八九寺真宵。  
数ヶ月前に知り合った小学生の女の子。  
少し生意気で。口が達者で。元気がよくて。僕の友達。  
戦場ヶ原や羽川、忍とはまた違った意味で大切な存在。  
僕はこいつのためなら何だってしてやるだろう。  
例えそれが命懸けな事でも。  
だけど。  
まさか。  
八九寺の身にあんな事が起こるなんて。  
五月の時に解決していたのは迷子の方だけで。  
もう一つ怪異をその身に宿していたなんて。  
街中で八九寺の後ろ姿を見掛けたその時には夢にも思わなかったのである。  
 
≡≡≡≡≡≡≡≡≡  
 まよいアルター  
≡≡≡≡≡≡≡≡≡  
 
「お」  
参考書を買いに本屋に寄った帰りの商店街の中で、リュックを背負ったツインテールの少女を見掛けた。  
こちらに背を向けてきょろきょろと何かを探しているような挙動を見せているのは間違えるはずもない、大親友の八九寺だ。  
さすがに人目も多いこんなところで抱き付くわけにもいくまい、僕は声をかけようと角を曲がった八九寺を追いかけるために自転車のペダルを踏み出そうとする。  
と、そこで。  
「おや、早蕨さんじゃないですか」  
「人をどこかの殺し名一位の分家みたいに呼ぶな、僕の名前は阿良々木だ」  
「失礼、噛みました」  
「違う、わざとだ」  
「噛みまみた」  
「わざとじゃないっ!?」  
「絡みました」  
「今日はまだ抱き付いてないぞ!」  
そこまで言ってふと気付く。  
確かに八九寺はこの先の道を曲がったはずだ。なのに今僕は後ろから声をかけられた。  
前方にいたのは他人の空似? まさか。  
この僕ともあろうものが八九寺を見間違えるはずがない。  
あのツインテールにしているために晒されているうなじや小振りなお尻、スカートから伸びる膝裏やふくらはぎは間違いなく八九寺のものだったはずだ。  
これはいったい……?  
「あのう阿良々木さん……阿良々木さんが変態なのは知ってますからそういうことを考えるなとは言いませんが、せめて口に出すのはやめたほうがよろしいかと」  
「はっ!」  
どうやら狼狽えたあまり、思考が口からだだ漏れになっていたらしい。  
口は災いの元、ということわざは僕のために作られたに違いない。  
「はぁ……まあいいでしょう、説明が少し省けますし」  
「ん?」  
「実は困った事態になりまして阿良々木さんを探していました」  
「え……」  
思いのほか八九寺が真面目な顔をするので僕もついかしこまってしまう。  
普段から八九寺は真面目な表情で茶化したりすることもあるが、今回は違う。  
 
何というか雰囲気がただならぬ感じなのだ。  
僕は黙って先を促す。  
「阿良々木さんが今前方に見掛けたという少女……あれは間違いなく私です。いえ、あれも、と言ったほうが正確でしょうか」  
 
* * *  
 
とりあえず人目のつかないところで話したい、ということなので僕たちは連れ立って例の学習塾跡の廃墟にやってきた。  
……何だか困ったことがあったら結局ここに来てる気がするな。忍野がいるいないに関わらず。  
「ここがお話に聞く阿良々木さんの秘密基地ですか」  
「何だよ秘密基地って。小学生かお前は」  
「はい、そうですよ?」  
小学生だった。  
「そういや八九寺はここに来るの初めてなんだな」  
「ええ、お話は何度も伺ってますが、実際に訪れるのは初めてですね」  
そんな会話をしながら僕はいつも忍野と会っていた教室へと向かう。  
適当に椅子を用意して二人とも向かい合って座った。  
「で、どうしたって?」  
「あ、少々お待ち下さい。実際見てもらった方が早いかと思いますので」  
八九寺がそう言った途端コンコンとノックの音がし、ガラッとドアが開かれる。  
「…………っ!?」  
僕は思わず言葉を失う。  
そこにはもう二人の八九寺がいた。  
 
