まよいステイ  
 
八九寺真宵は僕にとって親友でもあり助けた少女でもあり結婚すらしたいと思うそんな仲だった。  
忍野忍は僕にとって終生の相手でもあり助けなかった吸血鬼であり傷つけあいながらも傷を舐めあうそんな関係だった。  
そんな対称的なような、でも同一的なような、でもなんの関係性もないような二人は僕という存在を中継として  
何度と無くニアミスを繰り返しながらも、積極的に会話する事はなく触れ合う事もなかっただろう。  
それがどうしてこうなってしまったのか僕の口からはあまり言いたくない。  
言いたくないんだけれど  
僕の目に映る二人の姿は夢幻でも蜃気楼でもなく  
僕にかかっている重さは幻覚でも妄想でもなく  
言い訳も弁解のしようもないくらい僕は二人に溺れてしまっていた。  
 
事の発端は忍からだ。  
結局の所、忍はおしゃべりで会話に飢えていたのだろう。  
僕一人との付き合いでも楽しんではいたんだろうけれどそこは影住まい。  
自由に出来る時間は少なく夜行性のためか、僕とおしゃべりできない時期が続いたある日  
いつものよう僕とふざけあっていた八九寺の足を突然掴み影の中に引っ張り込んだのだ。  
 
それはもう驚いた。  
本当に八九寺が影の中に入れるとは思ってもいなかったし  
あの八九寺がリアクションすら出来ない一瞬の引っ張り力はさながらブラックホール。  
唐突や突然とすら言えない忍の奇矯な行動に度肝を抜かれてしまう。  
驚き慌てながらも忍へ呼びかけていると、どことなく足元から八九寺の悲鳴が聞こえるようだ。  
返事が無いため待つこと約二十分。会話が終ったのか、にょろっと二人して影から出てくると忍は偉そうに宣言した。  
 
「こやつを影の中へ仮住まいさせることにしたぞ」  
えー?  
「なんだかわかりませんがそういう事になりました。よろしくお願いします」  
ぺこっと面倒臭そうに酷く疲れた表情でお辞儀する八九寺。  
「な、何がどうしてそうなる!」  
そりゃ八九寺と一緒に入れるのは万々歳だが突然同居人が増えるとなると僕にも準備がある。  
空から女の子が降って居候させたり、異世界の少女を住まわせたり、捨て猫のごとく拾ってきたりなんて  
みんながみんなラノベ主人公じゃないんだからできるはずもない。  
二人とも存在が存在なので生活費など現実的な問題がそうあるものでもないが僕の心理的な問題だ。  
家主としては相応の準備がほしい。  
この場合僕は家主というより家そのものなのだが。  
 
「そう言うなあるじ様よ。ここのところおしゃべりしてくれなくて儂は寂しいのじゃ。  
 これ以上ほっとかれると嫉妬の爆弾が爆発してあるじ様の悪い噂を流してしまうのも致し方あるまい」  
「そんなときめきが爆発してしまうような機能がお前にあるか!」  
「阿良々木さんはフラグ管理をしっかりやってるほうだと思ってたんですけどね」  
さらりと詳しい事を言う八九寺。  
 
一応軽く説明するとコナミが1994年に発売した「ときめきメモリアル」という恋愛ゲームでは高校生活の中で  
知り合ったヒロインと仲良くせずに放置していると、そのヒロインのステータスに爆弾マークが付いてしまい  
ほおっておくと爆弾が爆発しヒロインから悪い噂を流され全ヒロインからの好感度が下がるというシステムが搭載されている。  
そんなヒロイン達と付き合うのは大変じゃないかと思うが  
僕も一部の女子中学生や神原ファンクラブに、悪い意味で顔を知られているらしいのでよくあることなのだろう。  
 
まあそれはともかく、ゲーム攻略のためにはお目当て以外のヒロインに出会わないようにするか  
出会うヒロイン全てと仲良くなりつつ攻略したいヒロインを重点的に狙うというプレイが必要になる。  
前者はともかくとして、後者は八方美人に徹さないと誰とも仲良くなれないまま  
ベストエンディングを迎えれず終わるわけだがこれは本当に正しいのだろうか?  
ヒロイン達は誰にでもいい顔をしてる主人公を見て本当に好きだと思っていてくれるのだろうか?  
僕は思わない。男に必要なのは一人の女性を思う一途さであっていっぱいの女の子と仲良くなる事ではない。  
僕はそう主張する。  
 
「ここまで自分を省みないのは流石ですっ」  
「むしろお前様のほうがひどいのう」  
何故か責めてきた。おいおい僕は誠実さが売りの男だぜ。  
「まあよい。お前様がラノベやときメモの主人公だろうがなんだろうが、どっちでもよい。  
 こやつには話し相手として付き合ってもらおう」  
何気に略称をいいつつも強引に話しを持っていく忍。  
「八九寺は本当にいいのか?」  
僕の意思はともかく、大事なのは八九寺の意思だ。  
「ええ、もう了承しましたから。阿良々木さんこそよろしいんですか?」  
「一人も二人も一緒だろ。それに凄く楽しそうだ」  
「……ではよろしくおねがいします」  
八九寺はにこっと笑って小首をかしげる。  
「ああ、よろしく」  
 
