009  
「ん、ぁん…はぁんっ」  
「…気持ちいい?」  
「ん、んんっ…!いい、よっ…」  
僕は後ろに回って羽川の胸を揉んでいる。…決して春休みの再現などではない。  
うっわー。胸って小さい方が感度いいとか言うけど、あれ嘘だな。  
羽川すっげえ乱れてるもん。めっちゃ喘いでるもん。こらそこ発情期のせいとか言わない。  
友達の胸揉むとか普通に無理だけど(八九寺除く)、恋人のならいくらでもいけるぜ!  
「…っん、んふぅ…っ、んっ」  
激しく、かつ優しく。僕は羽川の胸を揉みしだいてやる。  
すげえ柔らかい。この世にこんな柔らかい物が存在したのか。  
「ん、あんっ…やあっ」  
ああもう、僕の理性は保つのだろうか。絶対保てよ。頼むよ。  
…………………無理かも。  
「っく、ぅん…ぁ、や、あぁっ…」  
やべえ、なんだろう。この気持ちは。  
ああ、羽川。羽川。羽川。羽川。羽川。羽川。――愛してるっ!  
「…んっ、ひぅ、あぅ…っ。ぁあっ、やあ――…っ!?」  
ビクビク震える羽川が可愛かったので、いく寸前で愛撫を一気にゆるめてやった。  
形が変わるほど揉みしだいていたその豊満な胸は押すだけ。  
こりこりと摘まんでいたその桃色の頂点には触れるだけ。  
…男なら一度はやってみたいよな?そうだよな?寸止め。  
「……」  
「ん?どうしたの、翼?」  
いじわる僕。  
「…いじわる」  
指摘された。ごめん羽川。  
反省した。いやホントに。だから――いかせてやる!  
ゆるめたその手を再び激しく動かす。  
「ちょ、やめっ、ふぁあっ、やぁあっ、あぁぁああああっ!?」  
あえなく絶頂を迎える羽川。可愛すぎる。  
このまま襲ってしまいたいところだが、僕は紳士なのでそんなことはしない。  
頑張れ僕の理性。負けるな僕の理性。勝っちまえ僕の本能。…いや駄目だ!三つめなし!  
まあ襲わないとはいってもいじわる発言をやめる気はさらさらないんだけどな!  
 
「大丈夫?」  
「…じゃない」  
「じゃあ、もうやめる?」  
「……やめないで」  
ていうかいじわる発言した筈がむしろこっちが恥ずかしかったぜ!  
やめないで、とか可愛すぎるだろどこにもっていけばいいんだこのテンション!  
今度は正面に回って羽川のソコを慣らす。  
押し広げ、指を突っ込み、おまけに中をかき回してやる。  
「んんっ、やあっ!ふあ、あんっ、あぁっ!」  
…可愛い。反応が可愛い。  
指を曲げる。  
「んっ!」  
指を回す。  
「やぁっ!」  
…可愛すぎる。何この可愛い生き物…羽川という存在の破壊力を、僕は舐めていたようだ…。  
「…そろそろいいかな。羽川、次は、どうしたい?」  
再びいじわる僕。言われるまでは何もしてやらない。いじわるモード、確変突入である。  
なんだかいじわるモードが楽しくなってきたので終わりが見えない。  
「……れて」  
「え?聞こえない。もっと、よく聞こえるように言って?」  
そう言って僕は羽川の口もとに顔を寄せる。…か細い声が、消え入るように聞こえてきた。  
「…挿れ、て」  
「おう」  
あらかじめ用意しておいた避妊具を装着し、既にとろとろになっている羽川のソコにあてがう。  
そのまま羽川を抱き寄せ、腕を回させる。  
「痛かったら、引っ掻いて構わないから」  
…初めては痛い、ってよく聞く話だけど、実際どの程度痛いんだろうか。  
でもそれを考えたらチキンの僕には挿入はできないだろうので、覚悟を決めて、  
一気に貫いた。  
 
「―――――――――っくぅうっ!?っつぅ、んんっ!」  
「あー…やっぱ、痛かった?」  
背中に鋭い痛みと軽い治癒を感じる。…羽川による引っ掻き傷がなくなるのは、むしろ惜しい気が。  
…僕の趣味はやっぱりマニアックなのだろうか。まあそれは置いといて、繰り返し言うように、僕は紳士だ。  
痛がる羽川を無視して動いたりしない。しない。したい。でも動いちゃ駄目だ……畜生。頑張れ理性!  
「…ん、っつぅ…。は、はぁ…っ」  
「…どう?落ち着いた?」  
「ぜん、ぜん…すっごく、いたい…」  
「…すみませんでした」  
お詫びにキス。驚いて反応出来ずにいるのをいいことに舌を差し込み、  
羽川の口内を存分に蹂躙する。  
「んんっ!?ん、んむっ…っちゅ、ぅん…っ!」  
「…ぷはっ。どう、落ち着いた?」  
「痛いのはちょっと落ち着いたけど精神的にはむしろ悪化したよ…」  
「……すみませんでした」  
ああもうああもう、どうしろっていうんだ。いい加減僕も自分を抑えられないぞ?理性残りHP3、くらいだ。  
「…で?どうする?」  
「…あくまでも言わせたいんだね…」  
「嫌がる事はしない。いちいち聞くなってんならもう聞かない。やめろってんなら頑張ってやめる。  
お前の好きなように事を運んでやる。だから聞いてるんだ…どうしたい?」  
「…本当、変なところで義理堅いんだから。  
じゃあ、お願い――気持ちよく、して?」  
「…おう」  
言うことまでいちいち可愛いとか、反則だろ…本当、惚れさせてくれる女だよ、お前は――  
「じゃ、動くから」  
 