* * *  
 
「蝸牛」  
忍は少し眠たそうな声でそう呟いた。  
いや、実際夜行性の忍にとってはまだ普段は眠っている時間だ。  
何やら懐かしい場所の気配と妙な怪異の雰囲気を感じて出てきたらしい。  
三人の八九寺に囲まれている僕を見てさすがに驚いたようだが、すぐに冷静になったのはやはり人生経験豊富な年の功というべきか(言ったら烈火のごとく怒り狂うだろうが)。  
それはともかく忍の言った言葉。  
「蝸牛って……それって五月の時の迷い牛のことか? それが原因だっていうのか? でもあれはもう解決したんだろ?」  
「そう急くな、儂だって直感で言っただけで確証はない。よく話を聞いてみんことにはな」  
「そ、そうか」  
僕は八九寺の方に……いや、八九寺達の方に振り向く。  
三つの同じ顔が、同じ目が僕をじっと見つめてくる。  
何だかやりにくいな…………。  
「えーと、とりあえずみんな八九寺なんだよな」  
「はい」  
真ん中の八九寺が代表して答える。  
とりあえずこいつと話を進めよう。  
「いつからこんな状態なんだ?」  
「二日前からです。ふと気が付いたらこんな状況でして。特に何かあったということはありません」  
ヒントもなんにもありゃしねぇ!  
怪異には間違いないようだが。  
 
ん?  
「忍、この怪異、お前なら食えるか?」  
「む、まあ出来なくはないが……一時凌ぎにしかならんぞ? 根本的に解決せんと数日もすればまた増えるじゃろうて」  
「そうか」  
まあ僕としても八九寺を無理やり消してしまうような真似はしたくない。  
どれも八九寺なんだしな。  
「あ、その点はご心配なく。確かに私も八九寺真宵ですが、本物はこちらですから」  
真ん中の八九寺を示しながら右の八九寺が言った。  
ていうか。  
「わかるのか?」  
「はい、一応私そのものが怪異ですからね。怪異には怪異のことがある程度わかるのです」  
なんでこんなことになってるのかはわかりませんが、と付け足して八九寺は苦笑いした。  
なるほど、本当にいざとなればこの本体以外を忍に吸い尽くしてもらえば多少は凌げるわけか。  
「一応記憶や知識も共有してますし、感覚や感情も多少伝わります。クローンというかドッペルゲンガー……ですかね?」  
いや、僕に聞かれても困るんだけど。  
ちら、と忍を伺うと、ふぁぁと欠伸をしながら忍は言う。  
「どっちかというと分身、コピーのほうがしっくりくるかの。まあほぼ間違いなく蝸牛の怪異じゃな」  
「特性は迷い牛だけじゃなかったのか。どんな怪異なんだ?」  
「見ての通りじゃよ、自分のコピーを作り出してしまう。実害は少ないが社会的には迷惑な怪異じゃ。成長の遅い女子に現れることが多い」  
成長が遅いって……そりゃ八九寺は成長しないけどさ。  
でも何でそれがコピーと繋がるんだ?  
「子供じゃよ」  
「……え?」  
「本来なら子を為す身体になるはずなのに一向に身体的準備が整わない。そんな時に一人でも子孫を残そうとする意志が蝸牛の怪異を呼び寄せる。本当はもう少し歳を取ってから取り憑くのじゃろうが、この娘には下地があったからな」  
迷い牛。  
蝸牛の怪異か……。  
ん、でも?  
「なんで一人で子供を作るのが蝸牛なんだ?」  
「お前様は本当に不勉強じゃの。蝸牛のある種は両性具有なのじゃ。いよいよとなれば単体で子を為すこともあるぞ」  
……知らなかった。  
ま、まあそれはいい。  
「で、どうやったら解決できるんだ? 難しいのか?」  
「いや、お前様の協力があればすぐに解決できるぞ。一度消えれば二度と出ることもなかろう」  
「お、そうなのか。良かったな八九寺」  
「はい」  
僕は安堵し、八九寺達もほっとした表情を浮かべた。  
忍はすっくと立ち上がり、僕に寄ってくる。  
「少し血を貰うぞ。儂の力も使わねばならんしの」  
 