ふと思い出した。  
「ところで忍、あれどうにかならないのか?」  
「あれとはなんじゃ?」  
「お前の超能力を使って女の子にエロいことし放題ってやつ」  
「悪い予感がしてきました……っ!」  
逃げようとする八九寺の腕をガシっと掴む。  
「は、離してください!」  
暴れる八九寺を上手いとこ抑え付け忍の返答を待った。  
「そのことじゃがな、ちょっとおまえ様から血貰えればなんとかなるやもしれん。  
 儂の能力はこやつには効きやすいぞ」  
舌を出し八重歯を光らせながら忍は笑う。悪そうな笑顔が似合うのは吸血鬼の面目躍如と言った所か。  
「あっはっは楽しみだなあ」  
「きゃーっ!ぎゃーっ!!犯されるーっ!!!」  
「あははははっ、人聞きの悪い事言うなよ」  
僕は満面の笑みでぷにぷにしたほっぺたを弄び悲鳴を遮りながら連れ帰った。  
 
叫び疲れた八九寺を忍が影に収納して自室で開放。  
普通の男子高校生である(?)僕の部屋には世にも珍しい吸血鬼の幼女と小学生が座っていた。  
何年か前には当時小学生である妹がいたわけだが、そこに吸血鬼が含まれるとなると  
珍しいを通り越して誇らしい気分すら芽生えてくるようだ。  
「そう怒るなって。冗談だよ」  
「阿良々木さんがおっしゃると冗談に聞こえません!」  
八九寺は自らを抱き締めるように腕を組んでプリプリしている。  
「八九寺ー」  
「つーん」  
ぷいっとそっぽ向いて無視をする八九寺。ツン期に入っちゃったよこいつ。  
「しょうがないな」  
忍のほうに話しかけた。  
「今日お風呂どうするんだ?」  
初めて忍が出てきた時から何度となくというほどの回数でもないが一緒にお風呂に入る事が多くなった。  
忍はお風呂が気に入ったのか僕に髪を洗わせたり体を洗わせたりと小間使いかなにかのようにこき使ってくる。  
とはいえ僕も忍の綺麗な体(文字通りの意味で)を洗うのは嫌いじゃないので洗ってやっている。  
「おお、入るぞ。儂のないすばでぃを磨く権利をやろう」  
いつも通り無駄に偉そうな忍は平たい胸を反らせる。  
 
「お風呂ですか……」  
おお食いついた。八九寺はお風呂と聞いてから居心地が悪そうだ。  
それは達観した物言いや言葉遊びをする時とは違い欲しい物がそこにあるけど  
手が届かない焦燥と憧れが同居したそんな表情をしている。  
「八九寺、ごめんな。悪い冗談言っちゃって」  
僕たちが入ってくる間ドーナツでも食べて待っててくれ。  
そう言って着替えを取り出し出ようとすると―――  
「うーうー」  
八九寺は唸りながらも僕の魂胆が当然のごとくわかったらしい。  
我ながら酷いとは思うけれど、お風呂という餌を使って機嫌を治してくれと暗に脅迫をしているのだ。  
八九寺が普段どんな生活をしているのかはわからないけど多分お風呂にはそうそう入る事はないだろう。  
それどころかもしかして路上生活を始めてから初かもしれない。  
「私をホームレスみたいに言わないでください!」  
おお、怖い怖い。だが僕も必死だ。八九寺の裸を見たり触ったり舐めたりねぶったりするのにためらいはない。  
 
「どうする八九寺?」  
唸りつつもその瞳は揺れお風呂への誘惑を断ち切れない。  
我慢しきれない。抑えきれない。  
「私も一緒にお風呂に入りたいです……」  
屈した!八九寺が僕に屈したぞ!  
「んっふっふ、そっか僕も八九寺とお風呂に入りたかったよ」  
こうも合法的に小学生とお風呂に入れるとは。  
八九寺と湯船に浸かる事ができるとは。  
洗ってやる。磨いてやる。すすいでやる。揉み洗いしてやる。ついでに乾かしてやる。  
最後はベランダに干して道行く人に見せびらかしてやる。  
 
「よし、ではお嬢様、衣服をこちらに」  
メイドか執事のように着替えを手伝ってあげよう。  
「がうっ、がうっ、がうっ!」  
伸ばした手へガチン!ガチン!ガチン!と歯を鳴らして威嚇してくる。むぅダメか。  
 
「忍さん。影の中で着替えれますか?」  
「問題ないぞ。影の中は儂の思うがままじゃからの」  
くそう、コレクションを手に入れるチャンスが……  
二人は僕の影に入ってしまったのでしょうがなくそのまま浴室へと向かった。  
 
