「アララギ君、いくらなんでも冗談が過ぎるんじゃないのかな」
両手を後ろ手に縛られ、廃墟の床にペタリと座りこむ羽川が僕を恨めしそうに見上げている。
「僕は羽川のあの台詞をもう一度聞きたいだけなんだぜ、一言言ってくれさえすれば、僕の気は済むんだ」
そう言いながら僕は自分の影から忍が物質創造で創り出したもの、人の腕ほどもある黒光りするその塊を抜き出す
「さあ羽川、早く言ってくれ!
さもないとこいつをお前の中にブチ込むことになっちまうぞ!」
巨大なバイブを目の前に出され驚いているのだろう、羽川は完全に止まっている。
「それとも羽川、ひょっとしてこいつで虐められるのを期待してるのか?だからこんな状況になっても言ってくれないのかな」
羽川は俯いて、ふるふると肩を子刻みに揺らしだした、その瞳は前髪に隠れ見えないが、頬から首筋まで真っ赤に上気しているのがわかる
「そ・・そんなわけ・・ないじゃないっ・・いい加減怒るよ?アララギ君・・」