「あ、ああ、わかった」  
ひょいと首を晒すと、忍はそこに牙を立てて血を吸い始める。  
そしてある程度吸ったところで離れ、僕を部屋から追い出した。  
「準備ができたら呼ぶから待っておれ」  
忍は僕が何か言う前にさっさとドアを閉めてしまう。  
仕方ない、待つとしよう。  
そもそも何をすればいいのかまだわからない以上、僕に出来ることはないし。  
しばらく待っていると「良いぞ、入れ」と声をかけられる。  
何をしていたのかと思いながらドアを開けると、いきなり忍の顔が目の前にあった。  
「うわ……うっ!」  
驚きの声をあげる間もなく、忍の瞳が妖しく光る。  
これは。  
この感覚は。  
「し、忍っ、お前、魅了っ……何でっ!?」  
「この蝸牛の怪異を祓う適切な方法……それは子作り行為をすることじゃ」  
え?  
い、今なんて?  
「当然じゃろ? 子作りできる身体とわかれば自然と怪異は離れる」  
「そ、それってまさか……!?」  
「儂は下の階で寝ておるから何かあったら呼べ。ああ、簡易式ではあるが結界を張っておいたから周りは気にしなくてよいぞ」  
僕が何か言う間もなく忍はそう言い残して部屋を出て、ぴしゃりとドアを閉めた。  
取り残された僕は戸惑いながら部屋の中央を見ると、そこには何故か巨大なベッドが置いてあった。  
おそらく忍の物質具現能力でできたものだろう。  
そしてその上に。  
「…………」  
三人の八九寺が座っていた。  
左右の二人はこちらを見ているが、真ん中の八九寺は僕に背を向けたままだ。  
多分その真ん中のが本物の八九寺なんだろうな。  
僕はゆっくりと近付いていく。  
「は、八九寺」  
躊躇いながらも声をかけると、びくりと八九寺の肩が跳ねる。  
よく見るとふるふると全身が震えていた。  
もう忍から話は聞いていることだろう、ひょっとしたら怖いのかもしれない。まだ小学生なんだし。  
八九寺のことは大好きだけど、大好きだからこそ本当に本気で嫌がることはしたくない。  
僕に魅了による催淫効果はまだ現れていない、今のうちにこから離れるべきだな。  
とりあえずもう一声かけていこうと八九寺の肩を叩く。  
「八九寺、僕は……っ!」  
振り向いた八九寺の表情を見て僕は驚愕した。  
明らかに恐怖に歪んだといった顔ではない。  
瞳を潤ませて頬を上気させ、はっはっと荒い呼吸をしている。  
僕が何かを言う前に、八九寺が僕を引き寄せてしがみついてきた。  
「阿良々木さんっ、阿良々木さんっ、阿良々木さんっ!」  
 
「ど、どうした八九寺?」  
「変なんです! 私の頭と身体! 熱くて、もやもやして、ふわふわして、せつなくて」  
ま、まさか。  
忍のやつ、八九寺にも魅了をかけたのか?  
でも僕くらいにしか効かないんじゃあ……いや、ひょっとして怪異同士なら効きやすいのか?  
そこまで考えたところで僕の思考は停止する。  
どくん!  
心臓が一際大きく高鳴った気がした。  
魅了の効果が僕の全身に回り出したのだ。  
頭に靄がかかったみたいになり、下半身の一部に血流が集まる。  
気が付くと僕は。  
目の前の少女を力一杯抱き締めていた。  
 