裸で浴室に入って数秒ほど待つ。  
「絶対見ないでください!絶対ですよ!」  
八九寺と忍が影から生まれ出て、八九寺はいつものごとくネタフリをする。  
日本語のプロが言葉だけではなく身体を張ってくれるからには僕もしっかり乗らないとな。  
「フリじゃありませんっ!」  
当然シカトして八九寺の姿を僕はしっかりと鮮明に網膜というフィルムへ焼き付けようとする。  
 
「お?」  
意外すぎる光景に僕は声を洩らしてしまった。  
八九寺はトレードマークであるツーテイルを下ろしてヘアバンドを外しており  
その黒髪は背中を通り越すぐらいの長さで一言で言ってロングヘアーになっていた。  
長い黒髪はリボンで今まで縛っていたとは思えないほど、なんの癖もなく綺麗に背中全体に  
流れ広がっており普段の印象を180度反転させている。  
 
ツーテイルの髪は八九寺の快活さとか、幼さとかの子供らしい雰囲気をめいっぱい放出してたし  
実際顔立ちも佇まいも小学生!って大声で主張している感じだったろう。  
けれど少し斜めに俯いた頤から、流れる髪が湿気で身体に巻きついてる様は  
どこか色気を醸し出して、僕の想像する八九寺とイコールで繋がらない。  
そのうえ僕に見られるのを意識しているためか右腕で両胸を隠し  
反対の手で右足親指と左足親指のあいだの中心、ありていに言って股間の大事な部分を  
僕に見えないように覆って赤い顔を恥じ入るよう俯いている。  
 
小学生とは言えその恥じ入りようと言ったらまるで初夜を迎えようとする新妻が  
夫の前で今から行われる行為の恥ずかしさと肉と肉の絡みつきに期待するのを隠し切れないようだ。  
八九寺は鉛だって突き破りそうな僕の強い視線を浴びて、身体を隠す両腕が震えている。  
「……み、みないでください…………」  
八九寺を見詰めて万感の思いを込めて囁いた。  
「大丈夫、痛くしないから」  
何かが間違っているとか、タイミングがおかしくないかという心の囁きを完璧に押し込め  
蓋をして燃えないゴミに放り捨てて八九寺の身体を抱き締めようとする。  
 
しようとした所で湯をぶっかけられた。  
「熱っっっ!」  
「おまえ様よ、儂をほっとくのはよくないのう」  
洗面器を持った忍が不機嫌そうに呟く。  
いつものように堂々とつるぺたの身体を隠したりはしない。  
白魚のような(見たこと無いんだけど)白い肌にわずかに色づいた可愛い乳首が目に入って  
すじとしか言いようが無いあそこを堂々と晒していた。  
「儂のないすばでぃを褒めるのを許そうぞ」  
幼児体型というには可憐すぎる手足のバランスと薄い肉付きにまとまったスタイルが美しい。  
けれど忍の裸は見慣れているしやっぱり色々と起伏に乏しすぎる。  
もちろん見たいか見たくないかって言うと綺麗だから見ていたい。  
成長性もAの超スゴイなのはわかっている。  
けれど今だけは新鮮な八九寺の髪型と恥じらいが気になってしまっただけだ。  
そもそも小学生と幼女の裸、どちらがいいだなんで論ずるに値しないだろう。  
ぱっつんぱっつんのメリハリボディの前では両方とも無価値なのだ。  
 
「あれだけガン見しておいて失礼極まりないですっ」  
「つくづく最低なあるじ様じゃのう」  
あれ?声に出てた?  
 
「ふぅ……」  
「はぁ〜〜〜〜」  
「ほぅ……」  
三者三様それぞれ息をつく。  
ちなみに湯船の面積上、胡坐をかく僕の膝の上に忍が座り  
向かいに八九寺が座って僕らが6八九寺が4程度占領している。  
逆でもよかったんだが先に八九寺が反対に座ってしまった。  
「はぁ〜〜〜〜エクトプラズムが出そうです」  
口を開いてぽわぁーとしてて本当に吐き出しそうなほど幸せそうだ。  
「正直言いまして迷ってる間はお風呂は入れませんでしたから久しぶりなんてものじゃないです」  
推定十年ぶりくらいだろうから長いな。  
 
「儂は四百年入っておらんかったぞ」  
無意味に胸を張る忍。そこまで永いと自慢にもなるのかな。  
「……流石忍さんはスケールが大きいですね。汚れたりしないんですか?」  
「吸血鬼という存在はじゃな、自らがそう在るとイメージする事でずっと綺麗なままじゃ。  
 小娘よ、お主も似たようなものじゃろう?」  
「そうなのか、八九寺?」  
「そう……ですね。忍さんのようにはいきませんが仰るとおりです。  
 私も汚れたりしません。正確に言えば汚れても気づいたら綺麗になってしまいます」  
それは初耳だ。当然といえば当然なのだが迷い続けていれば雨なり風なり汚れてしまうのは避けられない。  
そういう現象ぐらいあってしかるべきなのだろう。  
「もう少し付け加えますと、綺麗になるというか元に戻るというのが正しいと思います」  
 
