「なあに阿良々木くん、日曜日に用って。何か分からない事でもあったの?」
「いやいや、ACの話」
「阿良々木くんまでメタなネタをっ!?」
「いやあ、十五話ってACの担当僕と羽川じゃん?だから一緒に見て予習しとけってさ」
「へ、へえ…」
「まあ僕は配信直後にみて今日までに既に八回は通して見たんだけどな」
「そ、そうなん、だ…」
「という訳で、れっつらゴー」
五分後。
「……もうやだ……」
「えー。いいじゃん、演出。ちょっとくどい気がしなくもないけどさあ。
僕的にはこれくらいで全然オッケーだぜ」
「そうじゃなくて…いやそれもあるけれどそうじゃなくて……」
十五分後。
「…ねえ、阿良々木くん…私、もう帰ってもいいかな…」
「何を言う羽川。最終話ACという大役を前にして最善を尽くさないなんて、
僕の知る羽川じゃあないな。僕は何度でも見返してネタを出すからな!」
「その責任感をもっと他のところで使ってほしいわ…」
視聴終了。
「…ううう…」
「うんうん想像以上の出来栄えだったな、コメントのし甲斐がある。
ところで羽川、何故燃え尽きているんだ」
「あんなの見せられてどうとも思わない方がおかしいよ…」
「えー、よかったじゃん、
泣き叫ぶ羽川とかエロシーン入る羽川とか演劇の演出入る羽川とか
ブラックなのに教室で喋ってる演出の羽川とか最後の寝言羽川とか」
「何が嬉しくて自分の失態を見ながらコメンタリーやらなきゃいけないんですか」
「失態?どこがだよ、可愛かったぞ」
「な、何言って…って、阿良々木くん!何するの!」
「何って…ナニだよ」
「ちょ、んっ…戦場ヶ原さんに知られたら…」
「それについては大丈夫」
「な、なんでっ…?」
「この小ネタの設定は作者の作『恋物語』準拠で、つまり僕と羽川は付き合っていて、
故にこういう事をしても問題ないという理論武装が僕を擁護する!」
「そんな馬鹿な!」
「羽川のあんな姿を見せられて、我慢なんか出来ねーよ!ほれほれー」
「あ、ちょ、や…っ」
「……はっ。夢か……なんだろう、ACだの設定だの、変な夢だったなあ…。
…いや、それどころか素晴らしい夢だったな!せっかくの日曜日にこんな早くに目覚めるなんて有り得ん、
二度寝だ二度寝!さあ僕に夢の続きを見せてくれ―!」
「……へえ、どんな夢を見ていたのかしら?」
「……ガハラ……さん……?」
……………………ばき どご ぼぐぅ がじゃこっ アッ―!