 
「あ……阿良々木、さん」  
僕の腕の中で八九寺が戸惑いの表情を見せる。  
とは言っても僕の抱きしめる行為についてではなく、今の自分の身体の変化についてだろうが。  
「んっ……!」  
その熱い吐息をもらす口に思わず吸い付いた。  
ちゅ、と軽く吸って舌で唇をなぞり、ぎゅっと押し付けてから離れる。  
「あ……」  
八九寺はベッドの上で膝立ちになり、傍に立つ僕にしがみつく。  
「あ、阿良々木……さん」  
「ん?」  
「今のを……いえ、もっと激しいのを、してください……」  
「……本当にいいのか? 僕、止まれなくなっちゃうよ?」  
「大丈夫です」  
「八九寺にひどいことしちゃうかも」  
「阿良々木さんなら、構いません」  
だから早くキスしてくださいと目で訴えてくる。  
僕は八九寺の頭に手を添えて、また唇を近付けていく。  
「八九寺、目を瞑って舌出して」  
「はい……」  
従順に晒された舌に自分の舌を触れさせた。  
そのまま唾液を絡ませながらくちゅくちゅと音を立てて舌同士を擦り合わせる。  
僕はもっとしてほしいというようにさらに突き出された八九寺の舌を唇で挟み込み、口内に招き入れて強く吸う。  
舌先をつつき合わせて唾液をすすると、びくんびくんと八九寺の身体が震えた。  
今度は僕の方から八九寺の口内に舌を差し入れる。  
「んっ……んむ……ちゅ……あむっ」  
八九寺はすぐさまそれにしゃぶりつき、舌を絡めてきた。  
歯茎や内頬をなぞり、唾液を与え合う。そんな口内愛撫を交互に繰り返し、頭の中がどんどんとろけていくような感覚に陥っていく。  
やがてジン、とした疼きが下半身に走り、ズボンの中で大きくなっているモノが今にも爆発しそうになる。  
ぶっちゃけて言えば、僕はキスだけで射精しそうになっているのだった。  
だけど僕の舌は止まらない。いや、止まれない。  
これ以上はまずい、といったところで。  
「ん……ぷはっ」  
唇が離れた。  
僕じゃない、八九寺が顔を離したのだ。  
しがみついていた腕を外し、はっ、はっ、と息を荒げながらベッド上にへたり込む。  
「だ、大丈夫か八九寺?」  
「い、今……」  
「ん?」  
「今、私、変になりそうでした」  
「…………」  
「何か来るみたいな、意識がどこかへ行くみたいな、身体がふわっと飛んでしまいそうな感じで」  
それって…………。  
「そうか、八九寺もイきそうになったんだな」  
「イきそうに……ですか?」  
 
「ああ、簡単に言えば一番気持ち良くなる瞬間ってことさ」  
「絶頂というやつですか……『も』ってことは阿良々木さんも?」  
「う……ま、まあな、八九寺とのキスがすげぇ気持ち良くて……っておい! 何を!?」  
八九寺が僕のズボンに手を伸ばし、カチャカチャとベルトを外し始めたのだ。  
慌ててその腕を掴んで止めさせる。  
「でも阿良々木さん、脱がないと汚れてしまいますよ? 男性の絶頂って要するに射精のことなんですよね?」  
「ま、まあそうなんだけど」  
「阿良々木さんの、見せてください」  
「…………」  
そりゃま、いずれ見せるんだろうし……仕方ないか。  
僕は自分のベルトに手をかける。  
ズボンとトランクスを脱ぎ、びぃんと反り返った肉棒を晒す。  
「っ……!」  
八九寺が息を呑むのがわかった。  
が、特に怖がったりといった様子は見せず、まじまじと見つめてくる。  
「そ、そんなに見るなよ」  
「いえ、もっと見せていただきます」  
八九寺は息が当たるくらいに顔を近付けてくる。  
そのままぺろっと先端を軽く舐められた。  
「う、うあっ!」  
その不意打ちの快感に全身が震え、思わず腰を引いてしまう。  
「あれ、気持ち良くなかったですか?」  
「いや、びっくりして……って、見るだけって言ったじゃないか」  
「味を見たんですよ?」  
ふふ、と八九寺は笑い、手招きをする。  
「こっちに来てください。私の口でよければ気持ち良くしてさしあげます」  
「い、いや、そんな、無理しなくてもいいよ」  
「無理なんか……してませんよ、私がしたいんです。阿良々木さん、私の口で気持ち良くさせてください」  
「八九寺……」  
「そうですよ阿良々木さん」  
「私たちもお手伝いしますから」  
今まで傍観していた八九寺の偽物……って言うと変だな、八九寺の分身二人が僕の左右の手を取って引く。  
促されるままベッドの上に立ち、三人の八九寺が跪いて、僕の股間にゆっくりと顔を寄せてくる。  
「それでは失礼します」  
少し場違いなセリフを言って八九寺たちは舌を突き出し、そっと肉棒に這わせてきた。  
「うぐっ!」  
今度は覚悟していたので腰を反射的に引くようなことはしなかったが、それでも予想以上の感覚が身体を駆け巡る。  
真ん中の八九寺は亀頭を舌の先端でチロチロと刺激し、左右の八九寺は茎に舌を這わせながら時折唇を押し付けて軽く吸う。  
「うあっ、あっ、あっ」  
僕は襲い来る快感にがくがくと膝が震え、声が漏れ出る。  
脚に力が入らない。  
 