……そんな風にちょっとだけ寂しそうに息をついた。  
ああ、そういう意味なのか。汚れなくなる。汚れが落ちる。ではなく汚れる前に戻る。  
時間が巻き戻る。戻される。それは文字通り時の流れに置いて行かれた迷い子だ。  
 
―――しかしそれは僕にも他人事では済まないかもしれない。  
 
前に忍の言った予想、いや確信が本当に正しいのならば僕は人の寿命を超えて生きてしまう。  
言うとおり恋人も、友達も、後輩も、妹も全てに逝かれてしまったら  
最後に残るのは僕と忍だけなのか。  
そんな先の事は想像できないしあまりしたいとは思わない。  
物語としてはありきたりかもしれないが、自分がそうなると考えると気が狂いそうになる。  
けれど、もしそうなってしまった時、八九寺がいてくれたらどれだけ僕の心を支えてくれるだろうか。  
 
「そんなベイビーな展開が阿良々木さんにあったんですねぇ」  
「ロリを通り越しすぎて流石の儂もドン引きじゃ」  
「回想につっこみいれるな!ベイビーじゃなくてヘビーだよ!  
 自分で重くしたんだから責任取ってそこはシリアスにいけよ!  
 あとペドフィリアの気もないから人聞きの悪い事いうな!」  
「わかっています。ペドじゃなくてロリコンですもんね」  
「あるじ様が幼い体を所望ならば儂が一肌脱ぐしかなかろう」  
「お前らはどうしても僕をロリコンにしたいらしいな……」  
全く小学生・幼女とお風呂に入ったぐらいでロリコン扱いされるのは困るな。  
疑惑をはらすためにも、八九寺の身体を洗ってあげて何もしない事を証明してあげよう。  
 
ギシッ!  
 
と、思ったけれど睨み殺されそうだったので断腸の思いで断念せざるをえなかった。  
 
何はともあれ八九寺が影に仮住まいして数日。  
周期というほどは決まってはいない忍へ血を飲ませる日がきた。  
忍の食事である吸血は普段なら、誰にも見せないし見せられない所だが  
今日に限っては八九寺がおまけでついている。  
「あのう、私は席を外したほうがいいんじゃないですか?」  
ベッドに座る僕に抱きついている忍の小さな肢体から、ふわりといい香りがする。  
「末永い付き合いになるやもしれんしのう。いちいち面倒じゃ」  
本気か冗談かもわからない、気のない様子で答えた。  
 
「といいますか、阿良々木さんがおっしゃっていたエロい事  
 し放題というのが怖いので私が失礼したいんですが」  
「冗談だったのにそんなに八九寺から警戒されると落ち込みたくなるよ」  
「日頃の行いの悪さが好感度を下げるんですっ!」  
「そっか。じゃあステータス上げて挽回しなきゃ」  
八九寺の好感度上昇に必要なのは……雑学だろうか、国語だろうか。  
「実の所、ノベル選択肢形式のゲームのほうが私は好きですけどね」  
「まあ、シミュレーション部分が面倒な人もいるな」  
「いえ台詞スキップして重要シーンにいけるじゃないですか」  
「台無しだよ!」  
お前やっていい事と悪い事があるんだぞ。特に僕達の台詞スキップしちゃったら  
文章量が半分以下になってしまう。  
もしシナリオライターや作家が生霊になって出てきても助けてやんねえ。  
しかし重要シーンというのは大人じゃないとできないアレなシーンなのだろうか?  
 
「わしをほおっておくではない。いい加減腹が減った」  
少しだけむくれたかのような忍。  
「……ごめん。頼む。吸ってくれ」  
忍に血を吸ってもらうのは僕の義務でも忍の強制でもなく、僕自身のわがままだ。  
忍が八九寺の存在を許したとはいえ、ふざけてる場合ではなかった。  
「…………」  
つぷっと忍の牙が首筋に埋まり僕と忍にしか感じる事のできない  
血液が流れゆくリズムが伝わってくる。  
わずかな喪失感と、でもそれ以上の陶酔感が首筋からじんわりと広がってなんだか溜息が出た。  
「……はぁっ」  
 
一分ほどだろうか。  
血と汗の匂いが鼻腔に広がり  
それ以上に濃密で、ねっとりと息が詰まるかのような  
でも不快ではないどこか淫靡な空気が漂っているのを感じる。  
忍は一気に吸い続けるでもなく、少しずつ味わっていたようだが突然含み笑いを漏らす。  
「あるじ様よ、自分がどんな顔をしておるかわかるか?」  
吸血中に自分がどんな顔をしてるかだなんて  
考えた事もないし、見ようだなんて思った事もないのだが、変な顔してるのだろうか。  
「小娘よ、説明してやれ」  
突然八九寺に話を振ると忍は首筋、というか牙の傷跡をれろんと音がしそうなほど舐めた。  
 
「……っ!」  
傷口が敏感すぎて忍に縋り付くよう抱き締めてしまう。  
この感覚はくすぐったいという皮膚情報を10倍ぐらいに濃く煮詰めたかのような  
はっきり言えば快感と言う奴だ。  
「あ、阿良々木さんはとてもだらしない顔をしています……」  
八九寺からいやらしいと称された事は数え切れないほどあるけれど  
だらしない顔と言われた事は無い。  
言う八九寺も何故か顔を紅潮させて僕達を見ながら落ち着かない様子だ。  
「味が変わってきておるのう」  
な、なんだこれ?  
吸血が気持ちいいと思った事はあるけれど  
それを八九寺に見られるのがとんでもないほど恥ずかしくてしょうがない!  
 