一応宣言。言っとくがもう止まれそうにないぜ!  
腰を振る僕。  
喘ぐ羽川。  
僕の肉と羽川の肉とがぶつかりあい、ぱんぱんと鳴り響く音。  
ぐちゅぐちゅと音を立てる接合部。  
ここから先は天国のような冗談で、冗談のような天国だ。  
もう気ィ失うくらいに気持ちよくしてやるから、覚悟しろよ。  
 
 
010  
僕は羽川の中を息子で擦りあげる。  
「んん、はぁんっ、ああっ!」  
「…っくぅ…きっつ」  
僕が動くたび、凄い力で締めつけてくる羽川の中。尋常じゃなく気持ちいい。  
ある程度慣れた感が出てきたので、次にぎりぎりまで抜いて――再び貫くっ!  
抜く。貫く。抜く。貫く。  
「ふぁあっ!?やっ、あん、ああぁぁああっ!」  
何度目かの往復で、耐えきれず絶頂に達する羽川。…締まりが!締まりがやば…っ  
「…くっ、ううううっ!」  
それに続いて僕も絶頂に達し、白濁液を避妊具の中に思う存分吐き出す。  
 
「…っあー…気持ちよかった」  
「…はあ…はぁっ…。…じゃ、阿良々木くん?これで終わりだとか、言わないよね?」  
「……マジで?」  
「…ごめん、なんだか――自分を、抑えられない」  
「…っ!ちょ、待て!やるのは構わないけど!ちょっと待て!付け替えないと!」  
「あ、避妊具?…別に、いいけど」  
「よくないっ!」  
…そんなに見せたいものでもないので、さっさと準備を終えて、振り向いたら。  
羽川が!羽川がっ!僕に襲いかかってきたっ!?  
あの理知的で清楚な羽川はどこへっ!?  
今日の羽川、キャラがおかしいってレベルじゃねえよ!  
いつの間にか別人だよ!ちょっと見ない間に彼女が淫乱になっちゃったよ!  
…いや、笑えないよ!?  
とかなんとか慌ててはみたが、ああ猫に襲われるってこんなんなんだー、みたいに納得してる自分がいたり。  
けど正直不気味だ…体が同じでもキャラが違いすぎて猫と羽川は別に見てたからな。  
今更キャラ被られても困るよ!  
「…えーと、翼様?」  
「なんで様づけなのよ…。言ったでしょ?あたまがぼーっとして、からだがあついから…  
どうにかして、って。おさえられないの。がまんできないの。…あなたが、ほしいの」  
「…おう」  
その言葉を前にして、僕の理性など無いに等しかった。  
羽川が僕のことを必要としてくれる、それだけで僕は、もう全てどうでも良かった。  
分かった、オーケー。改めて僕は、お前を――抱こう。  
 
そうして、僕らはまた、ゆるゆると快楽の海へと身を投げ出し、溺れてゆく。  
理性はとうに溶け去り、自制は欠片も姿を見せない。  
僕らは互いを求めあい、互いを犯しあい、互いを愛しあう。  
繋がり合い、乱れ合い、ゆったりと、昇り詰めてゆく。  
 
その日、あらかじめ用意していた避妊具を使い果たすまで、僕らの行為は終わらなかった。  
 
 
その晩。僕は家に帰り、自室に戻り、勉強を始めた。  
えーっと、今日は古典だな。あーあー苦手苦手。でも頑張らないと。助動詞、助詞…  
…ていうか勉強なんか出来るかー!  
僕はベッドに飛び込んで、考えた。  
 
その晩。わたしは阿良々木くんを見送り、自分の部屋に戻って、勉強を再開した。  
えっと、確か今日はロシア語をやってたよね。いや、スペイン語だっけ?  
…って、この状態で勉強なんて出来るわけないじゃない…。  
わたしはクッションに顔を埋めて、考えた。  
 
((…明日、どんな顔をして会えば良いのだろうか))  
 