目を閉じて歯を食いしばり、崩れ落ちそうになる身体を支えるために左右の八九寺の頭に手を置く。  
もうとっくに限界なんて超えており、じゅくじゅくと先走りの液が出ているのがわかる。  
それでも射精までに至らないのは八九寺たちのテクが拙いからだろう。  
「えーと……いただきます」  
状況にそぐわない言葉が聞こえたかと思うと、これまでの舌とは違う温かい感触が僕の肉棒を包み込む。  
思わず目を開けて見ると、八九寺がその小さな口を目一杯開き、僕のを懸命に口に含んでいる。  
左右の二人は僕の脚にしがみつき、付け根からぶら下がる陰嚢に舌を這わせてくる。  
しかもいつの間にか三人とも服を脱ぎ捨てて裸になっていた。  
八九寺たちの裸。  
裸の八九寺たち。  
同じ顔をした美少女が裸になって僕の股間に群がっている。  
その非日常的で官能的な光景に、僕の興奮が一気に最高潮まで高まった。  
「八九寺っ、ごめんっ!」  
僕は一声謝ると、肉棒をくわえている八九寺の後頭部を掴み、腰を激しく前後に振り始める。  
じゅぷじゅぷと唾液の絡む卑猥な水音を立てながら肉棒が口内を出入りし、腰を突き出すたびに亀頭が喉奥を突く。  
「んっ、んぐっ、ぐうっ」  
八九寺が呻く。が、今の僕にそれを気にかける余裕はなかった。  
そして、あっという間に射精を迎えてしまう。  
「あ、あ、八九寺、いくよ、口の中に出すよ! 八九寺、八九寺ぃっ……あっ! あああっ! あっ! あっ!」  
びゅるびゅるびゅくびゅくっ!  
限界を超えてまで堪えていたものが一気に爆発し、噴射された。  
精液が八九寺の口内で暴れまわり、口の端からぽたぽたと溢れ出る。  
「あっ……あ……っ……あ……あっ」  
長い射精が終わり、僕はふらりと力が抜けてその場にへたり込んでしまう。  
少しの間余韻に浸っていたが、口一杯に精液を溜めて涙目になっている八九寺が見えて、僕は我に帰った。  
「ご、ごめん八九寺! ほら、吐いて」  
僕が言うと八九寺は自分の口元に手を当てる。が、吐き出さずにこくんとそれを飲み込んでしまう。  
「! は、八九寺!?」  
そのまま幾度も喉を鳴らし、口内の精液をすべて飲み下してしまった。  
呆然としてる僕に上気した表情で笑いかけてくる。  
「苦くって変ですけど……すごくいやらしい味がします……おなかの中がきゅん、ってなっちゃいますね」  
「八九寺……うっ!」  
その言葉に反応する前に僕は声を上げてしまう。  
イったばかりで敏感な性器に新たな刺激を与えられたからだ。  
 