「うあっ…………」  
まるで誰かに見られながら性行為を続けているかのような羞恥。  
忍を引き離せばいいのだろうが身体が拒否できず  
吸い付いた唇と舐め取る舌の動きを止めれないし止めたくない。  
なにかおかしい。絶対におかしい。  
「お前何かしたのかっ……?」  
「したとも!」  
なんでそこで元気いっぱいなんだよ。  
大体僕じゃなくて、そこは八九寺に細工しておくとこだろう。  
「もうしておる。小娘こちらへこい」  
 
八九寺はふらりと立ち上がると僕のほうへ歩いてくる。  
「……いたいけな小学生を手篭めにしようとするんですねっ」  
口では嫌がっているようで、けれど瞳が爛々と輝いて僕を見つめていた。  
「座るがよい」  
忍は抱きついていた体勢から立ち上がり、僕の右膝を指差した。  
そのまま忍は僕の左膝に、八九寺は右膝にそれぞれ跨る。  
「「……ふぁっ!」」  
と、同時に二人の甲高い  
口から思わず出てしまったという感じの悲鳴が  
僕の両耳に突き刺さった。  
 
どうしたなんで聞くまでもない。  
短パンを履いて剥き出しになった僕の脚に下着越しの  
もの凄く柔らかい感覚と、ぬるりとした熱い熱が伝わってきて  
なんでこんなに出来上がってるのがわからないぐらい  
忍と八九寺のあそこは濡れそぼっていた。   
「あるじ様が感じやすすぎるからの。儂は同調して小娘は淫気にあてられておる」  
疑問に答えたかのよう呟く忍。僕のフェロモンでメロメロってことか。  
「うう、阿良々木さんにくっつきたくてしょうがありませんっ」  
いつも触っているけど、こんなことやっちゃっていいのかなあ……  
だなんて少しだけ罪悪感を感じていると首筋に電撃のような快楽が走る。  
   
「ここまでお膳立てさせておいて通じぬ。覚悟を決めよ」  
忍は首筋に顔を埋めながら、尖った耳を朱に染めて  
「あ、阿良々木さぁン…………」  
八九寺は甘えた声で脚に自身を擦り付けて  
二人は僕を求めていた。  
っていうか僕もわりとできあがっていた。  
がしっと小さな体躯を両腕で抱き締める。  
「……っ!」「あぅっ!」  
 
小さくて暖かくて、とっても柔らかくいい匂いがする少女の身体。  
二人の吐息が両耳に二重奏となって  
唱和するとなんかもー色々抑えきれない。  
迷いなく両手を背中からお尻の下にある潤んだ所へ差し入れた!  
「ぅンっ!……っいきなり、じゃな」  
「やぁっ、んあぁっ……」  
二人の下着の中へ手を入れて直接あそこへ触れると溶けてしまいそうなほど柔らかくて  
小さなすじに指を這わせるとますます熱く濡れそぼっていく。  
僕は興奮と喜びでぐちゃぐちゃに激しく指をかき混ぜると快楽で力が抜けたのか  
抱きつくというより肩にもたれかかってくると、二人の甘い声と熱い体温がさらに僕を加速させていく。  
「んあぁっ!は、はげし、すぎるぞっ、んぅっ……」  
「あららぎさんの指が……っ!」  
産毛すらも生えていないのがわかる幼い性器へ  
つぷっと中指を進入させると、マシュマロよりも優しい抵抗が返ってきて  
忍は貪欲にも腰を動かし、中で僕の指を味わうように咥え  
八九寺は激感に耐えられないのか腰を浮かし、逃げようとするのを  
僕は平等に第二間接まで差し込んであげた。  
 