 
011  
今回のオチというか、後日談。  
まあ最終的にはオチるんだけど。  
 
花の日曜日。何故なら勉強が休みだから。ていうか羽川とデートだから。  
ママチャリでゆったりと待ち合わせ場所に向かっていたら、八九寺を見つけた。  
「はっちくじー。おはよう」  
「なっ!?かわわ木さんがセクハラでもなくただ話しかけるでもなく普通に仲の良い友人の如く  
ポンと優しいボディタッチとともに話しかけてくるなんて!天変地異の前触れです!  
前振りに3ページ近くかけないだけで既に世界滅亡の危機です!」  
「僕が正常な行動をとるのは禁忌の儀式か何かなのか…。  
あと、今回どう噛んだんだよ…あ、『あらら』から行一つずらしたのか。  
なんだか妙に感心してしまったけれど、そんなこととは何の関係もなく僕の名前は阿良々木だ」  
「ありょうくりかえしき?」  
「…仕方ないだろう、変換できないんだから。八九寺、お約束を破るのは感心しないな」  
「はちきゅうてら?」  
「変換できないっつってんだろ!辞書機能とか使えねえんだよ!」  
「失礼、噛みました」  
「何を今更…だがまあ一応言っておこう、違う、わざとだ……」  
「噛みまみた」  
「わざとじゃないっ!?」  
「はにかみまみた。えへっ!」  
「合わせ技だとう!?」  
 
ああ、この充実感。お約束って素晴らしい。だがしかし、今日に限っては八九寺には退場してもらおうか。  
…僕、羽川、八九寺の三人で行動するなんて普通に無理だろう、見た目的に。家族かっつーの。  
「あ、そうだ。あのあとなんだかんだ言ってまだやってなかったな。  
八九寺、アイスクリームを買ってやろう。ほら、これで好きなのを買ってこい」  
「きゃっほー!流石阿良々木さんっ!私は長いこと待ってたんですよっ!  
忘れられたかと心配でした!セクハラに耐えて待ち続けた甲斐があったってもんですっ」  
「僕みたいなもんの口約束をそこまで信用してくれてたなんて、涙が出そうだよ…」  
ていうかアイスはセクハラより重いのか。なんだかすごい罪悪感。  
ぶんぶんと手を振りながら飛び跳ねて去っていくご機嫌八九寺。  
500円玉もあそこまで喜んでもらえたら本望だろう。  
 
で、そのままゆったりと待ち合わせ場所についたら、15分前だってのにやっぱり羽川は既にいて。  
どういう訳か戦場ヶ原と神原もいた。……………いや、マジでどういう訳だ!?  
「…あ、阿良々木くん。おはよ」  
こころなしか羽川が不機嫌に見える…。怖え。すんげえ怖え。キレた火憐ちゃんの5倍は怖え。  
「……おはようございます…ところで羽川様、そちらの方々は…?」  
「阿良々木先輩を奪いに来たんだ!愛は惜しみなく奪うものだからな!」  
「屑…いえ、阿良々木くんを毟り…奪いに来たのよ」  
もう何なんだよお前ら!戦場ヶ原に至っては本音漏れてんぞ!  
羽川の不機嫌も納得だよ!ていうかこれ僕にとばっちりが来るパターンじゃねえか!  
和やかな日曜日に僕にどれだけ突っ込ませる気なんだお前らは!  
 
「さて、じゃあ五月蝿い虫…阿良々木くんの文句も聞き終えたところで、トリプルデートと洒落込みましょうか」  
「いや、戦場ヶ原…人数が合ってない」  
「羽川さん×阿良々木くん、戦場ヶ原ひたぎ様×阿良々木くん、神原×阿良々木くんよ」  
「ふざけんな!僕は羽川一筋だ!」  
「済まないが阿良々木先輩…ハーレム系ラブコメにおいては、主人公に人権は認められない場合が多い。  
多数のヒロインの都合、心情、愛憎痴情。全てに振り回されてこその主人公だ。  
そしてこの場合主人公は阿良々木先輩であり、この物語は大多数に含まれる」  
「そもそもこの物語ラブコメじゃねえよ!青春怪異ものだよ多分!  
ほら、各巻にちゃんと『青春だ!』って入ってるじゃん!ていうか僕の人権をそんな理由で消し去るなあ!」  
「青春ということはつまり愛憎痴情のエロだろうが!」  
「まずはそのふざけた幻想をぶち殺したい!」  
「…じゃ、暦くん。行こっか」  
「うん行こう今すぐ行こう早くこの場を離れげふうっ」  
逃げようとしたらヴァルハラコンビにダブルでラリアットを喰らい、首を持って行かれた。  
反応が良すぎるだろうこの二人。寸分違わぬコンビネーションだよ。  
いい感じにラリアット決まってて息できないし。  
人間もどきの吸血鬼阿良々木暦、弱点としての呼吸器官は健在である。  
 
「じゃあ、ダブルデートと洒落込みましょうか?」  
「さあ、阿良々木先輩。めくるめく3Pの世界へ旅立とうか」  
「あっ、戦場ヶ原てめえ羽川を数から外したな!なんてことしてくれんだ!  
あと神原!3Pってなんだ、場合によっちゃ許さないぞ!」  
「……じゃ、こ・よ・み・くん。行こうか」  
「行きたいけど!行きたいのは山々なれど翼!今引っ張られると首締まる!ていうか締まってるっ!  
やめてとめてやめてとめて…アッ―――――!」  
 
こうして和やかで至極平和な日曜日の往来に、僕の悲鳴が響き渡る。  
とても爽やかな青空に、僕達の馬鹿騒ぎは呑み込まれていった。  
 
 
 
 

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