツッコミだよ。なんで僕がパンツを常時見せびらかしながらツッコミ入れてるような  
 言い方をされなきゃならないんだ」  
「失礼。噛んだわ」  
「いや、全然噛んで無いし、そもそもそれは八九寺の持ちネタだっ!」  
「八九寺……ああ、あの私には見えない……。あの娘とはまだ一度も会話をした事が無いの  
 だけれど、こんなネタを持っているの?」  
「まさか、偶然の一致だと言い張るつもりなのか?」  
「当たり前じゃない。私は自分のオリジナリティに絶対の自信を持っているわ」  
「まあ、確かにお前の独創的な性格は、二つとあっちゃいけない類のものだけどな……」  
「流石の自分大好きひたぎさんである所のこの私、戦場ヶ原ひたぎと言えども、自分の告白  
 シーンなんてものをそう何度も見たいとは思わないから、化物語ブルーレイorDVD第二巻、  
 まよいマイマイは、ほんの両手で数えられない回数くらいしか見ていないわ」  
「見てるのかよ!? しかも十回以上! 喜んでいいのか僕は!?」  
「あ」  
「あ、じゃないぞ、戦場ヶ原……」  
「失礼。滑ったわ。口が」  
「……つまり、わざとなんだな?」  
「パクりました」  
「認めたー!?」  
「朴哲弘がいた」  
「総合格闘技のあんまり有名というわけでもない選手の名前とか誰も知らねえよ!山本KID徳郁と  
 同じジムだとか言われてもさっぱりピンと来ないだろ!?」  
「サインは貰っておいたわ、一応」  
「貰ったんだ……」  
「まあ、あまりやると八九寺Pの圧力バーイ羽川さん命名が怖いから、このくらいにしておきましょう」  
「何なんだこのメタ含みなやりとりは……しかもブルーレイorDVD限定生産版持ってない人は  
 置いてけぼりじゃないか……」  
「あら、持っている人ならついてこれていると思っているのかしら?」  
「それは言うな!」  
 
「で、何の話だったかしら。阿良々木君がアクメ自転車男バージョンに果敢にも挑戦しようとしている、  
 という話だったような気がするのだけれど」  
「全然違うよ! 神原が自転車に乗れないって話だ! というか何に挑戦させるつもりだよ!?」  
「ああ、そうだったわね」  
「頼むぜ、ホントに……で、何か策があるんだろう?」  
「ええ、簡単な事よ。神原を自転車に乗せるには、私が一言言えばそれで済むわ」  
「なんて?」  
「神原、自転車に乗れるようになりなさい」  
「……ああ、そりゃ、確かに三分で乗れるようになりそうだな」  
「もちろん、神原が何か自転車にトラウマのような物を持っていて忌避していると言うのならば、  
 私としては無理強いする事はできないわけだけれど……」  
「うーん、そういうのは特に無かったんじゃないかな? ちょっと何て言ってたか確認してみないと、  
 はっきりとは言えないけどな」  
「というわけで、神原については、公式設定との誤差を埋める方法は簡単よ。ひたぎさんが  
 無理難題ふっかけた結果、こうなりました、と言い訳しておけばいいのよ」  
「いや、でも……いいのか、それ?」  
「あら、何か問題でもあるのかしら、阿良々木君?」  
「なんか、お前のイメージが悪くなりそうな気が……」  
「その点もぬかりは無いわ。どうしてひたぎさんがそんな無理難題を言ったのか、という疑問にも、  
 ちゃんと答えを用意しているもの」  
「へえ、用意周到だな」  
「エロ魔神の名をほしいままにするエロロリ木君に無理やり言わされて……よよよ」  
「待てぇ!? よよよ……じゃねえっ! それ、全部僕が悪いって事になるじゃねえか!?」  
「阿良々木君の滅私奉公っぷりを考えた結果、このくらいは楽勝という計算になったのだけれど……」  
「どういう計算だよ!」  
「私持ち前の悪意に、盛大なイタズラ心をかけて、僅かな自制心を引いてみたわ」  
「完全に暴走してるじゃねえか!?」  
「失礼。加味し忘れました」  
「……何をだ」  
「私の阿良々木君への愛」  
「……な、その……いきなりそういう事を言われると、リアクションに困るんだけどな……」  
「失礼、噛みました」  
「何をだ!?」  
「私の阿良々木君への哀」  
「憐れまているっ!?」  
「ま、戯言なのだけれど」  
「……そう言っとけば丸く収められる便利な言葉だよな、それ」  
「ま、四割は戯言なのだけれど」  
「六割本気だとっ!?」  
「とにかく、多少の設定の誤差は、神原の場合は私や阿良々木君、私の場合は羽川さん、阿良々木君  
 の場合は私や羽川さんに指令を受けてそうなった、という風に解釈をすればいいんじゃない?」  
「その結論に至るまでに、僕の心をズタボロにする必要がどこにあったんだか、訊いてもいいか?」  
「駄目よ」  
「駄目なのかよ!?」  
「とにかく、そういう感じで脳内補完及び設定上の言い訳は付くんじゃないかしら」  
「まあ、そうだな」  
「というわけで、本題はわずかニ、三行で終わったわけだけれど……オチが無いわね」  
「いいよ、無理してつけなくても。だいたい僕がヒドイ目に遭うんだからな」  
「そう。阿良々木君はノーブラがいい、と」  
「なんでそうなる!?」  
「それは簡単な話よ。オチはつけなくていい……つまり、オチはブラをつけなくてもいい……」  
「どういう脳みそをしてるんだよお前は!? 神原のエロ師匠だっただけはあるな!」  
「ま、上手い事言った所で、お開きにしましょう」  
「あんまり上手くないぞ……それに、結局オチてないのな……」  
「まあ、私は阿良々木君に落とされたんだけどね」  
「またしても上手くない上に恥ずかしいだとっ!? ええい、終わりだ終わりだ!」  
 
                                            gdgdなまま終わり  
 

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