「ひゃぅっっ……!」  
「んあぁっっっ!」  
甲高い悲鳴を上げた忍は、僕の首筋でうな垂れ息を荒げる。  
八九寺は頭を仰け反らせて涙を零し悦んでいた。  
ちっちゃな二人のあそこは指一本でいっぱいになりそうなのに  
弄れば弄るほど絡み付いて、指の大きさに馴染んでいくようだ。  
これなら指二本分入るかもしれない。  
「うおっ!」  
人差し指も使おうとした所で忍がまた首筋へ口付けしてきた。  
「んちゅ、ひゃるじ様びゃかり、たのひむでないじょ、ぴちゅっ」  
喋りながら舐めるな!  
そう言いたいけれど、うう、忍の息遣いと唇が気持ちよすぎてうまくしゃべれない。  
「…………私もしますっ!」  
忍を羨ましく思ったのか、八九寺のほうもはむっと首に甘噛みしてきた。  
「んあっ……あむあむっ、ちゅぶぶっ」  
……こ、これはこれで気持ちがいい…………  
吸血のような強烈な快感でないけれど、ぺろぺろと舐めたり吸われたり  
くすぐったさ混じりの優しい愛撫をしてくれている。  
 
感謝の気持ちを込めて二人の膣内を指で円を描くようしてあげると  
吸いながらもピクンピクンと震えて感じてくれてるのが嬉しい。  
「阿良々木さんをもっと感じさせたいです……」  
顔を埋めたまま呟く八九寺。こんならしくない、いじらしさも新鮮だ。  
「じゃあキスしてくれ。八九寺のほうからさ」  
「ふぁ、ふぁーすときっすですねっ……」  
ちょっとどもりながらもおずおずと顔を上げると唇と唇がちょんとくっついた。  
ぷっくりと柔らかな唇が触れるとじわっーと幸せな気分が伝わってくるよう。  
「ちゅっ、んっ…………えへへ、阿良々木さんとキスしちゃいました」  
真っ赤な顔で舌を出して笑う八九寺。  
やっべー、こいつ可愛い。  
今度は僕のほうからちゅっとキスをする。  
「んっ、ふっ……ぺちゃ、ちゅっ……ふぁ…………」  
唇から漏れた吐息がどことなく甘くて、時間を忘れるぐらい気持ちがいい。  
やっぱり僕は八九寺が大好きなんだろうなー  
キスをしながら、自分の好感度を確かめていると  
「儂にもしておくれ……」  
忍が目を瞑りながら僕を見上げ口付けをせがんできた。  
普段は騒がしいからあんまり意識しないし、ちょっと駄目なほうの  
吸血鬼キャラになってるけれど、やっぱり忍が空前の美少女なんだってのがよくわかる。  
静謐さと従順さを交えた、僕という男を待ち望む表情は  
当然だけど、子供らしくない色気を醸し出して酷く美しい。  
 
「くちゅっ……ちゅっ、はぁ……はぁ……はぁ…………」  
八九寺から唇を離すと、どれだけ息を止めてたのか荒い呼吸を繰り返す。  
「また後でな」  
頭でも撫でてやりたいけれど、右手は八九寺のあそこに触れたままなので  
代わりにお尻を撫でてやる。  
「ひゃうぅっ!」  
おー感じやすい。  
僕は撫でる手を止めないまま忍にキスをした。  
「んっ、ちゅっ、ちゅちゅっ……れろ、んおっ、ぴちゃっ!」  
小さな唇へ柔らかく触れると、いきなり舌を入れられ吸い付かれる。  
鉄臭い血の味がして、激しい舌の愛撫に僕も夢中になって舌を交えた。  
舌の先端を唇で啄ばみ、ちゅっと吸い上げ味わう。  
逆に口内へと舌を進入させると、別の生き物みたく舌が纏わりついて凄く気持ちがいい。  
「ちゅっ、はっ……んちゅっ、あるじ様も……がまんできぬであろう……?」  
そんな言葉と共に快感が走る。  
忍がキスを続けながら、左手を短パンに入れてとっくに準備ができているアレへ触れたのだ。  
「ぐっ……う…………」  
僕の手の半分ほどしかないちっちゃな手が、ゆっくりと撫でながらモノを露出させた。  
気持ちよさにうめくが忍の舌に声ごと絡み取られる。  
 
「ん、ふっふっ、一緒にあるじ様をよくしてやろうぞ」  
お尻を撫でられ感じている八九寺に声をかける忍。  
ちょっとまて、忍一人でも凄いのに二人同時はまずい。  
忍は手コキを中断すると、八九寺の右手をとって僕のモノに宛がう。  
「これが阿良々木さんのおちんちん…………か、かたくて、あつくて、おおきいですっ」  
そう言われると嬉しいのだけれど、一気にこみ上げてくるものが。  
「あるじ様……出してもいいぞ…………」  
「阿良々木さん……気持ちいいですか……?」  
二人が左右からしゅっしゅっと扱きながら囁きかけてくる。  
そのまま申し合わせたかのように、同時にキスされた。  
「「ちゅっ」」  
 