左右の八九寺が、肉棒にこびりついた体液をその舌で舐め取ってくれる。  
先っぽの割れ目に唇を付けて、頬をへこませながら尿道内に残ったものを吸い出された時には、理性が吹っ飛びそうな快感が全身を駆け巡っていった。  
「っ……ぅ……っ」  
必死に声を押し殺している間に、八九寺二人のお掃除フェラによって綺麗になった肉棒はすっかり元の大きさと固さを取り戻す。  
このまま二発目も放ってしまいたい、と思ったところで二人の顔が僕の下半身から離れる。  
今度も二人とも舐め取ったものを飲んでくれるのかと思ったら、それを口の中に含んだまま正面でぼーっとしていた八九寺に顔を寄せていった。  
八九寺はすぐに察したようで、唇を軽く開いて顎をついっとあげる。  
そのまま分身の片方は本体にキスをし、口移しで僕の精液を流し込んでいく。  
「んっ……んくっ……ん」  
八九寺は口内に流し込まれたものを喉を鳴らしながら飲み下していった。  
ふーっ、ふーっ、と息が荒くなってもじもじと太ももを擦り合わせているのに僕は気付き、そこに手を伸ばす。  
つうっと内腿を撫でるとびくっと身体が震え、わずかに脚が開かれる。  
そこに手を差し入れて指を足の付け根に這わせると、くちゅっと水音が鳴り、愛液が指に絡む。  
「ふぁっ、ああっ!」  
与えられた精液を飲み干したその口から甘い悲鳴が漏れる。  
僕は八九寺の腰に手を回してぐいっと抱き寄せ、少し足を開かせた膝立ち状態にさせた。  
小さいながらも立派に自己主張している目の前のピンク色の突起を舐め、愛液が絡んでぬるぬるになった指で股間の陰核をくりくりと刺激する。  
「ひぃっ! そ、そこ駄目ですっ! 感じすぎんむっ! むうっ!」  
喘ぐ八九寺の唇をもう一人の分身が塞ぎ、今度も口内に溜めた精液を飲ませる。  
さっきすべて与えた方の分身は後ろから八九寺に抱き付き、様々なところを愛撫していく。  
空いた方の胸を揉み、乳首を弄る。  
腹や太ももに手を這わし、小振りなおしりを撫で回す。  
全身に力を入れている八九寺に僕は声を掛けた。  
「怖がらないで八九寺、気持ちいいのを受け入れるんだ」  
そう言ってぴんぴんに尖った乳首を口に含んで思いっきり吸い、陰核を擦る指の動きを激しくする。  
「んっ、んはあっ、あああっ!」  
与えられた精液を全部飲み干した八九寺がぐううっと身体を反らし、離れた唇から嬌声が放たれた。  
そのまま責め続けると八九寺の両腕が僕の頭に回されてしがみついてくる。  
 
「ひっ、来ます!  何かが、何かが、あ、あ、あ…………あはああぁぁぁぁっ!」  
激しく身体を震わせながら八九寺は絶頂に達した。  
そのイきっぷりは三人がかりで身体を押さえつけなければならないほどに激しいものだった。  
「あ……あ……あ……」  
八九寺はびくっびくっと全身を痙攣させ、小さな悲鳴をあげ続けながらぱたりとベッドの上に仰向けに倒れ込む。  
はぁっ、はぁっ、と息を荒げる八九寺の頭をそっと撫でると、少し恥ずかしそうに言ってくる。  
「すごかったです阿良々木さん……でも、まだ、お腹の中が、じんじんして……」  
「ふふ、まだ満足してないなんて八九寺はエッチだなぁ」  
「は、はいっ……私はエッチですっ……だから、もっとしてほし……です」  
「そっか、じゃあ……八九寺の処女、僕にくれるか?」  
「処女……阿良々木さんに……? は、はい、もらってください……私の処女、阿良々木さんに差し上げます」  
「嬉しいよ八九寺」  
僕はそっと八九寺の脚に手を添えて開かせ、間に自分の身体を入れた。  
これ以上ないくらいに固くなっている肉棒を、まだ毛も生えていない秘所に押し当てる。  
「ああっ……当たってます、阿良々木さんのが、私のに……熱いです……っ」  
「じゃあ入れるよ、八九寺」  
「はいっ……くださいっ、さっきからおなかの奥が、阿良々木さんが欲しいってずっと……っ」  
「いくよ、八九寺」  
僕は八九寺の腰を掴みながらゆっくりと肉棒をその小さな蜜壷に埋めていく。  
 
 
 
 

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