「そんないっくんの事が、大好きです」
彼女、葵井巫女子はそう言った
ぼくこと戯言使いはこう言った
「喜んで、いいのかな」
そしてこう続ける
「だけど、付き合えない」
驚きと納得、喜びと悲しみという、相反してると言えなくも無い感情の入り混じった表情をしている巫女子ちゃんを無視して更に続ける、会話のキャッチボールなんてクスくらえだ
「ぼくには今のところ恋人は居ないけど、愛している、と言えばまぁ、間違ってはいない人がいる、うん、言うなれば愛人だね、愛人がいる」
或いは変人だね、と更に僕は言葉を繋げる
「それで、その愛人から「浮気はダメ、ほっぺにちゅーまでならOK」って言われてるんだ、まぁ浮気とかそんな事忠告したりされたりするような嬉しいのか否か解らない関係になった覚えはないんだけどね。」勿論本当はそんな理由なんかではない。
ますます失敗したプースカフェみたいな表情になる巫女子ちゃん、ここまで来るとなんだか可愛らしいとさえも思う
だが、止めを刺さなくてはならない
だってぼくは戯言使いなんだから
トドメヲ
サソウ
コノイタイケナショウジョニ
トドメヲ
「だから君とは」
付き合えない、と、今度は続けられなかった
それは、ほっぺたに温かいナニカが当たったからだ。
そしてぼくの意識を思考から視覚へと移すと、そこには巫女子ちゃんの首があった。
それこそ絞めれば折れそうな、智恵ちゃんのように絞めてられれば、一分足らずで死んでしまいそうな首があった。
極簡単に説明すると、ほっぺたにキスされた。
そして巫女子ちゃんは言った
「ほっぺにちゅーから、始めてください」
どうしよう、断る理由がない
どうしようコロンブス先生、マグロあげるから助けて
いや全く意味がわからないけど
「おねがいします!」
・ ・・まぁいいだろう、所詮は、勘違いで、傑作で、戯言なんだから
本当に、本当に本当に・・・戯言だ