額と頬がくっつくほどの密着感。  
女の子二人分のフェロモンを鼻腔に吸い込むと  
僕の意思、というか本能に従うまま舌を突き出してしまい二人とべろちゅー。  
「んっあっ、くちゅりっ……ぴちゃ、んっちゅっ……じゅじゅっ」  
「ふぁ……ちゅっ、ぺちゃ、ふぅっん、んっんっ……」  
うあー ダメだこれ。脳まで溶かされそうなほど気持ちがよくてダメになりそう。  
食べてしまいたいぐらい柔らかくて気持ちがいい二人の舌の  
どっちかを突っつくと反対からくすぐられて吸われちゃう。  
熱っぽく、それでいて情感と快楽を含んだ吐息はどうしようもないほど僕を興奮させる。  
だというのに  
「こっちもじゃ…………」  
「こうでしょうか……?」  
キスを続けながら、ちっちゃな両の手が僕のアレを扱き始めたのだ。  
巧みに指圧する力を変え、尿道付近の弱い所を刺激する忍。  
反対側から、たどたどしくも幹を擦る八九寺。  
「ちゅっ、ぺろっ……んっ、ふぁっ……」  
「れおっ……んおっ、はあっ……ちゅちゅっ……」  
喘ぎと快楽が舌を伝導体にして、脳をぐるんぐるんと犯し  
小さい手が押しては返さず、また押してくるように僕を責め上げてきて――  
―――もうダメになってもいいよね。  
 
「うああ、ああぁぁっ!」  
搾り取られるような快感は自慰ではとても味わえない威力で  
僕は忍と八九寺をぎゅっと抱きしめながら  
ダブルべろちゅーと手コキによって吠えながら射精してしまった。  
「んっふっ、ふふふっ…………」  
「きゃうっ!す、すごいですっ!」  
激しい奔流。重く疼く腰から砲弾でも飛び出しそう。  
びゅくんびゅくんと放出するたびに亀頭に被せられた忍の手を  
汚しているのがわかる。  
けれども射精は止まらないし、止めたくない。  
もっともっと出したい。射精したい。  
それをわかっているのか忍はしっかりと手で受け止めて  
八九寺は跳ね回るモノを握りながらも扱いて射精を最後まで手助けしてくれた。  
「くはぁっ…………」  
十秒はかかっていないぐらいの射精。  
けれどそれだけの時間、精液を出し続けれるわけがないし、そんな経験はない。  
変な薬でも飲んだかのような射精量は八歳相応の忍の掌中に  
収まるわけもなく僕自身と八九寺の手までを白く染めやっと終わった。  
 
「元気なあるじ様じゃのう……どれ、んっ、ぺろ……ちゅるる、ずちゅっ!」  
手の上にある自分自身不思議なほどの量と濃さをもった精液を舐めて  
ゼリーみたいに固まっているのを舌で崩し啜っては味わっている。  
子猫がミルクを舐めているような仕草があまりにもいやらしくて  
出したばかりなのに少しだけ股間に血が集まるのを感じた。  
「美味しそうですね」  
八九寺も手についたものをペロリと舐めてもごもごと味わうと、にっと笑った。  
「苦くて変な匂いですがわりと平気です。きっと阿良々木さんのだからですね」  
「八九寺はほんと可愛いな!」  
頭を撫で回しちゃう。  
「ふんっおすそ分けじゃ」  
忍はそう言うと手の塊を口に含んで八九寺へ突然キスしちゃった!?  
「んぐっ!?……んぅー!」  
忍の口元から白濁したものが垂れ、八九寺の口元がぷくりと膨れて  
精液が八九寺の口内へと入っていくのがわかった。  
「んっ!ちゅっ、んー!んんっ…………」  
くぐもった悲鳴がだんだんと小さく、おとなしくなっていて  
忍から送られた僕のをこくんこくんと飲まされている。  
むぅ……実の所、女の子同士のキスを見たのは初めてじゃないが  
精々妹らが小学生ぐらいまでやっていた軽いキスだ。  
このキスはディープもディープな一方的に八九寺を貪り尽くすような激しさで  
見てるだけで先ほど射精したというのにアレが堅くなっていた。  
 
「もう一回いいか?」  
「ぷはぁっ!そうじゃなあ。次は胸でやってやろう」  
えー胸って。  
八九寺は確かに小学生にしてはわりと立派なほうだけど(2,3年前の月火ちゃんと比べて)  
忍はあるとかないとかそういう問題ですらないじゃん。  
「はぁはぁはぁっ、忍さん酷いです………………ひゃっ」  
忍は涙目の八九寺を僕の膝から降ろすとワンピースをがばっと脱いでから  
ブラウスの胸元を開かせ抱きついた。  
なるほど。  
平坦な忍の胸とわりと膨らんでいる八九寺の胸とがぴったり密着すると確かに挟めそうではある。  
「っ……あっ、はぁっ…………」  
小指の爪よりもちっちゃく堅くなった忍の乳首が  
八九寺の胸をつんつんと刺激するのもなかなかにエロい。  
「くるがよい。あるじ様のいつも読んでいるエロ本  
 ”巨乳委員長体育倉庫でパイズリ10連発”にも負けぬぞ」  
「なんで知ってるんだよ!」  
忍が寝てる時にしか読んでないのに。  
「あるじ様が時折このような妄想にふけるのを見て見ぬふりをする情けが儂にも存在した」  
「最後まで貫き通してから言え!」  
「やっぱり羽川さんで妄想してるんですか?」  
「違う。偶然だ」  
もう黙らせてやる。  
立ち上がって二人の背中をかき抱き胸の間に挿入した。  
精液がついたままのモノが滑らかすぎる肌に触れると三者三様声が漏れる。  
 
忍と八九寺は性感帯の乳房を堅い僕のモノで擦られ喘ぎ  
僕はしこった四つの突起が幹をなぞる刺激に呻いた。  
「はぁっ、よいぞ。んっ……もっとじゃ」  
ぬちゃぬちゃと音をたてて腰を振ると、押し付けられた小さな胸が纏わり付いて気持ちいい。  
「うぁ、あららぎさん……ひぅ、気持ち、いいですっ」  
感じやすくて、俯いた八九寺が可愛らしく乳首を重点的に攻めてやる。  
「こう……んぅ、するのもどうじゃ?」  
「凄い気持ちいい……」  
二人がより強く抱き締めあうと挟まれた僕自身もぎゅっと抱かれ  
体を揺らすとサンドイッチされたモノを擦りながら  
しこった乳首で敏感なとこをくにくにつっついてくる。  
見下ろすと忍は挑発的な視線で見上げてきて  
八九寺は戸惑いながらも擦れ合わせる快感で顔を火照らせていた。  
「……儂も段々、あはぁ……あるじ様の逸物で……よくなってきたぞ」  
薄い脂肪がドロドロの精液に纏わり付いてぐちゃぐちゃと音を立て  
「はぁっ……私のおっぱい、んぅ……気持ちいいですかぁ…………」  
お前はどうなんだって言いたいぐらいの蕩けた笑顔はより僕を興奮させる。  
やばい。ぺったんこの胸にハマりそう。  
僕の胸板の半分もないような、ちっちゃくて華奢な厚みなのに  
二人に挟まれると、十八年間生きて触れてきたどんな物よりも柔らかくてただ気持ちがいい。  
たまに当る肋骨の感触すら快感だ。  
 
「ふふっ、濡れが足りんようじゃ。んっじゅ……ぐちゅ、もごっ、んべー」  
「うわわっ!」  
口をもごもごさせてとろっと唾液を垂らすと、摩擦で熱くなってる上から  
さらに熱い液体でモノが塗されていく。  
「ぐっちゅ、こうですねっ、んおっ、んっ……じゅじゅっ……」  
真似して八九寺も注ぐと唾液と体臭が交じり合って甘く薫りたつよう。  
興奮のまま腰の速度を速めると、唾液が潤滑油となってぐっちょんぐっちょん水音を響かせ  
僕だけじゃなく二人も凄く気持ちよさそうだ。  
堅くとがった乳首をモノに押し付けるよう抱き締めて腰を馬鹿みたいに振り続ける。  
「ひゃうっ!ふぁ……ぐちゃぐちゃの胸がよいぞ……!」  
「おっぱいが……んぅ!はぁはぁっ……きもち、いいですっ!」  
涎を垂らしたまま嬌声を上げる二人を喜ばせ僕が気持ちよくなるため動きを速めていく。  
八九寺と忍はだらしなくさらけ出した舌を絡ませ合いながらも  
より熱く多く涎を垂らし続けて幼い乳房の快楽に酔っていた。  
「「ぐちゅっ、んちゅっ、ちゅっちゅっ……」」  
僕も艶かしいピンクの舌が混じり合い溶け合う光景で高まっていくのが止められない。  
ずじゅっ!ぐちゃぐちゃ!じゅぼっ!ぐちゅぐちゅぐちゅ!  
そんな風に恥ずかしくなるほどのいやらしい音をたてて起伏の乏しい双乳を使い扱き続ける。  
二人とも動きに耐え切れないのか、お互いにすがりついてなすがままだ。  
こちらもビクン、ビクンと崩れそうになる腰が震えて限界が近い。  
「だ、だすからな!」  
 
忍と八九寺がぺったり抱き合う窮屈な空間へと迸る液を叩き付ける。  
「ひゃふっ、んくっ……あるじ様っ……儂の胸で全部だすのじゃ!」  
「あぅっ、ふひゃっ!あぅぅっ!ヌルヌルがいっぱいですっ!」  
あまりの快感で頭の中は真っ白のまま。  
喘ぐ二人の声を聞きながら全てを出し切ってしまう。  
呆けた頭が覚めた時には、二度目だと言うのに大量の精液を  
二人の胸元へぶちまけ、どう跳ねたものか顔にまで白濁したものがくっついていた。  
むせ返る臭気とまるでぶっかけAVのような光景。  
二つ違うのは、かけたのは僕一人だけなのとかけられたのは小学生にしか見えない二人。  
女の子の身体を排泄したモノで汚すという行為は、動物が自分の縄張りだとマーキングするようで  
背徳感とそれを圧倒的に上回る陶酔感に駆られ二人にお願いする。  
「舐めて綺麗にしてくれ」  
 

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